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The Cave Of The Death

最終更新:2019年10月13日 17:05

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The Cave Of The Death


心を虚ろに帰した少女は、それを感じる。
殺意を。吹き付ける殺戮への意志を。
その意志の源は、分からない。そこまでは、空っぽの心の彼女には、判断できかねていた。
けれども、そいつは近い。近くにいる。
守らねば。自らが守ると決めた、黒髪の少女を。
紫の瞳の奥、コレット・ブルーネルはほとんど本能的に、彼女の守るべき存在に寄り添っていた。
寄り添う相手は、黒髪の少女リアラ。
リアラはコレットの様子を見て、「あらあら」と小声でこぼしながら、微かに笑う。
傍目には、仲のいい同性の友人同士として、この光景は映っていただろう。
だが、リアラに寄り添うコレットは、そんな目的でリアラに寄り添っているわけではない。
バルバトスの亡骸より手にした、長大な金属の筒。それを握る腕の中では、天使化に伴い強化された筋肉が臨戦態勢。
この近くに、敵がいる。濃密な殺意の臭いを感じる。守るべき対象、リアラの近くに渦巻く、殺意の臭いを。
敵がどこから来ようと、迎撃できるよう。敵の不意を討たれないよう。リアラにはしかと寄り添わねば。
たとえ心が虚ろであろうと、コレットはリアラを失うまいと、いじらしささえ感じるほどの献身を捧げる。
そして、その献身は無駄ではなかった。否。その献身あってこその、リアラの命であった。
だが、それを知る者はこの場にはただ1人。
コレットをして警戒せしめるほどの殺意をばら撒く少年、ミトス・ユグドラシル。
彼のみが、その事実を知っていたのだ。

――――――

「ここから先、しばらく下り坂が続きますから、足を取られないように注意して下さい」
ミント・アドネードはそういいながら、手元のランタンの光を足元に投げかける。
結露か、はたまた地下水の出水か。鍾乳洞の岩肌は、しっとりと濡れてランタンの光を返す。
先頭を行くは、この洞窟の土地勘を持つミント。遅れて、リアラと彼女にぴったり寄り添うコレット。
そして最後尾は、ミトス。
ミトスは傍目には、妙に落ち着かなげに見える。何やら周囲を見渡し、その首はあっちに来たりこっちに来たり。
それはコレットも同じこと。常に周囲を見渡し、何かを探しているように見える。
ミトスは、隙を探るために。
コレットは、先ほどから感じる殺気のもとを探るために。
二者の行動は酷似していても、その理由は完全に違えていた。
ミントとリアラの知らぬうちに、2人は水面下での牽制合戦を繰り広げていたのだ。
(…くそ。あの器、やたらと勘がいい!)
ミトスは心中でのみ舌打ちして、十数回目の機会を失ったことに苛立つ。
コレットは本能か、はたまた野生の勘か、ミトスがリアラ達を狙う隙を全て潰してくれる。
まるで、ミトスの悪意を全て見抜き、それを見張っているかのように。
コレットはバルバトスの遺品である榴弾砲をリアラの近くで掲げ、その長大な砲身でミトスが切りかかれない死角を作る。
無論、こんな狭苦しいところでは、コレットの身の丈を越えるような長大な得物の効果は半減するが、なんら問題はない。
要は、この榴弾砲により、ミトスの切りかかれる死角さえ潰せばいよいのだから。
更にはコレットはあちこちをきょろきょろと見回しながら、ミトスの行動を牽制にかかっていたのは前述の通り。
実際、腰に差したアトワイトや邪剣ファフニールに手を伸ばそうとした瞬間など、コレットは百発百中でミトスの方を向く。
ミトスの抜刀の速度は疾風迅雷と形容するに、何ら不足はない。だが、その速度を以ってしても、この守りは破れない。
リアラ達との間合いを詰めれば、その分コレットは短時間でミトスに応戦する。
リアラ達との間合いを離せば、コレットが迎撃するに十分な時間を与えてしまう。

どの間合いからでも、一太刀目は防がれる。そしてその次以降の攻撃は、全力で応戦を始めるコレットに防がれるだろう。
クラトス直伝の剣技「閃空裂破」や「剛・魔神剣」あたりで、榴弾砲を破壊し、その勢いのまま2人を殺すことも考えた。
しかし、剣技を放つには、一瞬とは言え闘気の溜めが必要になる。そしてその一瞬があれば、コレットには十分。
現在「スペルチャージ」で準備しているあれを撃つのも却下である。コレットはリアラと密着に等しい状態。
こんな状態で魔術を撃てば、よほど慎重にマナをコントロールしなければ、器ごと邪魔者を殺してしまいかねない。
そして慎重なマナのコントロールには、やはり時間が要る。コレットの応戦を引き起こすには十二分の時間が。
結果として、ミトスには打つ手はない。何らかの方法でコレットを引き離すか、一瞬だけ隙を作ってもらうか。
それだけでいい。
それだけで少なくともリアラは…現在コレットが親(マスター)として「刷り込み」を受けている対象を殺せば。
コレットの支配権はミトスの物となる。あとはまともに肉弾戦も出来ない、法術師なる女1人、殺すなど造作もない。
だが、その一瞬の隙さえも、巡ってこない。ミトスはひたすらに苛立った。
(こうなったならもう…)
切り札を切ってしまうか。ミトスがそうとさえ考えたその時。
(!!!)
ミトスは、目を見開いて立ち止まった。突然背中を鋼の槍にでも貫かれたかのように、びくんと背筋が伸びる。
「? …ミトス…さん…?」
突然歩みを止め、目を瞠るミトスに、一同もまた足を止め、振り返る。心なしか、特にコレットの眼光は鋭く向いている。
「どうかしたのかしら、ミトス君?」
リアラはきょとんとした様子でミトスに言う。ミトスのこめかみに、一筋の汗が伝う。
(まずいな…)
ミトスはとある「発見」を目にし、思わず足を止めてしまった。注目を浴びている。まずい。
だが、ここでまた妙な動きをすれば、ますます一同の警戒を呼びかねない。ならば、この言い訳で切り抜けるか。
ミトスは動揺を隠し、少しばかり上目遣いになりながら、ミントとリアラに言った。
「…ええと…あの…その……ちょっと、トイレに行きたいんです…」
自分で言っておきながら、猿芝居もはなはだしい。無機生命体化したこの体は、とうに排泄の必要性など失っているというのに。
だが、ここにいるのは女2人。一旦2人から怪しまれずに離れるなら、この言い訳はちょうどいい。

「…そ…そうなんですか…」
ミントは苦笑する。リアラもまた、所在なさげに視線をあちこちにさまよわせている。
「あ、その…先に行ってて下さい! 用を足し終えたら、すぐに行きますから!」
「でも、ここで離れたら…」
その場を離れようとするミトスを、思わずリアラは制止。
「大丈夫です。この洞窟は横に小さな道がいくつかありますが、私達が今通っているこの本道は、原則一本道です。
横道に反れなければ、多分迷ったりはしませんよ」
それは、ミントの助言により撤回される。
「それに、ボクはハーフエルフです。少しぐらい皆さんから離れても、皆さんの掲げる灯は見えますから。
それを辿ってまた合流します」
そしてここでも、ハーフエルフの瞳は役に立つ。
ミトスはエクスフィアによる感覚強化抜きでも、なお暗闇に強い自身の目をアピールした。
今は実用のためではなく、アピールだけでいい。引き止めるリアラは、これで説得できる。
そして、ミトスは無事にその説得に成功を収めた。
「では、私達はこの洞窟の最深部に向かいます。後から来てくださいね、ミトス君」
ミントはホーリィスタッフを片手に、こくりとうなずいた。振り返る時、金色の髪がランタンの灯に揺れる。
リアラは若干不安がりながらも、ミントに倣った。コレットもまた同じく。
ぴちゃぴちゃという、湿っぽい足音を立てながら、洞窟の奥に向かう3人。
ランタンの光が揺れ、洞窟の奥に橙の輝きは呑まれる。足音も徐々に、遠ざかっていく。
やがて、人間の目ではランタンの光が見えなくなるであろうくらいまで、3人は遠ざかる。
ミトスはそこで、初めて顔を歪めた。冷徹な狂気に満ちた、クルシスの支配者としての、残忍な笑みを顔に浮かべ。
(ミトス…なぜいきなり彼女らと…?)
(離れたのかって?)
ミトスは念のため、輝石越しに話を行う。自らの腰に差した小ぶりの曲刀、ソーディアン・アトワイトと。
(簡単なことさ。これからあの劣悪種の女2人を殺すための、仕込みを行うんだ)

答えになっていない答え。アトワイトははぐらかすような物言いをするミトスに、若干ながら苛立ちを覚える。
その「仕込み」として、何をするつもりなのか。それを聞きたくてミトスにそう問うたのに。
最も、ミトスの計画を看破したところで、アトワイトには何も出来はしないのだが。
精々が、自身の発言でミトスを困惑させる程度。
そして、情報戦や心理戦ならば、イクティノスやクレメンテと言った面子の方が、よほど適任であっただろう。
アトワイトは、今や剣と化した己の身を、このときばかりは呪った。
剣に手足が付いていない事など、子供でも分かる周知の事実。ミトスに一切物理的な妨害を試みることは出来ないのだ。
(ときにアトワイト、お前は『犬の洞窟』っていう話を知ってるかな?)
そんなアトワイトの気持ちを知ってか知らずか、ミトスは突然そう切り出した。謎めいた発言に、アトワイトは困惑を隠せない。
(…『犬の洞窟』?)
(そう。ボクがクラトスから博物学を学んでいた頃、少しだけ聞かせてもらった話さ。
世界には、こんな変わった洞窟もあるんだってね。
『犬の洞窟』は、別に人間ならば入ったってどうということはない。ただの洞窟さ。
けれどもそこに犬が入り込むと、犬はたちまちひっくり返って泡を吹く。そのまま犬は痙攣を始めて…
そして、最終的には死んでしまう。何故だか、分かるかい?)
ミトスはアトワイトに問いながら、「スペルチャージ」で体内に構築した術式を、更にアレンジ。
呪文詠唱の声を聞かれれば、それに伴うマナの擾乱をコレットに知られれば、コレットはすぐさまミトスに切りかかる。
だからこそ、「スペルチャージ」まで使って、先ほどから必死でこの術を構築し続けたのだ。
時間はかかったが、術式は完成している。後はそれを、多少いじるだけ。
(いえ…どうして?)
(その答えは、『死の空気』にある)
「スペルチャージ」で準備した呪文は、魔術「イラプション」。
今回施したアレンジは、溶岩の噴出エネルギーも全て、熱エネルギーに変換して放てるような術式の改変。
これを発動させれば、ただ地面に溶岩の池が出来るだけになるだろう。地面の噴火は、起こらない。

(『犬の洞窟』の中は、下層部だけが『死の空気』で満ちていたんだ。
ちょうど地面から犬の口のある高さ辺りまで、『死の空気』がね。
『死の空気』って言うのは、錬金術で言うところの、フロギストンを失った空気。それくらいアトワイトも知っているだろう?)
術式改変をもう一段階。
更に、今回の「イラプション」は、若干温度を下げた上で効果範囲を拡散。
具体的には、岩石が熔解する寸前の温度で加熱を止め、その代わり通常のそれを越える広範囲を、高熱に晒す。
(なるほど…その『犬の洞窟』では、犬の口が『死の空気』しか吸えない状況にあったのね。
だから犬が入ると、たちまち窒息して死んでしまう…そういうことですね、ミトス?)
(ご名答。それが『犬の洞窟』のからくりさ)
(でも、何故いきなりそんな事を…)
(それには、更にこの洞窟の説明をする必要があるね)
ミトスは、改めてこの洞窟を見渡す。鍾乳石や石筍があちこちに存在する、まさに見本的な鍾乳洞。
ミトスは更に、クラトスに学んだ博物学と錬金術の知識を引き出し、話を続ける。
(この洞窟は鍾乳洞。だからこの辺り一体は、石灰岩で出来ていることになるね)
(ええ。私も何度も、こんな洞窟には入ったことがあります)
(そう…さて、アトワイトは石灰岩を強熱すると、何が出てくるか分かるかい?)
(いえ)
その手の話なら、自分ではなくクレメンテあたりの守備範囲だろう。アトワイトはコアクリスタルの中、1人ごちた。
アトワイトの色の良くない返答を聞いたミトスは、けれども満足げな笑みを浮かべ、うなずく。
(なら、実演してみた方が早いだろうね。
ミクトランの奴はどこまでもいけ好かない奴だけれど、こんな洞窟を用意してくれるなんて、なかなか気が利いてるね)
ばしん。
ミトスは平手を洞窟の壁に叩き付けた。あとは最後の一句を発すれば、魔術は発動する。
「燃え尽きろ――イラプション!!!」

アトワイトの差さった腰からは、ミトスの表情を伺うことは出来なかった。
ミトスの手のひらを中心に、岩肌をしっとりと濡らす水分が、次々と音を立てて白煙と化す。
ミトスの手のひらを中心に放たれる高熱は、岩をも熔かす寸前にまで高まる。
たかが水ごときでは、その高温に耐えることはできない。ゆえに岩肌を濡らす水分は、すべからく虚空に帰する運命にあるのだ。
蒸気のベールが壁を伝わるにつれ、ミトスの手のひらの下からは、じわじわとそれがあふれ出す。
赤い光。岩石が赤く光っている。ミトスの手のひらを中心に、岩石が赤く輝き出す。
この洞窟を形成する石灰岩が、「イラプション」の高熱を前に、赤熱しているのだ。
たちまち、石灰岩は溶岩になる寸前にまで熱される。ぶくぶくと石灰岩の表面から、あぶくが浮き出す。
強熱され、溶岩になる寸前にまでなったのは、洞窟の壁。天井。
そして、ミトスが手を触れていなかった、向こう側の壁。
自らの足の裏を焼くなどという愚かな事態にならぬよう、地面はあえて加熱しない。壁と天井の加熱だけで、十二分。
赤熱するゾーンは、洞窟の前後に延び続ける。あたりは、たちまち活火山の火道のような状況を呈し始める。
周囲の光景が、陽炎に包まれ揺らめく中、赤く燃える石灰岩の表面は、あちらこちらがぶくぶくと泡立っている。
アトワイトは、そのあぶくを見て妙に不安な気持ちに駆られることを、隠すことは出来なかった。
(これは…一体?)
(よし、ここまではボクの読み通り。
3人とはちゃんと距離をとったから、この赤い光やあぶくの音は、あいつらには見聞きできないはず。
あの器がちょっと不安な要素ではあるけれど、まさかこの音や光だけで、ボクに切りかかるようなことはしないはずだ)
アトワイトの疑問の声を無視し、作戦成功の快哉を、クルシスの輝石の中で上げるミトス。
あとは、これで何食わぬ顔で3人の元に戻ればいい。それで、作戦は完了する。
鞘に収まった二振りの剣の柄をいじりながら、ミトスは洞窟の最深部へ向かう。
(ミトス、これは一体…!?)
(それは、おいおい説明するよ)
言いながら、陰惨な笑い声をくつくつと上げるミトス。

ミトスが去ったその後ろでは、石灰岩の表面からあぶくが次々生まれ、そして弾ける。
だが、実際に溶岩渦巻く火山内部を旅したことのある人間なら、一目見てそのあぶくを異常だと感じられただろう。
もちろん、溶岩の表面がぶくぶくと泡立つのは、当たり前と言えば当たり前のこと。
だが、この強熱された石灰岩の表面のあぶくは、あまりにもその絶対数が多すぎる。
まるで火にかけられた鍋に満たされた熱湯のごとく、石灰岩の表面全体で、ひっきりなしにあぶくが生まれているのだ。
そしてこのあぶくこそが、ミトスの唯一にして最大の狙いであったことは、神ならぬアトワイトは知る由もなかった。
ひたすらにアトワイトはそのあぶくを見やり、加熱された洞窟の空気の中を、ミトスともどもかき分ける。
(ディムロス…)
助けて、ディムロス。
アトワイトは、かつて心を許しあった戦友の名を…今は自身と同じく、剣に身をやつした青年将校の名を、密かに呼ぶ。
そして次の瞬間、ディムロスにもたれかかることを許されない現状を思い出し、再び自戒に心を引き締めたのであった。

――――――

所は代わって、G3の洞窟の最深部。
ミントは、ふうと一息つきながら、手ごろな大きさの石に腰掛けた。
傍らに流れるは地下の川。白皙の少年の言葉を借りれば、伏流水。
白皙の少年、ジェイの手により、一度は命の危険に晒されたことを、ミントはもう遥か昔のようにさえ感じてしまう。
彼と出会ってから、まだ二日にもならないのに。
彼と話をしていたのもここだった。今頃彼は、どうしているのだろう。ミントはふと、考えていた。
ランタンの照らす光の先…地下河川を越えた向こう側には通路が続いている。いや、続いていた。
今その道は、バルバトスの手により落盤を起こし、埋もれている。魔術の助けを以ってしても、落盤の処理は一苦労だろう。
「後はこれで、ミトス君が帰ってくるのを待つだけですね」
リアラは黒髪をかき上げながら、ミントの近くの岩に腰掛けた。ランタンの光は、彼女の白い肌を洞窟の闇に浮かび上がらせる。
「…………」
コレットはリアラから離れた場所で、榴弾砲を片手に静かにたたずむ。
先ほど、一瞬だけ殺気を感じた。そしてその殺気は、すぐさま消えうせた。
その直後からだ。何か、ぐらぐらという音…いや、ぷくぷくという音が聞こえ始めた。それが先ほどから、やたらと耳にさわる。
地下河川の流れる音と、鍾乳石から水が垂れる音を除けば、無音の世界と化すこの洞窟。
地下河川の音がかぶさっていても、この音は幻聴ではない。幻聴にしては、音に現実味があり過ぎる。
ついでに言うなら、出口側がほんのり明るい気もしないではない。
侵入者か。冷徹な思考のみを許されたコレットは、緊張のレベルを更に引き上げる。
体内の鼓動の音は、もう聞こえない。いわんや、呼吸音をや。
まともな人間としての生理機能を失った彼女の心臓は機能を停止している。無機生命体と化した今なら、呼吸の必要もない。
体内からの余計な音が聞こえないのは、索敵にあたってはありがたい。そして、コレットはそれを異常と感じる心など、失った。
その彼女の耳には、背中越しに会話が届く。ミントとリアラ、互いに最愛の友と離れ離れになってしまった2人の会話が。

「…やっぱり、何だか居辛いですね…ここは」
そう、形はどうであれ、自分達は逃げてきたのだ。スタンとカイル、2人をE2の城に置き去りにしたままで。
「頭では、逃げるべきだってことは分かりますけれどね…」
そう言うリアラも、心境はミントと同じ。ましてやリアラは、一番のパートナーであるカイルを、城に置いて来てしまったのだ。
ミントは法術師。いざ接近戦を挑まれれば、一番の足手まといになるのは分かっている。
リアラは晶術も得意としているし、カイルほどではないが接近戦もこなせる。だが、女の身では力勝負に不安があるのも事実。
ミントは信じられないが、クレスは今や極悪非道の殺人鬼にその身をやつしたという。
そして弱者を人質を取るという手段は、悪人の常套手段であることは今更言及には及ぶまい。
その点では、ミントやリアラは人質の条件としては十二分。クレスが2人を人質に取り、立ち回ることは容易に想像がつく。
「私もこんなことなら、リアラさんみたいに杖術を本格的に習っておくべきだったのでしょうか…」
「それでも、条件は変わらなかったと思います。
こんな不意打ちを受ける危険性が高いゲームでなければ、条件は変わっていたかもしれませんが…」
リアラはため息をつく。それでも今更、泣き言を言おうと神に祈ろうと、自身の持つ力は変えることは出来ない。
ミントは法術。リアラは晶術と、わずかばかりの杖術のたしなみ。
手持ちのピースを変えられないなら、そのピースで生き延びる手段を考えねば。
とにかく、この沈黙が2人には恐ろしかった。
ちりちりちり。
だがその沈黙は、突然に破られた。
「「?」」
物が燃える音。だがこれは、正常な燃焼の際発生するような音ではない。
ミントとリアラは、2人して今聞こえた謎の音の発生源に目をやる。
それは、傍らに2人が置いたランタン。ランタンの芯の糸が、異常な燃焼を起こしている。
ランタンの心から吹き上がる炎は、たちまちにその身を縮め去ってゆく。
赤い炎は、その身を青く変えながら見る見る小さくなってゆく。2人は遅れて気付いたが、コレットの持つランタンも同じく。
炎は、あっさりと消えてしまった。

「あれ…おかしいですね…?」
洞窟に訪れたのは、真の闇。だが幾度もの冒険を重ねたミントとリアラにとっては、これくらい取り乱すような事態ではない。
リアラはごくごく初歩の晶術を唱え、ロリポップに晶術の光を宿らせる。とりあえず、これで急場はしのぐ。
ミクトランの渡した皮袋に、最初から入っていた道具を取り出すミント。火打ち石を取り出す。
慌てず騒がず、ミントは火打ち石をこすり合わせ、その火花をランタンの芯にふりかける。
何度試しても、火は点かなかった。
「どうしたのかしら…?」
リアラは沈思黙考。何故、油も切れていないのに突然ランタンの火が?
そこで、リアラは思い出した。ハロルドに旅の中教えてもらった、ある話を。背筋が、ぞっと寒くなる。
リアラは慌てて、晶術の詠唱を開始。紡ぐは、「インブレイスエンド」の呪文。
早くしなければ、手遅れになる!
「リアラさん…!?」
事態を察し切れていないミント。だがリアラはミントに構ってなどいられない。
「氷結は終焉…せめて刹那にて砕けよ!」
呪文を一気呵成に詠唱するリアラ。その目標は…!
だが、呪文は完成しなかった。結びの句を唱えるその瞬間。
リアラは、口元を押さえ、膝から地面にくず折れた。
「リアラさん! リアラさ…!?」
そして、リアラの異状に思わず声を上げるミントも、「それ」は襲い掛かった。
まるで見えない悪魔の鉤爪に、胸を鷲掴みにされたような感覚。
ミントもまた、圧迫感に似た強烈な苦痛に、胸と喉をかばっていた。

――――――

(なんてひどい事を!!)
アトワイトは、洞窟を下るミトスの口から…否、輝石からその策を聞かされたとき。
怒りと非難に、その声を震わせていた。
(ひどい? これのどこがひどいって言うのかな?
あの劣悪種の女2人組だけを、器のマークを受けずにピンポイントで殺す手段として、これほど優れた策はないと思うけど?)
ミトスは白々しくも、そう言い切って見せる。
(それとも、あの劣悪種の片割れの女…確かミントって言ったっけ?
少なくともあいつはまだ、生かしておく価値があるんじゃないかってことを言いたいわけ?)
(違います! はぐらかすのは止めてください!!)
激昂するアトワイト。対するミトスの物言いは、しかしどこまでも冷静そのもの。
(まあ、ミントは人質として使おうとも思ったけれど、不確定要素を減らすって観点からも、
この場で死んでもらって方がいいかな。あの女にはボクの計画に、何の旨味ももたらさない。
敵に回る可能性のほうが大きい以上、ここで退場していただくよ)
(ミトス!!!)
アトワイトは凄まじい剣幕でもって、ミトスに向かう。
ミトスはやれやれ、と肩をすくめながら、ようやく独り言を中止した。
(…じゃあアトワイト。ボクの体の魔力を無理やり引き出して、『アイストーネード』辺りを使ってみれば?
『死の空気』を止めるには、中級以上の氷属性魔術があれば十分。今すぐ試してごらんよ)
(それが出来ないから…!!)
(だよね? なら、お前に残された選択肢は、このまま『死の空気』が洞窟の最深部に流れ込むのをひたすら待つだけだ。
この通り、ボクのランタンも消えてしまっている。
人間がここにいれば、まあどんなに上方修正を施して見積もっても、もって5分てとこじゃないかな?
5分過ぎれば、確実にあいつらはあの世に旅立っているさ)
先ほどミトスが、この洞窟の岩石に「イラプション」をかけた理由。
それこそ、この洞窟内に見えざる死神を放つための布石。その死神の名は「死の空気」。

(石灰岩は錬金術的にも面白い性質を持った岩でね。
工房内で粉々に粉砕したあと、そこに酸を振りかけるか、るつぼに入れて高熱を与えると、『死の空気』を生む。
錬金術師達の長年の研究によると、重さ100の石灰岩から噴出する『死の空気』の量は40~50ってところ。
つまり、石灰岩はその重さの半分近くもの『死の空気』を生み出すことが出来るわけだ。
そして、『死の空気』は、人間がが普通に呼吸している空気より重いとはいえ、その量は膨大になる。
今ちょっと暗算してみたんだけど、体積が100ある石灰岩からは、実に体積にして6万以上の『死の空気』が作り出せる。
まあ現実に考えれば、この計算はもっと目減りするだろうけどね。
それでもボクが『イラプション』で熱した岩壁の、数百倍ものかさの『死の空気』が中心部に流れ込むだろう。
洞窟の最深部の空気は、間違いなく全てが『死の空気』に置き換わると見ていい)
そんな恐ろしい計算を、ある種楽しげにさえやってのけるミトスに、アトワイトは怒りと共に戦慄を覚える。
よりにもよって、そんなむごたらしい殺し方を選択し、それを平然と実行する。
ミトスはただでさえ、あれだけの広範囲の石灰岩を強熱したのだ。
あれの数百倍もの「死の空気」が流入するなど、呼吸の必要のないアトワイトでさえ、息苦しい恐怖を感じる。
「犬の洞窟」のたとえ話で出てきた犬のように、泡を吹き痙攣するミントとリアラ。
一瞬その様子を想像してしまったアトワイトは、慌ててその光景をコアクリスタルの中から蹴り出した。
おののくアトワイトを尻目に、ミトスは話を続行する。
(『死の空気』に対応する策は3つ。中級以上の氷属性の魔術で『死の空気』を凍らせるか。
上級の水属性魔術で大量の水を呼び起こして、『死の空気』を洗うか。
さもなければ、風属性の上級魔術で、『死の空気』を強引に洞窟から排気するか、だね。
『死の空気』は、中級以上の魔術ならけっこう容易に凍ってくれる。『濡れざる氷』に変わってくれるんだ。
『死の空気』を『濡れざる氷』に変えて、更にその周囲を通常の氷で何重にも凍りつかせれば、ひとまず問題はない。
水属性魔術で『死の空気』を洗うのは、ちょっと効率が悪いかな。
それこそ、ユウマシ湖の水を丸ごとこの洞窟に注ぎ込むくらいの、大量の水が必要になるし。
風属性の魔術で『死の空気』を追いやるのもいい選択だ。
けれども、これくらい大量の『死の空気』が相手なら、それこそ『サイクロン』並みの魔術を連発する必要があるだろうね)

(そして、それだけの術を行使するには…)
(…そう、察しがいいね、アトワイト。何はともあれ呪文の詠唱だ。
けれども、『死の空気』で窒息している人間が、まともに呪文を詠唱なんて出来ると思うかい?
呪文の詠唱には、まともに呼吸できる空気が大前提。呼吸を封じることは、すなわち呪文詠唱を封じることなんだ)
(…………)
そう。ミントとリアラは…彼女ら2人は、法術や晶術を得意とする。
呪文の詠唱を封じられれば、もはや彼女らは抵抗の手段を失ったも同然なのだ。
そもそも、窒息したまままともな戦闘が出来る方が異常である。
そしてミトスはその「異常」を、たくみに味方に付けこの作戦を成立させている。
(ボクの体…無機生命体化していてよかったよ。無機生命体になれば、元来備わっていた代謝システムはほとんど不要になる。
飲食や排泄、睡眠もいらない。もちろん、呼吸をする必要もない。それは、あの器にしたって同じさ)
無機生命体に、呼吸は必要ない。ゆえに、並の人間では窒息死するような濃密な「死の空気」の中でも、全く行動に支障はない。
「死の空気」の中で、無機生命体にかなうものは存在しない。メルネスと呼ばれる少女が、水中戦で絶対の力を得るように。
すなわちミトスは、現在無機生命体と化した自身と、そしてマーテルの器たるべき少女のみが生き残れる環境を作るべく。
魔術「イラプション」で石灰岩中の「死の空気」を解き放ち、洞窟深部に流し込んだのだ。
ミントとリアラは、これによって苦痛に満ちた死を受け取ることになるだろう。
窒息死は相当な苦痛を伴う死であることを、否定できる者はいるまい。
(まあ不満を言うなら、『死の空気』の中では、炎属性の魔術の威力が半減すること。
それから風属性の魔術の効き具合が若干変わることかな。
魔術の炎はマナを燃焼させて起こすとは言え、フロギストンの支持がないと全力は出ない。
風属性の魔術も、空気自体の重さが変わるから、それで空気の刃の威力は上がるけど、代わりに若干気流が鈍化する。
まあ、ボクの切り札の多くは、光属性の魔術だからいいんだけれどね。
そもそも『死の空気』の中で、ボクと互角にやり合おうっていう方が間違えた選択だけれど)
(ミトス…!)
(それからアトワイト、あまりボクになめた口を利くのも、程々にしておいた方がいいよ。
さっきは何やら鉢合わせしていた連中に…確か名簿に載ってた名前はヴェイグ・リュングベルと、グリッドだっけ?
あいつらに告げ口をしていただろう?)

(!?)
その言葉に、アトワイトは凍り付いた。
ミトスの発言はただの一箇所を除き、先ほどの事実をぴったりと当てていた。
告げ口した相手はディムロスであったという点を外していたことを除けば、反論のしようがないほど的確。
(まあ、お前の性格のことだから、ボクがどれほど口止めしても、隙を見て誰かに告げ口するとは思っていたけれどね。
夕方、ボクはお前のクリスタルを解析していたのを覚えているかな?
大体それで、思念の送信先を限定するための暗号化・複合化のシステムは掴めたよ。
暗号の複合化のためのアルゴリズムも、輝石に転写しておいた。
あそこで2人に切りかかると色々面倒だったから、ひとまず抑えてはいたけれどね)
(…………)
アトワイトは、ただミトスの言葉に黙り込むのみ。ミトスは口角を吊り上げ、アトワイトの心を抉るように言う。
(さて、これで君のせいで死ぬ人間の数は、3人に増えたね。すでに死んだマリアン、そしてヴェイグとグリッド。
ボクが殺さなきゃならない人間のリストに、2人の名前が追加された)
(それは…!)
(『また君が』殺したんだ。君の行為が、死刑執行を決めたんだ)
違う! アトワイトはそう、叫びたかった。
ミクトランの手により、人としての尊厳を欠いた死を甘受する羽目になったマリアン。
彼女の美しい顔が、粉微塵に張り裂ける光景を、嫌でも思い出してしまう。
またあの悲劇を繰り返す。自分の手で。
自分の判断で。
まさかここまでミトスが、ソーディアンのことを詳しく知りえていたなど、想定外。そう言い訳をしたかった。
だが言い逃れをしたい自分と、罰を受けることを強要する自分と。2人の自分の間に、アトワイトは板ばさみになる。
(さて、あの劣悪種達の死を、ひとまずは見届けようか。魔剣も回収しなきゃいけないし、何より姉さまを復活させないと。
その後は、あのヴェイグとグリッドって劣悪種も、この島からご退場願う)
アトワイトは、恐怖に震えた。
3人を殺す。自らの行為の失態の罰は、他者に下る理不尽な死の強要。理不尽な死の目撃の強要。
目を背けることは許されない。ミトスと共にいなければならない以上、必ずミトスが死刑を執行する時が来る。
それを近くから見なければならないのだ、アトワイトは。場合によっては、2人の体を切り裂くのは、己自身。
刀身全てに染み渡る恐怖。本来感情のぶれが少ないはずのソーディアンである彼女は、しかし恐怖に打ちひしがれる。
刑の執行の瞬間を。自ら招いた他者の死を、まざまざと見せ付けられるという、恐るべき刑を。
ミトスは不気味な笑みを顔に貼り付け、洞窟の坂を下った。

――――――

水面で空気を求める魚のように、リアラはぱくぱくと口を動かしていた。
この濁った空気をどれほど呼吸しようと、自身の求める生気は肺に満たされない。
灼熱した焼きごてで、頭の中を焼かれているかのような、凄まじい苦痛。
涙とよだれと汗とが一緒くたになって、悶絶するリアラの顔を流れる。
眼球が、拷問器具でぎりぎりと締め上げられているかのように痛い。視界も、見る見るうちに狭まり、暗くなってゆく。
その中で見たミントは、地に打ち上げられた魚のように跳ね回りながら、苦痛のもがきを見せている。
出来ることなら、このまま晶術で頭を打ち砕いて、さっさと死にたい。
だが、この空気の中では、まともな晶術の詠唱さえ出来ない。
コレットの榴弾砲に付いた銃剣で、首を切り落としてもらえたなら、どれほど楽か。
苦しい。苦しい。苦しい。
死にたい。死にたい。死にたい。
リアラの思考は、ただその一点にだけ収束していた。
そして、その2人を虚ろに眺める、一人の天使。紫の瞳をした彼女は、ひっそりとたたずんでいた。
コレットは思う。己が主が苦しんでいる。己が主に危機が迫っている。
このままでは、主は遠からず死ぬだろう。
天使術には、癒しの術はない。主を救う手立ては、ない。
そう結論しかけたコレットは、しかしある術の存在を思い出した。
思い出した。天使術にはある。1つ限り、癒しの術が。今まで何故忘れていたのか、それを。
(誰も犠牲になんてなっちゃいけないんだ!!)
そうか、とコレットは納得する。おのが心に強く刻まれた、鳶色の髪の少年の言葉。
彼は言った。
その術を使っちゃ駄目だと。俺は誰も犠牲にせずに勝ちたい。誰も犠牲にせずに済むくらい、俺が強くなる。
だからお前も、そんな術を使うな、と。
その言葉が、今の今まで、彼女の意識からその天使術の存在を忘れ去らせていたのだ。
「犠牲」という言葉を、何よりも忌み嫌ったかの少年の想いが。
だが、主は現にこうして苦しんでいる。主を救うなら、自身に打てる手はそれしかない。
天使術「リヴァヴィウサー」。自らの命と引き換えに、全ての仲間の体力と気力を完全に回復させる、自己犠牲の術。
コレットは、背に天使の翼を展開。言葉を発さずして、その呪を紡ぐ。
全ては、己が主のため。自らの命が砕けようと、主を守り抜くために。

――――――

コレットは知らない。
この「死の空気」の中では、たとえ「リヴァヴィウサー」を用いようと、単なる延命にしかならないことを。
「リヴァヴィウサー」を用いようと、「死の空気」を追い払わねば、ただ彼女らの苦しみを長引かせるだけだということを。
ミトスは知らない。
コレットの中に仕組まれたプログラムはエラーがある事までは知っていようと、それは予想を大幅に超えるエラーであることを。
本来ならば主を守るために、自らの命まで投げ打つようには出来ていない、神子のプログラム。
だがコレットのプログラムは、もはや主を守るためなら、自らの命さえ捨て石にするよう仕組まれていることを。
紆余曲折する一同の意志。その合間を縫って、冥界から来たるは死神。
死神の鎌は誰に振るわれ、結果として誰の命を刈り取るか。
それは、神ならぬ一同には、決して知ることの出来ない、黄泉の国の審判。
死を受け取る人間の指名。その瞬間は、すぐそこまで迫っている。

【ミント 生存確認】
状態:TP75% 重度のショック 二酸化炭素による窒息
所持品:ホーリィスタッフ サンダーマント
第一行動方針:事態の打開
第ニ行動方針:クレスがとても気になる
第三行動方針:仲間と合流
現在位置:G3洞窟最深部

【リアラ 生存確認】
状態:TP60% 衝撃を受けている 二酸化炭素による窒息
所持品:強化ロリポップ 料理大全
フルーツポンチ1/2人分 ピヨチェック 要の紋
第一行動方針:事態の打開
第二行動方針:コレットを信じる
第三行動方針:ハロルドが気になる
現在位置:G3洞窟最深部  

【コレット 生存確認】
状態: 無機生命体化 (疲労感・精神力磨耗無視)  天使術「リヴァヴィウサー」詠唱中
所持品:銃剣付き歩兵用対戦車榴弾砲(残弾0)  苦無(残り1)
基本行動方針:防衛本能(自己及びリアラへの危機排除)
第一行動方針:リアラとミントを「リヴァヴィウサー」で治療
現在位置:G3洞窟最深部

【ミトス・ユグドラシル 生存確認】
状態:TP65% 左肩損傷(処置済み) 治療による体力の中度消耗
   全身軽度損傷 天使能力制限(一時的) 
   記憶障害の振り(カイルとの戦いを覚えていない振り)
所持品:S・アトワイト(初級晶術使用可能)、大いなる実り、邪剣ファフニール
基本行動方針:マーテル復活
第一行動方針:ミントとリアラの死亡の確認
第二行動方針:ミント・コレットをクレス殺害に利用する
第三行動方針:カイル・ロイドを復讐鬼に仕立てエターナルソードを探させる
第四行動方針:アトワイトが密告した可能性のある場合その人間を殺害。当面の標的はヴェイグとグリッド
第五行動方針:蘇生失敗の時は皆殺し
現在位置:G3洞窟深部→G3洞窟最深部へ

【ソーディアン・アトワイト 生存確認】
状態:自らの犯した過ちに恐怖
基本行動方針:ミトスの支配から逃れ、対主催者サイドとして活動(葛藤中)


※現在G3洞窟深部~最深部は「死の空気」が充満している。何らかの処置を施さねば、窒息する。

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