始まり終る約束の古戦場
大地を駆る青年と空を駆ける少年の影が1つずつ。
足が地を踏む度に豊かに生える草は揺れ、風は2人を阻む術なく逆に身を裂かれていく。
細かい光の欠片が昼間の星のように散り、しかし瞬く間に溶けていった。流星のように。
そもそも、そんな繊細な光景に目を移し心を奪われる余裕など、彼らにはなかった。
足が地を踏む度に豊かに生える草は揺れ、風は2人を阻む術なく逆に身を裂かれていく。
細かい光の欠片が昼間の星のように散り、しかし瞬く間に溶けていった。流星のように。
そもそも、そんな繊細な光景に目を移し心を奪われる余裕など、彼らにはなかった。
これまで、2人はまるで会話を交わしていない。
片方の息は乱れていたし、声を掛けられるような空気ではなかった。
暢気に、ではなくとも話す気力と酸素があるなら前に進むのに使った方がいい、そんな簡単な理由だ。
暗黙の了解、と言ってもいい。
しかし、光があれば影もまた生まれるように、沈黙の裏には陰鬱に隠された理由がある。
どこにいるかも分からないクレス達とロイドが遭遇してはいないかと、常に胸は重い。
ただ延々と緑の平原を突っ切り、地平線に広がる青を目指すというだけの単純労働がなおさら焦燥感を募らせる。
細かい景色は変われど、全体を俯瞰すれば何の違いもないのだ。
ロイドを叱りこそ咎めはしないが、ロイドが死ねば脱出は不可能になる。
そんな悲痛な願いが通じたのか、拒まれたのか、とうとう奥に白い濃霧が広がった。
片方の息は乱れていたし、声を掛けられるような空気ではなかった。
暢気に、ではなくとも話す気力と酸素があるなら前に進むのに使った方がいい、そんな簡単な理由だ。
暗黙の了解、と言ってもいい。
しかし、光があれば影もまた生まれるように、沈黙の裏には陰鬱に隠された理由がある。
どこにいるかも分からないクレス達とロイドが遭遇してはいないかと、常に胸は重い。
ただ延々と緑の平原を突っ切り、地平線に広がる青を目指すというだけの単純労働がなおさら焦燥感を募らせる。
細かい景色は変われど、全体を俯瞰すれば何の違いもないのだ。
ロイドを叱りこそ咎めはしないが、ロイドが死ねば脱出は不可能になる。
そんな悲痛な願いが通じたのか、拒まれたのか、とうとう奥に白い濃霧が広がった。
どんどん視野が白色に淡くなっていく中、2人は速度を緩め立ち止まった。
霧が村を包んでいるのではなく、霧の塊の中に元々民家があったような、それほど霧の存在感は絶大なものだった。
2人の内の片方、カイル・デュナミスはさして高い建物も見えないのに顎を上げて眺め、
もう片方のヴェイグ・リュングベルは膝に手をやり何とか呼吸を落ち着かせようとしていた。
「凄い……何、この霧」
カイルの率直な感想に、ヴェイグは無意識の内に1度深く息を吸い込んだ。
「こんな、霧の、中に、ロイドは、入って、いっ、たのか……」
ほんの少しだけ落ち着いて、ヴェイグはやっと目の前の状況がかなり異質なものだと気付いた。
今までの天候、見事なまでの快晴の中にいきなり濃霧が現れたのだ。
しかも、目視から推測するにこの村限定に発生している。明らかに故意的なものと見て間違いないだろう。
「やっぱり、ミトスが……」
カイルの呟きにもしばらく答えることはなく、しっかりと呼吸を落ち着かせてからヴェイグは言った。
「恐らくはな。ティトレイやクレスも来ているかもしれない」
青年は手持ちの荷物を確認し、肩に掛けた鞘に収められたアイスコフィンを抜き1度払った。
戦闘準備を行うヴェイグの姿にカイルの意識はいやが上にも引き締められ、彼もまた片手で箒を握り、もう片手でディムロスに触れた。
父親を殺した男がここに来ているかもしれないのだから。また同じ人間によって仲間を失う訳にはいかない。
霧が村を包んでいるのではなく、霧の塊の中に元々民家があったような、それほど霧の存在感は絶大なものだった。
2人の内の片方、カイル・デュナミスはさして高い建物も見えないのに顎を上げて眺め、
もう片方のヴェイグ・リュングベルは膝に手をやり何とか呼吸を落ち着かせようとしていた。
「凄い……何、この霧」
カイルの率直な感想に、ヴェイグは無意識の内に1度深く息を吸い込んだ。
「こんな、霧の、中に、ロイドは、入って、いっ、たのか……」
ほんの少しだけ落ち着いて、ヴェイグはやっと目の前の状況がかなり異質なものだと気付いた。
今までの天候、見事なまでの快晴の中にいきなり濃霧が現れたのだ。
しかも、目視から推測するにこの村限定に発生している。明らかに故意的なものと見て間違いないだろう。
「やっぱり、ミトスが……」
カイルの呟きにもしばらく答えることはなく、しっかりと呼吸を落ち着かせてからヴェイグは言った。
「恐らくはな。ティトレイやクレスも来ているかもしれない」
青年は手持ちの荷物を確認し、肩に掛けた鞘に収められたアイスコフィンを抜き1度払った。
戦闘準備を行うヴェイグの姿にカイルの意識はいやが上にも引き締められ、彼もまた片手で箒を握り、もう片手でディムロスに触れた。
父親を殺した男がここに来ているかもしれないのだから。また同じ人間によって仲間を失う訳にはいかない。
「急ぎましょう。取り返しのつかないことになる前に」
「カイル?」
「二手に分かれて探すのはこんな霧じゃ危険ですし、それに、各個撃破なんてされたら元も子もありません」
思っていた以上に冷静な少年にヴェイグの意識は改められ、同時に自身もまた冷静さを与えられた。
確かに、正面に広がる濃霧はそう簡単には晴れてくれそうには見えなかった。
この場でキール達の到着を待っていてもどうせ晴れないだろうし状況はもっと悪化する。
ロイドとミント、両名の保護が先遣隊である自分達の役割だ、待つという選択肢は愚直そのものでしかない。
カイルはカイルなりに状況の難解さと深刻さを理解しているようであった。
「カイル?」
「二手に分かれて探すのはこんな霧じゃ危険ですし、それに、各個撃破なんてされたら元も子もありません」
思っていた以上に冷静な少年にヴェイグの意識は改められ、同時に自身もまた冷静さを与えられた。
確かに、正面に広がる濃霧はそう簡単には晴れてくれそうには見えなかった。
この場でキール達の到着を待っていてもどうせ晴れないだろうし状況はもっと悪化する。
ロイドとミント、両名の保護が先遣隊である自分達の役割だ、待つという選択肢は愚直そのものでしかない。
カイルはカイルなりに状況の難解さと深刻さを理解しているようであった。
問題は、その両名のどちらから探すか、ということだ。
「……カイル、酷かもしれないが……」
横からのあえて落ち着き払った声に、カイルは強く目を閉じた。
「分かってます。ロイドを優先する、ってことですよね」
「俺達にとって重要なのはやはりロイドの方だ。
ミントの方はミトスの人質だったことを考えれば、まだミトスの下にいるかもしれない。……それに、あの声では」
「ヴェイグさん」
ぴしゃりと言葉は遮られ口をつぐんだ。ヴェイグは少年の方を向くも、未だ目は閉じられ正面を向いたままだ。
「俺達の目的はロイドとミントさん、両方を見つけることです。ミントさんは……まだ生きています」
ヴェイグに、というよりはむしろ自分に言い聞かせるような声の調子に、ヴェイグは言葉を失わざるを得なかった。
いくら冷静には見えても、村に向かう前に見せた取り乱し様を考えれば、カイルの言葉は出てきて当然のものだった。
「……すまない、失言だった」
ヴェイグにとってはミントと大した関わりはない以上、酷薄ではあるが心配はロイド1人分だけでいい。
しかしカイルは両方とも心配で不安でしょうがないのだ。
カイルは瞼を上げ、光景を目に納める。
「いえ、いいんです。……でも、結局どちらを探すにしても場所が分かりませんね。やっぱり、地道に探すしか」
言葉を挟ませる余地なくカイルは言った。
「……ああ、入らなければ始まりすらしない」
カイルの意図を理解したヴェイグは、心中の澱を何とか振り払って答えた。
この少年もグリッドと同じで気落ちするのを許さないらしい。謝られれば謝られるほど、自分が庇護される対象だと思ってしまうからだろうか。
ヴェイグ自身も彼の思いを尊重しなければならない。
横からのあえて落ち着き払った声に、カイルは強く目を閉じた。
「分かってます。ロイドを優先する、ってことですよね」
「俺達にとって重要なのはやはりロイドの方だ。
ミントの方はミトスの人質だったことを考えれば、まだミトスの下にいるかもしれない。……それに、あの声では」
「ヴェイグさん」
ぴしゃりと言葉は遮られ口をつぐんだ。ヴェイグは少年の方を向くも、未だ目は閉じられ正面を向いたままだ。
「俺達の目的はロイドとミントさん、両方を見つけることです。ミントさんは……まだ生きています」
ヴェイグに、というよりはむしろ自分に言い聞かせるような声の調子に、ヴェイグは言葉を失わざるを得なかった。
いくら冷静には見えても、村に向かう前に見せた取り乱し様を考えれば、カイルの言葉は出てきて当然のものだった。
「……すまない、失言だった」
ヴェイグにとってはミントと大した関わりはない以上、酷薄ではあるが心配はロイド1人分だけでいい。
しかしカイルは両方とも心配で不安でしょうがないのだ。
カイルは瞼を上げ、光景を目に納める。
「いえ、いいんです。……でも、結局どちらを探すにしても場所が分かりませんね。やっぱり、地道に探すしか」
言葉を挟ませる余地なくカイルは言った。
「……ああ、入らなければ始まりすらしない」
カイルの意図を理解したヴェイグは、心中の澱を何とか振り払って答えた。
この少年もグリッドと同じで気落ちするのを許さないらしい。謝られれば謝られるほど、自分が庇護される対象だと思ってしまうからだろうか。
ヴェイグ自身も彼の思いを尊重しなければならない。
「分かりました。ディムロス、そろそろ……」
カイルは腰のソーディアンに触れ確認を促す。だが、当のソーディアンからは何も返ってこない。
「ディムロス?」
『――――っ、すまない……話は聞いていたから大丈夫だ』
「本当に?」
『本当だ!』
むきになって返すディムロスにカイルは怪訝そうな表情のまま肩をすくめ、まあいいか、と楽天的な思考を一部取り戻して独り呟いた。
最後に戦力確認――ヴェイグは力の乱用は不可、カイルは箒での近接戦は難しいという懸念が露呈したが――をし、
ヴェイグはカイルに荷物にあったペルシャブーツを渡して、2人は村の中へと入っていった。
霧は更に深くなって、数メートル先すら見えるかも危ぶまれるほどだった。
鬱蒼とした白い森の中にいる、というのが合っているかもしれない。
互いに互いの姿を確認し合い、はぐれないように心掛ける。
今の地区は田畑の多い開けた土地らしく、あまり建物の影がなくはっきりとはしない。先の見えない不安が更なる不安を駆り立てる。
「あ、ヴェイグさん。地面に気を付けて下さい。何かあります」
後方とはいえ少し高い位置から見下ろすカイルは、青年よりも先に前方の何かを発見した。
遅れてそれを見つけたヴェイグは思いがけず凝視する。
「落とし穴……ですよね。こんな堂々としてたら誰も引っ掛からないと思うんだけどなあ」
「……底に少し土が溜まっている。誰かが掛かったんだろう」
ああ、と素直に納得したカイルは大きく首を振った。
「ってことは……ロイド?」
「村に入ったのは間違いないらしい」
「……急いだ方がいいみたいですね」
今回はよかったものの、落とし穴の底には――土の槍が何本も設置されている。
敢えなく落ちればジ・エンド、もれなく全身を貫かれた姿を2人の目に晒すことになる。それだけは避けて欲しい、と2人は願った。
先に進めば更に開いたままの穴が何個も姿を現し、足跡を辿るかのように2人はそれを追っていった。
そのまま進むと、民家が軒を連ねていたのから開けた広場へと出た。
地理は単純で、今まで歩いてきた南地区への道も含め、広場を中心に東西南北へと道が分岐している。
ぱっと見て手掛かりも何もない様子に、どうしましょう、カイルは呻いたが、周囲を歩いていたヴェイグが口を開けた落とし穴を見つけた。
方向は、西。シースリ村に訪れたことのない2人にとって何よりの手掛かりはこれくらいである。
頷き合い、迷う暇もなく2人はそのまま西を目指した。
カイルは腰のソーディアンに触れ確認を促す。だが、当のソーディアンからは何も返ってこない。
「ディムロス?」
『――――っ、すまない……話は聞いていたから大丈夫だ』
「本当に?」
『本当だ!』
むきになって返すディムロスにカイルは怪訝そうな表情のまま肩をすくめ、まあいいか、と楽天的な思考を一部取り戻して独り呟いた。
最後に戦力確認――ヴェイグは力の乱用は不可、カイルは箒での近接戦は難しいという懸念が露呈したが――をし、
ヴェイグはカイルに荷物にあったペルシャブーツを渡して、2人は村の中へと入っていった。
霧は更に深くなって、数メートル先すら見えるかも危ぶまれるほどだった。
鬱蒼とした白い森の中にいる、というのが合っているかもしれない。
互いに互いの姿を確認し合い、はぐれないように心掛ける。
今の地区は田畑の多い開けた土地らしく、あまり建物の影がなくはっきりとはしない。先の見えない不安が更なる不安を駆り立てる。
「あ、ヴェイグさん。地面に気を付けて下さい。何かあります」
後方とはいえ少し高い位置から見下ろすカイルは、青年よりも先に前方の何かを発見した。
遅れてそれを見つけたヴェイグは思いがけず凝視する。
「落とし穴……ですよね。こんな堂々としてたら誰も引っ掛からないと思うんだけどなあ」
「……底に少し土が溜まっている。誰かが掛かったんだろう」
ああ、と素直に納得したカイルは大きく首を振った。
「ってことは……ロイド?」
「村に入ったのは間違いないらしい」
「……急いだ方がいいみたいですね」
今回はよかったものの、落とし穴の底には――土の槍が何本も設置されている。
敢えなく落ちればジ・エンド、もれなく全身を貫かれた姿を2人の目に晒すことになる。それだけは避けて欲しい、と2人は願った。
先に進めば更に開いたままの穴が何個も姿を現し、足跡を辿るかのように2人はそれを追っていった。
そのまま進むと、民家が軒を連ねていたのから開けた広場へと出た。
地理は単純で、今まで歩いてきた南地区への道も含め、広場を中心に東西南北へと道が分岐している。
ぱっと見て手掛かりも何もない様子に、どうしましょう、カイルは呻いたが、周囲を歩いていたヴェイグが口を開けた落とし穴を見つけた。
方向は、西。シースリ村に訪れたことのない2人にとって何よりの手掛かりはこれくらいである。
頷き合い、迷う暇もなく2人はそのまま西を目指した。
何度も何度も落とし穴に引っ掛かり、その度に這い上がった。
自分の耳さえ確かなら、何か崩れる音がした。その感覚だけを頼りに走ってきた。
だが、その音の発生源を目の当たりにして愕然とした。
既に炎も消え、真っ黒に全焼した家だけがそこに残されていた。
燃えた跡に足を踏み入れ、炭と化した梁の残骸を掴み掻き分ける。赤い手袋が少し焦げたが熱は感じない。それどころではなかった。
乱雑に分ければ分けるほど崩壊の音が大きく耳に響く。
昨日、同じこの村で起きた出来事が脳裏に蘇る。
あの時は難を逃れたが、あの燃える家に取り残されていたのなら疾うに焼死体になっていた。
もし、同じようにコレットがこの家に取り残されていたなら――寒気の走る思いがする。
しかし黒い人型の、頭蓋骨のようなてらてらとした顔が浮かぶ塊は見つからない。
「コレット、一体どこに……」
背中に蒼い翼を広げる少年、ロイドは沈んだ音で呟いた。
声とは反し腕を振り回すかのような掻き分け方には降り積もったものが滲み出ていた。
(時間がないんだ。コレット、頼むから出てきてくれ――――――!!)
空間を裂くかのような金属音にロイドはがばっと顔を上げる。剣戟、という連想が神経を震わせた。
自分の耳さえ確かなら、何か崩れる音がした。その感覚だけを頼りに走ってきた。
だが、その音の発生源を目の当たりにして愕然とした。
既に炎も消え、真っ黒に全焼した家だけがそこに残されていた。
燃えた跡に足を踏み入れ、炭と化した梁の残骸を掴み掻き分ける。赤い手袋が少し焦げたが熱は感じない。それどころではなかった。
乱雑に分ければ分けるほど崩壊の音が大きく耳に響く。
昨日、同じこの村で起きた出来事が脳裏に蘇る。
あの時は難を逃れたが、あの燃える家に取り残されていたのなら疾うに焼死体になっていた。
もし、同じようにコレットがこの家に取り残されていたなら――寒気の走る思いがする。
しかし黒い人型の、頭蓋骨のようなてらてらとした顔が浮かぶ塊は見つからない。
「コレット、一体どこに……」
背中に蒼い翼を広げる少年、ロイドは沈んだ音で呟いた。
声とは反し腕を振り回すかのような掻き分け方には降り積もったものが滲み出ていた。
(時間がないんだ。コレット、頼むから出てきてくれ――――――!!)
空間を裂くかのような金属音にロイドはがばっと顔を上げる。剣戟、という連想が神経を震わせた。
2組よりも先に到着していたクレスとティトレイは、以前にこの村には来たことがある。
その2人をしても地理が上手く把握できないほどに霧はもっと深かった。
輪郭も曖昧で確かに存在しているのかも分からない2人は、ミトスに呼ばれはしたもののどこに行くかという目的も特になく、
とりあえずぶらぶらと歩いていた。無論、道中の罠は回避して。
針金はクレスが一気になぎ払い、落とし穴は落ちる前にティトレイが矢で開ける。剛よく柔を断つとはこういうことだ。
さぞかし仕掛けた人物は怒りを通り越して呆れ果てるだろうが、まあ、よくあることである。
「ま、当然だけど……ミトスは出てこねーか」
親指を顎に当てて言うティトレイ。辺りを見回しても白、白、白、相手の影すら現れない。
「悪いなあ、クレス。多分、もうちょいしたら来るからさ」
振り向いてへらへらと笑いながら言うもクレスの表情が変わることはない。
いきなり斬りかかってこないだけマシだろうか、とティトレイは肩を大袈裟にすくめた。
その2人をしても地理が上手く把握できないほどに霧はもっと深かった。
輪郭も曖昧で確かに存在しているのかも分からない2人は、ミトスに呼ばれはしたもののどこに行くかという目的も特になく、
とりあえずぶらぶらと歩いていた。無論、道中の罠は回避して。
針金はクレスが一気になぎ払い、落とし穴は落ちる前にティトレイが矢で開ける。剛よく柔を断つとはこういうことだ。
さぞかし仕掛けた人物は怒りを通り越して呆れ果てるだろうが、まあ、よくあることである。
「ま、当然だけど……ミトスは出てこねーか」
親指を顎に当てて言うティトレイ。辺りを見回しても白、白、白、相手の影すら現れない。
「悪いなあ、クレス。多分、もうちょいしたら来るからさ」
振り向いてへらへらと笑いながら言うもクレスの表情が変わることはない。
いきなり斬りかかってこないだけマシだろうか、とティトレイは肩を大袈裟にすくめた。
クレスとの約束は、全員を殺した後に自分がクレスに殺されるというもの。
その後の想像はできないが、まあ、何とかなるだろう。そんな楽天的かつ放任的な思考になって、不意に海岸での記憶が頭を過ぎる。
今でこそ薬を与えたおかげで安定しているが、あの弱々しい拳と共に繰り出された言葉。
あれは、クレスの本心だったのだろうか。
(本心、ってなあ)
自分にクレスの考えなんて到底理解出来る訳ないのに、とも思う。
表面的な望みは分かる。だからこそクレスで協力する形でこの殺し合いに荷担しているし、「殺人」という鎮静剤を与えようとしている。
それに、自分自身クレスに殺して欲しい人間がいる。
しかし、確かにクレスには殺人行為に快楽を得る以外の目的がある。
間違っていないという証明。誰かを殺し続けることを間違っていないという、実に難解な証明。
そして自分自身にも――――
(いいんだ。別に何も間違ってない。そう、お前は間違ってなんかいない――――)
その後の想像はできないが、まあ、何とかなるだろう。そんな楽天的かつ放任的な思考になって、不意に海岸での記憶が頭を過ぎる。
今でこそ薬を与えたおかげで安定しているが、あの弱々しい拳と共に繰り出された言葉。
あれは、クレスの本心だったのだろうか。
(本心、ってなあ)
自分にクレスの考えなんて到底理解出来る訳ないのに、とも思う。
表面的な望みは分かる。だからこそクレスで協力する形でこの殺し合いに荷担しているし、「殺人」という鎮静剤を与えようとしている。
それに、自分自身クレスに殺して欲しい人間がいる。
しかし、確かにクレスには殺人行為に快楽を得る以外の目的がある。
間違っていないという証明。誰かを殺し続けることを間違っていないという、実に難解な証明。
そして自分自身にも――――
(いいんだ。別に何も間違ってない。そう、お前は間違ってなんかいない――――)
思考の海に意識を任せ歩く中、ぴん、と耳を張って突然立ち止まる。辺りをきょろきょろと見回し、最後にクレスの方へと向く。
「なあクレス。お前、今何か言ったか?」
聞かれた剣士は不思議そうな顔をして、
「何も?」
「そうか……じゃあ気のせいか」
ぼさぼさの髪を弄りながら言う男の面持ちは晴れてはいなかった。
周りに誰かいたとしても気配を察知するのに鋭いクレスが気付かないはずがない。それでも、ティトレイにはどこか引っ掛かった。
はあ、と1つ息をついて、
「まあいいか。とりあえず、昨日燃やした家にでも行ってみっか? 思い出巡りってヤツで」
と、わざとらしくティトレイは笑って言った。
「なあクレス。お前、今何か言ったか?」
聞かれた剣士は不思議そうな顔をして、
「何も?」
「そうか……じゃあ気のせいか」
ぼさぼさの髪を弄りながら言う男の面持ちは晴れてはいなかった。
周りに誰かいたとしても気配を察知するのに鋭いクレスが気付かないはずがない。それでも、ティトレイにはどこか引っ掛かった。
はあ、と1つ息をついて、
「まあいいか。とりあえず、昨日燃やした家にでも行ってみっか? 思い出巡りってヤツで」
と、わざとらしくティトレイは笑って言った。
状況は収束する。
比較的南側に近く、ファラとジョニーが拠点にし、そして2人の遺体がある家――――その前で、ガキィンという金属音が打ち鳴らされていた。
青い氷剣と紫の魔剣が交わり合う。霧を裂くかのように競り合いは苛烈で、1合1合ごとに甲高い音が鳴る。
但し、どちらかと言えば――氷剣の主の方が押され気味だった。
霧の中に魔剣が紛れる。姿を消した相手を探すも、
「下がって、ヴェイグさん!」
その相手は上空から現れた。先鋒を下に兜割りを狙うも少年の声によって氷剣を持つ青年は一手先に後退する。
隙が生じた剣士に対して、少年は身には大柄な剣を掲げる。
「デルタレイ!!」
光の晶術、3つの光線が1度屈折した軌道を描いて剣士に迫る。
しかし相手はそのまま剣を大地に突き立てて青い障壁を周囲に生じさせ術を防いだ。
不遇だが親子2代揃って術は守護方陣の前に遮られたことになる。
互いに防御に転じたことで、1度戦場には静謐が訪れた。
改めて、相手の姿を確認する。一方は金髪に赤いバンダナを身に付けた剣士、
もう一方は銀髪を三つ編みに結った長躯の青年に、箒に乗った少年の2人。
予想はしつつも予期していなかっ対面に、青年と少年は唾を飲んだ。それが合図だったかのように剣士はもう1度迫る。
二手に分かれて青年は剣士へ、少年は更に上空へと移動した。
援護のため術を唱えようとして、しかし晶力集束は強制的に遮断され意図せずに箒は右に旋回した。
ディムロスの名を驚きながら呼びながらバランスを崩しかける内に左手を過ぎていく矢。
はっと飛んできた方向へ目をやって、屋根の上の影を見つける。
状況は、思っていた以上に難儀なものだった。
「まあまあ、邪魔しないでやってくれよ」
霧の中、胡乱な影が少年の方を向いている。右手は左腕に添えられていて、動けば撃つという警告に他ならなかった。
「誰が……お前の言うことなんか! あいつは父さんを殺した……!!」
その言葉に反して彼は動こうとはしない。この距離ならすぐに射抜かれておしまいだ。
視線だけを下にくべ戦況を確認する――致命傷こそないが氷剣の主、ヴェイグは押されている。
向こう側の相手も戦闘に手を加えることはなかったが、こちらも手が出せない以上、勝敗は見えている。均衡を破らなければ光は見えてこない。
少年は軽い頭を何とか振り絞った。
青い氷剣と紫の魔剣が交わり合う。霧を裂くかのように競り合いは苛烈で、1合1合ごとに甲高い音が鳴る。
但し、どちらかと言えば――氷剣の主の方が押され気味だった。
霧の中に魔剣が紛れる。姿を消した相手を探すも、
「下がって、ヴェイグさん!」
その相手は上空から現れた。先鋒を下に兜割りを狙うも少年の声によって氷剣を持つ青年は一手先に後退する。
隙が生じた剣士に対して、少年は身には大柄な剣を掲げる。
「デルタレイ!!」
光の晶術、3つの光線が1度屈折した軌道を描いて剣士に迫る。
しかし相手はそのまま剣を大地に突き立てて青い障壁を周囲に生じさせ術を防いだ。
不遇だが親子2代揃って術は守護方陣の前に遮られたことになる。
互いに防御に転じたことで、1度戦場には静謐が訪れた。
改めて、相手の姿を確認する。一方は金髪に赤いバンダナを身に付けた剣士、
もう一方は銀髪を三つ編みに結った長躯の青年に、箒に乗った少年の2人。
予想はしつつも予期していなかっ対面に、青年と少年は唾を飲んだ。それが合図だったかのように剣士はもう1度迫る。
二手に分かれて青年は剣士へ、少年は更に上空へと移動した。
援護のため術を唱えようとして、しかし晶力集束は強制的に遮断され意図せずに箒は右に旋回した。
ディムロスの名を驚きながら呼びながらバランスを崩しかける内に左手を過ぎていく矢。
はっと飛んできた方向へ目をやって、屋根の上の影を見つける。
状況は、思っていた以上に難儀なものだった。
「まあまあ、邪魔しないでやってくれよ」
霧の中、胡乱な影が少年の方を向いている。右手は左腕に添えられていて、動けば撃つという警告に他ならなかった。
「誰が……お前の言うことなんか! あいつは父さんを殺した……!!」
その言葉に反して彼は動こうとはしない。この距離ならすぐに射抜かれておしまいだ。
視線だけを下にくべ戦況を確認する――致命傷こそないが氷剣の主、ヴェイグは押されている。
向こう側の相手も戦闘に手を加えることはなかったが、こちらも手が出せない以上、勝敗は見えている。均衡を破らなければ光は見えてこない。
少年は軽い頭を何とか振り絞った。
「……何でこんなことを? あんたはヴェイグさんの親友だったんだろ?」
「元、な」
即答する相手、ティトレイに少年、カイルは口をつぐんだ。しかし閉じる訳にはいかない。
「でも、ヴェイグさんはまだ親友だって思ってる。それを踏みにじる気なのか」
「だからこうしてるんだろ?」
「じゃあ、何であんたはこんなことしてるんだ?」
ちぐはぐな言動に疑問符を浮かべるティトレイ。けれどもカイルの目付きは変わらない。
「本当に親友じゃないって思ってるなら、あんたが直接手を下せばいいんだ」
僅かに相手の顔色が変わったのを確認し、心中で拳を握る。
「……お生憎様。クレスとはそういう約束なんだ」
「本当に?」
「本当だよ」
強さこそ違えど、先刻のディムロスと似たような返答にカイルは確信した。
「……それはあんたの本心じゃない!」
びくりとティトレイの身体が跳ねるのと同時に一気に箒に力を込め直進する。
カイルが必死に編み出した策略(とはいえ実際はただの「名付けて友情に訴える作戦」でしかないのだが)は成立した。
唐突な行動にティトレイは一拍置いて矢を放つ、が、
「ディムロス!」
カイルの声に呼応して箒自体がぐるんと180度回転し、
矢はプラス座標からマイナス座標に移動した少年を捉えることなく後方の民家へと突き刺さる。
直進した箒はそのまま霧を割って急下降。声は回転の合図だけではない。
更に180度回転し元に戻った少年のソーディアンは光り輝き、刀身に焔が点る。狙うは――剣劇を繰り広げる目の前の剣士!
「紅蓮剣っ!!」
片手の力だけではあるが思い切り腕を振るいディムロスを投げつける。回転する刀身は背後から真紅のマントを狙う。
しかし、これも無駄な足掻きとも言わんばかりに剣士の姿は青い光に包まれ消える。
目前で弧を描き戻っていく大剣を見てヴェイグは叫ぶ。
「上だ! カイルっ!!」
思わず上空を見上げてカイルは後悔した。剣士が裂けそうなまでの笑みを浮かべて降りてくる。
ヴェイグは疾駆するも空の相手に行える札は持ち合わせていない。手を突き出そうとしてどこからか飛来した矢に遮られた。
殺られる――――ヴェイグには光景が粘性を持って見えた。
あと僅かで魔剣がカイルの肉を貫こうとして、カイルは前進ではなく更に降下する。
股間の痛みなど堪えて思い切り屈み――少年の硬い金髪を掠って剣が通り抜けていく。
炎を纏い輪舞する剣は再度クレスの身体を捉えた。下方へ構えた魔剣の抜き身にそれは命中し、弾かれる。
決死の回避によるディムロスの素通りがクレスの攻撃をキャンセルさせた。そのままディムロスは地に落ちていく。
「元、な」
即答する相手、ティトレイに少年、カイルは口をつぐんだ。しかし閉じる訳にはいかない。
「でも、ヴェイグさんはまだ親友だって思ってる。それを踏みにじる気なのか」
「だからこうしてるんだろ?」
「じゃあ、何であんたはこんなことしてるんだ?」
ちぐはぐな言動に疑問符を浮かべるティトレイ。けれどもカイルの目付きは変わらない。
「本当に親友じゃないって思ってるなら、あんたが直接手を下せばいいんだ」
僅かに相手の顔色が変わったのを確認し、心中で拳を握る。
「……お生憎様。クレスとはそういう約束なんだ」
「本当に?」
「本当だよ」
強さこそ違えど、先刻のディムロスと似たような返答にカイルは確信した。
「……それはあんたの本心じゃない!」
びくりとティトレイの身体が跳ねるのと同時に一気に箒に力を込め直進する。
カイルが必死に編み出した策略(とはいえ実際はただの「名付けて友情に訴える作戦」でしかないのだが)は成立した。
唐突な行動にティトレイは一拍置いて矢を放つ、が、
「ディムロス!」
カイルの声に呼応して箒自体がぐるんと180度回転し、
矢はプラス座標からマイナス座標に移動した少年を捉えることなく後方の民家へと突き刺さる。
直進した箒はそのまま霧を割って急下降。声は回転の合図だけではない。
更に180度回転し元に戻った少年のソーディアンは光り輝き、刀身に焔が点る。狙うは――剣劇を繰り広げる目の前の剣士!
「紅蓮剣っ!!」
片手の力だけではあるが思い切り腕を振るいディムロスを投げつける。回転する刀身は背後から真紅のマントを狙う。
しかし、これも無駄な足掻きとも言わんばかりに剣士の姿は青い光に包まれ消える。
目前で弧を描き戻っていく大剣を見てヴェイグは叫ぶ。
「上だ! カイルっ!!」
思わず上空を見上げてカイルは後悔した。剣士が裂けそうなまでの笑みを浮かべて降りてくる。
ヴェイグは疾駆するも空の相手に行える札は持ち合わせていない。手を突き出そうとしてどこからか飛来した矢に遮られた。
殺られる――――ヴェイグには光景が粘性を持って見えた。
あと僅かで魔剣がカイルの肉を貫こうとして、カイルは前進ではなく更に降下する。
股間の痛みなど堪えて思い切り屈み――少年の硬い金髪を掠って剣が通り抜けていく。
炎を纏い輪舞する剣は再度クレスの身体を捉えた。下方へ構えた魔剣の抜き身にそれは命中し、弾かれる。
決死の回避によるディムロスの素通りがクレスの攻撃をキャンセルさせた。そのままディムロスは地に落ちていく。
カイルがヴェイグの下に戻り、そのヴェイグが追撃を掛けようとして牽制の矢が数本放たれた。
1本がヴェイグの足元へと刺さり、もう1本は素知らぬ方向へ飛んでいく。
2人の目からすれば素知らぬ方だった。その先には、赤と青の2色を取り合わせた少年が木刀を両手に疾走していた。
着地したクレスに走行態勢のまま流れるように連撃を畳み込み、受け止める相手に片方を思い切り振り上げる!
「獅子……戦、吼っ!!」
生じた青白い獅子が口を開けてクレスを喰らい、初めてまともに吹き飛んだ。既に木炭しかない焼け跡に倒れ込む。
「ロイド!」
「2人とも……どうしてここに」
ロイドは息も切らさずに立ち、2人を天使らしからぬ純粋な驚愕の瞳で見つめていた。
南から聞こえた音に反応して来てはみたものの、まさかこの2人がいるとは頭の片隅でも思っていなかったからだ。
「お前が先行するから追って来た。1人で勝手に死なれては困る」
「まあ、結果としてこっちがピンチになっちゃってたけど……」
思わず顔を緩める2人に、ロイドは心に迫る思いだった。ごめん、と小さく呟いて、ありがとうと笑った。
緊迫した雰囲気が緩み、一時的な和やかな空気が流れる。
しかし、それすら邪魔するかのように力の波動が迸る。
空気を塗り替えるように、強烈な風の波が焼け跡から広がり3人を煽った。
3人は腕を顔の前にかざし逆風の方へと向く。
立ち昇った青い光の剣が消えていって、打ち捨てられていたはずの木材達は無残どころか存在がなくなっていた。
更地に悠然と立つ人物に少しばかりの笑みが浮かんでいる。それが、今は消されてしまった光景の微笑ましさからとは到底思えないが。
ぐおんぐおんと重い何かが回転しながら落ちてくる、そんな唸りが3人の耳を打って、
正体を知った時には空から降ってきたそれを剣士は容易くキャッチしていた。
「3人……1万回か」
そうして身体に付いた灰をにべもなく払うその手に握られたものに、3人は瞠目した。
片手には魔剣、もう片手には煤塗れではあるが所々から金色の見え隠れする戦斧が握られている。
さも、目の前に二刀流がいるので自分も、というような軽々しさで、両刃の斧を振るっていた。
さきほどの次元斬でさえ、埋もれた武器を早く握りたいがために障害物を消した程度の感覚だったのだろう。
ファラ・エルステッドの支給品の1つ、ガイアグリーヴァ。
彼女の亡き後この家に置かれ、そしてそのまま燃えてしまい、ひっそりと残されていたのだ。
「へー、やっぱりお前も来てたのか」
上空からの声に次はそちらへと視線を向ける。言葉の軽々しさとは裏腹に、顔には何の表情も浮かんでいない。
ティトレイの手は弓を構える代わりに炎の大剣が握られている。
唇を噛んでカイルはディムロスを見つめる。いくら仕方なかったとはいえ、ソーディアンを相手の手に渡すなど戦力を考えれば許されないことだ。
互いの新たな武器、縦と横からの包囲に3人は身動きを封じられる。
1本がヴェイグの足元へと刺さり、もう1本は素知らぬ方向へ飛んでいく。
2人の目からすれば素知らぬ方だった。その先には、赤と青の2色を取り合わせた少年が木刀を両手に疾走していた。
着地したクレスに走行態勢のまま流れるように連撃を畳み込み、受け止める相手に片方を思い切り振り上げる!
「獅子……戦、吼っ!!」
生じた青白い獅子が口を開けてクレスを喰らい、初めてまともに吹き飛んだ。既に木炭しかない焼け跡に倒れ込む。
「ロイド!」
「2人とも……どうしてここに」
ロイドは息も切らさずに立ち、2人を天使らしからぬ純粋な驚愕の瞳で見つめていた。
南から聞こえた音に反応して来てはみたものの、まさかこの2人がいるとは頭の片隅でも思っていなかったからだ。
「お前が先行するから追って来た。1人で勝手に死なれては困る」
「まあ、結果としてこっちがピンチになっちゃってたけど……」
思わず顔を緩める2人に、ロイドは心に迫る思いだった。ごめん、と小さく呟いて、ありがとうと笑った。
緊迫した雰囲気が緩み、一時的な和やかな空気が流れる。
しかし、それすら邪魔するかのように力の波動が迸る。
空気を塗り替えるように、強烈な風の波が焼け跡から広がり3人を煽った。
3人は腕を顔の前にかざし逆風の方へと向く。
立ち昇った青い光の剣が消えていって、打ち捨てられていたはずの木材達は無残どころか存在がなくなっていた。
更地に悠然と立つ人物に少しばかりの笑みが浮かんでいる。それが、今は消されてしまった光景の微笑ましさからとは到底思えないが。
ぐおんぐおんと重い何かが回転しながら落ちてくる、そんな唸りが3人の耳を打って、
正体を知った時には空から降ってきたそれを剣士は容易くキャッチしていた。
「3人……1万回か」
そうして身体に付いた灰をにべもなく払うその手に握られたものに、3人は瞠目した。
片手には魔剣、もう片手には煤塗れではあるが所々から金色の見え隠れする戦斧が握られている。
さも、目の前に二刀流がいるので自分も、というような軽々しさで、両刃の斧を振るっていた。
さきほどの次元斬でさえ、埋もれた武器を早く握りたいがために障害物を消した程度の感覚だったのだろう。
ファラ・エルステッドの支給品の1つ、ガイアグリーヴァ。
彼女の亡き後この家に置かれ、そしてそのまま燃えてしまい、ひっそりと残されていたのだ。
「へー、やっぱりお前も来てたのか」
上空からの声に次はそちらへと視線を向ける。言葉の軽々しさとは裏腹に、顔には何の表情も浮かんでいない。
ティトレイの手は弓を構える代わりに炎の大剣が握られている。
唇を噛んでカイルはディムロスを見つめる。いくら仕方なかったとはいえ、ソーディアンを相手の手に渡すなど戦力を考えれば許されないことだ。
互いの新たな武器、縦と横からの包囲に3人は身動きを封じられる。
「……ティトレイ、やはりお前はクレスと」
「お前こそ、暴走して生きてるとは思わなかったよ」
眉1つ動かさないまま白々しく言うティトレイにヴェイグは首を振る。
「ティトレイ、もう止めてくれ。俺はお前とは戦いたくない」
「……この期に及んで甘いこと言うのかよ?」
「それが本心だからだ。お前は、ただデミテルの呪術に操られているだけだろう?」
ヴェイグの悲痛な響きにティトレイは同調するどころか剣を置いて矢を弄ぶ。
琥珀色の瞳は鋭く、背筋を凍らせるようならしからぬものを秘めていた。
「……お前、本ッ当に何も分かってねえな」
そう力なく呟いて、ティトレイは矢をしまいディムロスを屋根から投げた。
くるくると回転した刃がカイル達の前に突き刺さる。当然、3人は困惑してティトレイを見つめた。
「いいよ。そっちの方がクレスも満足できるだろうし」
恐る恐るヴェイグはディムロスを引き抜き、何の罠もないことを確認してカイルに渡す。
無事に帰ってきたことに安堵しつつもカイルはティトレイを不思議そうに見る。
少年の目を無視してティトレイは顔を背け瞼を伏せる。
「だから、3人とも殺していいぜ、クレス」
淡々としたその言葉に身体を跳ね上がらせた3人はすぐさまクレスのいる方を見る。
「まあ、約束覚えててくれてるならちょっとくらいは嬉しいけど……別にいいや」
しかし既にクレスは剣と斧を手にこちらへ転移していた。ロイドはウッドブレードに次元斬を宿し攻撃を受け止める。
一行に背を向けるティトレイにヴェイグは視線を送る。
「どこへ行く気だ!?」
「別に、ここに2人、というか5人固まってるのもマズいし。で? 話してる暇は?」
顔だけをヴェイグに向けて言うティトレイには、クレスの放つ虚空蒼破斬が見えていた。
反射的に氷壁を作り出しヴェイグは2人を青い闘気から守るも、氷が砕け散りもう1度振り向いた時にはティトレイの影もなかった。
「どういうことだ……?」
『恐らく、第3の存在だろう。ミトスが一体どこから横槍を入れ、纏めて屠るか分からんからな。意外と賢明な奴かもしれん』
「ミトスがどこから狙ってるか分からない、ってことか。……でも、今は」
カイルが真正面を見据える。そこには残された殺人鬼が1人、嬉々とした顔で3人を見ていた。
大柄な2本の武器が相手の格を思い知らせている。
『当初の目的の半分は達した。……しかし、逃げながらこいつの相手ができるか?』
「無理だな。クレスの実力は俺が1番分かってる」
双刀を重ねて身構えるロイドは言う。張り詰めた表情には有限の時間が出ていた。
「二手に分かれるのは」
「逆にティトレイが消えた以上、分かれる方が不安要素が強い」
カイルの問いにヴェイグが答える。3人はクレスの方を向いたままだ。
「……つまり」
「お前こそ、暴走して生きてるとは思わなかったよ」
眉1つ動かさないまま白々しく言うティトレイにヴェイグは首を振る。
「ティトレイ、もう止めてくれ。俺はお前とは戦いたくない」
「……この期に及んで甘いこと言うのかよ?」
「それが本心だからだ。お前は、ただデミテルの呪術に操られているだけだろう?」
ヴェイグの悲痛な響きにティトレイは同調するどころか剣を置いて矢を弄ぶ。
琥珀色の瞳は鋭く、背筋を凍らせるようならしからぬものを秘めていた。
「……お前、本ッ当に何も分かってねえな」
そう力なく呟いて、ティトレイは矢をしまいディムロスを屋根から投げた。
くるくると回転した刃がカイル達の前に突き刺さる。当然、3人は困惑してティトレイを見つめた。
「いいよ。そっちの方がクレスも満足できるだろうし」
恐る恐るヴェイグはディムロスを引き抜き、何の罠もないことを確認してカイルに渡す。
無事に帰ってきたことに安堵しつつもカイルはティトレイを不思議そうに見る。
少年の目を無視してティトレイは顔を背け瞼を伏せる。
「だから、3人とも殺していいぜ、クレス」
淡々としたその言葉に身体を跳ね上がらせた3人はすぐさまクレスのいる方を見る。
「まあ、約束覚えててくれてるならちょっとくらいは嬉しいけど……別にいいや」
しかし既にクレスは剣と斧を手にこちらへ転移していた。ロイドはウッドブレードに次元斬を宿し攻撃を受け止める。
一行に背を向けるティトレイにヴェイグは視線を送る。
「どこへ行く気だ!?」
「別に、ここに2人、というか5人固まってるのもマズいし。で? 話してる暇は?」
顔だけをヴェイグに向けて言うティトレイには、クレスの放つ虚空蒼破斬が見えていた。
反射的に氷壁を作り出しヴェイグは2人を青い闘気から守るも、氷が砕け散りもう1度振り向いた時にはティトレイの影もなかった。
「どういうことだ……?」
『恐らく、第3の存在だろう。ミトスが一体どこから横槍を入れ、纏めて屠るか分からんからな。意外と賢明な奴かもしれん』
「ミトスがどこから狙ってるか分からない、ってことか。……でも、今は」
カイルが真正面を見据える。そこには残された殺人鬼が1人、嬉々とした顔で3人を見ていた。
大柄な2本の武器が相手の格を思い知らせている。
『当初の目的の半分は達した。……しかし、逃げながらこいつの相手ができるか?』
「無理だな。クレスの実力は俺が1番分かってる」
双刀を重ねて身構えるロイドは言う。張り詰めた表情には有限の時間が出ていた。
「二手に分かれるのは」
「逆にティトレイが消えた以上、分かれる方が不安要素が強い」
カイルの問いにヴェイグが答える。3人はクレスの方を向いたままだ。
「……つまり」
『目標はクレス・アルベイン。撃破または沈静化を目的とする』
ディムロスの言葉に、それぞれは剣を握る力を強めた。
「カイル、お前は待機しててくれ」
「え?」
ロイドの声に間の抜けた声を上げるカイル。
「さっきの技、虚空蒼破斬を考えても多人数で戦うのはリスクが高い。それにどこから増援があるか分からない。
お前はミトスへの警戒をしていて欲しい」
少し不満げな顔を顕わにするも、分かりました、とヴェイグに答えカイルは後方へ下がった。
かつて作戦会議をした時はロイド1人で戦うことになっていたが、正直、イメージトレーニングを重ねたロイドは
1人で戦ったところで実力差は明らかだと痛感している。
ならば、100+100は200。ロイドとヴェイグの2人は剣を構える。
「……待っててくれたのか」
そう言うロイドにクレスは歪に笑う。
「不意打ちで死んだらつまらないからね。それに、死ぬのに変わりはない」
ぎり、と歯を軋ませロイドは双刀に青い光を散らせる。
「誰が……お前なんかの手に掛かって死ぬかっ!!」
両雄が駆け、剣が激突して決戦の火蓋は落とされた。
「カイル、お前は待機しててくれ」
「え?」
ロイドの声に間の抜けた声を上げるカイル。
「さっきの技、虚空蒼破斬を考えても多人数で戦うのはリスクが高い。それにどこから増援があるか分からない。
お前はミトスへの警戒をしていて欲しい」
少し不満げな顔を顕わにするも、分かりました、とヴェイグに答えカイルは後方へ下がった。
かつて作戦会議をした時はロイド1人で戦うことになっていたが、正直、イメージトレーニングを重ねたロイドは
1人で戦ったところで実力差は明らかだと痛感している。
ならば、100+100は200。ロイドとヴェイグの2人は剣を構える。
「……待っててくれたのか」
そう言うロイドにクレスは歪に笑う。
「不意打ちで死んだらつまらないからね。それに、死ぬのに変わりはない」
ぎり、と歯を軋ませロイドは双刀に青い光を散らせる。
「誰が……お前なんかの手に掛かって死ぬかっ!!」
両雄が駆け、剣が激突して決戦の火蓋は落とされた。
戦場を離れ、再び中央広場に戻ろうかという辺り。そこにティトレイはいた。
重くはないがゆったりとした歩調で、ここら辺なら流石に大丈夫だろうと、広場を囲む家の内の1つに入る。
きい、と木の鳴る音が遠くからのけたたましい剣戟音の中でとてもささやかだった。
居間が広がり、少し奥へ進んだところの小部屋にベッドがあったので、彼はブーツも脱がずぼふりと倒れ込んだ。
仰向きになって白い天上を見上げて、片腕ごと両目を押さえ隠した。
目の前が暗くなって、確かにどこかにもやもやとした不可視のものがあるのだと実感させられる。
先刻から頭の中で脳が誰かに振り回されているような、そんな違和感に似た重みと苛立ちがあった。
重い片腕をかざして見る。今、顔を押さえた時の服越しの感触は硬かった。
(さっきのでまた進んだ……何だっての)
眉間に皺を寄せ眺める――いや、分かっているのだ。
極力フォルスも使わず弓矢を用いるようにしている。それなのに、内側の侵食は収まってくれる気配もない。
(本心、じゃない)
その文章を頭にした瞬間、喉の奥から熱い何かが込み上げ、咄嗟に手で押さえ咳で吐き出した。
離せば、白く粘性のある液体がグローブにへばり付いている。自分に見せつけようとでもするかのように。
「……くそ、どこの病人だよ」
手を下ろし、横になったまま近くの窓を見る。とはいえ、未だ霧がかかり先の見通せない状態であったが。
1つ1つモノトーン色のタイルを張ったような光景はモザイク画のようで、これは窓ではなく額縁か何かのように思えた。
そうすると灰色の個室に閉じ込められたような気分になってきて、得も言えぬ閉塞感に少し胸のつかえが取れた気がした。
これくらい、現実は非情を見せてくれれば全てを喪ったような気になれるのに。
2日間床で休んでいない彼にとってベッドの感触は心地よく、その内、視界までもが霞がかっていく。
このまま何も考えずにずっと眠っていられたらどんなに楽だろうか。
そう思ってまどろみの中に呑まれていった。
重くはないがゆったりとした歩調で、ここら辺なら流石に大丈夫だろうと、広場を囲む家の内の1つに入る。
きい、と木の鳴る音が遠くからのけたたましい剣戟音の中でとてもささやかだった。
居間が広がり、少し奥へ進んだところの小部屋にベッドがあったので、彼はブーツも脱がずぼふりと倒れ込んだ。
仰向きになって白い天上を見上げて、片腕ごと両目を押さえ隠した。
目の前が暗くなって、確かにどこかにもやもやとした不可視のものがあるのだと実感させられる。
先刻から頭の中で脳が誰かに振り回されているような、そんな違和感に似た重みと苛立ちがあった。
重い片腕をかざして見る。今、顔を押さえた時の服越しの感触は硬かった。
(さっきのでまた進んだ……何だっての)
眉間に皺を寄せ眺める――いや、分かっているのだ。
極力フォルスも使わず弓矢を用いるようにしている。それなのに、内側の侵食は収まってくれる気配もない。
(本心、じゃない)
その文章を頭にした瞬間、喉の奥から熱い何かが込み上げ、咄嗟に手で押さえ咳で吐き出した。
離せば、白く粘性のある液体がグローブにへばり付いている。自分に見せつけようとでもするかのように。
「……くそ、どこの病人だよ」
手を下ろし、横になったまま近くの窓を見る。とはいえ、未だ霧がかかり先の見通せない状態であったが。
1つ1つモノトーン色のタイルを張ったような光景はモザイク画のようで、これは窓ではなく額縁か何かのように思えた。
そうすると灰色の個室に閉じ込められたような気分になってきて、得も言えぬ閉塞感に少し胸のつかえが取れた気がした。
これくらい、現実は非情を見せてくれれば全てを喪ったような気になれるのに。
2日間床で休んでいない彼にとってベッドの感触は心地よく、その内、視界までもが霞がかっていく。
このまま何も考えずにずっと眠っていられたらどんなに楽だろうか。
そう思ってまどろみの中に呑まれていった。
まだ真実も何も見出せない霧の中、約束の地で何かが軋み出した。
【ヴェイグ=リュングベル 生存確認】
状態:HP30% TP20% 他人の死への拒絶 リオンのサック所持
両腕内出血 背中に3箇所裂傷
軽微疲労 左眼失明(眼球破裂、眼窩を布で覆ってます) 胸甲を破砕された
所持品:チンクエディア アイスコフィン 忍刀桔梗 ミトスの手紙
45ACP弾7発マガジン×3 漆黒の翼のバッジ Eナイトメアブーツ ホーリィリング
基本行動方針:今まで犯した罪を償う(特にカイルへ)
第一行動方針:クレスの撃破
第二行動方針:もしティトレイと再接触したなら、聖獣の力でティトレイを正気に戻せるか試みる
現在位置:C3村西地区・ファラの家焼け跡前
状態:HP30% TP20% 他人の死への拒絶 リオンのサック所持
両腕内出血 背中に3箇所裂傷
軽微疲労 左眼失明(眼球破裂、眼窩を布で覆ってます) 胸甲を破砕された
所持品:チンクエディア アイスコフィン 忍刀桔梗 ミトスの手紙
45ACP弾7発マガジン×3 漆黒の翼のバッジ Eナイトメアブーツ ホーリィリング
基本行動方針:今まで犯した罪を償う(特にカイルへ)
第一行動方針:クレスの撃破
第二行動方針:もしティトレイと再接触したなら、聖獣の力でティトレイを正気に戻せるか試みる
現在位置:C3村西地区・ファラの家焼け跡前
【カイル=デュナミス 生存確認】
状態:HP45% TP30% 両足粉砕骨折(処置済み) 両睾丸破裂(男性機能喪失)
所持品:鍋の蓋 フォースリング ウィス 忍刀血桜 クラトスの輝石 料理大全
蝙蝠の首輪 レアガントレット(左手甲に穴)セレスティマント ロリポップ ミントの帽子
S・D 魔玩ビシャスコア アビシオン人形 ミスティブルーム 漆黒の翼のバッジ ペルシャブーツ
基本行動方針:生きる
第一行動方針:戦況を見守りつつミトスへの警戒を行う
第二行動方針:守られる側から守る側に成長する
第三行動方針:ヴェイグの行動を見続ける
SD基本行動方針:一同を指揮
現在位置:C3村西地区・ファラの家焼け跡前
状態:HP45% TP30% 両足粉砕骨折(処置済み) 両睾丸破裂(男性機能喪失)
所持品:鍋の蓋 フォースリング ウィス 忍刀血桜 クラトスの輝石 料理大全
蝙蝠の首輪 レアガントレット(左手甲に穴)セレスティマント ロリポップ ミントの帽子
S・D 魔玩ビシャスコア アビシオン人形 ミスティブルーム 漆黒の翼のバッジ ペルシャブーツ
基本行動方針:生きる
第一行動方針:戦況を見守りつつミトスへの警戒を行う
第二行動方針:守られる側から守る側に成長する
第三行動方針:ヴェイグの行動を見続ける
SD基本行動方針:一同を指揮
現在位置:C3村西地区・ファラの家焼け跡前
【ロイド=アーヴィング 生存確認】
状態:天使化 HP35%(回復の実感は無い) TP35%(TP0で終了) 右手甲損傷(完治は不可能)
心臓喪失(包帯で隠している) 砕けた理想
所持品:ウッドブレード エターナルリング ガーネット 忍刀・紫電 イクストリーム ジェットブーツ
漆黒の翼のバッジ×5 フェアリィリング
基本行動方針:最後まで貫く
第一行動方針:クレスの撃破
第二行動方針:エターナルソードの為にクレスを倒すand(or)コレットの為にミトスを倒す?
現在位置:C3村西地区・ファラの家焼け跡前
状態:天使化 HP35%(回復の実感は無い) TP35%(TP0で終了) 右手甲損傷(完治は不可能)
心臓喪失(包帯で隠している) 砕けた理想
所持品:ウッドブレード エターナルリング ガーネット 忍刀・紫電 イクストリーム ジェットブーツ
漆黒の翼のバッジ×5 フェアリィリング
基本行動方針:最後まで貫く
第一行動方針:クレスの撃破
第二行動方針:エターナルソードの為にクレスを倒すand(or)コレットの為にミトスを倒す?
現在位置:C3村西地区・ファラの家焼け跡前
【クレス=アルベイン 生存確認】
状態:TP70% 善意及び判断能力の喪失 薬物中毒(次の禁断症状発症は午後6時ごろ?)
戦闘狂 殺人狂 殺意が禁断症状を上回っている 放送を聞いていない
所持品:エターナルソード ガイアグリーヴァ クレスの荷物
基本行動方針:力が欲しい
第一行動方針:目の前の3人を殺す
第二行動方針:但し、ヴェイグは結果的に戦闘不能に出来た場合のみ放置
第三行動方針:ティトレイはまだ殺さない
現在位置:C3村西地区・ファラの家焼け跡前
状態:TP70% 善意及び判断能力の喪失 薬物中毒(次の禁断症状発症は午後6時ごろ?)
戦闘狂 殺人狂 殺意が禁断症状を上回っている 放送を聞いていない
所持品:エターナルソード ガイアグリーヴァ クレスの荷物
基本行動方針:力が欲しい
第一行動方針:目の前の3人を殺す
第二行動方針:但し、ヴェイグは結果的に戦闘不能に出来た場合のみ放置
第三行動方針:ティトレイはまだ殺さない
現在位置:C3村西地区・ファラの家焼け跡前
【ティトレイ=クロウ 生存確認】
状態:HP50% TP65% 感情希薄 フォルスに異常 放送をまともに聞いていない
所持品:フィートシンボル メンタルバングル バトルブック(半分燃焼) オーガアクス
エメラルドリング 短弓(腕に装着) クローナシンボル
基本行動方針:命尽きるまでゲームに乗る(最終的には「なるようになれ」)
第一行動方針:一時的に眠る
第二行動方針:状況にもよるが基本的にクレスの(直接戦闘以外の)サポートを行う。
第三行動方針:ヴェイグに関しては保留(なるようになれ)
第四行動方針:事が済めばクレスに自分を殺させる
現在位置:C3村中央地区・民家内
状態:HP50% TP65% 感情希薄 フォルスに異常 放送をまともに聞いていない
所持品:フィートシンボル メンタルバングル バトルブック(半分燃焼) オーガアクス
エメラルドリング 短弓(腕に装着) クローナシンボル
基本行動方針:命尽きるまでゲームに乗る(最終的には「なるようになれ」)
第一行動方針:一時的に眠る
第二行動方針:状況にもよるが基本的にクレスの(直接戦闘以外の)サポートを行う。
第三行動方針:ヴェイグに関しては保留(なるようになれ)
第四行動方針:事が済めばクレスに自分を殺させる
現在位置:C3村中央地区・民家内