End of the Game -今生層・壊刀乱麻キラーズ-
震えている。
影が、光が、空気が、そして自分の吐く息が。
天下無双を名乗るに相応しい腕を持つ剣士の吐息が、けれども何かに怯える様に小刻みに震えている。
緊張か恐怖か……或いは疲労か。
一時的に復活した自我と迫り来る狂気の狭間では、それすらも判らない。
一人の剣士として存在を宣言した筈の“クレス=アルベイン”は、しかしそれほどまでに不安定であり、何処までも曖昧だった。
幾ら高く立派に立っていようが、所詮は砂上の楼閣。
何時崩れ落ちるやも分からぬ脆い楼閣から、大黒柱を抜くなぞ論外だ。
そう、だからクレスは背の最強の一振りを解けない……否、解かないのか、或いは……。
それすらもクレスには判らなかった。
今出来る事を続ける為には“多分”それを使うわけにはいかないのだろう、と漠然と思っているだけだ。
クレスが少しでも永く、剣でなく剣士で在るには、それは“おそらく”抜いてはならぬ<抜けぬ>禁忌の黒刃―――究極の諸刃の剣なのだ。
影が、光が、空気が、そして自分の吐く息が。
天下無双を名乗るに相応しい腕を持つ剣士の吐息が、けれども何かに怯える様に小刻みに震えている。
緊張か恐怖か……或いは疲労か。
一時的に復活した自我と迫り来る狂気の狭間では、それすらも判らない。
一人の剣士として存在を宣言した筈の“クレス=アルベイン”は、しかしそれほどまでに不安定であり、何処までも曖昧だった。
幾ら高く立派に立っていようが、所詮は砂上の楼閣。
何時崩れ落ちるやも分からぬ脆い楼閣から、大黒柱を抜くなぞ論外だ。
そう、だからクレスは背の最強の一振りを解けない……否、解かないのか、或いは……。
それすらもクレスには判らなかった。
今出来る事を続ける為には“多分”それを使うわけにはいかないのだろう、と漠然と思っているだけだ。
クレスが少しでも永く、剣でなく剣士で在るには、それは“おそらく”抜いてはならぬ<抜けぬ>禁忌の黒刃―――究極の諸刃の剣なのだ。
直ぐ側にあるにも関わらず剣を抜けない<抜かない>。即ちアルベイン流を越える最強の剣技を使う事すら叶わない。
何という下手な笑い話か。命を賭するべき最終決戦で剣士が加減をすると宣う。
そんな愚かな剣士が何処の世界に居よう。……だが困った事に、その大莫迦は確かに此所に居るのだ。
何という下手な笑い話か。命を賭するべき最終決戦で剣士が加減をすると宣う。
そんな愚かな剣士が何処の世界に居よう。……だが困った事に、その大莫迦は確かに此所に居るのだ。
背負う獲物が放つ魔力の芳しさは、蜂がこぞって群がる蓮華の蜜のようであり、甘い誘惑に違いなかった。
挙句重みは鉛の杭と化し、クレスの足を地面に縫い付けようと必死になっている。
重い。そう……余りにもおもいのだ、それは。抜けば愛しい人へのおもいを砕いてしまうほど。
ふとクレスは、立ち込める暗雲から逃れる様に手元を見る。そこには、闇にぎらりと怪しく浮かぶ弧月の二枚刃があった。
それはまるで常夜の町から見上げた双月のようで、クレスは目を細めて霞んでしまった記憶を懐かしむ。
三日間の痛ましく壮絶な記憶が、それをもう届かぬほど遠くしてしまっていた。
だが、それでも自分の中に“まだ残っている”。その事実は少なからずクレスを安堵させた。
だがそう思う度に背の悪魔がずしりと心に伸し掛かる。
こうして懐かしむ事すら出来なくなるかもしれない未来の自分は、思うに今以上に――――――――孤独、としか言い様がなかった。
挙句重みは鉛の杭と化し、クレスの足を地面に縫い付けようと必死になっている。
重い。そう……余りにもおもいのだ、それは。抜けば愛しい人へのおもいを砕いてしまうほど。
ふとクレスは、立ち込める暗雲から逃れる様に手元を見る。そこには、闇にぎらりと怪しく浮かぶ弧月の二枚刃があった。
それはまるで常夜の町から見上げた双月のようで、クレスは目を細めて霞んでしまった記憶を懐かしむ。
三日間の痛ましく壮絶な記憶が、それをもう届かぬほど遠くしてしまっていた。
だが、それでも自分の中に“まだ残っている”。その事実は少なからずクレスを安堵させた。
だがそう思う度に背の悪魔がずしりと心に伸し掛かる。
こうして懐かしむ事すら出来なくなるかもしれない未来の自分は、思うに今以上に――――――――孤独、としか言い様がなかった。
アルベイン流は剣・刀・斧・戟・棍……ありとあらゆる武具に応用出来る様な究極の流派だが、本質は剣を扱う為の流派である。
それもただの剣ではなくグリップソードを、だ。
故にアルベイン流の得手不得手で言えば、斧は言うまでもなく後者だった。
だがクレスの手に握られているのはその不得手な斧が二本。
有終の美を飾る最終戦にしては、余りにも頼りない獲物だった。
棒切れよりは役立つとは言え決して満足とは言えないその斧の柄を握り直すと、クレスは足をゆっくりと前に出す。
不服そうな素振りは全くない。武器が何であろうが、“敵を壊してしまえば一緒”だからだ。
邪魔だと捨てたランタンは遥か遠く、光は最早無いにも等しい細やかなものだった。
それでも、本当の意味で光一つ在りはしない闇の中では確かな道標になる。
洞窟が馬鹿正直に一本道だったのは実に幸いだった。……偶然か或いは主催の計いか。
後者だとすれば馬鹿にされているとしか思えないが、今更安い挑発に乗るほどクレスは愚かではない。
屈辱に眉一つ動かさぬクレスを、地面に浮かぶ影は強情なとけたけた笑った。
湧水に滑る岩肌はてらてらと煌びやかに光を反射している。まるで金銀玉が散りばめられているかのようだ。
黴の臭いと嫌に肌に纏わり付く湿気には、いつの間にやら身体も慣れてしまっている。
何も音を出す気がない洞には足音だけが響いていた。
それは山彦の様に壁を反射し奥へ走ってゆくと、やがて闇に殺されてゆく。
今際の際の声の様なやけに虚しい残響だった。
夜よりも遥かに暗いであろう洞穴は、人の欲の様に底が見えない。
身体も音も光も感情も命さえも、その洞穴は何でも飲み込んでしまいそうだった。
漆黒の魔獣は、孤独な剣士をその腹に閉じ込めようと躍起になっているのだ。
それもただの剣ではなくグリップソードを、だ。
故にアルベイン流の得手不得手で言えば、斧は言うまでもなく後者だった。
だがクレスの手に握られているのはその不得手な斧が二本。
有終の美を飾る最終戦にしては、余りにも頼りない獲物だった。
棒切れよりは役立つとは言え決して満足とは言えないその斧の柄を握り直すと、クレスは足をゆっくりと前に出す。
不服そうな素振りは全くない。武器が何であろうが、“敵を壊してしまえば一緒”だからだ。
邪魔だと捨てたランタンは遥か遠く、光は最早無いにも等しい細やかなものだった。
それでも、本当の意味で光一つ在りはしない闇の中では確かな道標になる。
洞窟が馬鹿正直に一本道だったのは実に幸いだった。……偶然か或いは主催の計いか。
後者だとすれば馬鹿にされているとしか思えないが、今更安い挑発に乗るほどクレスは愚かではない。
屈辱に眉一つ動かさぬクレスを、地面に浮かぶ影は強情なとけたけた笑った。
湧水に滑る岩肌はてらてらと煌びやかに光を反射している。まるで金銀玉が散りばめられているかのようだ。
黴の臭いと嫌に肌に纏わり付く湿気には、いつの間にやら身体も慣れてしまっている。
何も音を出す気がない洞には足音だけが響いていた。
それは山彦の様に壁を反射し奥へ走ってゆくと、やがて闇に殺されてゆく。
今際の際の声の様なやけに虚しい残響だった。
夜よりも遥かに暗いであろう洞穴は、人の欲の様に底が見えない。
身体も音も光も感情も命さえも、その洞穴は何でも飲み込んでしまいそうだった。
漆黒の魔獣は、孤独な剣士をその腹に閉じ込めようと躍起になっているのだ。
数分歩いた後、クレスは歩みをはたと止める。
足音が反射しない。吸い込まれてしまいそうな虚ろな黒は、そこで大きく口を広げていた。
狭い廊下は終わり、此所からは会場。
そう、そこはまるで……殺劇の為に用意されたコロッセオ。
足音が反射しない。吸い込まれてしまいそうな虚ろな黒は、そこで大きく口を広げていた。
狭い廊下は終わり、此所からは会場。
そう、そこはまるで……殺劇の為に用意されたコロッセオ。
クレスは震える息を深く吐くと、その空間の中心まで足を進め、斧を左右に構える。
――――――――――――――“居る”のだ。
幾ら闇に乗じて姿を消そうが機械になり殺気や生気を消そうが、“臭い”は消せない。
――――――――――――――“居る”のだ。
幾ら闇に乗じて姿を消そうが機械になり殺気や生気を消そうが、“臭い”は消せない。
「……行くぞ」
一斉に詠唱を始める敵の晶力に照らされたクレスの輪郭に、深い影が落ちる。
相手の数は丁度10。ナイチンゲール2にウィザード3、ヘルマスター3にバジリスクキング2。
種と割合に敵の作戦、それら全てが第一戦と同じ。
変わった事と言えば……2Dから3Dへ、狭い廊下から360度見渡せる広い闘技場へと進化した程度か。
……だとすれば随分舐められたものだ。
躊躇無く三方向から飛び掛かってくるヘルマスター達を一瞥し、クレスは笑みとも取れる複雑な表情を浮かべた。
相手の数は丁度10。ナイチンゲール2にウィザード3、ヘルマスター3にバジリスクキング2。
種と割合に敵の作戦、それら全てが第一戦と同じ。
変わった事と言えば……2Dから3Dへ、狭い廊下から360度見渡せる広い闘技場へと進化した程度か。
……だとすれば随分舐められたものだ。
躊躇無く三方向から飛び掛かってくるヘルマスター達を一瞥し、クレスは笑みとも取れる複雑な表情を浮かべた。
“これならどうか”と挑戦者を試すような舞台には、けれども観戦者や応援者一人居ない。
誰も覗かぬ孤独な最終戦。難易度はまだまだベリーイージー。
人をおちょくる様な第二戦は、開始の掛け声としては余りにも小さ過ぎる呟きで幕を下ろした。
誰も覗かぬ孤独な最終戦。難易度はまだまだベリーイージー。
人をおちょくる様な第二戦は、開始の掛け声としては余りにも小さ過ぎる呟きで幕を下ろした。
クレス=アルベインは、戦闘において鬼才である。
血統の影響もあるだろうが、それでも有り余る程の才を彼は持っている。
剣技、気功、体術。その三要素をあの年齢で極められる屈強な戦士はそうそう居ないだろう。
この舞台の中でさえ、そこまでの猛者はスタン=エルロン一人しか居らず、そしてそのスタンはクレスに敗北している。
挙句クレスはあらゆる武具を扱え、ぶしつけ本場で馬上槍術をやってのけ、時空剣技を自在に引き出しそれを我流奥義に昇華しているときた。
本人は純粋に鍛練が生んだ力だと謙遜するだろうが、確かにクレスには他人には無い才能があったのだ。
.......
……そんなクレスに、一度使用した手が万に一つでも通じるだろうか?
血統の影響もあるだろうが、それでも有り余る程の才を彼は持っている。
剣技、気功、体術。その三要素をあの年齢で極められる屈強な戦士はそうそう居ないだろう。
この舞台の中でさえ、そこまでの猛者はスタン=エルロン一人しか居らず、そしてそのスタンはクレスに敗北している。
挙句クレスはあらゆる武具を扱え、ぶしつけ本場で馬上槍術をやってのけ、時空剣技を自在に引き出しそれを我流奥義に昇華しているときた。
本人は純粋に鍛練が生んだ力だと謙遜するだろうが、確かにクレスには他人には無い才能があったのだ。
.......
……そんなクレスに、一度使用した手が万に一つでも通じるだろうか?
「飛連閃」
―――――――通じる訳がないのだ。
“閃”……否。それは一筋のか細く美しい“線”だった。
剣を振り下ろさんとしていた三体のヘルマスターは、一切の無駄が無い太刀筋が刹那に暗闇を走り抜けたのを辛うじて視認する。
敵と言えど天晴。
彼等が機械ではなく人間であれば、目を奪われ自然とそう思った事だろう。
尤も相手が人間であれば――――少なくともそれを思う頃には、四肢を絶たれ脳をなます斬りにされているだろうが。
クレスが迷い無く繰り出した初撃は、それほどまでに洗練された一線だった。
言葉を失うほど絢爛で、それでいて血も涙も無いほど残酷。
“閃”……否。それは一筋のか細く美しい“線”だった。
剣を振り下ろさんとしていた三体のヘルマスターは、一切の無駄が無い太刀筋が刹那に暗闇を走り抜けたのを辛うじて視認する。
敵と言えど天晴。
彼等が機械ではなく人間であれば、目を奪われ自然とそう思った事だろう。
尤も相手が人間であれば――――少なくともそれを思う頃には、四肢を絶たれ脳をなます斬りにされているだろうが。
クレスが迷い無く繰り出した初撃は、それほどまでに洗練された一線だった。
言葉を失うほど絢爛で、それでいて血も涙も無いほど残酷。
必殺。
そう、掛け値なくクレスの一撃は“必殺”なのだ。
そう、掛け値なくクレスの一撃は“必殺”なのだ。
きん、とワイングラスを爪で弾いた様な澄んだ音が闇に囲まれた闘技場に反響する。
真っ先にクレスに飛び掛かっヘルマスター達は、この時着地するクレスの右手に握られたオーガアクスに“線”の残像が続いている事に漸く気付いた。
真っ先にクレスに飛び掛かっヘルマスター達は、この時着地するクレスの右手に握られたオーガアクスに“線”の残像が続いている事に漸く気付いた。
「!!?」
瞬間、未だクレスへと剣を振り下ろしてすらいないヘルマスター達のコアに衝撃が走った。
二機のヘルマスターの思考プログラム内にエラーコールがけたたましく鳴る。
“今、我々はこの人間に攻撃をされたのか?”
回路を駆け巡るWHYの三文字。機械の反応速度を人間が超えられるはずがない。
残る一機は、それを疑問に思う事すら出来なかった。
コアに走った衝撃が動揺の電流による衝撃ではなく、剣が走った事による物理的衝撃であったからだ。
何故か真ん中から四つに分裂し空中解体された同族を見て、残されたヘルマスター達はこの時初めてクレスが斬撃を放ったのだと気付く。
クレスの刃の餌食となった最初の一機は幸運だった。
鬼神の様な闘気と殺気に触れる事なく機能停止したからだ。
二機のヘルマスターの思考プログラム内にエラーコールがけたたましく鳴る。
“今、我々はこの人間に攻撃をされたのか?”
回路を駆け巡るWHYの三文字。機械の反応速度を人間が超えられるはずがない。
残る一機は、それを疑問に思う事すら出来なかった。
コアに走った衝撃が動揺の電流による衝撃ではなく、剣が走った事による物理的衝撃であったからだ。
何故か真ん中から四つに分裂し空中解体された同族を見て、残されたヘルマスター達はこの時初めてクレスが斬撃を放ったのだと気付く。
クレスの刃の餌食となった最初の一機は幸運だった。
鬼神の様な闘気と殺気に触れる事なく機能停止したからだ。
機械は生物ではない。
それはごくごく当たり前の事だ。機械を初めて見て十数分と経っていないクレスでさえそれは薄々理解している。
クレスは目線だけで辺りを伺った。詠唱待機の光が幾つか見える――――――予想通り“未だ撃てない”か。
それはごくごく当たり前の事だ。機械を初めて見て十数分と経っていないクレスでさえそれは薄々理解している。
クレスは目線だけで辺りを伺った。詠唱待機の光が幾つか見える――――――予想通り“未だ撃てない”か。
「……!!」
闇に橙色の火花が散った。
ヘルマスター達は同族の死に僅かの動揺も見せず、着地しようとするクレスへと剣を突き出す。
彼等には「近くの敵を狙え」程度の単純な命令信号しかインプットされていないからだ。
彼等は腐っても機械。優秀過ぎる故の……欠点がそこにある。
ヘルマスター達は同族の死に僅かの動揺も見せず、着地しようとするクレスへと剣を突き出す。
彼等には「近くの敵を狙え」程度の単純な命令信号しかインプットされていないからだ。
彼等は腐っても機械。優秀過ぎる故の……欠点がそこにある。
ヘルマスター達は着地するクレスを前後から挟み、左右二本の剣を素早く斬り上げた。
隙の無い動きに仲間の死に躊躇さえ見せない思い切りの良さ。
二機のコンビネーションは誰の目から見ても簡潔且つ完璧だった。
着地する前に四方から迫る斬撃……勝利を確信するには十分過ぎる状況だ。
人間の肉体構造上、空中で前後どちらの剣もいなせる訳がない。
隙の無い動きに仲間の死に躊躇さえ見せない思い切りの良さ。
二機のコンビネーションは誰の目から見ても簡潔且つ完璧だった。
着地する前に四方から迫る斬撃……勝利を確信するには十分過ぎる状況だ。
人間の肉体構造上、空中で前後どちらの剣もいなせる訳がない。
そう、クレス=アルベインが――――――――――――――――――“人間”なら。
「焼けて、蕩けて、弾けて、砕けて、無様に中身曝け出して……」
クレスの正面側のヘルマスターは、サーモグラフィモニタ越しの闇に浮かんだ紅い弧月に気付く。
「……僕に剣を向けた事を、地獄の底で後悔し続けろ」
サーモグラフィモニタが一気に鮮血色に染まった時、文字通り“全てが終わっていた”。
残されたのは精練された装甲をまるでアイスのように溶かされてしまった背後の一機と、脳天から股まで串刺しにされた一機。
クレスの正面側のヘルマスターは、サーモグラフィモニタ越しの闇に浮かんだ紅い弧月に気付く。
「……僕に剣を向けた事を、地獄の底で後悔し続けろ」
サーモグラフィモニタが一気に鮮血色に染まった時、文字通り“全てが終わっていた”。
残されたのは精練された装甲をまるでアイスのように溶かされてしまった背後の一機と、脳天から股まで串刺しにされた一機。
ヘルマスター達の敗因は二つあった。
一つ。ヘルマスター達は初撃の際、クレスの右手に“オーガアクスしか握られていなかった”事に気付くべきだった。
二つ。クレスが“右と左で違う特技を使える”事を思い出すべきだった。
初撃に神速で放ったのは右の飛連閃、そして――――――空高く投げたガイアクリーヴァによる左の紅蓮剣。
一つ。ヘルマスター達は初撃の際、クレスの右手に“オーガアクスしか握られていなかった”事に気付くべきだった。
二つ。クレスが“右と左で違う特技を使える”事を思い出すべきだった。
初撃に神速で放ったのは右の飛連閃、そして――――――空高く投げたガイアクリーヴァによる左の紅蓮剣。
死合開始から僅か数秒。飛連閃の予備動作から着地寸前まで。
たったそれだけの時間でヘルマスター達はスクラップ以下の屑と化してしまった。
たったそれだけの時間でヘルマスター達はスクラップ以下の屑と化してしまった。
―――舐めるな鉄屑。同じ面子で勝てるとでも思ったか?
屍の中心に降り立つ鬼神の背が語るその言葉に、残ったモンスター達は戦慄する。
正に努力と才の二重奏が生み出す神業。しかしそれを褒める者は誰も居ない。
正に努力と才の二重奏が生み出す神業。しかしそれを褒める者は誰も居ない。
仲間も恋人も宿敵さえも、誰一人。……誰一人、居ないのだ。
着地すると同時に、十数の眩い剣が洞内に降り注がんとクレスの頭上で輝いた。
労いの言葉も無ければ、一息吐く暇さえ与えられない。
分かりきっていた事ではあったが、クレスは舌を打つと勢い良く地面を蹴り上げる。
同時に前後左右を素早く確認するのも忘れない。
辺りが光に満ちている今の内にこの空間の大きさと敵の位置を把握しなければならないからだ。
クレスの視線が舐める様に闇を走る。
真正面奥に詠唱待機するウィザードが一体、右前奥と左前奥にはまだ詠唱完了していないウィザードが一体ずつ。
右にバジリスクキングが二体、左には―――姿が見えない。
だとすればと後ろを横目で確認すれば、ナイチンゲールが二体。
労いの言葉も無ければ、一息吐く暇さえ与えられない。
分かりきっていた事ではあったが、クレスは舌を打つと勢い良く地面を蹴り上げる。
同時に前後左右を素早く確認するのも忘れない。
辺りが光に満ちている今の内にこの空間の大きさと敵の位置を把握しなければならないからだ。
クレスの視線が舐める様に闇を走る。
真正面奥に詠唱待機するウィザードが一体、右前奥と左前奥にはまだ詠唱完了していないウィザードが一体ずつ。
右にバジリスクキングが二体、左には―――姿が見えない。
だとすればと後ろを横目で確認すれば、ナイチンゲールが二体。
クレスは再び迫る光の剣を確認すると、焔の翼を纏い逃げる様に後ろへと翔んだ。
何度も言うが一撃でも食らえばそれが致命傷になりかねない。
幾ら鬼才の鍛え抜かれた身体と言えど、その実は数百詰まれたトランプタワーの様に脆く儚かった。
何度も言うが一撃でも食らえばそれが致命傷になりかねない。
幾ら鬼才の鍛え抜かれた身体と言えど、その実は数百詰まれたトランプタワーの様に脆く儚かった。
しかし、クレスとて単純に逃げている訳ではない。
翔んだ方向には詠唱を開始するナイチンゲール。着地と同時に狼狽するナイチンゲールの脳天をかち割ると、クレスはオーガアクスを構えた。
翔んだ方向には詠唱を開始するナイチンゲール。着地と同時に狼狽するナイチンゲールの脳天をかち割ると、クレスはオーガアクスを構えた。
「……獅子戦吼」
青、いや極限まで青が圧縮された―――黒き獅子が虚空に牙を剥く。
バギョッ。
鉄関節が出鱈目な力で折れ曲がる禍々しい音が闇に響いた。
斧へ串刺しになっていたヘルマスターは、その瞬間踏み砕かれた煎餅の様に木っ端微塵に砕け散る。
バギョッ。
鉄関節が出鱈目な力で折れ曲がる禍々しい音が闇に響いた。
斧へ串刺しになっていたヘルマスターは、その瞬間踏み砕かれた煎餅の様に木っ端微塵に砕け散る。
「!?!?」
詠唱しながら遠目にクレスを見ていたもう一体のナイチンゲールは、その様子に気でも違ったのかと目を白黒させる。
獅子戦吼では闘気を飛ばせても精々が2、3mが限界だ。
幾らこちらに向けて放とうがそれは変わらないし、何よりそれはほぼ“決定事項”だった。
ミクトラン側からインプットされた情報によれば、クレス=アルベインは“威力強化した技で間合いを狭める事は可能でも、広げる事は出来ない”からだ。
無論威力に拘らなければ効果範囲も広がるだろうが、それにしては今回は獅子の威力が凶悪過ぎる。
零次元斬がそれらを証明している。威力を底上げするには如何しても密度を上げる必要性があるのだ。
結果として、効果範囲は狭まる。当然だった。
……なのに一体全体誰も居ない空間に向かって何をしているんだ、こいつは。
獅子戦吼では闘気を飛ばせても精々が2、3mが限界だ。
幾らこちらに向けて放とうがそれは変わらないし、何よりそれはほぼ“決定事項”だった。
ミクトラン側からインプットされた情報によれば、クレス=アルベインは“威力強化した技で間合いを狭める事は可能でも、広げる事は出来ない”からだ。
無論威力に拘らなければ効果範囲も広がるだろうが、それにしては今回は獅子の威力が凶悪過ぎる。
零次元斬がそれらを証明している。威力を底上げするには如何しても密度を上げる必要性があるのだ。
結果として、効果範囲は狭まる。当然だった。
……なのに一体全体誰も居ない空間に向かって何をしているんだ、こいつは。
―――だが、その答えを直ぐにナイチンゲールは身を以て知る事になった。
砕け散ったヘルマスターの残骸が数百の凶弾となり……ナイチンゲールの全身を驟雨の如く襲ったのだ。
気付いた時には視界に穴が空いていた。術を詠唱していたナイチンゲールには成す術もなかった。
後に残るのは皮肉にも仲間の死骸に風通しを良くされた骸だけだ。
クレスはその様子を確認せずに息を吐き、横目でちらりと背後を睨む。
詠唱待機していたウィザードは―――“まだ詠唱待機していた”。
砕け散ったヘルマスターの残骸が数百の凶弾となり……ナイチンゲールの全身を驟雨の如く襲ったのだ。
気付いた時には視界に穴が空いていた。術を詠唱していたナイチンゲールには成す術もなかった。
後に残るのは皮肉にも仲間の死骸に風通しを良くされた骸だけだ。
クレスはその様子を確認せずに息を吐き、横目でちらりと背後を睨む。
詠唱待機していたウィザードは―――“まだ詠唱待機していた”。
「ッ……!」
その意味を理解すると、クレスは素早く後ろへ飛ぶ。
半秒と待たず、バジリスクキングが放った石化光線がクレスの先程まで居た空間を襲った。
「く、はッハ……あははハ……」
クレスは嗄れた声で呆れた様に笑うと、バジリスクキングの背に斧を力の限り突き立て、そのままその斧ごと遥か後ろで詠唱待機するウィザードへと放り投げた。
後はまさに刹那だ。ひゅん、と風を切る音が僅かに鳴ったかと思った時には、ウィザードの命は疾うに終わっていた。
バジリスクキングの腹を破ったオーガアクスは、そのまま鈍い音を上げてウィザードの頭部も串刺しにし、標本でも作るかの様に会場の壁に突き刺さる。
クレスは生唾をごくりと飲み込むと、眉一つ動かさず懐から素早く出した杖で背後を突いた。
「ゴぎゅぷッ」
同時に妙に歪んだ悲鳴が上がる。
クレスの持つ杖は……獲物を無くした今こそチャンス、と背後から襲いかかっていたバジリスクキングの大きな口を見事に貫いていた。
半秒と待たず、バジリスクキングが放った石化光線がクレスの先程まで居た空間を襲った。
「く、はッハ……あははハ……」
クレスは嗄れた声で呆れた様に笑うと、バジリスクキングの背に斧を力の限り突き立て、そのままその斧ごと遥か後ろで詠唱待機するウィザードへと放り投げた。
後はまさに刹那だ。ひゅん、と風を切る音が僅かに鳴ったかと思った時には、ウィザードの命は疾うに終わっていた。
バジリスクキングの腹を破ったオーガアクスは、そのまま鈍い音を上げてウィザードの頭部も串刺しにし、標本でも作るかの様に会場の壁に突き刺さる。
クレスは生唾をごくりと飲み込むと、眉一つ動かさず懐から素早く出した杖で背後を突いた。
「ゴぎゅぷッ」
同時に妙に歪んだ悲鳴が上がる。
クレスの持つ杖は……獲物を無くした今こそチャンス、と背後から襲いかかっていたバジリスクキングの大きな口を見事に貫いていた。
「獲物は二つだけだと言ったかい?」
思わず身震いする様な冷め切った声色でクレスは呟く。
口蓋から脳天を突き破ったホーリィスタッフが緑色の血をぬるりと滴らせていた。
びくびくと脈打つように、バジリスクキングは惨めに痙攣を繰り返している。
その度にびゅるびゅると飛び散る生臭い鮮血を顔にたっぷりと浴びながら、クレスは残された面子の方向を静かに向く。
……その様は異様としか言えなかった。
闇に立つは噎せ返る程の血の臭いの中、眉一つ動かさず虚ろな目を見せる剣士。
定期的に顔に掛かり続けている粘性のある血液を拭おうともしないその様は、思わず目を覆いたくなるほどに壮絶な絵だった。
ホーリィスタッフに刺されたバジリスクキングは弱々しく悲鳴を上げ、同情を誘っている。
正義の騎士と呼ぶには、クレス=アルベインのその姿は―――――あまりにも、禍々しかった。
口蓋から脳天を突き破ったホーリィスタッフが緑色の血をぬるりと滴らせていた。
びくびくと脈打つように、バジリスクキングは惨めに痙攣を繰り返している。
その度にびゅるびゅると飛び散る生臭い鮮血を顔にたっぷりと浴びながら、クレスは残された面子の方向を静かに向く。
……その様は異様としか言えなかった。
闇に立つは噎せ返る程の血の臭いの中、眉一つ動かさず虚ろな目を見せる剣士。
定期的に顔に掛かり続けている粘性のある血液を拭おうともしないその様は、思わず目を覆いたくなるほどに壮絶な絵だった。
ホーリィスタッフに刺されたバジリスクキングは弱々しく悲鳴を上げ、同情を誘っている。
正義の騎士と呼ぶには、クレス=アルベインのその姿は―――――あまりにも、禍々しかった。
クレスは乱れた息を整える様に深呼吸をする。
遠く構えるウィザード二体は律義に詠唱を待機していた。クレスはそのあまりの危機感の無さと滑稽さに堪えきれず、肩を小刻みに揺らす。
……どうも、想像していたよりもこいつらに命令を下したミクトランは頭が足りないらしい。
遠く構えるウィザード二体は律義に詠唱を待機していた。クレスはそのあまりの危機感の無さと滑稽さに堪えきれず、肩を小刻みに揺らす。
……どうも、想像していたよりもこいつらに命令を下したミクトランは頭が足りないらしい。
――――――人工知能<アーティフィシャル・インテリジェンス>。
下等機械でありながら自ら考え、プログラムされた作戦を最善策で遵守するというアセリアの技術力では到底存在し得ない脅威の器官である。
それ故に、この連戦にクレスはある程度の苦戦を強いられる筈だった。
だが、此所が“会場内”である以上、多勢に無勢が何も苦戦を強いられるとは限らない。
クレスは先の戦いの敵の様子を見て、ある程度それを理解していた。
確かに此所がアセリアであったならば……この状況でクレスは傷の一つでも負っていたかもしれない。
しかし此所は敵味方関係無く、数々の特殊ルールの上に成立する限定空間。
そう、敵AIにとってそれこそが仇になった。
下等機械でありながら自ら考え、プログラムされた作戦を最善策で遵守するというアセリアの技術力では到底存在し得ない脅威の器官である。
それ故に、この連戦にクレスはある程度の苦戦を強いられる筈だった。
だが、此所が“会場内”である以上、多勢に無勢が何も苦戦を強いられるとは限らない。
クレスは先の戦いの敵の様子を見て、ある程度それを理解していた。
確かに此所がアセリアであったならば……この状況でクレスは傷の一つでも負っていたかもしれない。
しかし此所は敵味方関係無く、数々の特殊ルールの上に成立する限定空間。
そう、敵AIにとってそれこそが仇になった。
<宣言・確定事項≪アブソリュートゼロ≫――――――会場内において味方への術技マーキングは無効となるッ!!>
ルールに縛られているのは、何もこちらだけではない。
このルールこそが、最低限の命令しか下されていないモンスター達にとって最大の弊害だった。
<近くの敵を狙え>、<術のみを使え>……数ある命令は、全て“敵”においてのみ有効だ。
即ちマーキング無効である会場内において、仲間が交戦している場所に術を打ち込むのは……最大の命令違反だった。
このルールこそが、最低限の命令しか下されていないモンスター達にとって最大の弊害だった。
<近くの敵を狙え>、<術のみを使え>……数ある命令は、全て“敵”においてのみ有効だ。
即ちマーキング無効である会場内において、仲間が交戦している場所に術を打ち込むのは……最大の命令違反だった。
“敵を攻撃する事は出来るが仲間を攻撃する事は出来ない”
コアにデフォルトインプットされているであろうその当然の思考こそが、彼等の猛攻を鈍らせていたのだ。
故にクレスは初戦と異なり、術を警戒せずその場で前衛と獲物を交えた。
その穴を利用する為、今もこうして―――――――“あえてバジリスクキングを虫の息で生かしている”。
故にクレスは初戦と異なり、術を警戒せずその場で前衛と獲物を交えた。
その穴を利用する為、今もこうして―――――――“あえてバジリスクキングを虫の息で生かしている”。
ウィザードには最早どうする事も出来なかった。
百舌鳥の早贄えの様にバジリスクキングを串刺しにして担ぐクレスを前に、攻撃する術を持てなかった。
仲間が生きていている以上、術で巻込む事は出来ない。
<待機位置5・術のみを使え>としか命令されていないが故に、クレスが近付けば逃げて再び詠唱するしか選択肢がないのだ。
状況的には人質を取られたのにも同然。そもそも万に一つ、クレスから逃げられる筈もない。
百舌鳥の早贄えの様にバジリスクキングを串刺しにして担ぐクレスを前に、攻撃する術を持てなかった。
仲間が生きていている以上、術で巻込む事は出来ない。
<待機位置5・術のみを使え>としか命令されていないが故に、クレスが近付けば逃げて再び詠唱するしか選択肢がないのだ。
状況的には人質を取られたのにも同然。そもそも万に一つ、クレスから逃げられる筈もない。
「獅子戦吼」
ガイアクリーヴァを回収し、逃げ惑うウィザード達を隅に追い詰め、クレスは落ち着いた声色でバジリスクキングを圧殺する。
飛び散る内臓と体液の雨の中、さて次はお前達だと顔を上げる鬼にウィザード達は歯向かう気すら起きなかった。
「奥義、襲爪雷斬破」
暗闇に雷が走り抜け、戦斧が低く唸る。勝負は一瞬だった。
ウィザード達の未来は、最初から―――死しか有り得なかったのだ。
ガイアクリーヴァを回収し、逃げ惑うウィザード達を隅に追い詰め、クレスは落ち着いた声色でバジリスクキングを圧殺する。
飛び散る内臓と体液の雨の中、さて次はお前達だと顔を上げる鬼にウィザード達は歯向かう気すら起きなかった。
「奥義、襲爪雷斬破」
暗闇に雷が走り抜け、戦斧が低く唸る。勝負は一瞬だった。
ウィザード達の未来は、最初から―――死しか有り得なかったのだ。
「……僕、の、勝ちだ……!」
勝利。
それを確認する様にクレスは零す。誰に言うわけでもなく、ただただ垂れ流す。
今自分に出来る事はこれだけだ。どんな手を使ってでも勝利をこの手に。
是も非もない。ただ前に進むだけだ。誰も居ないなら、善し悪しも、卑怯も何もあったものじゃない。
勝利だけが道なのだ。まだ大丈夫。忘れていない。まだ超えていない。そう、まだ……。
それを確認する様にクレスは零す。誰に言うわけでもなく、ただただ垂れ流す。
今自分に出来る事はこれだけだ。どんな手を使ってでも勝利をこの手に。
是も非もない。ただ前に進むだけだ。誰も居ないなら、善し悪しも、卑怯も何もあったものじゃない。
勝利だけが道なのだ。まだ大丈夫。忘れていない。まだ超えていない。そう、まだ……。
クレスは糸が切れたように倒れ込む。わなわなと震える両手で顔を覆い、何かに堪える様に背を小さく丸めた。
揺れる喉と歪む口、そして絶えぬ肩の揺れは無自覚だった。
洞内を反響する声は、自分を惨めに感じさせる。二戦。たった二戦目で“このザマだ”。
背中のソレでもない、ただの斧を一振り振っただけで、まるで安いペンキのように、ボロボロと剥げ落ちていく。
もう、自分にはどうしようもないのかもしれない。
クレスはゆっくりと立ち上がると、諦めた様に声を飲み込み肩を落とした。
同時に得られたTPを用いて集気法を唱えながら、静かに視線を上げ行くべき道を見る。
真っ暗な闘技場の出口は……“まだ開いていなかった”。
揺れる喉と歪む口、そして絶えぬ肩の揺れは無自覚だった。
洞内を反響する声は、自分を惨めに感じさせる。二戦。たった二戦目で“このザマだ”。
背中のソレでもない、ただの斧を一振り振っただけで、まるで安いペンキのように、ボロボロと剥げ落ちていく。
もう、自分にはどうしようもないのかもしれない。
クレスはゆっくりと立ち上がると、諦めた様に声を飲み込み肩を落とした。
同時に得られたTPを用いて集気法を唱えながら、静かに視線を上げ行くべき道を見る。
真っ暗な闘技場の出口は……“まだ開いていなかった”。
【Pause――――
おやおや……そんなに声を荒げなくてもよいではないですか……折角の美貌が台無しですよ……ククッ……
それはそうでしょう……雑魚を何匹屠った所で、道が拓く道理がありません……“お約束”―――マナーという奴でございますよ……
グリューネ様も今しがた……“法”を使用したではないですか……何もルール違反ではありません……
……私? 私はしっかりと……えぇ、しっかりとルールを遵守しております……おりますとも……紳士ですから……
はて……何を仰っておいでで……“私が一度でも法を守らなかった試しがありますか”……?
おや……何やらお気に召さない様子……これはおかしいですね……私めは事実を言っているまでですが……
……貴女はいつもそうですね……事実をありのまま伝えると決まって同じ反応をする……
これでは……『わけがわからないよ(笑)』とでも言いたくなります……もしや――――“ルール違反とはこういうのを言っておられますか?”……
……私? 私はしっかりと……えぇ、しっかりとルールを遵守しております……おりますとも……紳士ですから……
はて……何を仰っておいでで……“私が一度でも法を守らなかった試しがありますか”……?
おや……何やらお気に召さない様子……これはおかしいですね……私めは事実を言っているまでですが……
……貴女はいつもそうですね……事実をありのまま伝えると決まって同じ反応をする……
これでは……『わけがわからないよ(笑)』とでも言いたくなります……もしや――――“ルール違反とはこういうのを言っておられますか?”……
<宣言・飛刃空襲≪セヴァートフェイト≫―――作戦並びに号令固定解除/エネミー追加{Comand:five swords}>
……仕方ありません……お望みあれば、投入致しましょう……扉を開くための番人を……
……同じ反応では……退屈です……退屈だと私、眠たくなってしまいます……折角の白昼夢としてはこの舞台、少々刺激がなく退屈でして……
……ならば『夢もキボーも無いじゃない』と泣き叫ぶまで永遠に踊ッテ貰オウカト……クくクくクックくくククックくハハハ……!
……同じ反応では……退屈です……退屈だと私、眠たくなってしまいます……折角の白昼夢としてはこの舞台、少々刺激がなく退屈でして……
……ならば『夢もキボーも無いじゃない』と泣き叫ぶまで永遠に踊ッテ貰オウカト……クくクくクックくくククックくハハハ……!
―――――Encount!!】
ボズン。
例えるならサンドバックを大砲で撃ち抜いた様な、そんな鈍い音だった。
クレスは身体をくの字に折ったまま吹き飛ばされ、激しく動揺する。
自分の身に何が起きたのか全く分からなかったからだ。
瓦礫に全身を殴打され、クレスの視界に星が散る。
油断していたとは言え、腐ってもクレス=アルベイン。
並の敵ならば、例えクレスが小便中であったとしても一撃を許すわけがない。
それはつまり、クレスに攻撃した敵のレベルが桁違いである事を示していた。
クレスもそれを瞬時に理解する。……この敵は今までの雑魚とは比較にならない。
本気で戦わなければ――――――間違なく、五体満足ではいられない。
クレスは口内の血を吐き捨てると、瓦礫から立上がりよくもやったなと前方をぎろりと睨む。
土煙の向こう側には人影が五つ。それぞれが身に着けるは銀色に輝く鎧。靡くは栗色の髪。
蒼色の焔を上げる禍々しい獲物に、見間違えるはずのない―――
例えるならサンドバックを大砲で撃ち抜いた様な、そんな鈍い音だった。
クレスは身体をくの字に折ったまま吹き飛ばされ、激しく動揺する。
自分の身に何が起きたのか全く分からなかったからだ。
瓦礫に全身を殴打され、クレスの視界に星が散る。
油断していたとは言え、腐ってもクレス=アルベイン。
並の敵ならば、例えクレスが小便中であったとしても一撃を許すわけがない。
それはつまり、クレスに攻撃した敵のレベルが桁違いである事を示していた。
クレスもそれを瞬時に理解する。……この敵は今までの雑魚とは比較にならない。
本気で戦わなければ――――――間違なく、五体満足ではいられない。
クレスは口内の血を吐き捨てると、瓦礫から立上がりよくもやったなと前方をぎろりと睨む。
土煙の向こう側には人影が五つ。それぞれが身に着けるは銀色に輝く鎧。靡くは栗色の髪。
蒼色の焔を上げる禍々しい獲物に、見間違えるはずのない―――
「まさか……お前らとはね……」
―――血よりも紅い緋色のバンダナ。
「は、はは……せめて聞かせてくれよ……何で……」
焦点の合わぬ目玉をひん剥きながら、クレスは覚束無い足取りでふらふらと後退る。
珈琲に垂らしたミルクの様に、ぐにゃりと視界が歪んでいった。
どん、と壁に背をぶつける。ふるふると顔を左右に振るが、視界から“彼等”が消える事は決してなかった。
全身にどっと汗が噴出すのと同時に、顔から血が引いてゆくのを感じる。
わなわなと震える手からガイアクリーヴァはいとも簡単に抜け落ちた。
がらぁん。
最強の戦斧が情けなく音を上げたのを合図に、クレスの悲鳴が喉を焼く。
焦点の合わぬ目玉をひん剥きながら、クレスは覚束無い足取りでふらふらと後退る。
珈琲に垂らしたミルクの様に、ぐにゃりと視界が歪んでいった。
どん、と壁に背をぶつける。ふるふると顔を左右に振るが、視界から“彼等”が消える事は決してなかった。
全身にどっと汗が噴出すのと同時に、顔から血が引いてゆくのを感じる。
わなわなと震える手からガイアクリーヴァはいとも簡単に抜け落ちた。
がらぁん。
最強の戦斧が情けなく音を上げたのを合図に、クレスの悲鳴が喉を焼く。
「……何でお前等がそこに居るんだよ―――――“僕”」
谺する悲痛な叫び声の中、五振りは腹を抱えて大爆笑。
何でと聞かれてもこっちが困るって。だって、産まれちまったんだもんさぁ。
手前が産み落としたクセして、用済みになったら勝手に廃棄物扱いってか? それで本人は満足ってか?? あ???
……ソンナモンコッチカラシタラタマッタモンジャアネェヨナァオイ。
何でと聞かれてもこっちが困るって。だって、産まれちまったんだもんさぁ。
手前が産み落としたクセして、用済みになったら勝手に廃棄物扱いってか? それで本人は満足ってか?? あ???
……ソンナモンコッチカラシタラタマッタモンジャアネェヨナァオイ。
「ヒャは。久し振りだな―――――――“僕”」
対峙するのは数時間前に砕かれた哀れな剣が五振り。銘をアルベインと云う。
さぁ、騎士クレス。今こそもう一人の自分と向き合って……グッチャグチャのミンチ以下のカスっきれになっちまえよ。
さぁ、騎士クレス。今こそもう一人の自分と向き合って……グッチャグチャのミンチ以下のカスっきれになっちまえよ。
<クク……なにも主催戦力がモンスターだけと言った覚えはありません……尤も……これは夢……幻想“かも”しれませんが……。
幻想と思うならば……どうぞその身体で剣の痛みを味わってお確かめくださいませ……ククク……クハハハ……>
幻想と思うならば……どうぞその身体で剣の痛みを味わってお確かめくださいませ……ククク……クハハハ……>
「何時まで府抜けた顔してんだよォ“クレス=アルベイン”んんッ――――――飛燕ッ連脚アァッ!!」
はっと気付いた時には、一振りのアルベインが半狂乱で襲いかかって来ていた。
クレスは乱れる心音に落ち着けと無理矢理言い聞かせた。
ガイアグリーヴァを拾う暇は無く、懐のホーリィスタッフでアルベインの脚を受けようとする。
はっと気付いた時には、一振りのアルベインが半狂乱で襲いかかって来ていた。
クレスは乱れる心音に落ち着けと無理矢理言い聞かせた。
ガイアグリーヴァを拾う暇は無く、懐のホーリィスタッフでアルベインの脚を受けようとする。
「ヒャ、ハはハァ! だァ目だそれじゃア。全然駄目だッて」
「くカカカッ! 手前ェの剣はお飾りかよ!?
こちとら殺しに掛かってんのにッ! ン甘ェってんだらアァァ!!」
「くカカカッ! 手前ェの剣はお飾りかよ!?
こちとら殺しに掛かってんのにッ! ン甘ェってんだらアァァ!!」
―――何時の間に!? 否、空間翔転移か!!
対応を嘲笑しながら上空から襲い来る剣は二振り。クレスの身体が突然の奇襲に僅かに強張る。
その隙を見逃す程、アルベインは剣が出来ていない。
対応を嘲笑しながら上空から襲い来る剣は二振り。クレスの身体が突然の奇襲に僅かに強張る。
その隙を見逃す程、アルベインは剣が出来ていない。
「ンな棒切れで俺の技が防げるッワケぁ……ねぇだろうがよォおッあァァあぁァッ!!!」
クレスが注意を目前のアルベインに戻した時には時既に遅し。
いや、そもそもたかが後衛用の貧弱な杖でアルベインのキョウキが防げるわけがなかったのだ。
いや、そもそもたかが後衛用の貧弱な杖でアルベインのキョウキが防げるわけがなかったのだ。
「なッ……!?」
アルベインの脚は、ホーリィスタッフを粉々に砕きそのままクレスの胸に確りと届いていた。
クレスの視界が暗転し、体内を電流が駆け抜ける。
肉を抉り、肋骨の隙間から内臓を蹴り上げるその一撃は、まるで身体の芯をレイピアで突き刺す様な激痛をクレスに与えた。
しかしそんなクレスに休む暇は半秒たりとも無い。
競り上がる胃液を鼻と口から吹き出しながらも、クレスは直ぐさまバックステップで距離を取る。
二振りの空間翔転移による串刺し刑から逃れる為だ。
クレスの視界が暗転し、体内を電流が駆け抜ける。
肉を抉り、肋骨の隙間から内臓を蹴り上げるその一撃は、まるで身体の芯をレイピアで突き刺す様な激痛をクレスに与えた。
しかしそんなクレスに休む暇は半秒たりとも無い。
競り上がる胃液を鼻と口から吹き出しながらも、クレスは直ぐさまバックステップで距離を取る。
二振りの空間翔転移による串刺し刑から逃れる為だ。
「まだ*かないつもりかよ。おめでたいな“僕”は。それで誰も彼も救えるとでも思ってんのか? ははハひゃ」
「そんな覚悟で俺に勝とうってんだからさあッ! さいッコーの笑い種だよなあァァあぁぁぁぁ!!!!」
「そんな覚悟で俺に勝とうってんだからさあッ! さいッコーの笑い種だよなあァァあぁぁぁぁ!!!!」
しかし、それを待ち構えていたかの様にクレスの左右の耳元で二振りのアルベインが嗤う。
「「獅子……戦吼ッ!!!!」」
天性の反射速度か。咄嗟に残ったオーガアクスを背中にまわして直撃を防ぐ。
しかし、鋼を伝う獅子の双咆哮の前にはその防御など気休めにもならずオーガアクスは弾かれてしまう。
地面にエターナルソードを突き立てる二振りから目を離す間もなく、クレスは背の衝撃に意識を飛ばされそうになった。
二回転、三回転。
地面を派手に回転するクレスの行き先にアルベインの一振りが転移し、狂った様に頭を蹴り上げる。
ぱきょ、と小気味好い音。クレスの鼻と耳から血が吹き出した。
「「獅子……戦吼ッ!!!!」」
天性の反射速度か。咄嗟に残ったオーガアクスを背中にまわして直撃を防ぐ。
しかし、鋼を伝う獅子の双咆哮の前にはその防御など気休めにもならずオーガアクスは弾かれてしまう。
地面にエターナルソードを突き立てる二振りから目を離す間もなく、クレスは背の衝撃に意識を飛ばされそうになった。
二回転、三回転。
地面を派手に回転するクレスの行き先にアルベインの一振りが転移し、狂った様に頭を蹴り上げる。
ぱきょ、と小気味好い音。クレスの鼻と耳から血が吹き出した。
「……ッはァ! ははヒヒははハハハHahaハッ!!! しねSHI廻しね死ね死に曝さァァえッ!!!!」
「殺してころして殺ス殺し尽くして殺し抉って斬って殺すて砕いて刻んで壊してぶッ殺し斬ッ潰しちまうだけだらあァァ!!」
「殺してころして殺ス殺し尽くして殺し抉って斬って殺すて砕いて刻んで壊してぶッ殺し斬ッ潰しちまうだけだらあァァ!!」
そうして無理矢理中空へと浮かばされたクレスの顔面へと、素早く転移したもう一振りのアルベインは、躊躇せず拳を振り下ろす。
受け身を取る隙すら与えない。見事な連携だった。
受け身を取る隙すら与えない。見事な連携だった。
ぐしャり。
<作戦変更・攻撃頻度5→2へ>
血と反吐と鼻水と剥れた皮膚と……数え出したらキリがないほどの有機物が奏でる不愉快な合唱に、アルベイン達は愉快愉快と哄笑する。
下品に笑うアルベイン達の手にはエターナルソードは握られていない。
もうクレスに対して使わない事にしたからだ。
クレスの命がもう永くなく、またそれは一つしかない事を狂っているなりにも理解したからだった。
殺人衝動のみで動く彼等にとって、こんなにも愉快で最高な玩具はない。
それを直ぐに手放してはつまらないというものだ。
アルベイン達は、最早完全にクレスを雑魚以下の残滓としか見ていなかった。
下品に笑うアルベイン達の手にはエターナルソードは握られていない。
もうクレスに対して使わない事にしたからだ。
クレスの命がもう永くなく、またそれは一つしかない事を狂っているなりにも理解したからだった。
殺人衝動のみで動く彼等にとって、こんなにも愉快で最高な玩具はない。
それを直ぐに手放してはつまらないというものだ。
アルベイン達は、最早完全にクレスを雑魚以下の残滓としか見ていなかった。
<さてグリューネ様……王手でございますが……何時まで“ソレ”をもったいぶっているんでしょうねぇ……?
……ほら……早く抜かなければそのうち死んでしまいますよ……それでは……実につまらない……ククク……>
……ほら……早く抜かなければそのうち死んでしまいますよ……それでは……実につまらない……ククク……>
もう何度目だろうか。
地面を派手に転がり血を撒き散らしながら、クレスは得も言われぬ虚しさに下唇を噛む。
朧気な視界の隅に映るのは、狂気と快楽に溺れ、中身の無い笑い声を上げる剣の姿。
地面を派手に転がり血を撒き散らしながら、クレスは得も言われぬ虚しさに下唇を噛む。
朧気な視界の隅に映るのは、狂気と快楽に溺れ、中身の無い笑い声を上げる剣の姿。
「はは……ひゃははハッ! かかカカカッ!!!」
<そこまで、抜かせたいのですか――――――――――ならば“望み通りにしてあげましょう”……!>
これがかつての……否、今の僕自身にも存在するであろう“もう一人のクレス=アルベイン”。
今も押し殺している僕自身の影の姿。そのなんと……なんと、醜い事か。
とは言えど何時かは見なければならない獣には違いなかった。
俺は僕で僕は俺。どちらもがどちらにも潜む現なのだ。
だがそれにしたって、この仕打ちはないだろうよ。
解けと言うのか。抜けと言うのか。成れと迫るのか。
今一度コレを、お前を理解してその上で――と。
勿論今なら、楽な道を選んで諦める事だって出来るだろうよ。
孤独な戦いに負けたところで一体誰が僕を責める? そう、誰も責めやしない。
……だけども勝てと。誰も見ていない戦いを、しかし誰かの為に勝利し続けろと、きっとそう言うんだろうね。
嗚呼、そうか。もう無理なんだね。ここからはもうこんな生半可な気持ちでは進めない。
そもそも五人の自分相手に、今のままではどだい勝てっこない。
生か死か……ははは。そんなの、選ぶまでもないだろ。
もう決めたよ。遅かれ早かれ――ねばならない肉だった。
この際これが現実か妄想かなんて関係ない。もういいんだ。
分かってる。お前の事も、もう僕は痛いほど分かってるんだ。
僕も汚れる覚悟を決めるよ。だから――――――――――――――――――――
今も押し殺している僕自身の影の姿。そのなんと……なんと、醜い事か。
とは言えど何時かは見なければならない獣には違いなかった。
俺は僕で僕は俺。どちらもがどちらにも潜む現なのだ。
だがそれにしたって、この仕打ちはないだろうよ。
解けと言うのか。抜けと言うのか。成れと迫るのか。
今一度コレを、お前を理解してその上で――と。
勿論今なら、楽な道を選んで諦める事だって出来るだろうよ。
孤独な戦いに負けたところで一体誰が僕を責める? そう、誰も責めやしない。
……だけども勝てと。誰も見ていない戦いを、しかし誰かの為に勝利し続けろと、きっとそう言うんだろうね。
嗚呼、そうか。もう無理なんだね。ここからはもうこんな生半可な気持ちでは進めない。
そもそも五人の自分相手に、今のままではどだい勝てっこない。
生か死か……ははは。そんなの、選ぶまでもないだろ。
もう決めたよ。遅かれ早かれ――ねばならない肉だった。
この際これが現実か妄想かなんて関係ない。もういいんだ。
分かってる。お前の事も、もう僕は痛いほど分かってるんだ。
僕も汚れる覚悟を決めるよ。だから――――――――――――――――――――
<宣言・狂気抜刀≪スタイルシフト≫。覚悟しなさい、サイグローグ。これが、お前を殺す剣ですッ!!>
「狂<剛>招来――――――」
「狂<剛>招来――――――」
瓦礫から立ち上がった死に損ないが、潰れかけた喉で小さく呟く。
疾うに狂ってしまったこの地下で、けれどもまた一つ……狂気を呼び寄せる確かな音が、大地を震わせるに足る悍ましい何かが、その言葉にはあった。
世界も空気も闇も光も血肉もマナも何もかもが、クレスのその言葉に息を飲む。
その呪いは……超えてはならない一線を超える足音そのものに相違なかったのだ。
疾うに狂ってしまったこの地下で、けれどもまた一つ……狂気を呼び寄せる確かな音が、大地を震わせるに足る悍ましい何かが、その言葉にはあった。
世界も空気も闇も光も血肉もマナも何もかもが、クレスのその言葉に息を飲む。
その呪いは……超えてはならない一線を超える足音そのものに相違なかったのだ。
「―――――――皆殺しだ、僕共が」
【クレス=アルベイン 生存確認】
状態:HP10%@ TP20% 第四放送を聞いていない 疲労 打撲裂傷多数
狂気抜刀<【善意及び判断能力の喪失】【薬物中毒】【戦闘狂】【殺人狂】の4要素が限定的に発露しました>
背部大裂傷+ 全身装甲無し 全身に裂傷 背中に複数穴
所持品:???@ダオスのマントで覆われた魔剣 メンタルバングル
サンダーマント 大いなる実り 漆黒の翼バッジ×2 コレットのバンダナ装備@若干血に汚れている
基本行動方針:「クレス」として剣を振るい、全部を終わらせる
第一行動方針:眼の前の自分達を殺す
第二行動方針:ミクトランを斬る。敵がいれば斬って、少しでもコレット達の敵を減らす。
現在位置:中央山岳地帯・開かれた石室の向こう→さらに奥へ
状態:HP10%@ TP20% 第四放送を聞いていない 疲労 打撲裂傷多数
狂気抜刀<【善意及び判断能力の喪失】【薬物中毒】【戦闘狂】【殺人狂】の4要素が限定的に発露しました>
背部大裂傷+ 全身装甲無し 全身に裂傷 背中に複数穴
所持品:???@ダオスのマントで覆われた魔剣 メンタルバングル
サンダーマント 大いなる実り 漆黒の翼バッジ×2 コレットのバンダナ装備@若干血に汚れている
基本行動方針:「クレス」として剣を振るい、全部を終わらせる
第一行動方針:眼の前の自分達を殺す
第二行動方針:ミクトランを斬る。敵がいれば斬って、少しでもコレット達の敵を減らす。
現在位置:中央山岳地帯・開かれた石室の向こう→さらに奥へ
※ホーリィスタッフは破壊されました。オーガアクス、ガイアグリーヴァはクレスから離れた位置に落ちています。
【エンカウント(敵に近い←1・2・3・4・5→敵に遠い)】
- ???<アルベイン?>×5【待機位置1、AI設定:技を優先して使え】