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テラカオスバトルロワイアル外伝
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東京タワー ~脱衣と私と、時々、ナイト~

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だれでも歓迎! 編集
渋谷区、センター街。
普段ならば多くの人が訪れ活気にあふれる若者の街。
しかし、今は殺し合いの真っ最中。活気など存在するはずもない。
今この場所にあふれているのは――

「脱衣! 脱衣! ダツイィィィイッ!!」
「だから脱衣は嫌なんだってばーッ!? 誰か、誰かいないのーっ!?」

魔人の魂の咆哮と、少女の悲痛な叫び声だった。


 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

東京タワーは走っていた。
東京都を守るために。
総理大臣たちを倒すために。
そしてなによりも……自らを追う変態から逃げきるために。

「ダ・ツ・イッ・ダツイ・ダ・ツ・イッ!!」
「一体いつまで追ってくるのよあの変態は!?」

東京タワーがあの変態――脱衣拳と遭遇したのはこのロワが始まった直後のことだった。
国会議事堂から中野区に転送され、一先ず支給品を確認しようとしたところで、脱衣拳の叫び声が周囲に木魂したのだ。

「我ハ脱衣ヲ極メシ者ナリ!」

何事かと思って辺りを見回してみれば、そこには服もデイバッグも彼方へと放り投げてこちらへ突進してくる脱衣拳の姿があるではないか。
慌ててデイバッグを背負って逃げ出す東京タワー。追う脱衣拳。現在も続いている鬼ごっこの始まりである。
そうして東京タワーと脱衣拳は走り続け、渋谷区へと到達したのだった。
精霊という人知を超越した存在である東京タワーと、脱衣のために極限まで鍛えあげられた肉体を持つ脱衣拳。
彼女たちの走る速さはほぼ等しかった。そう、最初は。
彼女たちの距離は、少しずつ、ほんの少しずつではあるものの、確実に縮まってきている。
脱衣拳が加速したわけではない。東京タワーの速度が徐々に落ちてきているのだ。
たしかに彼女たちの身体能力は拮抗している。
ただ、条件が違いすぎるのだ。
東京タワーは速度を落とすことなく、行き止まりにたどり着かないよう細心の注意を払わなければならない。
しかし脱衣拳は東京タワーを追うだけでよく、さらには暴走状態にあるため肉体の限界を半ば超越している。
体格の違いによる歩幅の差も相まって、東京タワーのその幼くぺったんこなボディには無視できない疲労が蓄積していた。

「はぁ……はぁ……。そろそろまずいわね……」
「ダーツーイ……ダァーツーイィ!!」

無論、距離が詰まってきているのは東京タワーとて把握している。
だが、どうすることもできない。
止まれば脱衣拳に捕まり、走り続けてもいつかは体力が切れて脱衣拳に捕まる。
ランダム支給品を使えばなんとかなるかも知れないが、デイバッグから取り出すとなると速度低下は確実。
捕まる前に取り出せるかも、この状況を打開しうるアイテムが入っているかもわからない。
ほとんど八方塞がりだ。

(でも……それでも……)

しかし、彼女は諦めない。
こんなところで諦めていたら、総理大臣たちを倒すなんてことは不可能。
そしてなにより――

「脱衣だけは嫌なのよぉーッ!!」

可憐かつ勇ましく、それでいてどこか情けない叫び声。
それが辺りに響き渡ると同時に、背負っているデイバッグを体の正面に持って行き、手を入れる。
そしてその手が、この状況を打開しうる支給品を掴み――

「……きゃあぁっ!?」

取り出す前に、東京タワーは派手にずっこけた。
理由は道路と歩道の間にある段差に足を引っ掛けたため。いわゆる前方不注意である。
しかも不幸なことにデイバッグに手を突っ込んでいたため受身が取れず、顔面からダイブする形になってしまっていた。
すぐに顔を上げた東京タワーであったが、その顔は涙目だ。そればかりか、少しおでこが赤くなっている。
心なしか顔全体が赤くなっている気もするが、それはおでこが赤い理由とはまた別の理由によるものだろう。

「ダツイィ!! ダッツーイ!!」

しかし、背後より迫る声を聞いて、その赤くなった顔はみるみるうちに青ざめていく。
振り返ると、そこには東京タワーまであと数メートルの距離に接近した脱衣拳の姿があった。
振り上げられる脱衣拳の拳。思わず目を伏せる東京タワー。
空を断ち、風を切り、衣服を剥がんと拳が迫る。
己の魂が命ずるままに脱衣拳は咆哮し、切なる願いが東京タワーの口から零れる。

「よく見ろ日本人、これが脱衣だァッ!!」
「誰か……誰か助けてよぉ……!」

その願いは、届かない。
正義の味方にも、皇帝にも、神にも。
魔法少女にも、VOCALOIDにも、ジムリーダーにも。
だが、あの男になら届く。
剣と、盾と、その誇りで仲間を守る、最高の騎士になら。

「おい、やめろ馬鹿その脱衣は早くも終了ですね!」

刹那、目を閉じていても認識できるほどに眩き光が周囲を覆い、続けて何かの破砕音が響き渡る。
思わず目を開けた東京タワーの視界に映ったのは、筋肉の鎧に覆われた拳士ではなく白き鎧を纏い漆黒の剣を持った剣士だった。

「だ、誰……?」
「俺はブロントっていう謙虚なナイト自慢じゃないが『ヴァナのイチローですね』と言われたこともある」

謙虚な答えを返しながらその男――ブロントは東京タワーに向き直る。
今此処に、一人の騎士が少女を救うためにきょうきょ参戦したのだった。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆

「あいつはどうなったの……?」
「生半可なナイトには使えない上にこの剣で強化された不意だまホーリを打つとアワレにもそこのショップに突っ込んでいった
 いくらリアルモンク属性だからって調子ぶっこき過ぎてた結果だよ?」

いくつか出てきた聞き慣れない単語に戸惑いつつも、ブロントが手に持つ漆黒の剣で指し示した店のショーウインドウを見る。
そこには壊れたマネキンが数体転がり、割れたガラスが散乱していた。
脱衣拳の姿は角度が悪いのか確認出来ないが、おそらくあそこに倒れているのだろう。
先ほどの破砕音はどうやらガラスに脱衣拳が突っ込んだ時に発せられたもののようだ。

「そうだったのね……。それと、えっと……助けてくれて、ありがとう」
「それほどでもない」
「……えっ?」
「あの総理大臣を骨にするために仲間を探してたら『はやくきて~はやくきて~』と泣き叫んでいる貧弱一般人の声が聞こえたからとんずらできゅうきょ参戦しただけ
 助けたくて助けるんじゃない助けてしまうのがナイトだからな
 ところで俺は謙虚にも名乗ったわけだがお前は名乗らないのか?
 名前がわからないといろいろと不都合が出る系の話があるので早く名乗るべきそうすべき」
「それもそうだったわね。とは言っても私自身にはとくに名前は無いんだけど……しいて言うなら東京タワー、かな」

東京タワーが自らの名前を告げた、その時だった。
東京タワーの名に反応したのか、それとも偶然タイミングが合ったのか。
それはわからない。だが、一つだけ言えることがある。
それは、先ほどブロントが指し示した店から一人の男が姿を現した、ということ。
ベルセリオスで強化されたブロントの攻撃を受け、ガラスを突き破り吹き飛んだのにも関わらず外傷が殆ど見えないその肉体。
正面から向き合って初めて分かる、暴走してもなお衰えることのない熟練者特有の威圧感。
脱衣を邪魔され怒りに燃えるその姿はまさに拳鬼と形容に相応しい。
その男――脱衣拳は、再び東京タワーとブロントの前に姿を現した。
それに呼応するかのように、ブロントは一歩前に出る。

「ブロントさん……?」
「お前は貧弱一般人だから早くどこかに隠れるかカカッととんずらすべきそうすべき
 早くしないと俺もお前も裏世界でひっそり幕を閉じることになる」

突然のブロントの言葉に東京タワーは硬直する。
ブロントの独特の言語センスによってオブラートに包まれているものの、ようするに彼はこう言いたいのだ。
『お前は足手まといだからここは俺に任せて逃げろ』と。
実際には東京タワーは高い身体能力を持っているのだが、ブロントは彼女がずっこけたところをバッチリ目撃していた。
なので、ブロントは東京タワーのことはただの貧弱一般人としか認識していないのだ。

「でもそれじゃあブロントさんが……」
「黄金の鉄の塊で出来ているナイトが全裸のジョブに遅れをとるはずは無い
 実際俺は不良界でも結構有名でケンカとかでもたいしてビビる事はまず無かったからな」

なおも食い下がる東京タワーだったが、ブロントは自信満々に言い放つ。
『俺一人で問題ない』と。
そうまで言われてしまうと、東京タワーにはもう反論の余地はない。

「……わかった。気をつけてね、ブロントさん」

ブロントへのエールを残して、東京タワーは走り去る。
ブロントに感謝しながら。
己の無力を噛み締めながら。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆

脱衣させるべき東京タワーが逃げ出したのを見て、脱衣拳は即座に走りだした。
しかし、丁度脱衣拳と東京タワーを結んだ線の中心に一人の騎士が立ち塞がるのを見て、脱衣拳はその足を止める。
理由は簡単。その騎士――ブロントを見て、脱衣拳は確信したからだ。
『この男を退けぬ限り、東京タワーを脱衣させることは出来ない。この男は越えるべき壁だ』と。
故に、脱衣拳は拳を構える。
東京タワーが走り去る音を聞くと、ブロントは彼女を追うべく走る脱衣拳の前に立ち塞がった。
確認する暇はなかったが、東京タワーは自らと同じく総理大臣に反抗する存在――仲間だとブロントは確信していた。
根拠があるわけではない。強いて言うなら、長年ヴァナで培ってきたナイトとしての勘だ。
ならば、仲間を守るのはナイトとして当然のこと。まして、それが無力な少女ならなおさらだ。
故にブロントは剣を構える。

「我ハ脱衣ヲ極メシ者ナリ!」
「黄金の鉄の塊で出来ているナイトを脱衣させられると思った浅はかさは愚かしい」

一人は自分自身のために。
もう一人は仲間のために。
それぞれの拳と剣が、今交錯する。




【渋谷区・センター街/一日目・日中】

【東京タワー@カオスロワオリジナル】
【状態】:健康、疲労
【装備】:
【道具】:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
【思考】基本:総理大臣たちは東京湾に沈める
1:一先ずこの場から逃げる
2:バトルロワイアル開催の目的を知りたい
3:東京都を守りたい
4:私にもっと力があれば……
※普通の人間よりも全体的に身体能力が高いです
※特殊な力やそれに対する制限は不明



【脱衣拳@カオスロワ書き手
【状態】:健康、全裸、動く東京タワーを見たことによる異常な興奮による暴走、ダメージ(極小)
【装備】:脱ぎ捨てた
【道具】:投げ捨てた
【思考】基本:人を殺さずに、バトルロワイアルを破壊する(現在失念中)
1:とにかく東京タワーを脱衣させる
2:目の前の男(ブロント)を退け東京タワーを追う。
3:それ以外、視界に入った者(主催者含む)も全て脱衣させる
※東京タワーが東京タワーの精であることを本能的に察知しています
※東京タワーを見失うか、一定時間経過で冷静さを取り戻すかもしれません
※取り戻すことなくロワ終了までこのままかもしれません
※普通の人間に比べ、肉体がかなり鍛えられています
※中野区のどこかに、脱衣拳の稽古着と支給品一式(ランダム1~3入り、脱衣拳未確認)が落ちています


【ブロント@ファイナルファンタジーXI】
【状態】:健康、小疲労
【装備】:ソーディアン・ベルセリオス
【道具】:基本支給品一式、(ランダム品0~2)
【思考】基本:主催者をボコる
1:他の参加者を探し、戦えそうなら仲間に、戦えなさそうなら保護
2:目の前の男(脱衣拳)を倒した後、東京タワーを保護しに行く
3:殺し合いに乗ってる奴はメガトンパンチ
4:黒髪と金髪(混沌の騎士ミクトラン)を警戒。いずれ倒す
5:この剣なかなかカッコいい
※制限によりキングベヒんもス等は召喚不可


043:最終兵器主婦 投下順 045:神は識っている、ここで死ぬ運命かもしれないと
043:最終兵器主婦 時系列順 046:プロジェクトP~挑戦者~
031:魔人ダツイと精霊タワー 東京タワー 060:手遅れの後悔
031:魔人ダツイと精霊タワー 脱衣拳 052:三人寄ればモンクの血が騒ぐ
008:それぞれの光と闇 ブロント 052:三人寄ればモンクの血が騒ぐ

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