渋谷のセンター街付近は異様な熱気に包まれていた。
それは決して比喩表現などではなく――
いやそもそも、熱気に包まれたという表現から誤りだ。
正しくは――灼熱に包まれていた。
それは決して比喩表現などではなく――
いやそもそも、熱気に包まれたという表現から誤りだ。
正しくは――灼熱に包まれていた。
「はぁ……はぁ……」
「こ……これほどとは……」
「オウフ……ほぼ無詠唱でファイガ連発できるのはずるすぐる……」
そして仲裁に入って真っ先に妹紅に焼かれ、脱衣拳に吹き飛ばされてしまった哀れな騎士、ブロント。
しかし見た目程彼はダメージを負っていなかった。
というのも、彼自身を含め、この場にいる全員に白魔法『プロテス』『シェル』がかけられているおかげだ。
早々に言葉による説得が不可能だと判断したブロントは、ならば被害を抑えようと補助魔法をひっそりと使用。
そしてそれをあえて口にすることなく、横から危険な攻撃だけを剣やホーリーで弾いていたのだ。
(ここであえて功績を自慢しないのが大人の醍醐味……なのだが……)
いかにダメージカットを行おうと、妹紅と脱衣拳の争いはブロントの想像以上のものだった。
かたや、初めて脱衣拳を耐え抜かれた女性相手に燃えるモンク。
かたや、いきなり全裸にされたうえ化石扱いされてぶちギレた異能の少女。
建物までにはプロテスやシェルもまわらず、辺り一帯が悲惨な状況となっている。
そしてつい先程、妹紅の炎を纏った鉄拳が脱衣拳の顔面を捉え、決着はついた。
全裸にされてしまった妹紅は常時服代わりに炎を纏っていた。
それはつまり、常時セルフバーニング状態――物理攻撃に対して炎のカウンター――
脱衣させるにも、普通に相手を叩きのめすにしても、格闘家の脱衣拳には分の悪い戦いだったわけだ。
しかし見た目程彼はダメージを負っていなかった。
というのも、彼自身を含め、この場にいる全員に白魔法『プロテス』『シェル』がかけられているおかげだ。
早々に言葉による説得が不可能だと判断したブロントは、ならば被害を抑えようと補助魔法をひっそりと使用。
そしてそれをあえて口にすることなく、横から危険な攻撃だけを剣やホーリーで弾いていたのだ。
(ここであえて功績を自慢しないのが大人の醍醐味……なのだが……)
いかにダメージカットを行おうと、妹紅と脱衣拳の争いはブロントの想像以上のものだった。
かたや、初めて脱衣拳を耐え抜かれた女性相手に燃えるモンク。
かたや、いきなり全裸にされたうえ化石扱いされてぶちギレた異能の少女。
建物までにはプロテスやシェルもまわらず、辺り一帯が悲惨な状況となっている。
そしてつい先程、妹紅の炎を纏った鉄拳が脱衣拳の顔面を捉え、決着はついた。
全裸にされてしまった妹紅は常時服代わりに炎を纏っていた。
それはつまり、常時セルフバーニング状態――物理攻撃に対して炎のカウンター――
脱衣させるにも、普通に相手を叩きのめすにしても、格闘家の脱衣拳には分の悪い戦いだったわけだ。
「……さあ、覚悟はいい?」
そして妹紅は、鷹のように鋭い目で脱衣拳を見下ろした。
「我が拳も、まだ未熟だったか……まだ、我が愛しい東京タワーを脱衣させる資格を得られぬというのか……」
「あなたねぇ……まだそんなこと……」
「おいィ? ちょっと待つべきそうすべき。愛しい東京タワーってのはどういう意味ですかねぇ?」
「む……言葉のままだ。彼女こそ私の全て、私の女神、私が求めるもの、私が守るべきもの、私が脱衣させるべきもの……
貴公らは、私にその資格があるかを試すために現れた刺客なのだろう?」
「「え?」」
「あなたねぇ……まだそんなこと……」
「おいィ? ちょっと待つべきそうすべき。愛しい東京タワーってのはどういう意味ですかねぇ?」
「む……言葉のままだ。彼女こそ私の全て、私の女神、私が求めるもの、私が守るべきもの、私が脱衣させるべきもの……
貴公らは、私にその資格があるかを試すために現れた刺客なのだろう?」
「「え?」」
脱衣拳の言葉に、妹紅とブロントのまのぬけた声が重なった。
※
「自己紹介が遅れたな。我が名は脱衣拳。南斗脱衣拳創始者にして脱衣と東京タワーを極めし者なり」
「俺はゆいいつぬにの盾にして至高のナイト、ブロントなんだが? 謙虚にもさんづけでブロントさんでいい」
「うぅぅ……ただの焼き鳥屋、藤原妹紅だ……ブロントさん、他に服なかったの!?」
「残念だけどありますん」
「どっち!?」
「俺はゆいいつぬにの盾にして至高のナイト、ブロントなんだが? 謙虚にもさんづけでブロントさんでいい」
「うぅぅ……ただの焼き鳥屋、藤原妹紅だ……ブロントさん、他に服なかったの!?」
「残念だけどありますん」
「どっち!?」
脱衣拳の言葉に疑問を感じた二人は、一時休戦という形でそれぞれの自己紹介を行うことにした。
東京タワーを見失い、一通り暴れたおかげか脱衣拳もだいぶ落ち着いている。
おそらくは、これが本来の彼の姿なのだろう。服を投げ捨てているため相変わらず全裸ではあるが。
ブロントも破壊されたガントレット以外の鎧を再び装着し、騎士の姿を取り戻した。
そして、脱衣拳により服をバラバラにされてしまった妹紅は、ブロントさんの支給品の服を拝借していた。
東京タワーを見失い、一通り暴れたおかげか脱衣拳もだいぶ落ち着いている。
おそらくは、これが本来の彼の姿なのだろう。服を投げ捨てているため相変わらず全裸ではあるが。
ブロントも破壊されたガントレット以外の鎧を再び装着し、騎士の姿を取り戻した。
そして、脱衣拳により服をバラバラにされてしまった妹紅は、ブロントさんの支給品の服を拝借していた。
紺色の、主に自称紳士のクマなどが好みそうな……所謂、スクール水着を。
「こんなの持ってるなんて、やっぱりブロントさんも変態なんじゃないの!?」
「おいィ!? これはただ俺に支給されただけであって、俺とはまるで関係ないんだが!?
むしろこんなもの支給してるあの総理大臣こそ変態なのは確定的に明らカッ!」
「はぁ……駄目だ、まるで漲らない。やはりスク水を着こなせるのは東京タワーただ一人だな。
妹紅殿も、せめてその無駄に育った身体を退化させてくれればギリギリなんとか……」
「……ッ! やっぱり焼き斬られたいのね!? そうなのね!?」
『落ち着け妹紅! これ以上攻撃すればこの男も死ぬぞ!』
「おいィ!? これはただ俺に支給されただけであって、俺とはまるで関係ないんだが!?
むしろこんなもの支給してるあの総理大臣こそ変態なのは確定的に明らカッ!」
「はぁ……駄目だ、まるで漲らない。やはりスク水を着こなせるのは東京タワーただ一人だな。
妹紅殿も、せめてその無駄に育った身体を退化させてくれればギリギリなんとか……」
「……ッ! やっぱり焼き斬られたいのね!? そうなのね!?」
『落ち着け妹紅! これ以上攻撃すればこの男も死ぬぞ!』
そんな支給品のせいもあり、妹紅が再び暴れそうになるが、今度は彼女の剣がそれを嗜める。
意思を持つ剣、ソーディアン・ディムロスである。
意思を持つ剣、ソーディアン・ディムロスである。
『確かにこの脱衣拳は、少々問題のある男かもしれない。だが……
誰かを守りたいという思考、そして今は落ち着いて我々と対話しているという点。
これらから見ても、この男がバトルロワイアルに乗っている可能性は低い。変態ではあるがな』
「うむ、その喋る剣の言う通りだ。私は我が東京タワーを巻き込み、無益な殺戮を考える主催者を
決して許しはしない。先程までは東京タワーに会えた喜びで我を失っていたようだ……
非礼をわびよう、すまなかった!」
「「脱衣拳……」」
「次に東京タワーに会えたら、ちゃんと真面目にお願いするつもりだ。土下座もしよう。
頼むから服を脱いでくださいと
『妹紅、ブロント、一発だけ殴ってよいぞ』
誰かを守りたいという思考、そして今は落ち着いて我々と対話しているという点。
これらから見ても、この男がバトルロワイアルに乗っている可能性は低い。変態ではあるがな』
「うむ、その喋る剣の言う通りだ。私は我が東京タワーを巻き込み、無益な殺戮を考える主催者を
決して許しはしない。先程までは東京タワーに会えた喜びで我を失っていたようだ……
非礼をわびよう、すまなかった!」
「「脱衣拳……」」
「次に東京タワーに会えたら、ちゃんと真面目にお願いするつもりだ。土下座もしよう。
頼むから服を脱いでくださいと
『妹紅、ブロント、一発だけ殴ってよいぞ』
「「おらぁ!」」
「ひでぶっ!」
『頭が痛くなるな……』
※
『ところでブロント』
「なにか用かな?」
『グラットンすごい……なんだ今のは!? ……コホン
その剣は……やはり支給品だったのか?』
「なにか用かな?」
『グラットンすごい……なんだ今のは!? ……コホン
その剣は……やはり支給品だったのか?』
妹紅と脱衣拳が再び騒ぎ始めたなか、ブロントはディムロスと向かい合っていた。
コアを点滅させながら喋るディムロスに対し、ブロントはただ無言で頷く。
ディムロスとしては、妹紅だけでなく脱衣拳やブロントにも自分の声が聞こえていることも疑問ではあったが……
それ以上に、ブロントの所持している剣に注目していた。
世の中に剣というものは無数に存在するが、こうも特徴的かつ禍々しい剣は、ディムロスが知る中ではたった1本。
決して忘れることなど、見間違うことなどない剣だった。
「ほむ……どうやらこの剣に詳しそうだな?
俺は光と闇が両方備わっているこいつは中々素晴らしい剣だ素晴らしいと思うのだが……」
『……その剣の名はソーディアン・ベルセリオス。我の記憶通りなら、その剣の持ち主は……」
「む、ここに来てすぐに持ち主とやらには出会った系の話があるらしいぞ?」
『なんだと!? まさか、あのミクトランも来ているというのか!?』
表情はわからないが、コアの具合でいかにディムロスが驚いているのかはわかる。
コアを点滅させながら喋るディムロスに対し、ブロントはただ無言で頷く。
ディムロスとしては、妹紅だけでなく脱衣拳やブロントにも自分の声が聞こえていることも疑問ではあったが……
それ以上に、ブロントの所持している剣に注目していた。
世の中に剣というものは無数に存在するが、こうも特徴的かつ禍々しい剣は、ディムロスが知る中ではたった1本。
決して忘れることなど、見間違うことなどない剣だった。
「ほむ……どうやらこの剣に詳しそうだな?
俺は光と闇が両方備わっているこいつは中々素晴らしい剣だ素晴らしいと思うのだが……」
『……その剣の名はソーディアン・ベルセリオス。我の記憶通りなら、その剣の持ち主は……」
「む、ここに来てすぐに持ち主とやらには出会った系の話があるらしいぞ?」
『なんだと!? まさか、あのミクトランも来ているというのか!?』
表情はわからないが、コアの具合でいかにディムロスが驚いているのかはわかる。
「あいつはミクトランというのか。軽く戦っただけだが、あいつが超パワーを秘めているのは間違いにい」
『ああ、そうだろう。奴の力は……我がよく知っている。
しかしまさか、奴が生きてこの場にいるとなると……」
「あいつは確実にこのバトルロワイアルに乗っているだろうな。
だが安心するべきそうするべき。確かにナイトソロは厳しいかもしれないが……
仲間がいれば問題にい。仲間もナイトがいれば全力を出せてさらに問題にい」
『仲間……』
『ああ、そうだろう。奴の力は……我がよく知っている。
しかしまさか、奴が生きてこの場にいるとなると……」
「あいつは確実にこのバトルロワイアルに乗っているだろうな。
だが安心するべきそうするべき。確かにナイトソロは厳しいかもしれないが……
仲間がいれば問題にい。仲間もナイトがいれば全力を出せてさらに問題にい」
『仲間……』
「話は聞かせてもらったわよ。詳しくはわからないけど、ディムロスの知ってる危ない奴が
この殺し合いに乗ってて、ブロントさんはそれを倒そうっていうんでしょ?
私もね、主催者の奴や乗った奴を懲らしめてやろうって思ってたし、よければ協力するよ」
「う、うむ……私も、迷惑をかけたお詫びと言ってはなんだが、そのミクトランとやらも脱衣させてやろう」
この殺し合いに乗ってて、ブロントさんはそれを倒そうっていうんでしょ?
私もね、主催者の奴や乗った奴を懲らしめてやろうって思ってたし、よければ協力するよ」
「う、うむ……私も、迷惑をかけたお詫びと言ってはなんだが、そのミクトランとやらも脱衣させてやろう」
いつの間に口論がおさまったのやら、妹紅と脱衣拳も戻ってきた。
天上王ミクトラン――地上の民でありながら自らを天の王と名乗り、同族の地上人を見下した男。
傲慢不遜なその態度、しかし王を名乗るだけの素質……卓越した頭脳と剣の腕を持つ男。
あの男がこのバトルロワイアルに参加しているとすれば、おそらく参加者も主催者も皆殺しにするだろう。
自分自身、いつの間に支給品にされたのかは覚えていない。そういった意味では主催者も不気味だ。
だが、こうして自分が知る限りでは最悪な男の参戦が判明したのだ。とても放置はできない。
自分の本来の主や、その仲間達とはまだ合流できていない。
だが、ミクトランを目の当たりにしても恐怖することなく立ち向かおうとする騎士。
ソーディアンの恩恵がなくとも、炎を自在に操る術師の少女。
そして危ない思考にさえ目を瞑れば、コングマンにも遅れをとらないであろう格闘家。
(なかなか、頼もしいではないか……)
ブロントは言語がおかしいし、妹紅はまともだが格好が悲惨、脱衣拳にいたってはもう全裸だが……
『何、気にすることはない』
(……そうだな。元々我らも、スタン達も『濃い連中』の部類だよな……)
天上王ミクトラン――地上の民でありながら自らを天の王と名乗り、同族の地上人を見下した男。
傲慢不遜なその態度、しかし王を名乗るだけの素質……卓越した頭脳と剣の腕を持つ男。
あの男がこのバトルロワイアルに参加しているとすれば、おそらく参加者も主催者も皆殺しにするだろう。
自分自身、いつの間に支給品にされたのかは覚えていない。そういった意味では主催者も不気味だ。
だが、こうして自分が知る限りでは最悪な男の参戦が判明したのだ。とても放置はできない。
自分の本来の主や、その仲間達とはまだ合流できていない。
だが、ミクトランを目の当たりにしても恐怖することなく立ち向かおうとする騎士。
ソーディアンの恩恵がなくとも、炎を自在に操る術師の少女。
そして危ない思考にさえ目を瞑れば、コングマンにも遅れをとらないであろう格闘家。
(なかなか、頼もしいではないか……)
ブロントは言語がおかしいし、妹紅はまともだが格好が悲惨、脱衣拳にいたってはもう全裸だが……
『何、気にすることはない』
(……そうだな。元々我らも、スタン達も『濃い連中』の部類だよな……)
どこからか聞こえてきた気がする、主とは別のソーディアンマスターの声に、ディムロスは心の中で頷いた。
そしてそれは、妹紅らも同じだった。
確かに変わった連中だ。殴り合い、互いにかなりボロボロだ。
でも、雨降ってなんとやら。話がまるで通じないわけではない。
思想は一つなのだ。このバトルロワイアルの否定。確かな意思。
それがある限り――
そしてそれは、妹紅らも同じだった。
確かに変わった連中だ。殴り合い、互いにかなりボロボロだ。
でも、雨降ってなんとやら。話がまるで通じないわけではない。
思想は一つなのだ。このバトルロワイアルの否定。確かな意思。
それがある限り――
「……っぁ……にげてえええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!」
※
それは一瞬だった。
少女の金切り声、そして青空を切り裂く黒い雷。
黒雷はちょうどディムロス達の中心部めがけて――そこにいる者を根絶やさんとしていた。
「く……!?」
妹紅は普段の生活故だろうか。ディムロスを回収したうえで雷を回避する余裕を見せる。
残りの二人も、謎の声に反応してか、その研ぎ澄まされた感覚で雷をかわす。
突然すぎる、かつ強力な不意討ち。
だがブロントは、脱衣拳は、それよりもその実行犯の姿を見て驚愕した。
少女の金切り声、そして青空を切り裂く黒い雷。
黒雷はちょうどディムロス達の中心部めがけて――そこにいる者を根絶やさんとしていた。
「く……!?」
妹紅は普段の生活故だろうか。ディムロスを回収したうえで雷を回避する余裕を見せる。
残りの二人も、謎の声に反応してか、その研ぎ澄まされた感覚で雷をかわす。
突然すぎる、かつ強力な不意討ち。
だがブロントは、脱衣拳は、それよりもその実行犯の姿を見て驚愕した。
「お、お前は……!」
「おやおや、随分と賑やかだから足を運んでみれば……また遭えたな? 光の騎士よ。
クハハ……どうやらその様子、同じ光の道を歩む仲間をみつけたようだな? 大いに結構……」
「おやおや、随分と賑やかだから足を運んでみれば……また遭えたな? 光の騎士よ。
クハハ……どうやらその様子、同じ光の道を歩む仲間をみつけたようだな? 大いに結構……」
現れたのは、右手に漆黒の剣――ブロントの愛剣だったグラットンソードを握る騎士。
数刻前、ブロントがミクトランと同じく戦うこととなった、自らを混沌とする騎士だった。
そして――
数刻前、ブロントがミクトランと同じく戦うこととなった、自らを混沌とする騎士だった。
そして――
「と、東京タワー!?」
「うん? なんだ、この小娘は貴様の知り合いか? すまぬな……あまりに無防備かつ単独だったから……
ついつい遊んでしまったよ! ハハハハハハハハ! 暇潰しには丈夫でいい玩具だったぞ?」
「うん? なんだ、この小娘は貴様の知り合いか? すまぬな……あまりに無防備かつ単独だったから……
ついつい遊んでしまったよ! ハハハハハハハハ! 暇潰しには丈夫でいい玩具だったぞ?」
その左手には、血塗れになり、たびたび口からごぷりと血を垂れ流す東京タワーの姿が。
先程の叫び声は、瀕死の身ながら必死でしぼり出した彼女のものだろう。
「「……ッ!!!」」
その痛々しい姿を見た脱衣拳は、ブロントは、歯を砕かんばかりに噛みしめ、拳を振るわせた。
傷からして、混沌の騎士はあえて東京タワーを殺さずにいたぶり、それを楽しんでいたのだろう。
それに対する怒りは勿論強い。だが彼が真に怒っていたのは、自分自身に対してだ。
(私が……喜びに我を忘れ、本来の目的を見失ったせいで……!)
(俺が……ナイトが守らずに、逃げろなんて言ったせいで……!)
後悔してどうにかなることでないのは、二人ともよくわかっている。
だがそれでも二人は、自分が許せなかった。
愛する者を、自分のせいで。守るべき者を、自分のせいで。
先程の叫び声は、瀕死の身ながら必死でしぼり出した彼女のものだろう。
「「……ッ!!!」」
その痛々しい姿を見た脱衣拳は、ブロントは、歯を砕かんばかりに噛みしめ、拳を振るわせた。
傷からして、混沌の騎士はあえて東京タワーを殺さずにいたぶり、それを楽しんでいたのだろう。
それに対する怒りは勿論強い。だが彼が真に怒っていたのは、自分自身に対してだ。
(私が……喜びに我を忘れ、本来の目的を見失ったせいで……!)
(俺が……ナイトが守らずに、逃げろなんて言ったせいで……!)
後悔してどうにかなることでないのは、二人ともよくわかっている。
だがそれでも二人は、自分が許せなかった。
愛する者を、自分のせいで。守るべき者を、自分のせいで。
「あ、あなた……なんて惨いことを……!」
「これまた珍妙な小娘だな。だが……ふむ、変わった力の臭いがするな……
この小娘も不思議な力を持っていたが……どれ、貴様の力もいただくとするか。
そこの全裸も、そして我が求める力を持つ騎士も、全て! しかも全員手負いとはな!
クハハハハハ! これは楽しめそうだ! もうこの小娘にも用はないな!」
「これまた珍妙な小娘だな。だが……ふむ、変わった力の臭いがするな……
この小娘も不思議な力を持っていたが……どれ、貴様の力もいただくとするか。
そこの全裸も、そして我が求める力を持つ騎士も、全て! しかも全員手負いとはな!
クハハハハハ! これは楽しめそうだ! もうこの小娘にも用はないな!」
騎士の腕が振るわれ、小柄な東京タワーは勢いよく地面へと投げ捨てられた。
「「「ッ!!!」」」
三人が動くが、なかでも脱衣拳は真っ先に飛び出した。
とてもその傷ついた身体で出せるとは思えない速さで。
「「「ッ!!!」」」
三人が動くが、なかでも脱衣拳は真っ先に飛び出した。
とてもその傷ついた身体で出せるとは思えない速さで。
そして投げ出された東京タワーの身体を、しっかりと受け止めた。
「……ぁ……っ……」
「ぐっ……! 私の……私のせいで、君を……! 私が、欲を優先させなければ……!」
傷だらけの東京タワーを抱きしめながら、脱衣拳はただただ謝罪の言葉を口にする。
腕の中の体温はどんどんと冷えていく。残酷な現実。
己の欲を優先してしまったが故の、結末。
脱衣拳は、涙を零しながらも謝罪を続ける。
もはやどう謝罪しても償いきれない、それがわかっていても。
許してくれとは言わない。どのような罵詈雑言を吐かれても、甘んじてうけ入れよう。
「……ぁ……っ……」
「ぐっ……! 私の……私のせいで、君を……! 私が、欲を優先させなければ……!」
傷だらけの東京タワーを抱きしめながら、脱衣拳はただただ謝罪の言葉を口にする。
腕の中の体温はどんどんと冷えていく。残酷な現実。
己の欲を優先してしまったが故の、結末。
脱衣拳は、涙を零しながらも謝罪を続ける。
もはやどう謝罪しても償いきれない、それがわかっていても。
許してくれとは言わない。どのような罵詈雑言を吐かれても、甘んじてうけ入れよう。
「私はっ……君を……っ!?」
脱衣拳の言葉が、途切れた。
「……ぁ……っ……、…………ぅ……」
他の誰でもない、東京タワーの唇によって。
溢れ出す血の鉄の味しかしない口づけではあったが。
赤く染まってしまい、口の端からもれるのは擦れた空気だけであったが。
脱衣拳には、確かにその言葉が聞こえた。
溢れ出す血の鉄の味しかしない口づけではあったが。
赤く染まってしまい、口の端からもれるのは擦れた空気だけであったが。
脱衣拳には、確かにその言葉が聞こえた。
あ り が と う
ご め ん ね
ご め ん ね
何に対する感謝か。何に対する謝罪か。
「それは……私の、台詞だ……!」
脱衣拳の言葉を聞き、東京タワーは僅かに表情を変え……
そのまま、覚めることのない眠りについた。
そのまま、覚めることのない眠りについた。
【東京タワー@カオスロワオリジナル 死亡確認】
「……」
脱衣拳は、ゆっくりと愛した者の亡骸を横たえた。
その動作で、ブロントも妹紅も悟り、そして混沌の騎士への怒りの炎を燃やす。
だが……
その動作で、ブロントも妹紅も悟り、そして混沌の騎士への怒りの炎を燃やす。
だが……
「貴公らは下がれ……ここは、私に任せてもらおう」
「「な!?」」
「ハハハハハ! 面白い、茶番の次は貴様一人で我を倒すだと? まったくもって愉快だ!」
「「な!?」」
「ハハハハハ! 面白い、茶番の次は貴様一人で我を倒すだと? まったくもって愉快だ!」
静止をかける脱衣拳、戸惑う二人、嘲笑う騎士。
だがそれでも、脱衣拳は言葉を続けた。
だがそれでも、脱衣拳は言葉を続けた。
「ブロント殿、妹紅殿……貴公らは、私を打ち倒してみせた。
私が、そしてきっと彼女が望むのは……こんな無益な殺し合いの破壊だ。
それこそが、彼女に報いれる唯一の方法……
この脱衣拳、二人が逃げられる程度の時間は、稼いでみせよう」
「おいィ!? お前は馬鹿ですか!? あいつを死なせてしまったのは俺の責任なんだが!?
だからここは俺があのナイトもどきをバラバラにして『ブロント!』!?」
私が、そしてきっと彼女が望むのは……こんな無益な殺し合いの破壊だ。
それこそが、彼女に報いれる唯一の方法……
この脱衣拳、二人が逃げられる程度の時間は、稼いでみせよう」
「おいィ!? お前は馬鹿ですか!? あいつを死なせてしまったのは俺の責任なんだが!?
だからここは俺があのナイトもどきをバラバラにして『ブロント!』!?」
脱衣拳の言葉にくってかかるブロントだが、それをディムロスが遮った。
やはり表情はわからない。彼がなにを考えているかはわからない。
だが少なくとも確かなのは、彼は戦況を見極めることができるということだ。
やはり表情はわからない。彼がなにを考えているかはわからない。
だが少なくとも確かなのは、彼は戦況を見極めることができるということだ。
『お前も、妹紅も疲弊している! あの騎士の禍々しさ……ミクトランに勝るとも劣らんぞ!
それがわからぬほど、お前は愚かではあるまい!」
「……っ!」
「なに、頃合いを見て私も一度退く。妹紅殿、ブロント殿を連れて退いてくれ」
「……わかった」
「おい待つべきそうすべ――」
それがわからぬほど、お前は愚かではあるまい!」
「……っ!」
「なに、頃合いを見て私も一度退く。妹紅殿、ブロント殿を連れて退いてくれ」
「……わかった」
「おい待つべきそうすべ――」
ブロントの抗議を無視し、妹紅はブロントの手を引き、炎の翼で空を飛ぶ。
無意識の歯軋りに気がつくことは無い。
いまだ叫ぶ騎士を落とさないように。
後ろから響く爆音に振り向かないように。
それだけを考えて……
無意識の歯軋りに気がつくことは無い。
いまだ叫ぶ騎士を落とさないように。
後ろから響く爆音に振り向かないように。
それだけを考えて……
【渋谷区・上空/一日目・午後】
【藤原妹紅@東方Project】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(大)左腕骨折(応急処置済み)飛行中、混沌の騎士へ怒り
[装備]:ソーディアン・ディムロス、スク水
[道具]:基本支給品
[思考・状況]基本:主催者を懲らしめ、幻想郷に帰る
0:脱衣拳……
1:一度混沌の騎士から逃げる
2:ミクトランを倒す
※再生能力は制限により弱体化しています。
※飛行及び空中での能力連続使用に制限
[状態]:ダメージ(中)、疲労(大)左腕骨折(応急処置済み)飛行中、混沌の騎士へ怒り
[装備]:ソーディアン・ディムロス、スク水
[道具]:基本支給品
[思考・状況]基本:主催者を懲らしめ、幻想郷に帰る
0:脱衣拳……
1:一度混沌の騎士から逃げる
2:ミクトランを倒す
※再生能力は制限により弱体化しています。
※飛行及び空中での能力連続使用に制限
【ソーディアン・ディムロスの思考】
1:今は退くべきだ……
2:ミクトランがこの会場に……?
1:今は退くべきだ……
2:ミクトランがこの会場に……?
【ブロント@ファイナルファンタジーXI】
【状態】:ダメージ(中)、疲労(中)自己嫌悪、東京タワーの死にショック
【装備】:ソーディアン・ベルセリオス、ガラントアーマー+1(ガントレットのみバッグ内)
【道具】:基本支給品一式、
【思考】基本:主催者をボコる
0:脱衣拳……
1:他の参加者を探し、戦えそうなら仲間に、戦えなさそうなら保護
2:殺し合いに乗ってる奴はメガトンパンチ
3:ミクトランと混沌の騎士は倒す
※制限によりキングベヒんもス等は召喚不可
【状態】:ダメージ(中)、疲労(中)自己嫌悪、東京タワーの死にショック
【装備】:ソーディアン・ベルセリオス、ガラントアーマー+1(ガントレットのみバッグ内)
【道具】:基本支給品一式、
【思考】基本:主催者をボコる
0:脱衣拳……
1:他の参加者を探し、戦えそうなら仲間に、戦えなさそうなら保護
2:殺し合いに乗ってる奴はメガトンパンチ
3:ミクトランと混沌の騎士は倒す
※制限によりキングベヒんもス等は召喚不可
【渋谷区・地上/一日目・午後】
【混沌の騎士@カオスロワオリジナル】
【状態】:健康
【装備】:グラットンソード
【道具】:基本支給品一式、(ランダム品0~2)
【思考】基本:優勝し、記憶を取り戻す
0:脱衣拳殺害後、妹紅とブロントを追跡し力を奪う
1:バトルロワイアルを楽しみつつ、光の力も手に入れていく
2:エクスカリバーの捜索
3:光の使い手(ミクトラン)を警戒。いずれ力を奪う
※東京タワーより、なんらかの力を奪ったかもしれません
【混沌の騎士@カオスロワオリジナル】
【状態】:健康
【装備】:グラットンソード
【道具】:基本支給品一式、(ランダム品0~2)
【思考】基本:優勝し、記憶を取り戻す
0:脱衣拳殺害後、妹紅とブロントを追跡し力を奪う
1:バトルロワイアルを楽しみつつ、光の力も手に入れていく
2:エクスカリバーの捜索
3:光の使い手(ミクトラン)を警戒。いずれ力を奪う
※東京タワーより、なんらかの力を奪ったかもしれません
【脱衣拳@カオスロワ書き手】
【状態】:全裸、ダメージ(大)疲労(大)、悲しみと後悔
【装備】:脱ぎ捨てた
【道具】:投げ捨てた
【思考】基本:人を殺さずに、バトルロワイアルを破壊する
0:混沌の騎士を足止めする
1:東京タワー……
※普通の人間に比べ、肉体がかなり鍛えられています
※中野区のどこかに、脱衣拳の稽古着と支給品一式(ランダム1~3入り、脱衣拳未確認)が落ちています
※付近に東京タワーの遺体と支給品が放置されています
【状態】:全裸、ダメージ(大)疲労(大)、悲しみと後悔
【装備】:脱ぎ捨てた
【道具】:投げ捨てた
【思考】基本:人を殺さずに、バトルロワイアルを破壊する
0:混沌の騎士を足止めする
1:東京タワー……
※普通の人間に比べ、肉体がかなり鍛えられています
※中野区のどこかに、脱衣拳の稽古着と支給品一式(ランダム1~3入り、脱衣拳未確認)が落ちています
※付近に東京タワーの遺体と支給品が放置されています
| 059:マシンでつきぬけろ! | 投下順 | 061:狂人は静かに笑う |
| 059:マシンでつきぬけろ! | 時系列順 | 061:狂人は静かに笑う |
| 052:三人寄ればモンクの血が騒ぐ | 藤原妹紅 | 069:結束 UNITY |
| 052:三人寄ればモンクの血が騒ぐ | ブロント | 069:結束 UNITY |
| 044:東京タワー ~脱衣と私と、時々、ナイト~ | 東京タワー | 死亡 |
| 008:それぞれの光と闇 | 混沌の騎士 | 066:脱衣×混沌×騎士 |
| 052:三人寄ればモンクの血が騒ぐ | 脱衣拳 | 066:脱衣×混沌×騎士 |