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2007年
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to_dk
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初音ミクの歴史。2007年 <△>
2007年の秋から冬は、初音ミクファンにとって、濃縮された季節
- 初音ミクを巡る事件が頻発し、その度に初音ミクが注目される
- 投稿動画の質が、目に見えて上がっていく
- 初音ミクは楽曲以外の分野にも浸透し、以前では想像出来なかったような作品が投稿されるようになる
- 特に発展したのは、9月から12月の上旬頃にかけて
- この時期を「奇跡の3か月間」と呼ぶ人達も居る
- 主舞台のニコニコ動画にも、人がどんどん入ってくる
- 10月以降、初音ミクは、毎週のように事件やトラブルに遭遇した
- その度に、インターネット上で騒ぎと議論が起きた
- この為、文章が得意な初音ミクファンも、議論の場などで活動した
- 1ヶ月もすると、遠い過去になってしまうほどの情報量
- 初音ミクファン達の中には、「ミク厨」である事を誇りに思い、自称している人達も居た
初音ミクは、9月以降の4か月で次の事を成し遂げた
- 今まで日陰で活動していた個人の創作者達に対して、活躍の場を与えた
- 作曲を始めとする創作の世界に、大量の新人を呼び込んだ
- ニコニコ動画上で、n次創作という、新しい創作の形を生み出した
- その結果、テレビでは見る事の出来ない、独特の文化を生み出した
- 初音ミクの存在を脅かす問題が発生したが、かえって初音ミクファン達の結束を固め、生き延びる事に成功した
- 12月には初音ミク周辺の権利問題が浮上し、初音ミク曲の商用利用に関する整備が始まった。
そして、初音ミクは、バーチャルアイドルに関する当時の常識を、ことごとく打ち砕いた
- 「バーチャルアイドルは問題を起こさない」→次々とお迎えする
- 「バーチャルアイドルは誰かが与える」→自分達で作る
- 「バーチャルアイドルは成長しない」→進化が止まらない
- 「バーチャルアイドルは増殖しない」→多様化も止まらない
8月
9月
動画投稿サイトのニコニコ動画で、初音ミク動画が人気になる
- 最初は「アホの子」「良く分からない存在」として人気が出た
- 次に、「少し変わった、歌の好きな女の子」
- 初音ミクにカリスマ性が出てきたのは、おそらく10月
4日。初音ミクのネギ振り動画「VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた」が投稿される
- 「初音ミク = アホの子」派の代表作品
- この後、次々と初音ミクのネギ動画が投稿される
- その結果、初音ミク=葱(ねぎ)が主流になった
- ネギの使い方は色々。振ったり、食べたり、武器にしたり
- この動画の初音ミク風キャラクターは「はちゅねミク」と命名された
- 公式には、初音ミクの公認派生キャラクターとして扱われている
- 在庫を超強気で増やしたにも関わらず、1週間と持たなかった
14日。初音ミクの開発者は、初音ミクの梱包に明け暮れる
中旬: ニコニコ動画で、初音ミクが歌う曲が目立ち始める
中旬: ニコニコ動画で、初音ミクが歌う曲が目立ち始める
- オリジナル曲を投稿する人達も登場
- 初音ミク大好きな視聴者が増えていき、下記の動きに繋がった
中旬: ニコニコ動画で、初音ミク映像化への挑戦が始まる
- 後に「初音ミクアニメ化計画」「初音ミク3D化計画」と呼ばれる現象
- 初音ミクの姿を見たくなった人達が、自ら初音ミクの映像化に挑戦
- そして、初音ミクの姿を渇望していた視聴者達が、それらを支持
- その結果、9月後半から10月にかけて、最初の映像革命が起こった
20日。オリジナル曲「みくみくにしてあげる」登場
- この曲を使った動画は千を超え、初音ミクの2007年度代表曲となった
- 2008年度は、多分「メルト」(= 投稿は2007年)
23日。動画「初音ミクの武道館ライブを描いてみた」が投稿される
- 初音ミクのライブは、この当時から初音ミクファン達の夢だった
- 初音ミクが歌っている曲は「Packaged」
下旬。ニコニコ動画にて、初音ミクの機械工作を楽しむ人達が現れる
- 後に、ニコニコ技術部となる人達
10月
- 初音ミクの為に、このゲームを購入する人達が続出する
- なお、このゲームは、18歳未満購入禁止なので、購入したい方はご注意
6日。DTMマガジン2007年11月号(初音ミク体験版付き)が発売される
- でも、3日間で売り切れる(J-CASTニュース))
- 再入荷しても、完売(えぬぱすどっとねっと)
- 油断をしていたDTMマガジンの愛好者達が、途方に暮れる事態になった
- この号以降、DTMマガジンはみっくみくな記事を連載するようになった
8日。ニコニコ動画で、「週刊みくみくランキング」が始まる
- 初音ミクだけの楽曲ランキング
- 後に、週刊VOCALOIDランキングへと発展する
上旬頃。ニコニコ動画にて、初音ミクの3Dモデルが揃い出す
- 六角大王向けに作られたキオ式ミクが完成したのが10月4日
- その前後に、複数の3Dモデルが登場している
- 六角大王はフリーソフト。機能強化した Super版もある
- この頃はMikuMikuDanceは無かった
- テレビ番組での初音ミク初紹介で、変な脚色が付いていた
- 初音ミクファンの間で、騒ぎとなる
- これだけなら、沈静化も早かった筈だけれど、上に続く
17日頃。library: 画像検索から「初音ミク」が一斉に消えた件
- 複数の主要検索エンジンで、初音ミク画像が出ず、ネット上で騒動になる
- 初音ミク以外の画像は見つかっている事で、騒ぎが大きくなった
- Wikipediaで「初音ミク」ページが非公開となる
- 理由は、初音ミクの製品ページに書いてあった「ポップでキュートなバーチャルアイドル」を許可無しで書き込んだ事
- 削除派は、「初音ミク」ページは全部削除しないといけないと主張
- 議論が続く間、「初音ミク」ページは非公開のままとなる
- それに気付いた初音ミク開発元のクリプトン・フューチャー・メディア社が明示的に使用許可を出した
- にも関わらず、結局、初音ミクのページ全部を削除
17日まとめ。萌え理論Blog: 初音ミクまとめ2・事件編
- この時期、初音ミクをインターネットの自由の象徴に据えて、一部のネットユーザー達がインターネットの各地で戦っていた
- 初音ミクが「戦乙女」「戦女神」の異名を持つのは、この頃の名残
- と言っても、もう、その名前では呼ばれていないかもしれない
- この一連の騒ぎが、初音ミクと(初音ミクが居る)ニコニコ動画の宣伝代わりになった
19日。たけくまメモ: 「初音ミク」事件について
- 著作権からの考察
21日前後。防火ロイド「亞北ネル」: 亞北ネルをまとめてみる
- インターネット掲示板の2ちゃんねるで、ネット工作員による書き込みが明らかになった
- 2ちゃんねるを中心に、騒ぎに発展
- 嫌がらせや火消しっぽい書き込みに対して、「可愛い女の子」化して逆に嫌がらせ
- そして、11月1日、亞北ネルのイラスト誕生
- といっても、この手のサービスは以前からあったみたい
- Web検索すると、色々出て来た
- ニコニコ動画にあった検証動画は、削除された
下旬。製作期間が長い音楽ビデオが登場する
- 映像だけでも数週間以上かかるタイプのもの。有名なのは
- 10月25日「3DみくみくPV♪」
- 10月27日「【初音ミク】WhiteLetter【アニメPV完成版】」
- そして、初音ミク人気楽曲の主流は、ミクオリジナル曲に移った
- 以降、初音ミクの音楽ビデオは、「Vocaloid-PV」として独特の世界を表現するようになる
- JASRACは、レコード会社など大手の音楽著作権を管理する団体
- この頃に、具体的な金額交渉が始まったみたい
11月
8日。クリプトン・フューチャー・メディア社、鏡音リンを発表
10日。ニコニコ動画で、「月間みくみくランキング」が始まる
10日。ニコニコ動画で、「月間みくみくランキング」が始まる
- 初音ミクだけの楽曲ランキング
- 次回から、月間ボーカロイドTOP30へと発展する
上旬。ニコニコ動画の時報アナウンスに初音ミクが抜擢される
上旬頃。ニコニコ動画にて、MEIKOとKAITOが、初音ミクの家族だと認識されるようになる
上旬頃。ニコニコ動画にて、初音ミク関連の技術系タグが「ニコニコ技術部」に統合される
上旬頃。ニコニコ動画にて、MEIKOとKAITOが、初音ミクの家族だと認識されるようになる
上旬頃。ニコニコ動画にて、初音ミク関連の技術系タグが「ニコニコ技術部」に統合される
13日。ニコニコ動画で、「週刊VOCALOIDランキング」が始まる
- VOCALOIDの楽曲ランキング
- 開始番号は 6(= 週刊みくみくランキングの後継)
- 初音ミクの他に、MEIKO、KAITOが加わった
- 初音ミク、よく分からずに売り買いされる
- 動画に惚れて購入した方は、まだ良い方
- ゲームやアダルトソフトと一緒に売られたりする
- それを買ってしまう人達も多数
- 初音ミクを使いこなせず、あちらこちらで、弱音と質問
- 「どうやって踊らせるのですか」
- 「インストール後、初音ミクが出てきません」
- 「楽器を鳴らす方法を教えて下さい」
- 「初音ミクは、どうして葱を持っているのですか」
- 「ワカンネ」など
- その結果、匿名掲示板などに居るボランティア回答者達も、お手上げ気味
- 2ちゃんねるでは、質問者を「女の子」化して、回答意欲の向上を図る
- 21日、弱音ハクのイラスト誕生
26日頃。ニコニコ動画の時報にて、ねんどろいど初音ミクのコマーシャルが放送される
- でも、反響が大き過ぎて、予約だけで5万体以上。予約終了してしまう
- 12月時点で、ねんどろいど史上最大売り上げ記録を更新した
11月頃
- 初音ミクの場を求めて、ニコニコ動画に参加する人達が増えた
- その勢いは、ミクミク動画と揶揄されていたくらい
- 業者の人達も趣味で参加してきて、多様な初音ミク作品が生まれた
- この状況を見て、「ミク厨は未来に生きている」と言う人も居た
- 反面、初音ミク動画が氾濫する事で、ニコニコ動画内でもアンチ初音ミク勢力が生まれた
- ニコニコ動画で、初音ミク動画に対する荒らしが頻発するようになる
12月
- ニコニコ動画にて、初音ミクが重大発言
- 「リンは、ロードローラーが似合うと思うけど、どうかなあ」
- 釣り動画の筈が、鏡音リン・レンの聖地になってしまった
- 追加された鏡音レンは、やおい方面(特に、コミケ前で目に隈が出来た方達)に歓喜の声で迎えられる
3日。ピアプロ運用開始
- その後、VOCALOIDの素材サイトとして重宝されるようになる
- 立てたのは、FL-studioのプログラマー golさん
- 周囲からは冗談だと思われていたけれど、彼らは本気だった
- 27日の Ver. 7.4 bata 2で、FL Chan壁紙搭載
- そして、翌年登場の FL-studio 8では踊らせるツールも標準搭載
8日。カラオケ「JOYSOUND」で初音ミク曲の配信が始まる
- この日に登場したのは「みくみくにしてあげる」
- この後、JOYSOUNDでは初音ミク曲を積極的に採用するようになる
上旬頃。ニコニコ動画で、オリジナル曲「メルト」が「歌ってみた」で流行する
上旬頃。ピアプロで、鏡音リン・レン=ロードローラーの支持が多くなる
上旬頃。ドワンゴ(ニコニコ動画の親会社)の株価が、3ヶ月で5倍近くに上昇する
上旬頃。ピアプロで、鏡音リン・レン=ロードローラーの支持が多くなる
上旬頃。ドワンゴ(ニコニコ動画の親会社)の株価が、3ヶ月で5倍近くに上昇する
- 初音ミクの知名度上昇と共に、株価が跳ね上がった
- ニコニコ動画と初音ミクは、この頃は、表裏一体の存在だったみたい
- ニコニコ動画内での初音ミクの熱狂的な盛り上がりも、多分、この時が最高潮
中旬頃。ニコニコ動画内で、初音ミクブームの終わりを予感する人達が増える
- 直接の原因は、27日発売の「鏡音リン・レン」
- 当時の雰囲気は、動画「【初音ミク】melody...3D PV ver1.50」が詳しい
- 権利問題に発展し、2007年最後のネット騒動になった
- JASRACは直接関係が無いけれど、「信託」された初音ミク曲を使った動画(おそらく1000点位)に対して、料金請求や削除要求出来るようになった
- 同時期に、着うた関連の権利問題も浮上
- 作曲者への説明不足のまま着うた公開した事が、初音ミクファン達の更なる疑心暗鬼を生み、大きな騒ぎになった
- 当時、初音ミクは、インターネットの(表現の自由の)象徴的存在だった
- しかも、お金の匂いがほとんどしていない、珍しいキャラクターだった
- その結果、インターネット上でのお金儲けに反対する人達や、規制よりも表現の自由を重要視する人達が、「今までの初音ミクを守る」方向に、動いた
- これらの動きに対して、クリプトン・フューチャー・メディア社(= 初音ミクの会社)が公式ブログで経過を説明をしたけれど、その行為に対して渦中の企業が反発した
- 問題は、ニコニコニュースに渦中の企業の反論文書が掲載された事
- 更に、自分達は悪くないという内容だったが、書き方が悪過ぎた
- それが、インターネット上の有識者達を完全に敵に回してしまった
- その結果、ニコニコ動画自身も糾弾の的になった
- 初音ミクが本拠地のニコニコ動画(の親会社)と敵対する、常識外れの対立になった
- 一部のニコニコ動画会員は、プレミアム会員を止めたり、他のサイトに活動拠点を移動した
- 結局、25日に問題の企業とクリプトン・フューチャー・メディア社(= 初音ミクの会社)が共同声明を出すまでの間、騒ぎが続いた
- この声明は、「作曲者の原盤権を保障し、十分な説明無しに権利関係の移動をしてはいけない」と言うもの。今までの自由な音源配布行為を守る上で、重要な役割を果たした
- 初音ミク名でのJASRAC登録に関しては、問題の企業の申告ミスなので、アーティスト名「初音ミク」を別名に変更する、という事になった。
- (= 「作曲者名 feat. 初音ミク」の使い方なら許可されていた)
- この騒動がきっかけで、ニコニコ動画から zoome に引っ越してきた人達もいる
- zoomeのサーバーがダウンしたけれども、運営側が休日返上で対応
- そして、翌年には、zoomeでも初音ミクが流行するようになった
- zoomeへの移動手段は、ニコニコ動画運営陣に対する威嚇の材料としても使われ、この問題の早期解決の要因となった
- ニコニコ動画側も、鏡音リン・レンプレゼントなどで対応
- 初音ミクファンの大量流出を防ぐ事に成功
- この騒動の間に、ドワンゴ(ニコニコ動画の親会社)の株価が、4割程度下落
- 当事者のドワンゴグループは 1年後も苦労しているみたい
- ドワンゴグループの中で、初音ミクに好意的な人達と、反抗的な人達に分かれてしまい、結局、何をしてもVOCALOIDファン達から評価されない状態が続いてしまった
- VOCALOID曲は、非営利の配布や配信、2次創作で宣伝されている面が大きいけれど、著作権管理を作者が行う形態が多い。その形に、音楽関係者が対応出来ていない
中旬頃。鬱々真っ盛り: 初音ミク抱き枕に待った
- 同人販売(18禁イラスト付き抱き枕カバー)で、クリプトン・フューチャー・メディア社から販売停止勧告を受ける
- 元々、初音ミクキャラクターは、18禁の同人商品には使用許可されていない
- 怒った同人側(というよりも、抱き枕のファン)がインターネット上で多数書き込み、論争になる
- マスコットキャラクター(jamバンド)の「初音ミクのバックバンドを目指す」というコンセプトに、一部の作曲者達が歓喜
27日。クリプトン・フューチャー・メディア社から鏡音リン・レン、発売開始
アニメイトTV: クリプトン・フューチャー・メディア社がコミックマーケットに初参加
年末年始。ニコニコ動画でロードローラー動画が次々と投稿され、ランキングに入る
次の年へ(2008年)
アニメイトTV: クリプトン・フューチャー・メディア社がコミックマーケットに初参加
年末年始。ニコニコ動画でロードローラー動画が次々と投稿され、ランキングに入る
次の年へ(2008年)