神綺と小悪魔vs夢子と咲夜の勝負である。
演目はボレロの演奏。審査員である映姫を満足させる演奏をした方の勝ちである。
演目はボレロの演奏。審査員である映姫を満足させる演奏をした方の勝ちである。
神綺と小悪魔ペアは、楽器演奏が得意ではなかった小悪魔にあわせて二人とも木琴を選択。
「えっと、こう……ですか?」
「そこはこうするのよ……そう上手よ。ふふ、楽しいわね」
演奏自体は児童のレベルだったが、実に微笑ましい光景に最近心労の溜まっていた映姫も大満足だ。
「魔界の者はすべて神綺が創ったのだと聞きます。でしたらこの包み込むような母性にも納得がいきますね」
「えっと、こう……ですか?」
「そこはこうするのよ……そう上手よ。ふふ、楽しいわね」
演奏自体は児童のレベルだったが、実に微笑ましい光景に最近心労の溜まっていた映姫も大満足だ。
「魔界の者はすべて神綺が創ったのだと聞きます。でしたらこの包み込むような母性にも納得がいきますね」
今度は夢子と咲夜のメイドペアの番であるが、どうも事前の打ち合わせが出来ていなかったようだ。
正統派にバイオリンを持って来た夢子に対し、なんと咲夜はエレキギターを持ってきたのだ。
「クラシックといえばバイオリンでしょう!?」
「いいえ、メイドといえばロックです」
火種が広がるのは早く、遂に演奏会そっちのけでメイド論議まで始めてしまった。
正統派にバイオリンを持って来た夢子に対し、なんと咲夜はエレキギターを持ってきたのだ。
「クラシックといえばバイオリンでしょう!?」
「いいえ、メイドといえばロックです」
火種が広がるのは早く、遂に演奏会そっちのけでメイド論議まで始めてしまった。
「はやく演奏して下さい。後の予定が詰まってるんです」
まだ相手を論破し足りない二人であったが、イライラし始めた映姫に促され渋々と演奏を始めた。
だが演奏を始めてからも険悪な雰囲気は続く。
じゃんけんによって咲夜が主旋律を演奏することになっていたのだが、夢子はいきなり主旋律を塗りつぶしてしまうほどの技巧演奏を始めてしまった。
咲夜もそれに対抗し、それにまた夢子が……と、それぞれの技術は高いのだが合わせると不協和音でしかない演奏のまま終了してしまった。
まだ相手を論破し足りない二人であったが、イライラし始めた映姫に促され渋々と演奏を始めた。
だが演奏を始めてからも険悪な雰囲気は続く。
じゃんけんによって咲夜が主旋律を演奏することになっていたのだが、夢子はいきなり主旋律を塗りつぶしてしまうほどの技巧演奏を始めてしまった。
咲夜もそれに対抗し、それにまた夢子が……と、それぞれの技術は高いのだが合わせると不協和音でしかない演奏のまま終了してしまった。
「では判決を言い渡します。この勝負、神綺と小悪魔チームの勝利です。」
「わ、やりましたよ神綺様!」
「あら、あなたが頑張ったからよ」
「あなたが足を引っ張ったから!」
「主旋律にまったく合わせる気のなかった人の言葉とは思えませんね」
「わ、やりましたよ神綺様!」
「あら、あなたが頑張ったからよ」
「あなたが足を引っ張ったから!」
「主旋律にまったく合わせる気のなかった人の言葉とは思えませんね」
「ええい、そこの二人は少し口を噤みなさい! 大体二人は相手に対する友愛が無さ過ぎる。七徳、八徳といった世界各地で言われる『徳』の中に必ず相手を想い敬う心というものが入っているということの意味を考えなさい。いいですか、生きている内は勿論ながら死んでからこそ生前の絆が物を言うのです。それを欠いた者がどのような末路を辿るか、そうあれは二十年も前のことでしょうか……(以下エンドレス説教)」