パルスィ「…ふう。いきなり永遠亭に運ばれた時は何事かと思ったわよ」
キスメ「…ヤマメちゃん、元気そうだね…。 よかった……!」
ヤマメ「あはははは! いやあ、まさか病気を操るヤマメさんが寅うっかり病に罹(かか)るとは思わなんだ。」
キスメ「…ヤマメちゃん、元気そうだね…。 よかった……!」
ヤマメ「あはははは! いやあ、まさか病気を操るヤマメさんが寅うっかり病に罹(かか)るとは思わなんだ。」
…ここは迷いの竹林の永遠亭。隔離病棟とは名ばかりの病室で、黒谷ヤマメは見舞いにやって来たキスメとパルスィに一笑していた。
病人として扱われているものの、ヤマメ本人は至って健康そのものである。
病人として扱われているものの、ヤマメ本人は至って健康そのものである。
パルスィ「ふぅん…。たしか、うっかり者になる病気だったっけ。だから元気なのね」
キスメ「…ヤマメちゃん。その病気って、話してたら移っちゃう…? 私達、ここにいちゃいけない……?」
ヤマメ「大丈夫だよキスメ。驚異の八意力(やごころぢから)で張られた特殊な結界で、病気の感染が封じられてるらしい。
隔離病棟ってのは、患者に危機感を持たせる為の大袈裟な呼称だわね。あはははは。」
パルスィ「…本当、お気楽ねぇ。一時は世間を騒がせた奇病に罹ってるとは思えない間抜けさよ、アンタ。」
キスメ「…ヤマメちゃん。その病気って、話してたら移っちゃう…? 私達、ここにいちゃいけない……?」
ヤマメ「大丈夫だよキスメ。驚異の八意力(やごころぢから)で張られた特殊な結界で、病気の感染が封じられてるらしい。
隔離病棟ってのは、患者に危機感を持たせる為の大袈裟な呼称だわね。あはははは。」
パルスィ「…本当、お気楽ねぇ。一時は世間を騒がせた奇病に罹ってるとは思えない間抜けさよ、アンタ。」
そう憎まれ口を叩くパルスィだが、ヤマメの無事を確認し、その表情は柔らかな笑顔である。
その様子を見ていたキスメはふと病室の中を見渡し、ある事に気付いた。
その様子を見ていたキスメはふと病室の中を見渡し、ある事に気付いた。
キスメ「……あ。ヤマメちゃん、花瓶のお水なくなってるよ…?」
ヤマメ「そうかい?じゃあパルスィ、水を汲んできてもらえるかねぇ?」 (ピョコンッ!)
ヤマメ「そうかい?じゃあパルスィ、水を汲んできてもらえるかねぇ?」 (ピョコンッ!)
…ヤマメの頭に異変が起こった。突然、虎耳が生えてきたのである。
パルスィ「全く…。しょうがないわね……って、ヤ、ヤマメ! あんたその頭……ッ!?」
ヤマメ「……ん?」 (ニョキッ!)
ヤマメ「……ん?」 (ニョキッ!)
そして虎耳の次は尻尾。 そう、寅うっかり病の"第2フェイズ"である。
その事に気付かないヤマメは、自分を呼ぶパルスィに対して身体ごと振り向いた。
振り向く遠心力で振られるヤマメの尻尾の先にはキスメ。その直線上には窓がある。
その事に気付かないヤマメは、自分を呼ぶパルスィに対して身体ごと振り向いた。
振り向く遠心力で振られるヤマメの尻尾の先にはキスメ。その直線上には窓がある。
パルスィ「…ッ!? キスメ! 危ない!!」
キスメ「えっ……?(バシィッ!!)きゃあっ!?」 ガッシャ――――ン!!
キスメ「えっ……?(バシィッ!!)きゃあっ!?」 ガッシャ――――ン!!
――ヤマメの尻尾に弾き飛ばされたキスメが窓を突き破る。その瞬間、ヤマメは窓へ向かって駆け出した。
ヤマメ「キスメ―――ッ!!」
パルスィ「なっ……!!?」
パルスィ「なっ……!!?」
――そして、キスメと一緒に、窓から飛び出した……。
永琳「……で、キスメはそのまま窓下に落下。黒谷ヤマメは窓から飛び出した勢いのまま竹林の奥に突っ込んでいった……と。」
パルスィ「はいぃ……。虎耳と尻尾が生えてました……。」
鈴仙「はあ…。また面倒な事になりましたね師匠。 まあ、竹林は素人には簡単に抜け出せないから
私とてゐで捜せば直に見つかると思いますけど……。」
永琳「……うどんげ。この周辺にいる手の空いた妖怪の類を至急集めてきて頂戴。」
鈴仙「えっ!?何故ですか?」
永琳「…相手はこの私でさえ手を焼く寅うっかり病よ。しかも、感染者は病気を操る黒谷ヤマメ……。
うどんげ、貴女ならこれがどういう意味を示しているか解るわよね……?」
鈴仙「……最悪……うっかり…バイオハザード………ッ!?」
永琳「その通り。……時間はかけられないわ。10分間で呼べるだけでいいわ。お願いね。」
パルスィ「はいぃ……。虎耳と尻尾が生えてました……。」
鈴仙「はあ…。また面倒な事になりましたね師匠。 まあ、竹林は素人には簡単に抜け出せないから
私とてゐで捜せば直に見つかると思いますけど……。」
永琳「……うどんげ。この周辺にいる手の空いた妖怪の類を至急集めてきて頂戴。」
鈴仙「えっ!?何故ですか?」
永琳「…相手はこの私でさえ手を焼く寅うっかり病よ。しかも、感染者は病気を操る黒谷ヤマメ……。
うどんげ、貴女ならこれがどういう意味を示しているか解るわよね……?」
鈴仙「……最悪……うっかり…バイオハザード………ッ!?」
永琳「その通り。……時間はかけられないわ。10分間で呼べるだけでいいわ。お願いね。」
~10分後~
てゐ「お師匠様が呼んでるって聞いたから来たんだけど、なんでコイツ等が竹林にいるウサ?」
ロリス「……アリスお姉ちゃんのところに行こうとしてたんだけど。…それより喉渇いた~!」
萃香「私はなんか永遠亭の様子が変だったから見に来たんだぞ。…何かあったのかー?」
諏訪子「洩矢の神を信仰すると、もれなく私のニーソをプレゼントするよ!
……だから信仰してよ。ちょっとだけ!ちょっとだけでいいから!ね?ね?」
ロリス「……アリスお姉ちゃんのところに行こうとしてたんだけど。…それより喉渇いた~!」
萃香「私はなんか永遠亭の様子が変だったから見に来たんだぞ。…何かあったのかー?」
諏訪子「洩矢の神を信仰すると、もれなく私のニーソをプレゼントするよ!
……だから信仰してよ。ちょっとだけ!ちょっとだけでいいから!ね?ね?」
永琳「……何でこの非常事態にこの面子なのよ……。」
永琳「……という訳で、ものすご~~~く不安ではあるけど、
貴女達に黒谷ヤマメの撃破、もしくはワクチンの投与をお願いしたいのよ」
てゐ「しゃ~ない、やってやるかね!」
萃香「んっ。全然わかんないけど、何となくわかったぞー」
諏訪子「手伝えばこの屋敷の裏に分社を建ててもいいんだね! おっけー!」
ロリス「あ、ジュースがある。コレ貰っちゃうね!」 ゴクゴク
鈴仙「あっ! それはジュースじゃなくて"秘薬『紅印度』"……」
貴女達に黒谷ヤマメの撃破、もしくはワクチンの投与をお願いしたいのよ」
てゐ「しゃ~ない、やってやるかね!」
萃香「んっ。全然わかんないけど、何となくわかったぞー」
諏訪子「手伝えばこの屋敷の裏に分社を建ててもいいんだね! おっけー!」
ロリス「あ、ジュースがある。コレ貰っちゃうね!」 ゴクゴク
鈴仙「あっ! それはジュースじゃなくて"秘薬『紅印度』"……」
ボッフ~~~~~ン!!
アリスA「何?」
アリスB「何?」
アリスC「何?」
アリスB「何?」
アリスC「何?」
鈴仙「………。」
永琳「……人手が増えたわね。」
永琳「……人手が増えたわね。」
ミスティア「…なんだか竹林の方が五月蝿いね?」
ナズーリン「何、永遠亭の連中が騒いでいるんだろう。気にする事はないさ」
ナズーリン「何、永遠亭の連中が騒いでいるんだろう。気にする事はないさ」
ヤマメ「そこの病原媒体二人!こっちにキスメが飛んで来なかったかい?」
ミスティア「ひどっ!?今日はナズーリンの貸し切りだから誰も来てないわよ?」
ヤマメ「そうかい?そいつは失礼。それじゃあね!」
ナズーリン「……何だったんだ今のは?」
ミスティア「ひどっ!?今日はナズーリンの貸し切りだから誰も来てないわよ?」
ヤマメ「そうかい?そいつは失礼。それじゃあね!」
ナズーリン「……何だったんだ今のは?」
妖怪兎: きゃーきゃー 大変だー 大変だー
てゐ「…んっ? お師匠様ー、コイツ等の話だと、ヤマメが夜雀と鼠に接触したらしいよー?」
永琳「夜雀…という事は夜雀の屋台!? しまった、うっかり竹林を抜け出したわね!」
鈴仙(……うっかりって便利だなぁ……。)
永琳「てゐ!ヤマメは人里への道の近くにいるわ!
今竹林を捜索している連中を二手に分けて!ロリス組と3LB組に分かれてヤマメを追いかけるのよ!」
てゐ「わかったよ!超ババア!」 ダッ!!
永琳「てめっ!?」
てゐ「…んっ? お師匠様ー、コイツ等の話だと、ヤマメが夜雀と鼠に接触したらしいよー?」
永琳「夜雀…という事は夜雀の屋台!? しまった、うっかり竹林を抜け出したわね!」
鈴仙(……うっかりって便利だなぁ……。)
永琳「てゐ!ヤマメは人里への道の近くにいるわ!
今竹林を捜索している連中を二手に分けて!ロリス組と3LB組に分かれてヤマメを追いかけるのよ!」
てゐ「わかったよ!超ババア!」 ダッ!!
永琳「てめっ!?」
Tロリス「「「あっ!土蜘蛛!!」」」
てゐ「いたいた!よーし、ワクチンとかめんどいから一気にピチュる!!」
萃香「よっしゃ任せろ!行けー!小鬼達ー!!」 ワラワラワラ……!
(注:分社を建てる目的を果たした諏訪子は飽きて帰りました。)
てゐ「いたいた!よーし、ワクチンとかめんどいから一気にピチュる!!」
萃香「よっしゃ任せろ!行けー!小鬼達ー!!」 ワラワラワラ……!
(注:分社を建てる目的を果たした諏訪子は飽きて帰りました。)
ヤマメ「…ん? わわわっ!?な、何なんだいアンタ等!?」
アリスA「黒谷!!」
アリスB「ヤマメを!!」
アリスC「撃破しろ!!」
萃香「説明ッ!!」
てゐ「アンタに怨みは無いがこれも任務なんでねぇ……死んでもらうウサ!!」 (←既に目的を履き違えている)
ヤマメ「ええええ!?」
5バカ「死ねえ――――いッ!!!」
アリスA「黒谷!!」
アリスB「ヤマメを!!」
アリスC「撃破しろ!!」
萃香「説明ッ!!」
てゐ「アンタに怨みは無いがこれも任務なんでねぇ……死んでもらうウサ!!」 (←既に目的を履き違えている)
ヤマメ「ええええ!?」
5バカ「死ねえ――――いッ!!!」
ヒュウウウウウウウンッ!! (←上空からキスメ急降下)
萃香「ふんぎゃっ!!?」 ボゴスッ!! (←桶直撃)
キスメ「………ッ(怒)」
キスメ「………ッ(怒)」
パルスィ「 妬符「グリーンアイドルモンスター」……ッ! 」 ブワッ……!!
アリスA「わわっ、何?なんなのコレ!?」
アリスB「もぞもぞした何かが纏わり付いてくる~!」
アリスC「身動きが取れないよ~!」
パルスィ「アンタ達、やっぱりヤマメをいじめようとしたわね。後を付けてきて正解だったわ!」
ヤマメ「パルスィ…? それに、キスメも! キスメ、あんた無事だったんだね!」
キスメ「……(コクコク)」
パルスィ「……無事っていうか、窓の下で気絶してただけなんだけど。
何処のうっかり者が病室を飛び出して、コッチは大変だったのよ?」
ヤマメ「そ、そうだったのかい? ……あ、あはははは。こいつはうっかりだねぇ!」
キスメ「クスクス……♪」
パルスィ「さて…と、それじゃあ永遠亭に戻りましょ。また何かあったら面倒だし」
ヤマメ「そうだね。さっさと寅うっかり病を直して地底に帰りたいしねぇ。」
キスメ「……うん。……行こっ!」
アリスA「わわっ、何?なんなのコレ!?」
アリスB「もぞもぞした何かが纏わり付いてくる~!」
アリスC「身動きが取れないよ~!」
パルスィ「アンタ達、やっぱりヤマメをいじめようとしたわね。後を付けてきて正解だったわ!」
ヤマメ「パルスィ…? それに、キスメも! キスメ、あんた無事だったんだね!」
キスメ「……(コクコク)」
パルスィ「……無事っていうか、窓の下で気絶してただけなんだけど。
何処のうっかり者が病室を飛び出して、コッチは大変だったのよ?」
ヤマメ「そ、そうだったのかい? ……あ、あはははは。こいつはうっかりだねぇ!」
キスメ「クスクス……♪」
パルスィ「さて…と、それじゃあ永遠亭に戻りましょ。また何かあったら面倒だし」
ヤマメ「そうだね。さっさと寅うっかり病を直して地底に帰りたいしねぇ。」
キスメ「……うん。……行こっ!」
結果:最終的にヤマメが自分で戻ってきたのでドロー。あえて言うならば
個人の目的、永遠亭に分社を建てることを達成した諏訪子の一人勝ち。
個人の目的、永遠亭に分社を建てることを達成した諏訪子の一人勝ち。
てゐ「……あ~、酷い目にあったウサ。しかしまあ、意外と愉しめたし、まぁいいか。」
永琳「へえ…。でも、何か忘れていないかしら……?」
永琳「へえ…。でも、何か忘れていないかしら……?」
てゐ「 またかよ 」
編注:作者の許可を取り、パルスィのスペルカードの誤字はそのままにさせていただきました。