「なんと言うか、これはもうファイトの域を逸脱してると思うんですが……」
「まったくよ。めんどくさいったらありゃしない!」
「それはそうと、何の策もなしに出て大丈夫なんですか?」
「うーん……勘で何とかなるでしょ。実際、今までそうだったし」
「まったくよ。めんどくさいったらありゃしない!」
「それはそうと、何の策もなしに出て大丈夫なんですか?」
「うーん……勘で何とかなるでしょ。実際、今までそうだったし」
あまりやる気のなさそうな霊夢と不安を拭い切れないさとり。
現在、二人は例の事件で使われた通信機能付き陰陽玉(事件後に霊夢が着服した)で会話している。
現在、二人は例の事件で使われた通信機能付き陰陽玉(事件後に霊夢が着服した)で会話している。
「ところで、本当に一人で大丈夫なんですか?」
「万が一あっちに先を越された場合、誰かが外にいないとマズイでしょ。
それに、あっちは魔理沙とこいし。本職の泥棒とステルス生物よ。
どっちもこういった行為に有利なスキルを持ってるから、用心は必要なのよ」
「なるほど……距離が離れ過ぎてて心は読めませんが、ちゃんと考えてたんですね。少し安心しました」
(ホントは今思いついたんだけどね……)
「万が一あっちに先を越された場合、誰かが外にいないとマズイでしょ。
それに、あっちは魔理沙とこいし。本職の泥棒とステルス生物よ。
どっちもこういった行為に有利なスキルを持ってるから、用心は必要なのよ」
「なるほど……距離が離れ過ぎてて心は読めませんが、ちゃんと考えてたんですね。少し安心しました」
(ホントは今思いついたんだけどね……)
「あーあー、こちらこいし。問題なく入れたよー」
「私だぜ。お前の場合は余計なことさえしなけりゃ気付かれないはずだから、とにかく手当たり次第漁ってくれ」
「それはいいけどさぁ、さっきから向こうの方がやたらと騒がしいんだよね」
「あー……そりゃきっと霊夢だな。あいつは勘で動くから、出来るだけ近寄らないようにしろよ。
あいつの場合は気付いてなくても運で当ててくるからな」
「それってチートじゃない?」
「霊夢はチートの塊なんだよ」
「私だぜ。お前の場合は余計なことさえしなけりゃ気付かれないはずだから、とにかく手当たり次第漁ってくれ」
「それはいいけどさぁ、さっきから向こうの方がやたらと騒がしいんだよね」
「あー……そりゃきっと霊夢だな。あいつは勘で動くから、出来るだけ近寄らないようにしろよ。
あいつの場合は気付いてなくても運で当ててくるからな」
「それってチートじゃない?」
「霊夢はチートの塊なんだよ」
こちらも例によって通信での会話である。やっぱり例の事件後に……もう言わなくてもいいよな?
「いいかこいし。まずはテープよりも先にアレを探すんだ。私の読みが正しければ必ずある。
無駄に話してると声で気取られるかもしれん。全部済んだら教えてくれ。
ブツを見付けたら、あとは打ち合わせの通りにやるんだ。ちゃんと暗記したか?」
「りょーかーい。だいじょーぶ! 完璧だよ。んじゃ、オーバー」
無駄に話してると声で気取られるかもしれん。全部済んだら教えてくれ。
ブツを見付けたら、あとは打ち合わせの通りにやるんだ。ちゃんと暗記したか?」
「りょーかーい。だいじょーぶ! 完璧だよ。んじゃ、オーバー」
「黒い奴が上を旋回してるんだけど」
「ってことは、中にいるのはこいし? 急がないと逃げ切りで持ってかれるわね」
「待って。黒い奴は最初から横取りを狙ってるみたい。
遠い上に具体的な単語が思考に含まれてないからよくわからないけど、『こいし』とか『仕掛け』とか考えてます。
どうやらこいしをトラップとして使うつもりみたい」
「用心しつつ急げってことね」
「ってことは、中にいるのはこいし? 急がないと逃げ切りで持ってかれるわね」
「待って。黒い奴は最初から横取りを狙ってるみたい。
遠い上に具体的な単語が思考に含まれてないからよくわからないけど、『こいし』とか『仕掛け』とか考えてます。
どうやらこいしをトラップとして使うつもりみたい」
「用心しつつ急げってことね」
「そこにいるのはわかってますよ。博麗霊夢」
「あちゃー……バレてたか。だったら言わなくてもわかるわね。
テープちょうだい」
「それは出来ません。あれは彼女が自らの行いを振り返り、行いを正すために必要な処置です。
そもそもあなた自身、恩赦が目的で私の執務室に殴り込みなんて、動機が不純です。
贖罪というのはですね……」
「あちゃー……バレてたか。だったら言わなくてもわかるわね。
テープちょうだい」
「それは出来ません。あれは彼女が自らの行いを振り返り、行いを正すために必要な処置です。
そもそもあなた自身、恩赦が目的で私の執務室に殴り込みなんて、動機が不純です。
贖罪というのはですね……」
「そこまでだ!!」
突如、部屋の隅にある書類収納庫から声が響く。
映姫と霊夢が咄嗟に振り向くと、そこにはビシッとポーズを決めたジャッジメント・シーズンの姿があった。
映姫と霊夢が咄嗟に振り向くと、そこにはビシッとポーズを決めたジャッジメント・シーズンの姿があった。
「え?(状況が把握出来てない)……あー(考えている)……えぇぇぇっ!?(驚いている)」
「うぇ!? JSの正体ってあんたじゃなかったの?」
「そんな……ありえない。JSがこんなところに現れるはずが……」
「うぇ!? JSの正体ってあんたじゃなかったの?」
「そんな……ありえない。JSがこんなところに現れるはずが……」
突然の乱入者に戸惑う霊夢と映姫。
「正義の味方はどこにでも現れるものだ。さて、四季映姫よ。話は全て聞かせてもらった。
天狗のしたことは決して褒められたものではないが、だからといって罰と称して私怨を晴らすなど言語道断!
動機は不純だが、今回ばかりは巫女に大儀がある。速やかにテープを差し出すがよい」
「しかし……」
「悔いを改めようとする者に罰は下さない。それがジャッジメント・シーズンだ!!」
「わかりました。これがそのテープです」
天狗のしたことは決して褒められたものではないが、だからといって罰と称して私怨を晴らすなど言語道断!
動機は不純だが、今回ばかりは巫女に大儀がある。速やかにテープを差し出すがよい」
「しかし……」
「悔いを改めようとする者に罰は下さない。それがジャッジメント・シーズンだ!!」
「わかりました。これがそのテープです」
映姫は机の引き出しからテープを取り出し、霊夢に差し出す。
「何か引っかかるんだけど……まぁ楽に済みそうだからいいか(←のんき)」
霊夢がテープを受け取ろうとしたその時……。
ちゅどーん!!
テープが爆発し、至近距離にいた二人は為す術もなく吹き飛ばされる。
「なに!? 一体何が起こったの?」
「あたたたた……何かおかしいと思ったのよねー……」
「それは一体どういうことですか? 何か知っているのですか?」
「閻魔って案外鈍いのね。こういえばわかるかしら?
バカモン!! そいつがこいしだ!!」
「あたたたた……何かおかしいと思ったのよねー……」
「それは一体どういうことですか? 何か知っているのですか?」
「閻魔って案外鈍いのね。こういえばわかるかしら?
バカモン!! そいつがこいしだ!!」
JSを指差しながら霊夢が言う。
「あはははははは!! ひーwwwwおかしーwwwwもぉ限界wwwwwww
閻魔様がちょっと目を離した隙に、爆弾入りのダミーとすり替えておいたのさwwwwww
っと、忘れるとこだった。魔理沙ー! 終わったよー!」
閻魔様がちょっと目を離した隙に、爆弾入りのダミーとすり替えておいたのさwwwwww
っと、忘れるとこだった。魔理沙ー! 終わったよー!」
JSの格好をしたまま通信を入れるこいし。
間髪入れずに巨大な振動が伝わってくる。
間髪入れずに巨大な振動が伝わってくる。
「霊夢! 黒いのが上から砲撃!!」
「わかってる!!」
「そんじゃバイバーイ」
「待てコラ!!」
「わかってる!!」
「そんじゃバイバーイ」
「待てコラ!!」
こいしがJSの服を着たまま逃げ、霊夢がそれを追う。
映姫は状況に着いていけないのか、その場で呆然としたままだ。
映姫は状況に着いていけないのか、その場で呆然としたままだ。
「十字路に脱ぎ捨てられたJSの服……こっちね!!」
十字路に差し掛かった霊夢は、迷わず服が落ちてるのと反対の道へと向かう。
「魔理沙ー! 大成功だよー!!」
「よし! 早く乗れ!!」
「よし! 早く乗れ!!」
こいしが魔理沙の後ろに飛び乗る。
「飛ばすぜ? しっかり掴まってろよ!」
「させるか!!」
「出たなパクリ魔」
「あんたにだけは言われたくないわね。私の想起で沈みなさい!!」
「悪いがそいつは対策済みだぜ。あいつのアレを思い描けば……」
「させるか!!」
「出たなパクリ魔」
「あんたにだけは言われたくないわね。私の想起で沈みなさい!!」
「悪いがそいつは対策済みだぜ。あいつのアレを思い描けば……」
想起「ロイヤルフレア」
「狙い通り! 最短距離を最速で突っ切るぜ!!」
彗星「ブレイジングスター」
「ちょっと! 正気!?」
巨大な火力に全力で突っ込む流れ星にさとりが驚愕する。
それもそのはず。いかにブレイジングスターを以てしても、たとえオリジナルより威力が劣っていようとも、ロイヤルフレアに正面から突っ込むのは自殺行為である。
しかし、魔理沙とこいしには話題の耐火服があった。
それもそのはず。いかにブレイジングスターを以てしても、たとえオリジナルより威力が劣っていようとも、ロイヤルフレアに正面から突っ込むのは自殺行為である。
しかし、魔理沙とこいしには話題の耐火服があった。
「そんな……こんなところで安価装備が活きるなんて……」
自慢の勘でやっと追い付いた霊夢だったが、皮肉にもさとりのロイヤルフレアに足止めされ、逃げる魔理沙を追うことが出来なかったのだ。
「ご苦労だった。これでここはいつも通りの平和なスレに戻るだろう。
早速、報酬を指定された方法で届ける準備をさせよう。
このテープを破棄することによって、このファイトは終結を迎えるであろう。
ポ イ す る ZE !」
早速、報酬を指定された方法で届ける準備をさせよう。
このテープを破棄することによって、このファイトは終結を迎えるであろう。
ポ イ す る ZE !」
勝者:魔理沙&こいし