「というわけで、あなた方には今から、改築に入っていただきます。
それぞれ別々の紅魔館を用意して、お嬢様が気に入ったほうを選ぶことになりますわ」
それぞれ別々の紅魔館を用意して、お嬢様が気に入ったほうを選ぶことになりますわ」
という、咲夜の投げっぱなし、かつおざなりな説明を聞き、それぞれ改築に入る4人。
それって改築じゃなくて新築じゃねーの、というのは言いっこなしなのである。
まずは美鈴・小町ペアだが……
それって改築じゃなくて新築じゃねーの、というのは言いっこなしなのである。
まずは美鈴・小町ペアだが……
「これはチャンス! ここで私の働きを認めてもらえば、待遇改善も夢じゃない!」
「じゃあ任せていいかい?」
「いえ、最後の仕上げをお願いします。咲夜さんよりもあなたのほうが適任ですし」
「そうかい? じゃあ、最後になるまではのんびり待たせてもらうよ」
「じゃあ任せていいかい?」
「いえ、最後の仕上げをお願いします。咲夜さんよりもあなたのほうが適任ですし」
「そうかい? じゃあ、最後になるまではのんびり待たせてもらうよ」
と、小町を待たせて、一人で頑張ってネオ紅魔館建設に挑む紅美鈴。とてつもないペースで紅魔館を完成させていく……
さて一方の妖夢・妹紅ペアだが。
さて一方の妖夢・妹紅ペアだが。
「建築経験もあるにはあるけど、洋館は初めてだなぁ」
「別に洋館にしなくてもいいんじゃないですか? カリスマっぽければいいみたいですし」
「ああ、なるほどそりゃそうだ……よし、あのお嬢様がいかにも好みそうなやつを建ててやろう」
「私は建設自体は手伝えそうに無いなぁ。材木を伐採しておきますね」
「別に洋館にしなくてもいいんじゃないですか? カリスマっぽければいいみたいですし」
「ああ、なるほどそりゃそうだ……よし、あのお嬢様がいかにも好みそうなやつを建ててやろう」
「私は建設自体は手伝えそうに無いなぁ。材木を伐採しておきますね」
こちらは妹紅主導で建設に取り掛かる。
なぜかねじり鉢巻きが似合う妹紅、久々の建築でリズムに乗ったか、こちらもかなりのスピードで紅魔館を作りあえていく。
さて、一週間が過ぎた頃には。
なぜかねじり鉢巻きが似合う妹紅、久々の建築でリズムに乗ったか、こちらもかなりのスピードで紅魔館を作りあえていく。
さて、一週間が過ぎた頃には。
「できましたー」
「こっちもできたよー」
「こっちもできたよー」
あっという間に、二種類の紅魔館が完成した。
「さて、私の目にかなう紅魔館はできたのかしら。まずは門番のほう……うーん、見た目は普通……って、おお!?」
美鈴に連れられて、美鈴が建てたほうの紅魔館に入ったレミリア。
だが、入った直後に、いきなり紅魔館が動き始めた。
だが、入った直後に、いきなり紅魔館が動き始めた。
「何なに、失敗? 土台から崩壊でもするの?」
「違いますよ、お嬢様。お外をご覧くださいな」
「これは……紅魔館が、動いてる!?」
「小町さんの能力を館の機構に組み込みました。『移動要塞紅魔館』です!」
「移動要塞……いいわね!
正式名称はもうちょっとカリスマっぽく考え直したほうがいいかも知れないけど、移動要塞は悪くないわ!」
「違いますよ、お嬢様。お外をご覧くださいな」
「これは……紅魔館が、動いてる!?」
「小町さんの能力を館の機構に組み込みました。『移動要塞紅魔館』です!」
「移動要塞……いいわね!
正式名称はもうちょっとカリスマっぽく考え直したほうがいいかも知れないけど、移動要塞は悪くないわ!」
なかなか気に入った様子である。
さて、ひとしきり移動要塞を楽しんだ後、今度は妹紅たちのほうの紅魔館に入るレミリア。
さて、ひとしきり移動要塞を楽しんだ後、今度は妹紅たちのほうの紅魔館に入るレミリア。
「おお、こっちの館は見た目にも派手ねぇ。たまにはこういう和風建築も悪くないわ」
どんな感じかというと、太閤秀吉が好みそうなビカビカな感じだと言えば伝わるだろうか。
そうやってレミリアが内装を楽しんでいると……突如。
館の中で、花火が起きた。
そうやってレミリアが内装を楽しんでいると……突如。
館の中で、花火が起きた。
「え、えぇ!?」
「どうよ、館の中で花火が楽しめる、この画期的な御屋敷は! 派手好きな吸血鬼にはぴったりでしょう!」
「どうよ、館の中で花火が楽しめる、この画期的な御屋敷は! 派手好きな吸血鬼にはぴったりでしょう!」
館の天井はやや高めに作られていたが、それでも花火を上げられるほどではない。
それなのに、その天井で花火を起こし、そして周りに燃え移らないように設計する。これぞ妹紅の職人芸。
花火の光が内装の金箔や銀箔に反射し、とってもフィーバーなムードを楽しめる、
もはや屋敷というよりはイベント会場と言ったほうがいい建物である。
――だが。
それなのに、その天井で花火を起こし、そして周りに燃え移らないように設計する。これぞ妹紅の職人芸。
花火の光が内装の金箔や銀箔に反射し、とってもフィーバーなムードを楽しめる、
もはや屋敷というよりはイベント会場と言ったほうがいい建物である。
――だが。
「う、ううう」
「え、どしたの? 綺麗でしょ?」
「いやああああ!! 燃やさないで! うちを燃やさないでよ!」
「えええ!? いや、防火はばっちりなんだって」
「嘘よ、あんなに燃えてるじゃない! お願い、もうこれ以上、紅魔館を燃やさないで!!」
「え、どしたの? 綺麗でしょ?」
「いやああああ!! 燃やさないで! うちを燃やさないでよ!」
「えええ!? いや、防火はばっちりなんだって」
「嘘よ、あんなに燃えてるじゃない! お願い、もうこれ以上、紅魔館を燃やさないで!!」
すっかりトラウマを刺激されてしまったレミリア。そのまま泣きながら、妹紅にすがりついてしまった。
こうなっては妹紅も引き下がらざるを得ない。しぶしぶ花火を中止し、レミリアをあやすことに専念する。
何度も破壊された紅魔館の事情を失念していたこと、それが妹紅の敗因なのだった。
こうなっては妹紅も引き下がらざるを得ない。しぶしぶ花火を中止し、レミリアをあやすことに専念する。
何度も破壊された紅魔館の事情を失念していたこと、それが妹紅の敗因なのだった。
結果:移動要塞紅魔館を建てた美鈴・小町の勝利。
「買い物に便利そうよね、これ」
「咲夜さん、さすがに人里にこれで乗り込むと、侵略しに来た風にしか見えないと思いますよ」
「咲夜さん、さすがに人里にこれで乗り込むと、侵略しに来た風にしか見えないと思いますよ」