ファイト会場は照明が落とされ、映写機の回りはじめた音が響いていた。
5…4…3…2…1…
私の名前は橙。チームおりんりんのメンバーだ。
マシンの声を聞きながら、夜の県道を攻めていくのだ。
昔の私は大妖怪たる紫様の式の式だった。
でも、それはもう辞めてしまった。
藍様がいなくなった、あの雨の日に。
マシンの声を聞きながら、夜の県道を攻めていくのだ。
昔の私は大妖怪たる紫様の式の式だった。
でも、それはもう辞めてしまった。
藍様がいなくなった、あの雨の日に。
あれは雨の日だった。藍様はお使いに出かけた。
私に「雨の日に橙は外出辛いだろう? 私一人で言ってくるよ」と言い残して出かけた。
「今日はハンバーグを作ってやるからな。良い子で待ってるんだぞ」
藍様はそう言っていた。でも夕食にハンバーグは出てこなかった。
藍様はその日帰ってこなかった。
私に「雨の日に橙は外出辛いだろう? 私一人で言ってくるよ」と言い残して出かけた。
「今日はハンバーグを作ってやるからな。良い子で待ってるんだぞ」
藍様はそう言っていた。でも夕食にハンバーグは出てこなかった。
藍様はその日帰ってこなかった。
藍様は私の前から消えた。
どこを探しても見つけ出すことができなかった。
紫様さえ藍様の居場所をつきとめられないという。
私は悲しみに包まれた。
悲しみに飲み込まれた。
そして私はグレた。
そんな折、お燐先輩が声をかけてくれた。
私は暴走族のメンバーになった。
お燐先輩の計らいで、リヤカーもいいものをあてがわれた。
風になって走る時、私は全てを忘れていられた。
この心地よさから離れられなくなっていた。
最近では化粧も覚え始めた。
メンバーのみんなも可愛いと誉めてくれる。
どこを探しても見つけ出すことができなかった。
紫様さえ藍様の居場所をつきとめられないという。
私は悲しみに包まれた。
悲しみに飲み込まれた。
そして私はグレた。
そんな折、お燐先輩が声をかけてくれた。
私は暴走族のメンバーになった。
お燐先輩の計らいで、リヤカーもいいものをあてがわれた。
風になって走る時、私は全てを忘れていられた。
この心地よさから離れられなくなっていた。
最近では化粧も覚え始めた。
メンバーのみんなも可愛いと誉めてくれる。
今日はチームバカルテットとの勝負だ。
どうも向こうのヘッドは「あたいったらカーブさいきょーね!」とかほざいているらしい。
地域最強の名前なんてどうでもいいことだったけど、
速く走れるなら何の問題もないのだ。
勝負が始まってからも私の調子は終始そんな感じだ。
走ることだけに集中する。
この時は、この時だけは、あの人のことを忘れられる。
どうも向こうのヘッドは「あたいったらカーブさいきょーね!」とかほざいているらしい。
地域最強の名前なんてどうでもいいことだったけど、
速く走れるなら何の問題もないのだ。
勝負が始まってからも私の調子は終始そんな感じだ。
走ることだけに集中する。
この時は、この時だけは、あの人のことを忘れられる。
が、私の走行は不意に止められた。
観戦者たちが路上の上に倒れていた。
(橙……橙……ここだ……)
「誰っ!? 私を呼ぶのは」
あたりを見回しても倒れている人ばかり……
もしかして……
「この岩?」
(そう今は岩になっている)
「岩に知り合いなんていないわ。いや白い岩なら……」
(違うよ、橙。私だよ、藍だ)
「藍しゃま、藍しゃまなのですかっ!?」
(ふふ、橙ったら化粧なんか覚えて、少し見ないうちに大人になったんだね……)
観戦者たちが路上の上に倒れていた。
(橙……橙……ここだ……)
「誰っ!? 私を呼ぶのは」
あたりを見回しても倒れている人ばかり……
もしかして……
「この岩?」
(そう今は岩になっている)
「岩に知り合いなんていないわ。いや白い岩なら……」
(違うよ、橙。私だよ、藍だ)
「藍しゃま、藍しゃまなのですかっ!?」
(ふふ、橙ったら化粧なんか覚えて、少し見ないうちに大人になったんだね……)
155 名前:名前が無い程度の能力[sage] 投稿日:2010/02/25(木) 22:38:49 ID:aM6w5UCM0 [3/3]
ナレーション:紫
「藍が橙に語ったところを大まかに捕まえるとこうなる。
藍が使いに出ていた最中、たまたま旅の修行僧というものに出会った。
修行僧は藍を九尾のキツネだと知ると敵視し、戦いを挑んできた。
妖気の差で負けるはずはなかったのだが、油断をして石にされてしまった。
石にされたことで、妖気を抑えることができなくなって殺生石となってしまった。
妖気が漏れ、周りにいる者を死に追いやる。
勝手な人間の勝手な行動、それも中途半端な行いに、この事態が引き起こされてしまったのだ。
人間とはかく浅はかで残酷である」
ナレーション:紫
「藍が橙に語ったところを大まかに捕まえるとこうなる。
藍が使いに出ていた最中、たまたま旅の修行僧というものに出会った。
修行僧は藍を九尾のキツネだと知ると敵視し、戦いを挑んできた。
妖気の差で負けるはずはなかったのだが、油断をして石にされてしまった。
石にされたことで、妖気を抑えることができなくなって殺生石となってしまった。
妖気が漏れ、周りにいる者を死に追いやる。
勝手な人間の勝手な行動、それも中途半端な行いに、この事態が引き起こされてしまったのだ。
人間とはかく浅はかで残酷である」
(橙、どうか私を爆破してくれ)
「な、何を言っているんですか、藍しゃま!」
(もう無関係な動物や妖怪たちが私の毒気に中てられて死んでいくのを見たくない……)
「だからって藍しゃまがそんな目にあう必要はありませんよ!
修行僧を捕まえて解呪させれば……」
(旅の修行僧だと言っていたから、すぐには捕捉できまい。
なぁ橙、私はもう一秒たりとて殺生石でありたくない。
どうかお前の手で爆破して、漏れ出る妖気が周囲に影響を与えない程度に粉々にしてくれ)
「藍しゃまぁ……」
(橙、お前は私の式だろう? 言うことが聞けないのかい?
そんなに主人をこれ以上辱めたいのかい?)
「うっ、ひっぐ……藍しゃまぁ、藍しゃまあ」
(そうだ、やっておくれ、橙……)
「藍しゃまあああああああああああああ!!」
「な、何を言っているんですか、藍しゃま!」
(もう無関係な動物や妖怪たちが私の毒気に中てられて死んでいくのを見たくない……)
「だからって藍しゃまがそんな目にあう必要はありませんよ!
修行僧を捕まえて解呪させれば……」
(旅の修行僧だと言っていたから、すぐには捕捉できまい。
なぁ橙、私はもう一秒たりとて殺生石でありたくない。
どうかお前の手で爆破して、漏れ出る妖気が周囲に影響を与えない程度に粉々にしてくれ)
「藍しゃまぁ……」
(橙、お前は私の式だろう? 言うことが聞けないのかい?
そんなに主人をこれ以上辱めたいのかい?)
「うっ、ひっぐ……藍しゃまぁ、藍しゃまあ」
(そうだ、やっておくれ、橙……)
「藍しゃまあああああああああああああ!!」
と以上が上映された内容である。
BGMの素晴らしさもあって、場内にいた者は一人残らず涙した。
「美しい主従愛、これは白です……」
「人はいつまで経っても愚かなものだ南無三!」
「こんな歴史はなくていい、いいんだ」
「マスターシャンハイも来ていないことですし、橙の勝ちでいいですね」
「とここで登場、私がマスターシャンハイですっ!」
「ああ、マスターシャンハイ来ていないからな」
「マスターシャンハイとは私のこと、紅美鈴です、アチョー」
「私も異論ありません。同じネコ科として星にも
これぐらい頑張ってほしいものです」
「おそらく安価ゲッターは上海人形ちゃんを狙ったんでしょうが、
その思惑を爆破してみせました!
上海といったら中国、上海でもマスターの名を欲しいままにできるのは
私、紅・美・鈴!!」
「寺子屋の子供たちにもぜひ見てもらいたいな」
「あ、あの、ほらー更にこのイイハナシダナー的空気を爆破してみたんですけど、、、」
「いやぁ! マスターシャンハイなんて不必要ですね!」
「不要ですね」
「不要だな」
「皆さん、酷いです。シャンハーイ(;_;)」
BGMの素晴らしさもあって、場内にいた者は一人残らず涙した。
「美しい主従愛、これは白です……」
「人はいつまで経っても愚かなものだ南無三!」
「こんな歴史はなくていい、いいんだ」
「マスターシャンハイも来ていないことですし、橙の勝ちでいいですね」
「とここで登場、私がマスターシャンハイですっ!」
「ああ、マスターシャンハイ来ていないからな」
「マスターシャンハイとは私のこと、紅美鈴です、アチョー」
「私も異論ありません。同じネコ科として星にも
これぐらい頑張ってほしいものです」
「おそらく安価ゲッターは上海人形ちゃんを狙ったんでしょうが、
その思惑を爆破してみせました!
上海といったら中国、上海でもマスターの名を欲しいままにできるのは
私、紅・美・鈴!!」
「寺子屋の子供たちにもぜひ見てもらいたいな」
「あ、あの、ほらー更にこのイイハナシダナー的空気を爆破してみたんですけど、、、」
「いやぁ! マスターシャンハイなんて不必要ですね!」
「不要ですね」
「不要だな」
「皆さん、酷いです。シャンハーイ(;_;)」