「貴方たちはこの着ぐるみを着たまま生活してください。ルールは単純。脱いだ時点で失格となり、より長く着ていたほうが勝者となります」
真夏の日差しが容赦なく照りつける中、今回のルールを説明する映姫の両脇にはふたつの着ぐるみが鎮座していた。
真夏の日差しが容赦なく照りつける中、今回のルールを説明する映姫の両脇にはふたつの着ぐるみが鎮座していた。
サイズが大きくてうまく動けないとか、ゆかりんはこんなの着なくてもかわいいのに……とかの不満を口にしつつも着ぐるみを着る二名。
「なお、住む場所の温度差などで優劣が発生するのを防ぐため、決着が付くまでの間は両者ともに同じ場所で生活してもらいます」
立地条件や生活空間などを考慮した結果、慧音に協力を要請して夏休み中の寺子屋を間借りし、そこで閻魔様とふたつの着ぐるみによる奇妙な耐久生活が始まったのである。
「なお、住む場所の温度差などで優劣が発生するのを防ぐため、決着が付くまでの間は両者ともに同じ場所で生活してもらいます」
立地条件や生活空間などを考慮した結果、慧音に協力を要請して夏休み中の寺子屋を間借りし、そこで閻魔様とふたつの着ぐるみによる奇妙な耐久生活が始まったのである。
しかし、真夏に着ぐるみで生活するなど、ハッキリ言って自殺行為にも等しい。
窒息こそしないものの、密閉された空間に熱と臭いが閉じ込められるのである。
汗は絶え間なく流れ続け、内部の空気は時が経つほどロマンチック度合いを増してゆく。
食事中に限定して頭部分を脱ぐことが許されているとはいえ、一日が過ぎる頃には両者とも虚ろな目でぐったりとしていた。
窒息こそしないものの、密閉された空間に熱と臭いが閉じ込められるのである。
汗は絶え間なく流れ続け、内部の空気は時が経つほどロマンチック度合いを増してゆく。
食事中に限定して頭部分を脱ぐことが許されているとはいえ、一日が過ぎる頃には両者とも虚ろな目でぐったりとしていた。
二日目。ここでさらに重大な問題が発生した。脱いだら失格ということは、風呂で汗を流すことができないのである。
これは、勝負が続けば続くほど気ぐるみ内部の惨状が悪化するということである。
少しでも内部環境の悪化を遅らせるためには、できるだけ運動しないことが重要であるとの結論を出し、両者ともに食事以外の時間はただ寝て過ごすことにした。
これは、勝負が続けば続くほど気ぐるみ内部の惨状が悪化するということである。
少しでも内部環境の悪化を遅らせるためには、できるだけ運動しないことが重要であるとの結論を出し、両者ともに食事以外の時間はただ寝て過ごすことにした。
試合開始から四日目。もはや両者ともに限界なのか、食事も摂らずにただ寝て過ごしていた。
これを見て命の危険性を心配した映姫が、水揚げされたマグロ状態の二人に声をかける。
「大丈夫ですか? まだ続けられますか?」
その声を聞いて、くまさんの着ぐるみを着たゆかりんが何かを訴えるように震える手を伸ばす。
その手を映姫が掴んで助け起こそうとした瞬間、ゆかりんが映姫の腕を掴み返し、映姫を引き倒す。
それと同時に、今までぐったりしていたトラの着ぐるみ(ロリ幽香)が跳ね起き、引き倒された勢いで帽子を落とした映姫の頭に、自らのかぶりものであるトラさんヘッドを被せる。しかも前後を逆にして。
何が起きたのか理解できない映姫が声を上げようとして息を吸い込んだ次の瞬間、真っ暗なはずの視界に霞がかかった。
――かぶりもの! まずい。早くコレを外さなければ……。
朦朧とする意識の中、事態を把握した映姫は即座に息を止め、視界がゼロにもかかわらず器用に転がって距離を稼ぐ。
数回の横転を繰り返し、そのの勢いを利用して一動作で起き上がると、落ち着いて被せられたトラさんヘッドを外す。
一気に視界が回復し、映姫は新鮮な空気を吸い込もうとした。
そこにスキマを移動して映姫の背後を取ったゆかりんがくまさんの頭を被せる。やっぱり前後を逆にして。
これを見て命の危険性を心配した映姫が、水揚げされたマグロ状態の二人に声をかける。
「大丈夫ですか? まだ続けられますか?」
その声を聞いて、くまさんの着ぐるみを着たゆかりんが何かを訴えるように震える手を伸ばす。
その手を映姫が掴んで助け起こそうとした瞬間、ゆかりんが映姫の腕を掴み返し、映姫を引き倒す。
それと同時に、今までぐったりしていたトラの着ぐるみ(ロリ幽香)が跳ね起き、引き倒された勢いで帽子を落とした映姫の頭に、自らのかぶりものであるトラさんヘッドを被せる。しかも前後を逆にして。
何が起きたのか理解できない映姫が声を上げようとして息を吸い込んだ次の瞬間、真っ暗なはずの視界に霞がかかった。
――かぶりもの! まずい。早くコレを外さなければ……。
朦朧とする意識の中、事態を把握した映姫は即座に息を止め、視界がゼロにもかかわらず器用に転がって距離を稼ぐ。
数回の横転を繰り返し、そのの勢いを利用して一動作で起き上がると、落ち着いて被せられたトラさんヘッドを外す。
一気に視界が回復し、映姫は新鮮な空気を吸い込もうとした。
そこにスキマを移動して映姫の背後を取ったゆかりんがくまさんの頭を被せる。やっぱり前後を逆にして。
クリティカルヒット!
四日に亘って熟成されたゆかりんの少女臭+何かをまともに吸引した映姫は、為す術もなく昏倒した。
「こんな勝負やってられっかボケェェェ!!」
「水と食いもん持ってきやがれぇぇぇ!!」
「水と食いもん持ってきやがれぇぇぇ!!」
あまりの過酷さにキレた二人は、不意打ちで慧音から頭突きを食らって倒れるまでの間、寺子屋の食料を食い荒らした。
結果:目に余る反則のオンパレードにより両者失格
結果:目に余る反則のオンパレードにより両者失格