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+ | フライングフレア登場! |
僕の名は、フライングフレア。
どういうわけだか中央トレセン学園に通えている、ある意味で運のいいウマ娘だ。 最近はトレーナーもついた。じきにトゥインクル・シリーズにデビューできるらしい。かなり運がいいが、より戻しがありそうで不安である。 他の生徒ならもう少しなにかあるだろうが、僕の場合は特筆すべき点もない。なので自己紹介はこのくらいで済む。楽で助かる。 さて、そんな僕だが悩みがある。いや、大した悩みではないのだが。というのも、現在僕はトレーニングを十分にできていないような気がするのだ。 トレーナーが付いた分、トレーニングの質は向上した。そのため、トレーナーの付いていない生徒よりは鍛えられているとは思う。しかし、元々体が弱かった僕では、必要な量がまるで違う。ここで鍛え、走る人たちと並ぶため、僕もまた全力を持って走らなくてはならない。そのため、もっと多くのトレーニングを積みたいのだ。幸い、僕には無駄に時間がある。増やそうと思えばいくらでも増やせるだろう。 しかし、考えなしのトレーニングではただ体を壊すだけというのは身をもって実感している。ということで、トレーナーに相談したのだが。 「今やっているトレーニングでもかなりキツくしているので、これ以上は体が壊れかねませんね。」 とのことだ。確かにかなり疲れるが、少しでも速く走るためならこのくらいはして当然としか思えない。これでは共に走ることになるお相手に失礼ではないだろうか。 とはいえ体が壊れかねないならば仕方がない。諦めて他の方法を取るしかない。というわけで寮の机に向かい開くのは図書室で借りた逃げの理論に関する本。ダートコースの走り方の本。そして短距離のペースについての本。理論を完全に理解すれば、実行の一助にはなる。現在時刻PM10:27。寝る前の時間は取れる。これからの道を思い、教本を読んで勉強していくのであった。
僕は、夢がない。この学園のウマ娘は大抵が何かを目指し、あるいは憧れ、来るのだという。しかし、僕は何も考えずになんとなく来ていた。ただただ自分にできることが知りたかった。いつの間にかデビューうんたらなどという話が生えてきただけで。
かなりぶっちゃけた話をしてしまえば、わざわざ怖い思いをしてレースに出るくらいなら、自分の部屋に籠もってボードゲームを詰めていたい。そのほうが心に優しいし、確実に楽しい。なんでここに居るのか、僕自身よくわからない。 しかし、だ。こうも思う。今ここにあるのは、「僕がここにいる」という事実のみである。ならば、ひとまずはそれに見合う自分になることが先決だろう。そのためにわざわざ目標も掲げたのだ。それを目指す点で、大して彼女等と違いはない。 問題を先送りにしても解決はしないだろうが、しかし考えても答えが出ない案件を必死に考えるくらいなら切り捨てたほうが合理的だと思う。そもそも夢は見つけるものだが、探すものではないだろう。とにかく今は心身を鍛え、走りの質を高め、この環境にいるだけの努力をする。それが全てである。 とにかく。思考がとっ散らかっているので纏めるが、今僕がするべきこととは「鍛えること」である。ここで走る相手に失礼のないように。今は、その一言である。
教本を閉じ、ノートに纏める。現在の走りの改善点を考えつつ、軽くイメージする。なるほどいくつか要点は見えた。一歩前進である。
今、僕には何ができる。何が使える。考え、これもまたノートに纏める。できることはすべてやる。それが僕がするべき礼儀だと思う。 「寝るか」 布団に潜る。一日が終わる。朝になれば、また走る。繰り返す。ただただ目の前だけ見て走っておけばいい。それが、僕の仕事なのだから。 |
+ | 与えられたもの |
この学園のウマ娘は、皆なにか長所を持っている。ずば抜けたスピードがあるとか、優れたスタミナを持っているだとか、鋭い末脚があるとか。そういったものがなくとも、人を惹きつける魅力を持つとか。何もなくても逆に平均して優れてるとか、たまに居るけれどどこをとっても完璧なんじゃないかってくらい何でもできてしまうとか。本当にいろいろ、それぞれが武器を持っている。
では、僕はどうか。先に言ってしまうと、僕には間違いなく一つの長所がある。それは… 「はい、テスト。しかしまたお前クラストップだなぁ…」 「ありがとうございます。」 「いつ勉強してんだ?最近はトレーニング漬けだろ。」 「やってないです」 「なんでできんだか…」 そう、勉強だ。どういうわけだかこれはやけにできる。もちろん先生にも困惑されるのは心外だが。お陰様でトレーニングの時間は取れるが、赤点でなければ結局変わらないのが辛いところだ。たしかに正確には勉強時間分僕のほうが多く時間を使えるが、正直上手く時間を使えば僕以外の人であっても勉強時間はほんの少しで済む。つまり時間的有利はほとんど取れない。なんともこの学園と相性の悪い能力である。 また、これの問題はもう一つある。 「ねぇねぇフレア〜!この問題教えて〜!」 「っ…いや、先生に聞いてください」 そう。何故かこうして絡まれるのだ。なお今僕に話しかけているのはクラスが同じだけで何一つ関わりのない相手である。いわゆるカースト上位とでも言うべき類の明るい性格をしている人だ。ただそれだけで不干渉を決め込むことができたならいいのだが、勉強が苦手なのだろう、こうしてよく絡んでくる。怖い。勢いがすごい。というかなぜ生徒に聞く。先生に聞け。それが先生の仕事なんだぞ。それとも僕は教職を持っていることになっているのだろうか。そんなわけ無いだろ何なんだ。 …というかそもそも僕は一部の問題は感覚半分で、なんなら全部を感覚的に解くので、説明のしようがなかったりする。国語や英語はその傾向が強い。数学は理屈でしか成り立っていないぶんまだ教えようがあるが、他は本当にどうしようもないところがある。なんで僕に聞こうとするのか。うん?理社?前に頑張って教えようとして説明をできるだけ省いたらすべて「覚えてください」になったのでわかりやすい説明は無理だと思う。しかし国語の先生は凄い。なんであんな問題の解き方を明確に言葉にできるんだろう。もちろん他の先生方もすごいけれど。 さて、少し横道に逸れてしまったので話を戻そう。この長所を生かすことはできるのだろうか。結論から言ってしまえば、今より良くすることは不可能だと判断した。僕の考えが及ぶ限りでレースに勉学を生かすすべはない。可能なのはテストを攻略することだが、先程の会話でわかる通りそんなものとっくに済んでいる。なんならテストの点を勝手に見たクラスの知り合いに謎の文句を言われる。本当に意味がわからない。言いたくなるのは分からなくもないけれど。…とにかく、改善できないので残念だがこれは諦める他ない。仕方ないのでやれる範囲のことをする。 「でもさ〜。先生の説明ダルいんだよ。もっと簡単に、っていうかさぁ~。」 「なら教科書でも読んでください」 …まだ話が続いていたようだ。やんややんやと言っているが無視。この時間も居心地が悪くて辛いものだ。さっさと諦めて自分で勉強するか先生に頼っていただくことにする。あと先生の説明はかなり丁寧でわかりやすいと思うよ。前提の部分から説明してる分確かに長いけど。でも君多分その前提も覚えていない方の人でしょ… まあいい。とにかく、僕が思うに僕の長所は勉強能力の高さだ。 天は二物を与えない。僕に与えられた一物は、あまりに使いにくかった。 |
+ | 目の前にあるもの |
必死こいて頑張れば月日というのは早いもので、もうメイクデビューになってしまった。
すでにかなり心に来ている。昨日など割とずっと唸ってた。やれることはやる。それだけを言い、控室を出る。ここにいるだけでも辛かった。勝手に圧を感じてるんじゃない。別に誰もお前なんぞ見ちゃいないんだよ自惚れてんじゃねえ気色悪いわ。それはいらないものだ、さっさと投げ捨てろ。 …わかっていたことだが、人がまぁまぁ居る。正直怖い。とはいえ泣き言を言う暇などはないのだ。胸元を抑え、息を吐く。これはメイクデビュー。注目も何もない環境下、走れないならかなりまずいことになる。頬を叩く。目を閉じ、開け、パドックに出る。目が集まる。体が上手く動かない。泣き言を言うな。黙ってろ。空を見る。いい天気だ。雲5割だけど。足が重い。というか全身が重い。胃のあたりにも違和感がある。レースになればそれに集中できるだろうか。考えてわかることでもないし、考えもまとまんないし、ああ、もうめちゃくちゃである。とにかく無理矢理下がり、ゲートの方に向かう。道の途中でうずくまりそうになる。止まるんじゃない。それはここに居る相手に失礼だ。立ち上がる必要がある。走り、僕のやれることをやる。それをして初めて、僕はこの場所にいたと言えるのだ。それをしないと僕は単なる置物、いや存在を認知出来ない空気中の塵のようなものだ。ただそこに居ることすらできないなどという無様な存在に成り下がろうとしているんじゃない。「仕方ない」じゃない、進め。言い訳は無駄なんだ。
フラフラとゲートに入る。無理矢理に意識を向け、体制を作る。目が霞んでよく見えないのでゲートの音を頼りに体を押し出し、ハナを取る。意識がブレる。足を回す。とにかく動くことを意識し、フォームを整える。時間の経過を感じられない。最早身体は崩壊し、耳と足と脳で世界を認識している。いや、認識しきれていない。わかるのはたぶんただの断片。明らかに後ろが近い。脚が足りない。もうなくなったはずの視界がぼやける感覚が、しかし奇妙なことに鮮明にある。無駄に時間が引き伸ばされる。感覚は消えたはずなのに?短距離だぞ?いやなんでもいい、とにかくここで誠意を示せ。なんのためにここに居る。知るか。ああまた頭が回らなくなってきた。
何もわからないなりに、無我夢中で走る。とにかく前に進む。後ろが迫っている。抜かれるのはまず、いや、もうすぐ近くに、あっ… 最後に。何か、冷たいものが当たった気がした。
次に気がついたときには、レースは終わっていた。どうも倒れ込んでいたらしい。レースのことは覚えていない。なんでも、僕は意識を飛ばして走ったままゴールしたのだという。何だそれ、小説かな?まさに事実は小説より奇なりってか。やかましい。僕は6着だったらしい。そのむちゃくちゃぶりで最下位でないのがよくわからない。トレーナーが言うには僕が鍛えられている証拠らしい。一応今回一着を取ったウマ娘の名も聞いたが、まあやはり聞き覚えがなかった。…当たり前か。
「さて。先ほどお伝えしたとおり、今回のレースで確認された課題は恐怖心です。これは原因が不明瞭なので、ひとまず併走を繰り返すなどして慣れるしかないですね。また、メイクデビューを勝てなかったので未勝利戦を走ることになります。なに、貴方も強くなっているのです。突破できないことはないでしょ
う。ということで未勝利戦突破の目安を立てるために目標レースを決めました」 「もう決まってるんですか。早いですね」 「早く練習を始めないといけませんから。トレーニングしていきましょう」 「…そう、ですね。よろしくお願いします。」 あとから聞いたのだが。次の目標はクラシック3月の昇竜ステークスらしい。つまり、ジュニア級のうちに未勝利戦を勝つくらいの実力をつけないといけないわけで。 …苦しいなあ…頑張るけど。ここに居るために。居ると言い張るために。 |
+ | 題未定 |
次のレースの日程が決まった。早いこと未勝利戦を突破したいとのことで、8月の下旬のものに出ることになった。結局やりながら改善してくのが確実だし、妥当なところだろう。試行回数は正義だからな。その分時間がかかるというデメリットもあるのだが。
ということで、二ヶ月ほどの猶予をトレーニングに捧げることにする。具体的にはさまざまな相手と併走する。走る感覚と見られる感覚を覚え、慣れる。色々な人に言われるし自分でも感じているのだが、僕は集中力はあるらしい。ということで走っている間にもそれを保つためにとにかく走る。併走の相手はほとんど知らない相手ばかりだが、その分本番に近い感覚でやれるためむしろ得である。かわりに相手を探すのが少々面倒くさいことになるのだが。人脈大事…大事?わからん。 そんな感じでダートコースを走り、空が赤くなってきた頃。 「すみません、フライングフレアさんですよね?」 不意に、声がかけられた。 「…なんでしょうか」 顔に見覚えがあるから、たぶん、クラスの人。しかし話さない相手なので名前は覚えてない。要件もわからない。あと今非常に疲れているので帰りたい。 「この間のレースのとき、大丈夫だったんですか?」 ふむ。あのメイクデビュー見られてたのか。そりゃこんな状態の相手でも引き止めたくなるわけだ、トレーナーもあのあとかなり不安そうにしてたし。善意に悪意を返すのは流石に自分の人格を疑うし礼儀としてもどうかと思うから諦めて話をすることにする。もちろん早く終わらせる努力はするが。何より帰りたい。風呂入りたい。さて、多分この人は僕の体調を心配しているのだろう。体調的には、大丈夫かといえば大丈夫だ。しかし答えにくい。別に問題は解決してないんだよなあ。とはいえ他の言い方も思いつかないのでそう伝えよう。伝えた。が、やけに心配された。まあそりゃそうか。ぶっ倒れたんだもんな。あっただ身体触るのはやめてください苦手なんです。とりあえず適当に逃げる。こういう人の相手は苦手なんだ。善意で動いているあたりが本当にやりづらい。勘弁してくれというのもちょっと申し訳ないし辛い。どうしたらいいんだろうか。えぇと、どう逃げたんだったか。次には治すとか言ったんだったかな。かなり適当な、というかよくわからないことを言って誤魔化したと思う。直し方は探してるところなんだけど。 さて、そういうわけで後に退けなくなった僕は何故あのとき意識が飛んだのかを考えた。結論として、後ろから迫る相手の存在に怯えすぎたのだと思う。わかってたことだ。あとはまあ緊張か。これもまあわかっていたことではあるか。もう一つ課題として観客の視線があるが…こちらは走り出すまでにしか影響を与えていない、つまり意識を飛ばすことに直接影響を与えてはいないと思う。そこまでのダメージからその後の体力が低くなる感じ。なので駄目ならまた考える。では、これはどう対策すればいいか。非常にシンプルに捉えるならば、走ることだけに集中すればいい。あとは適当に慣れるしかない。これは経験を繰り返せばいい、というかそれしかない。これが僕の考えだ。結局足りない頭じゃどんなに絞ってもろくな答えが出ない。しかしながら繰り返すが、僕にはそれなりの集中力がある、らしい。これがあるから僕は勉強ができるわけだし。要はそれを利用して走りに、具体的には自分の姿勢と脚の残り具合にのみ意識を向けることで他への不安や恐れを遮断しよう、ということだ。 そうと決まればやれることは一つ、集中力を高めるトレーニングだ。ということで軽くネットや書籍で漁った方法にはなってしまうが、瞑想をすることにした。幸いにも瞑想ならば休息の邪魔になることや肉体に疲労を貯める原因になることはない。教本で勉強する時間をそちらに回し、毎日瞑想をする。少しでも効果が出てくれることを願おう。効果でなくても休憩代わりにはなるだろ。 |
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+ | Part201~210 |
+ | Part221~230 |
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