ゴスペル・オブ・ジューダス
「ああ。この世の諸々、一切合切ちゃぶ台返しの傍迷惑な代物よ。
だからまァ、しょうがねえんだ。諦めてくれや」
現在は主な所有者である至門が、師である魔女より伝えられた秘術を用い、
自らの肉体……皮膚全体に同化させている状態であり、能力の発動時には彼の肌の至る所からギリシャ語の文字が記された紙片が浮かび上がってくる。
一度その力を発動すれば、至門に闘いを挑んだ老人が用いた
ソロモン王の指輪や、
異端者狩りとして恐らく一流であろう
ヴァレンティノスの
“しるし”といった、
位階が下の特異存在や、教義に従って力を発揮する特殊能力等を消滅・無効化できるとみられる。
作中でも、ソロモンの力で呼び出された悪魔を三次元上の出現前に消滅させたり、
ヴァレンティノスの教義の力を借りた万物を粉砕し得る一撃を見事なまでの空振りに終わらせている。
その由来として作中世界で語られるのは、
ローマ教皇庁の暗部、“ヴァチカン”がその所在を探し求め続けてきた最重要級の聖遺物であるという事。
世間一般で知られているエジプトで発見された写本とは全く別物の内容を記す原本こそがそれであり、
イスカリオテのユダ自身が語ったその内容は、現在まで伝えられている教義の根幹を揺るがす代物。
福音書の存在そのものが世界を歪め得るほどの力を秘めているのだった。
表の歴史では秘され続けてきたものだったが、19世紀ローマ占領と教皇領消滅以後、
ヴァチカン管理下から遺失、様々な者の手を経て、
至門達の秘密結社がそれを確保……七年前架上市で行われた凄惨な
“儀式”で魔女と弟子である至門が
この世の摂理を捻じ曲げるためにその力を行使したのであった。
そうして邪法街に産み落とされたものこそが、
地上の生命とは別の法則で活動する二十六の“魔女”や醜悪な五千もの蛆虫である。
強大な力を秘めているこの福音書に対し、ヴァチカンの異端審問所は、古からの考え――
すなわち、背教者ユダもまた神の敷いた理の一部を成すもの、その力に徒に人為は関与すべからず
――に従い、破棄ではなく、厳重な再封印を施すために、ヴァレンティノスを派遣、その奪還を命じている。
- 命令が再封印なあたり後々悪用する気満々だなと -- 名無しさん (2019-12-29 13:40:37)
- ↑一応、クソだけどそれもウチらの教義の一部だからという名目で動いてる。むしろ自分ら以外に悪用させないためかなと -- 名無しさん (2019-12-29 14:27:10)
- アレな組織なりにも真っ当な考えなら、破棄するのにも途方も無い犠牲が伴うから。と思いたい。楽に壊せるものなら、厄の大量製造機にしかならない超危険物を、古いだけで全く人類の為にならない無駄な考えを律儀に守ってまで保持するとか、それこそ神やその息子に呆れ果てられる愚考だし… -- 名無しさん (2020-12-09 19:43:29)
最終更新:2020年12月09日 19:43