かんとうじゃほうがい
あらゆる悪徳に忠実たれ。善人を騙し、貞女を犯せ。聖者を縊り高く吊るし、邪悪の歓喜を高らかに謳え。
あらゆる不条理を受け入れろ。そこに何があろうとも。ここで何が起きようとも。
いいか、よく聞け。おまえらは、こうなったからにはお終いだ。
馬鹿でかい機械に嵌められた部品の一個、それと同じよ。
ぶっ壊れるまで同じことを繰り返すだけなんだよォ……
『Maggot baits』の物語の舞台となる、日本・北関東に位置する都市の通称。
本項目ではこの街が
現代の魔都として変貌した切っ掛けである、
凄惨な過去の事件についても触れる。
「関東邪法街は、現代の無法地帯であるというのが世上の評価だ。そんな都市に住む人間も、まともな輩は誰もいないと言っていいだろう」
元の名は
架上市という名称であったが、本編の約七年前起きた
ある事件以後、
秩序は完全に崩壊し、
誰かが常に奪われるかさもなくば踏み躙られる事など当たり前……
上空には
“深淵”という異空間が生じ、
“魔女”や
妖蛆という超常現象により、
容易く人命など滅び去る街となった。
邪法街というのも、そうした
地上の法と理性から切断された邪悪の巣窟という意味合いを込めてつけられた呼称とされる。
人の持つ常識的な知識・武力が通用しないこの街で起きる一切の事象に、政府は七年前から関知しないとの公的な態度を貫いている。
街の闇では、娑婆では生きていけなくなった者達を末端の道具として、組織だって魔女を捕獲する「狩り」がなされ……
賭博や麻薬、人身売買に加え、“外”の法の縛りの中では得られない昏い欲望を容易に満たす為に、
魔女達の死ににくい肉体を、猟奇的に損壊、殺害するショーが定期的に開かれている。
“ハサミの刃が閉じるたび、固いゴムを切るような手応えを感じさせる音が鳴った。
切れて半ばぶら下がった状態の耳を、指で支えながら完全に切除する。最後の数ミリほどの部分は半ば手で引き千切られた。”
“鮮やかな赤い肉片と血を撒き散らしながら、何度も念入りに叩き切る。
白い骨の破片が混ざった粗挽き肉のような有様になる、アリソンの足だったもの。”
“濡れた音がぐちぐちと響く。アリソンの眼球が眼窩から抉り取られ、白濁した細い視神経が引きずり出される。
処刑人の指につままれた紫水晶色に光る瞳孔を持つ小さな眼球。それが、暗い照明にぬめりと綺麗な光を放っていた。”
「より強い暴力による自由だけが謳歌を許される、混沌の無法都市……
だが、その評価は必ずしも正確ではない。この街の実態は、それよりもっと腐っている」
「混沌と見えて、その実この街は一元的な力の支配下にある。
すべては、影に潜んだ名もない支配者の思惑に掌握されているという事だ。
奴らは暴力の序列を街に布き、巧妙にその力学を操作。
自らは表に出ることなく、邪悪なりの秩序を保っている。ゆえに無法ではなく邪法街……全くよく名付けたものだな」
多くの者は知ることはないが、この街のあらゆる悪事の他、上記の魔女の捕獲・解体といった活動……
街の暴力の動きを思うままにコントロールできる権力を持っているのが、旧ノースイースト・グランヒルズ――
現在
“スラムビル”と呼ばれる五十階建ての高層建築、
その最上階に君臨する男・
至門である。
下層階には数百人に上る「まともではない」住人達の複雑怪奇な生活圏が築かれており、
至門はこの混沌としながらも、外部への強烈な排他性で結ばれたエリアを放置しておく事で、固い防壁を築き上げている。
この謎の多い男、金の流れをつくり出すことに関しても、主要国の一部要人や富豪の歪んだ欲望を利用し、邪法街の蜜をくれてやる代わりに利益を落とさせるシステムを生み、
また、
ブライアン・マックール等の傭兵を自らの私兵集団として組織、
魔女狩りの魔女、
サンディを使い、魔女の狩りに万全を期すなど、暴力面でも強大な力を保有していると言える。
しかし、そんな俗世での欲をほしいままにできる立場のはずの至門の瞳は、それらとは全く別のものを見ている様子であり……?
連続婦女誘拐事件~架上市市民ホール内“暴動”
――ある年の秋、都内で一人の女学生が誘拐された。
最初は何ら特殊性のない単独の事件かと考えられたが、犯行に使用された車両の捜索過程で、
この事件は、数か月の間に起きていた国際的規模の婦女誘拐事件と繋がりがあることが判明。
犯人グループが被害者女性達二十六名を連れ去った先は、架上市であった。
警察庁は、迅速な犯行グループの逮捕・制圧を主張する刑事局や警備局と、
外交問題化を恐れ、それを制止する公安局外事課(および外務省)とに対応が二分。
身動きの取れなくなった警察組織を置き去りに、事態はさらに異様な方向へと展開する。
日本人、外国人を問わぬ大量の単身男性旅行客が、突如架上市に流入し始めたのである。
その理由はインターネット上でほどなく明らかとなった。
海外プロバイダを介した正体不明の秘密クラブ主催の、男性無償のハードコアな猟奇乱交パーティーの開催告知。
その会場こそが、問題の架上市だったのだ。
該当サイトでは拉致被害者たち全員分の顔写真が公開されており、そこには五歳程度の幼児も含まれており、
さらにアングラでは、おぞましくも女を殺してもいいという噂まで流布していた。
だが名目上は観光客であるため、逮捕権はなく。
さらに現場での動きは上層部からの圧力がかけられていた。
そうして……市を封鎖する多数の警察官が座視する中、
男達の数は百を超え千に達していた。
重犯罪のリスクを承知で参加してくるような異常性癖者が揃い、
猟奇乱交のターゲットとなる拉致被害者の身柄の安全は未だ確保できないまま……
現場の人間達に焦燥が募る中、
同市に警視庁SATの派遣を実施した責任者・
飯河信勇警備部部長は突入許可の談判を繰り返していた。
最終的に(米国からの圧力が主要要因とはいえ)突入の許可は下りた。
市内に待機していたSAT制圧第一班から第三班は、行動を開始した。
被害者たちの所在が確認された市民ホール内部へと第一班が突入していく。
その隊員の中に、これが初の実戦となる当時二十三歳の
角鹿彰護巡査の姿があった。
自らの職務に誇りを持つ若き青年の心は一つ、
罪なき者達の無事を願う思いで占められていた。
待っていろ。生きていろ。絶対に自分がそこから助け出す――そのためならば命を投げ出す事も厭わないと。
……そして、正義と法の執行者である事に誇りを抱いていた彼は、次の瞬間地獄に投げ込まれたのだ。
ただ貪り尽くされるだけとなった、二十六人の女たちの惨状を前にして。
大ホールの広大な客席、そして舞台。そこにひしめき蠢いているのは、壮大で醜悪な肉のオブジェだった。
一様に、弱い者を嬲り、食らい尽くさんとする冷たく、濁りきった男達の眼。
それらが、獲物である女たちを捉えた瞬間、一斉に破壊の嵐が広がっていく。
狂人たちは互いにぶつかり合い、折り重なり、醜悪な肉体の海と化して拉致被害者に襲い掛かる。
SAT隊員たちを迎えたのは、汚れた肉の波となった数千人の男性の暴徒。
明らかに理性を失い、自動小銃の連射でなぎ倒されようとも、恐怖すらしない。
そして、彰護達は見た。一匹の巨大な蛆虫の姿……いや―――
最初の何人かは、純粋な性交による快楽を味わったのかもしれない。だが後続が圧倒的につかえていた。
数千という男の数に対し、せいぜいが数十人という割合。
いかに奪い合いで淘汰されているとはいえ、それでも女一人につき百人近い男が群がっていたのだ。
膣穴も尻穴も、口さえも塞がった状態で乳房に無数の手が伸びる。だがそれも所詮二つしかない。
次に白く細い手指の奪い合いが始まる。それでも足りない。
眼球を抉り出すことで穴が二つ追加されたが、焼け石に水だ。
ならば、新たな性器を作ればいい。誰かがナイフで女の身体に切れ目を入れ、そこにペニスを挿入した。
画期的な発明はただちに流行し、追随する者が続出する。血と悲鳴はさらなる興奮と狂気を呼んだ。
女の身体が一つしかないのなら、二つでも、三つにでも分割すればいい。
乳房が切り取られ、腕や足が関節からもぎ離された。
引きずり出された腸も切り分けられ、その温もりで射精する男たちが続出する―――
木端のように蹂躙される白いナニカを、白い物体を彩る、より鮮烈な赤い色彩を。認識してしまった。
その白と赤の斑模様が、輪姦と並行して、生きながらに引き裂かれる娘たちだと認識した瞬間、
角鹿彰護の意識は、凄まじい嚇怒に焼き尽くされ、大事な仲間が斃れても、深手を負っても、進み続けた。
眼前に広がる邪悪を粉砕するために、こんなものが現実に在ってはならないとして。
「い゛や゛ッ゛!! ごぶぶッ!!? ぎや゛ぁ゛ッ!! だぶッ、げ、ぶぇ゛ぇ゛ッ!!」
「ぐべえ゛ぇ゛!!!!?? がハっ!!? ぼえ゛え゛ッ!!?」
嫌な音が鳴り、頭皮に激痛が走った。■■の染めていない黒髪が抜かれ、引き千切られた。
さらに手足も、何人もがねじ切らんばかりに引っ張っている。
関節に靭帯に筋肉に、凄まじい負荷と衝撃が走る。それは八つ裂きにされる激痛だった。
いきなり、柔肉に男の握った刃が突き立てられていた。
皮下脂肪を乳腺を、硬い鉄の異物が切り取っていく。
手が欲しいと喚いている男は、ナイフを何度も突き立てて■■の腕ごと切り落とそうとしていた。
一方では、運よく■■の下半身に辿り着いた男が、彼女の足を切り離そうとしていた。
無残に裂けた皮膚から、滾々と血が流れだす。白かった■■の肌が、赤黒く染まっていく。
鋭い刃は少女の柔肉を裂き、臓腑を新たに切り刻んでいた。
眼球が少女の眼窩から引きずり出される。と同時に、顔面に冷たい刃が通り過ぎる。
鼻を削ぎ落され、■■は獣じみた唸り声を張り上げ、痙攣する。
「どっ………うじ………で……ッ………ぇ?」
―――彰護が意識を取り戻した時、ホールは文字通り死体の山で埋め尽くされていた。
彼の身体の下に、意識を失う前、己が必死に守ろうとした、血まみれの肉塊が横たわっていた。
四肢を失い、乳房を捥がれ、目鼻をすべて抉り取られた顔面。
しかしそれは確かに、人間だったのだ。
……唇が微かに動いたのを見てとった時、彼は必死にその肉の塊を守り続けた。
冷たくなっていく目の前の娘に縋り……生きていて欲しいと希った角鹿。
だが……その最期の「言葉」を―――それは、苦痛から解放してくれなかった自分への恨みなのではないか?――
そう受け取ってしまった一人の警察官は……自らが今日まで信じてきた価値が、正義が否定され崩壊していく音を聞きながら……
全て燃え尽き人として死んでしまった自分を遠くから見つめるようにして、意識を閉ざしていった。
かくて二十六人の娘たちは、一人の例外もなく同じ運命を辿り終えた。
およそ人間として女性として、想像し得る限りの暴虐による死を迎えたのだ。
同時に、欲望に狂い尽くし、女たちの命を弄んだ数千人の蛆虫共も。
角鹿彰護と共に、救うべき者達のため命を燃やし、そして果たせず斃れていったSAT隊員たちも。
……後に残されたのは、超常的な異変災害により邪悪蔓延る街と化した架上市と、
そこに起こった過去の犯罪、および現在から未来に発生する犯罪に関知しないという日本国が引いた法の境界線。
そして、拉致から惨劇を引き起こした目的から何からを明かさず、姿を消し去った犯人グループの謎のみであった。
さあ、愛しい妹たちよ。もう一人の私よ、
ともに犠牲の血を流しましょう。愛に満ちた世界を生み出すために!
- 字面からバイオレンスジャックが脳裏をよぎるよね -- 名無しさん (2020-01-01 13:03:06)
- 初エロゲが本作で良かった -- 名無しさん (2020-01-02 19:29:40)
- 初エロゲがこれって上級者すぎんよお -- 名無しさん (2020-01-03 14:33:03)
- あのシーンの後半のbgmでもう笑いながらキレたわ -- 名無しさん (2020-01-03 21:13:17)
- 誰がここまでのクオリティで書けと言った!100点のエグさの再現だわ! -- 名無しさん (2020-01-03 21:17:29)
- 俺くらいになると麻痺してきてマゴベイもノラととも変わらん -- 名無しさん (2020-01-04 12:44:09)
- ↑お前色んな意味で正気じゃねぇよ…… -- 名無しさん (2020-01-04 21:13:55)
- ↑2 なんでさ……(戦慄 -- 名無しさん (2020-01-06 02:21:55)
- まあ残酷さもぶっ飛び過ぎるとギャグになりかねないし・・・ -- 名無しさん (2020-01-16 05:54:05)
- 血にち○こ入れたら感染症とかやばくないか -- 名無しさん (2020-05-02 01:18:40)
- 男同士で盛りあってたやつらはなんでここにいたんだラブホでやっときゃいいだろ -- 名無しさん (2020-06-02 12:20:08)
- 女が足りなくてありつけないから仕方なくやぞ -- 名無しさん (2020-06-02 15:32:41)
- ホモがいたらやり放題じゃん -- 名無しさん (2020-06-02 15:36:07)
- 幽白の仙水が見た光景が主人公の見た光景と同じなんだよな -- 名無しさん (2020-08-09 20:12:17)
- 隣のマグやヴァルゼライド見てると麻痺してくるけど普通あんな地獄経験したら折れるよな -- 名無しさん (2020-09-01 21:45:14)
- ヴァルゼライドは真実自分のやりたいことやってるだけでマグは元から人間の精神してない -- 名無しさん (2020-09-01 22:20:38)
- 割と霊界探偵の世界も魔界に関わりがある人間はこんな感じよな。覚醒遺伝した元三代目探偵のラーメン屋店主みたいなの呼ばなきゃ… -- 名無しさん (2020-12-11 14:40:29)
- なんと哀れな…俺がこの手で救ってやらねば…!お前達の為だけに幾らでも用立ててやろうスパァ -- となりの仙人 (2023-05-25 14:32:25)
- 既にアヘンキメた程度でどうにかなる精神じゃねーんだよな…この屑どもは… -- 名無しさん (2023-05-25 15:52:27)
最終更新:2023年05月25日 15:52