『反逆者は、生存自体に戦略的な意味がある。生きて暴君を悩ませ続ける事が、
すなわち反逆者の攻撃だ。趨勢の優劣など端から度外視している』
そして、ロビンフッドに限らず、時計機構の支配を崩したいと願う抵抗勢力は世界各地に数多く存在している。
それは巨大な組織やシステムが常に負う宿命。常任理事国の首脳一派にも現体制の転覆を狙うものがいるほど、その立場を疎む存在に溢れている。
しかし、それでも時計機構の揺らがない現実こそ、科学の支配者がどれほど絶対的な存在かを示していると言えるだろう。
なお、このロビンフッドと言う呼び名はあくまで時計機構側が名付けた作戦コードであり、マレーネらが自らそう名乗っているわけではない。
作中後半、機構の創始者
オルフィレウスより明かされたのは、
本来ならばこれら反抗勢力は、“超人”によって組みあげられた巨大かつ精緻な歯車の前には存在できる余地すらないという無慈悲な現実であり、
実際には、マレーネ達を含めたこれらの勢力は、オルフィレウスの求める
限界を超えた未知の科学法則に届く
刻鋼人機、
その選別・育成の為の闘争実験に必要な
「敵役」として、
意図的に創造されてきたのであった。
彼らに対し、歴史上は存在しない伝説の義賊の名がコードネームとして冠されたのは象徴的であると言えるだろう。
最終更新:2021年03月08日 11:56