恐夜影獣

フライトナイト

『ならば教えてくれよう、人間(・・)よ!
  不滅不敗の吸血鬼(ヴァンパイア)の恐怖を! 世界の涯てに咆哮する魔人(ノスフェラトゥ)の猛威を!』


瞬間、バイロンを名状しがたい歪み(・・)が覆い……さらに身に纏う血臭はおぞましいほど密度を高めてゆく。
本能にまで訴えかける圧力の増大の後、存在(・・)が変化する。
それは目を疑うばかりの超常の怪奇───黒衣の麗人を形作る輪郭そのものがあやふやとなり、優に二周り以上は巨大化(・・・)したのだから。
漆黒の影を触手のように揺らめかせ……小山のような不定形の巨躯から、(あか)い二つの眼光が獲物達を睥睨していた。



ジョージ・ゴードン・バイロンの操る賜力(ギフト)にして、奥の手とも言うべき魔技。
その能力の実態とは、《狂人塔楼》をより、攻撃的に進化・発展させたもので、
バイロン自身が、形の一定しない巨大な影の怪物へと変化するという異能(チカラ)である。

これを発動したバイロンは、彼自身が“不死の軍勢”と称する、今まで貪り喰らった血族の魂を解放した状態にある。
前段階の能力以上に広大な範囲を影が侵略し、揺らめく影からは分散、集合いずれも自在である影の(きば)が獲物を求めて殺到する。
密度を高めたその一撃は小規模のビル程度ならば砕き得るとされ、また包囲殲滅も容易く行える手数もある。
閉鎖空間での戦闘であれば、例え刃の一撃一撃を避け得たとしても、領土を拡張し続ける影によって獲物は容易く飲み込まれることとなる。
影の撹乱効果も前段階以上に強化され、相手からの正確な攻撃を許さず、
散発的な攻撃だけでは、瞬きの間に闇に囚われバイロンの糧として吸収されてしまうことだろう。
これこそ――バイロンが信奉する、傷つかず一方的に他者を粉砕、蹂躙するという理想の“吸血鬼”像をより具現させた能力ということになるか。

しかし、その黒々とした巨体や攻撃範囲の広大さなどで敵の眼を欺いてはいるが、この状態のバイロンにも弱点は存在する。
藍血貴(ブルーブラッド)であると同時に、他の縛血者を喰らい自己を強化してきたバイロンの持っていた能力……
急所である心臓さえも瞬時に回復させる強大な再生能力が、エネルギーを攻撃面に特化したことで、著しく劣化している。
そのため、恐らくこの状態では通常の縛血者と同程度の耐久性しか持っていないと考えられる。



詠唱


恐怖は風と共に。死は夜と共に。
深き暗劫(あんごう)に横たわる獣王よ、我が血に宿りて万象を貪れ


恐夜影獣(フライトナイト)




  • なんだかんだでただの人間が一番恐ろしいという人間讃歌系の作品だと、死亡フラグでしかないよな、この冒頭のセリフ・・・・・・・・。 -- 名無しさん (2018-01-24 00:01:59)
  • ヴァーミリは未プレイなのだが、お隣の神父様の槍と同じ敗北フラグ感を感じる…… -- 名無しさん (2018-01-24 00:13:15)
  • ヴァーミリの詠唱、短いけどかっこいいし我が血に~とかの統一性があるところが好き -- 名無しさん (2018-01-24 15:57:02)
  • 一度しか使用シーンがないけど、詩的でバイロンのキャラに合ってて力押しのロマンを仄かに感じさせてくれるいい詠唱 -- 名無しさん (2019-11-10 17:13:18)
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