賢帝遊戯

ウィズダム・オブ・クロコダイル


───焼かれて踊れよ(・・・・・・・)、白木の杭!


藍血貴(ブルーブラッド)ウィリアム・ギャラハッドの有する賜力(ギフト)
その実態は、縛血者(ブラインド)の持つ異能では珍しい、暗示系の精神攻撃
作中一回のみ見せた発動手続は、ライターを点火するという行為であったが、
ギャラハッドは、こうした特定動作(アクション)を起こしながら、
自らの声を聞かせる事で、精神の暗示力が肉体に変化を与える現象───聖痕(スティグマ)───を相手に強制的に引き起こす。
これにより、彼が発した言葉に脳は踊らされ、銃創や刀傷、火傷などを発生させることができ、
しかも、一体の相手に限らず、複数の相手を対象とする事も可能で、声を聞いてしまえば逃れる術はない。
実際の効果は己と相手の力量差に左右されるが、彼自身が藍血貴という事もあり、人間相手ならばその威力は絶大

+...

「戯けが」


───という性能を持つはずなのだが、本編ではただただ相手が悪かった。
先代白木の杭という、狂的なまでの人類愛を抱き、鋼の意思を以て闘う存在には、
他ならば、少なからぬ影響を及ぼせた精神攻撃も、不快な雑音程度としか感じられず……
人類が吸血鬼に劣る部分などないという妄執は、一切の振動(ざれごと)を受け付けはしなかった。

その結果を前に、ギャラハッドは、「力」と「知」を持つ藍血貴としての余裕を失い、
目の前にある、現実を。
三世紀以上生きた縛血者を凌駕する個人、
闇の恩恵を受けず、自分達を苦も無く滅ぼす何者か、
そんな生きた反則である人類の存在に対し、掠れた声で嗤うしかなかった。



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