野球部の大会が終わり、体操服に着替え、部室で反省会の準備をしている。引退まであとわずかとなり、僕達3年生は特に、一試合一試合を大切にしなければならなくなってきた。
反省会には試合に出場したメンバーのみが出席し、それぞれが自分の試合中の動きについて悪かったところを話す。
反省会の最後には、その日の試合のワースト3に当たる人を紙に書き、提出する。
僕は今日の試合で2つもエラーをしてしまった。自分の名前を書く人など滅多にいないと言われるが、今日は自分の名前を真っ先に書いた。
集計が終わり、ワースト3が発表される。
予想していた通り、僕はワースト1位だった。
分かってはいたことだったが、初めてワースト3にランクインし、絶望した。この3人には、今から地獄が始まるのだ。
3人とマネージャー以外の部員は全員帰り、マネージャーが一人の女の子を連れてきた。
女子ソフトボール部の後輩である、彩乃がバットを持ってやってきた。
この部では、試合で成績の悪かった3人はソフトボール部の女子から悪い順に30,15,10発のケツバットを受けることになっている。
毎回執行役は異なるが、今日の執行役として選ばれたのは彩乃だった。
3位の人から順に懲罰を受ける。
彩乃と2人きりで別室に入っていった。
彩乃と2人きりで別室に入っていった。
中からは、金属バットがお尻を打つ鈍い音と、打たれている人の悲鳴が聞こえる。
10発を打たれ終わり、中からワースト3位の人が出てきた。
「彩乃ちゃん…めっちゃ強かったよ…」
これからケツバットを受ける僕達に言い残し、フラつきながら帰っていった。
「彩乃ちゃん…めっちゃ強かったよ…」
これからケツバットを受ける僕達に言い残し、フラつきながら帰っていった。
2人目の懲罰も終わり、いよいよ僕の番だ。
中には彩乃以外誰もいない。少し弱めに打ってもらってもバレないのだ。
少し力を抜いてもらうよう全力で頼んだ。
少し力を抜いてもらうよう全力で頼んだ。
「先輩、ズルはダメですよ〜最後までフ・ル・ス・イ・ン・グ しちゃいます♪ この日が来るのを楽しみに、毎日素振り頑張ってたんですから!」
彩乃は想像していたよりもずっとドSだった。
覚悟を決めて壁に手を付き、お尻を突き出す。
バットを引き、左脚を上げた。
来る…来る…目をつぶり、間もなく感じる激痛に備える。
カンッ
勢いよく振り下ろされたバットは、お尻と太ももの間の、一番痛いところに直撃した。
外で聞いた音より何倍も大きな音が部屋中に響き、電流が走るような激痛に襲われる。
「いっぱ〜つ」
彩乃の楽しげな声が聞こえる。
痛がる間も与えられず、2発目の構えをしている。既に2人の懲罰を終えているためか、随分慣れた動きだ。
「2発目いきま〜す」
あろうことか、2発目は1発目と全く同じ場所に打ち込まれた。既に耐えられない痛みだ。
3発目、4発目以降も、同じ場所を重いスイングでバットが襲いかかる。
そしてついに30発目…
カキィィィン
最後の1発は、今日1番の力で29発目までと同じ場所にジャストミートした。
「あ〜楽しかった♡ 先輩、私のケツバット痛かったですか?」
「……」
「声も出ないくらい痛かったんですね〜 練習しておいてよかったです笑 また今度いっぱいやらせてくださいネ」
僕のお尻をボコボコに痛みつけた彩乃は、この場を去っていった。
お尻には1本の真っ青なアザがくっきりと刻まれていた。