下校時刻はとっくに過ぎ、正門も閉められた。例外的に敷地内に残っているのは、剣道部に入部したばかりの僕と、女子の先輩2人の計3人だけだ。
僕は大きな声を出すのが苦手で、いつも先生や先輩から注意を受けていた。
そして遂には先生から許可を得て居残りで先輩から指導が入れられることになったのである。
そして遂には先生から許可を得て居残りで先輩から指導が入れられることになったのである。
指導をしてくださる先輩はいずれも2年生で、県大会にも何度も出場するような実力があった。声も男子に引けを取らないほどよく出している。
「アンタさ、やる気あんの?男子でそんなに声出してないの、君ぐらいだよ。」
普段は優しい先輩だが、今日は厳しい口調で詰め寄る。
もちろんやる気はあるのだが、元々声が小さいこともありなかなかみんなのように声を出せない。
「1年生が声出してないと、指導役の2年生まで先生に怒られるの知ってる?男子ならもっと声出せるでしょ」
「そ…そうですね…」
普段通りの小声で答える。
普段通りの小声で答える。
「あー全然ダメ。もう面倒臭いから女の子になりな。」
何を言っているのか分からなかったが、2人はサッと竹刀を取り出す。
「アンタは脚上げてここに寝て」
そう言われ、言われるがままに少し高めの机に寝、脚を上にあげた。
「ほ〜ら何してんの?脚開かないと〜」
先輩の使い込まれた竹刀で脚を突かれ、半ば強制的に開脚した。すこし恥ずかしい体勢になった。
「どーする?ウチが先やりたい」
「えーずるいよ」
「ジャンケンにしよ」
「やったー先に私ね〜」
「えーずるいよ」
「ジャンケンにしよ」
「やったー先に私ね〜」
先輩同士で何か話している。
先ほどジャンケンに勝った先輩が正面に立って構えるのが、自分の脚の間から見て取れた。
そして次の瞬間
「メーーーーン」
普段通りの大きな声を上げ、練習時と全く変わらない勢いで竹刀を振り下ろす。
バシッッッッッッ
という鈍い音と共がし、股間から全身に電撃が走った。
「あ〜ちょっと外しちゃったみたい。久しぶりだから難しいなぁ。」
そう、幸いにも先輩の懇親の力で振り下ろされた竹刀は金玉のわずか数ミリのところを通過していたのだ。
「相変わらず下手だね。あんまり外すと骨まで折れちゃうよ。」
笑顔で話す2人だが、2人にとって無抵抗の男の骨を折るなど朝飯前だろう。
入部したての僕にとっては、防具を付けた状態でも痛みを感じずにはいられない。そんな強烈な打撃を、薄い体操服とパンツの2枚のみを挟んで受けたのだ。
入部したての僕にとっては、防具を付けた状態でも痛みを感じずにはいられない。そんな強烈な打撃を、薄い体操服とパンツの2枚のみを挟んで受けたのだ。
「じゃあ、次私の番ね。」
痛みも引かないうちに、2発目が来る。
いつも通りの真剣な表情で僕の股間を前に構える。
来る…来る……
迫り来る恐怖に、思わず足をバタつかせる。
そしてあろう事か、止めきた先輩の顔を蹴ってしまった。
「あっ、すみません…大丈夫ですか…?」
いくらこの状況とはいえ、先輩の、しかも女性の顔を蹴るなどあってはならない事だ。必死に謝る。
すると、突然視界が真っ暗になり、熱気とものすごい激臭に襲われた。
な、なんだこれは…目を開けて確認すると、そこには''鈴木 彩''と書かれていた。
間違いない。これは2発目の執行役である鈴木彩花先輩の小手の中だ。
剣道の防具は臭くなると聞いていたため、すぐに分かった。しかもほんの10分前くらいまで部活を行っており、熱気が伝わってきた。
あまりの臭さに手も足も動かすことができずしばらくすると目の前が明るくなった。
「どう?私の小手臭いでしょ。次もし抵抗したらどうなるか分かってるよね?」
もう抵抗はせずに、素直に叩かれることにした。しまいには
「彩花先輩!メンお願いします!」
とまで言うようになった。
「彩花先輩!メンお願いします!」
とまで言うようになった。
そしてついに
「メーーーン!!」
グシャッッッ
いつも通りの高い声とともに竹刀は振り下ろされ、片方の金玉に直撃した。
「当たった〜!潰れたかな?」
体操服の上から股間をグリグリと触られる。
しかし、その感覚は今まで感じたことの無いものだった。
「見て見て?1玉潰れたんじゃない?」
彩花先輩の竹刀によって、金玉は文字通り木っ端微塵にされた。
金玉をグリグリと触り、確かめる。痛みで感覚はないが、恥ずかしさは感じられた。
「ホントだ!1個しかないよ〜笑」
うめき声を上げる僕を、2人は笑顔で見下ろす。
「今日はこれぐらいで許してあげよっか」
そう言い残し、2人は部屋を後にした。
母には転んだと説明して病院に行き、3ヶ月の入院となった。
噂によると、その間にも新たな被害者が…