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第二話 「山賊狩り」 (5)

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匿名ユーザー

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「………………」
 オルニアは呆然としていた。
 “隕之崩落(ミーティアコラプス)”は、途中で止まっていた。どうやら二元魔呪で止めているらしい。
 だが、それでもかなりの被害を集落に及ぼしていた。どういうわけか建物には一切の傷を負わせていないが、その間の道のあらゆるところに、炎に包まれた岩が鎮座している。
 目の前では、その様子を見に来ていた男たちをアイドが素早く倒していた。とてもひどいことをしている気分だが、そもそもそれが目的なのでその感情を無視する。
「オルニア、向こうの建物よろしく! 全員倒したら、あの大きな建物の入り口で合流しよ!」
 彼はそう言い残して、近くの建物に突入していった。
 いつまでも呆けているわけにもいかず、オルニアはアイドに示された建物に向かった。腰の後ろのナイフを抜く。外にいた男たちがこちらに反応する前に柄で打ち気絶させる。扉は左手で触れて、消現の奇跡の力で消す。見れば、中にいるのは五人。こちらの方――おそらく唐突に扉が消えたのを見たのだろう――を見て、手近にあった武器を取ろうとしている。
「何だお前――」
 言い終わらせる前に、跳び膝蹴りで黙らせる。一瞬固まった空気の中を一人動き、男の一人を流れる動作で一蹴。一呼吸の緊張が解けて、手にした見た目に使い慣れていないとわかる剣を振りかざして迫った男には振り下ろされる前に先手を取って鳩尾に一発。力量の差を感じ取ったか、残る二人は逃走を図る。
 ――逃がさない!
 右手に持った短剣を投擲。一人の足に見事に刺さり、転倒させることに成功。左手に鞭を出現させ、もう一人に向かって振るう。男は足を絡め取られ、同じく転倒。すかさず二人とも気絶させる。
(……これでよし)
 右手に先程投げた短剣と同じ物を現し、腰の鞘に収める。一際大きな建物に向かうと、既にアイドが待っていた。
「早かったね!」
「あなたの方がね」
 皮肉っぽく返してみたが、気にするところは無いらしい。アイドはにっこりと笑いながら、
「三人しかいなかったんだ。皆が動転してるうちに倒した」
「私のところには五人いたわ。合計八人か……規模は小さそうね。たいした収穫はないんじゃない?」
「収穫は少ないかもしれないけど、規模はあるんじゃない?」
「え?」
 何気なく言われたアイドの言葉にオルニアは一瞬理解をやめ――
「囲まれてるよ」
「……!」
 続けられた言葉によって完全に理解。慌てて周りを見てみれば、後方に獲物を持つ男たち。
(いつの間に!)
 おそらく、“隕之崩落(ミーティアコラプス)”を見て、待ち伏せを計画したのだろう。二つの小屋に伝達する時間がなかったのだろうが、それでもこれほどうまく包囲してくるとは――
「やり手な人がいるね」
「そうみたい、ね……冴えてるだけならいいんだけど」
「腕も立ったら最悪、だね」
 本当にそうならば、洒落にもならない。


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