古代ファシル語

古代ファシル語
Xaedho Fathir
発音 IPA:[sædo̞ faθiɹ]
基礎情報 目次
発祥地域 ディサクィファタムジア島
使用国 ファタ・モルガナ帝国
話者数 -
話者数の順位 -
言語系統 ファシル語族
 ・ファシル語派
  ・古代ファシル語
公的地位
公用語 無し
統制機関 エンパルジー・ラスカ理事会
言語コード
WJLC XFM

概要

古代ファシル語 (こだいファシルご、Xaedho Fathir、[sædo̞ faθiɹ])は、ディサクィファタムジア島で話されていた言語。略称は古府語。
時代の変遷に伴う変化、そしてアライド語との混合により現代ファシル語に変化しているが、古代府語自体も現存しており府国での高等教育課程において教育されている。また同国で制定された法典や一部の公文書などで実際に使用されてもいるため、古代と付いているものの実態としては今も変わらず存在している。故に本言語に古代と名が付いているのは現代府語と区別するための便宜的な理由によるものであるとされる。
唯一使用されているファタ・モルガナ帝国においても日常会話では用いられない為、本言語を公用語と認定する国家は存在しない。
同じ語派に属する言語としてディーニス語、ミャクニン語が存在したことが確認されているが、これらは何れも死語となっている。

歴史

ファシルの正確な起源は他の多くの言語と同じように判っていない。しかしながらファタ・モルガナ帝国の成立したユーレリア起源前2500年頃には既に現在に伝わる古府の形が完成していたことは、オルセータ・エンパルゼンマータを始めとする書典の数々が証明している。
また、ファシル語族に属しているようにアウレージ大陸本土に存在するいかなる言語とも祖先を共にしない。

音素

音韻の特徴として無声歯摩擦音(θ)や無声歯茎摩擦音(s)、無声唇歯摩擦音(f)を多用する傾向がある。
古代ファシル語では一つの文字に単一種類の音素が当て嵌められない場合が存在する。
例えば「th」は通常は無声歯摩擦音であるが、これが単語内において最後尾の音節に存在する場合には無声そり舌破裂音に変化する。またその直前に母音のみの音節が存在する場合にはほぼ全ての場合においてそれを長音化する。「h」は無声声門摩擦音(h)として通常的に登場するが、母音と母音の間に本文字を挿入する(語尾の長音化は単に母音の後ろに本文字を挿入する)ことで長音化を表す関係上、黙字としても頻繁に登場する。よって黙字となる場合とそうでない場合を区別するために通常「h」を使用する際は二文字連続して置くという表記がなされている。
また、比較的珍しい特徴として同一音節において子音連結の起きた音素が単一の文字(dh,khなど)として存在するというものがある。

文字と発音

母音

古代ファシル語は8つの母音を持つ。

ラテン字転写 名称ラテン字転写 名称カナ転写 標準音 自由異音
a Ah アー [a] [ä],[ɑ]
ae Ah-rram アー・ラム [æ] [œ]
oa Ah-Yek アー・イェク [ɔ]
i Ih イー [i] [ɪ],[e]
u Uh ウー [u] [ɯ],[ɨ]
ue Uh-rram ウー・ラム [ɘ] [ə]
o Oi オイ [o]
e Eme エメ [ɛ] [e̞]

子音

一音素につき一つの文字が割り当てられているものの同じ文字でも語中の場所によって発音が変化することがある。

ラテン字転写 名称ラテン字転写 名称カナ転写 標準音 自由異音
th thah サー [θ]
s sahs サース [s]
sh shah シャー [ʃ] [ʂ]
x xakka シャッカ [ʃ]
z zah ザー [z]
zh zhih ジー [z̪]
j jah ジャー [ʐ] [ʒ]
f fah ファー [f]
fy fyah フャー [fʲ]
v vah ヴァー [v]
b bah バー [b]
by byah ビャー [bʲ]
m mah マー [m]
my myah ミャー [mʲ]
t tah ター [t] [ʈ]
tz tzah ツァー [t͡s]
tw twai ツヮイ [tʷ]
d dah ダー [d]
dh dhah-lei ダー・レイ [ɖ]
k kah カー [k]
kh kah-lei カー・レイ [kʰ]
q qin クィン [kw]
g gah ガー [ɡ]
gy gyah ギャー [ɟ]
w wah ワー [w]
n nah ナー [n]
ny nyah ニャー [ɲ]
c cah キャー [c]
r rah ラー [ɹ] [ɹ̠]
l leila レイラ [l] [ɾ]
ry ryai リャイ [ɾʲ]
y yah ヤー [j]
p pah パー [p]
py pyah ピャー [pʲ]
h hhah ハー [h] [χ],[x]
hy hyui ヒュイ [ç]

発音規則

"th"の規則性

thは語尾に配置された場合にのみ[ʈ]の音で発音される。

連続した"r"

"r"は単体では[ɹ]で発音されるが、二つ連続して表記される場合には子音連結に伴う音韻変化により巻き舌([r])で発音される。

表記体系

ファシル文字を用いる。現代ファシル語においては使用されない文字が幾つか存在する。
音韻上の区別を表す記号として'が使用される。この記号を語中に挟むことで、前後の音素が連続しないことを表す。

文法

コピュラ

"Fyuiq"がコピュラに当たる。通常の動詞と同様に意味によって活用する。主語によって変化する事は、後述の特殊な活用(神性を主語に置く際にのみ使用される神格形)を除き起こり得ない。

動詞の活用

ファシル語は屈折語などの特徴を併せ持つ膠着語であり、動詞には単に時制を指定するものの他にも否定形や推量形など合計25の活用形が存在している。活用の形態素は全て接尾辞の形を取る。

語形 形態素 備考
1形 原形 無し
2形 現在形 無し
3形 過去形 ~ae
4形 未来形 ~ue
5形 現在神格形 ~oc
6形 過去神格形 ~aeoc
7形 未来神格形 ~ueoc
8形 否定現在形 ~onog 語幹が母音で終わるときは~nogとなる。
9形 否定過去形 ~aenog
10形 否定未来形 ~uenog
11形 否定現在神格形 ~oconog
12形 否定過去神格形 ~aeoconog
13形 否定未来神格形 ~ueoconog
14形 推量現在形 ~oer
15形 推量過去形 ~aer
16形 推量未来形 ~uer
17形 推量現在神格形 ~ocuer
18形 推量過去神格形 ~aeocuer
19形 推量未来神格形 ~ueocuer
20形 否定推量現在形 ~onuer
21形 否定推量過去形 ~aenuer
22形 否定推量未来形 ~uenuer
23形 否定推量現在神格形 ~oconuer
24形 否定推量過去神格形 ~aeoconuer
25形 否定推量未来神格形 ~ueoconuer

冠詞

ファシル語の冠詞は定冠詞と不定冠詞が存在する。両者は直後の名詞が既出の物を指すか否かによって使い分けられ、既に言及のあるものには定冠詞が付く。

不定冠詞"ae"

"ae"は不特定の物で且つ今まで言及の無かったものに付く不定冠詞であり、「一つの」という意味を持つ。

定冠詞"mae"

"mae"は不定冠詞とは反対に特定の物且つ既に言及されたものに使用される定冠詞であり、「その」という意味を持つ。

代名詞

格変化

古府語には代名詞の格変化が存在する。

/ 基本形 男性主格 女性主格 女性主格神格 男性対格 女性対格 女性対格神格 男性所有格 女性所有格 女性所有格神格 男性目的格 女性目的格 女性目的格神格
一人称単数 tham tham thanka thame thanad thamatha thanathka thamaxi thakexi
一人称複数 zam zam zamaka zame zamad zamaza zamza zamaxi zakei
二人称 byuer byuer byueraka feruka byuere byuerake ferae byueresa byuereska fasin byuerexi byuetzei faxih
三人称単数 adhok adhok adhoke rethka adhae adhaed rethae adhoksa adhokaesa rethina adhokxi adhokexi remanih
三人称複数 adhoktz adhoktz adhoktze adhaetza adhaeditza adhoktza adhoktzae adhoktzi adhoktzei
無生物単数 mihira mihira mihirae mihirasa mihiraxi
無生物複数 mihiratz mihiratz mihiraetza mihiratza mihiratzi
地名単数 khoa khoa khae khoasa xatzi
地名複数 khoatz khoatz khaetza khoatza xatz

格の用法

  • 主格
    主格は文の主体を表す為に使用され、ほぼ全ての文章で必須の要素となっている。
  • 対格
    対格は命令文や使役文などで登場する。
  • 所有格
    所有格は名詞の直前に置くことでその者の所有物であることを表す用法で登場する。
  • 目的格
    目的格は意味的には対格に近しいものであるが、対格が命令文や使役文における命令や使役の対象を表す為に置かれるのに対して目的格は動作一般の目的を表す為に使用されるという違いがある。

語順

平叙文

語順はSOV型を取る。
主語優勢言語であり、基本的に主語が文頭に配置される点は一貫するものの、例外は存在する。

文型 語順 例文 日本語対訳 備考
1文型 ~Rugrr 1 SV Tham bas. 私は話す。 最も基礎的な文型。主語-動詞の順で配置される。
2文型 ~Rugrr 2 SCV Adhok aehin fyuiq. 彼は危ない奴です。 主語-補語-動詞。コピュラ"Fyuiq"は特に簡素な文においてしばしば省略される。
3文型 ~Rugrr 3 SOV Adhok nahatha min vazfae. 彼は道を走った。 主語-目的語-動詞の順で配置される。2文型と並んで最もよく出現する文型である。
4文型 ~Rugrr 4 SOOV Tham byuerexi doam byek. 私はあなたに夕食を作る。 主語-目的語-目的語-動詞。
5文型 ~Rugrr 5 SOCV Tham mae falka Klajinih vagae. 私はその島にクラージニーと命名した。 主語-目的語-補語-動詞。4文型と異なりOとCはイコールの関係となる。

否定文

ファシル語には固有の否定詞"Nerzhe"が存在するものの、否定文に於いては通常使用されない。単に動詞に否定の接尾辞を付随させるだけで平叙文を否定文に変えることが出来るからである。否定詞は疑問文に対する応答などで登場する。

疑問文

基本的に平叙疑問文の形式を取り、文頭に"Qis"を配置するだけで疑問形となる。また疑問詞も存在し、時期や場所、理由などを問うことも出来る。

意味
Ezne 何を、何が
Baeze どっちを、どっちが
Crohone いつ
Reza なぜ
Khole どこ
Xigxie どのように
Wan だれ

疑問詞を用いる場合は、疑問詞-目的語or補語-動詞の語順を取る。疑問詞の有る疑問文で用いられるのは平叙文と同じく主格である。

例文 対訳
Wan byuer fyuiq? アンタ誰?

関節疑問文

疑問文を一つの名詞節として文中に取り込んだ関節疑問文では"Qis"が関係詞として現れる。

例文 対訳
Tham Qis adhoke giahryah fyuiq Em esenaenog. 私は彼女が軍人かどうかを知らなかった。

複合疑問詞

形態素"ya"を間に挟んだ上で複数の疑問詞を抱合した「いつどこで」などの複数の条件を問う複合疑問詞という概念が存在する。
例:

Ezneyareza Ezne-ya-reza 何をなぜ

命令文

命令文においてはVOS型となる。多くの場合において感嘆符が使用されるが、正書法において必須とされている訳では無い。
命令形に言う主語は命令の対象であり、命令文において代名詞の活用における対格が登場する。命令の対象が第三者で無い場合、しばしば主語が省略される。つまり、単に動詞を発するだけでも命令形たりうる。

文型 語順 例文 日本語対訳 備考
6文型 ~Rugrr 6 VS Ari byuere! 死ね! 大抵の場合、この文型で使用されるのは自動詞である。
7文型 ~Rugrr 7 VOS Zhir byueresa jihla byuere. 貴様の敵を殺せ。 動詞-目的語-主語(命令の対象)。
8文型 ~Rugrr 8 VCS Mihs thamatha vathrmaetha byuere. 私の影武者になってくれ。 7文型との使い分けは、してほしい(Qis)のか、なってほしい(Mihs)のかの違い。
9文型 ~Rugrr 9 VOOS Byek adhokxi doam byuerake. 彼にディナーを作ってくれないか。 "byuerake"は二人称女性対格なので命令の対象は女性であることが読み取れる。
10文型 ~Rugrr 10 VOCS Mihs adhaetza arihtha byuere. 奴らを死体に変えろ。 同じく9文型との使い分けは、してほしい(Qis)のか、なってほしい(Mihs)のかの違い。10文型はO=Cの状態にすることを命令する文。

間接命令文

命令文においては主語に命令の対象が置かれ、一般的な命令文では二人称代名詞が置かれることで直接的な命令を表した。然し、命令文の主語に「あなた」以外の第三者を置く場合、間接命令文と呼ばれるものとなる。

Byek doam adhae.

例えばこの様に命令文の主語に三人称単数代名詞の男性対格(彼)を置く。すると当然命令の対象はその「彼」になる訳であるが、ではこの文章自体の発言された相手は文においてどのような立ち位置となるだろうか。無論、機械的に命令の対象を「あなた」から「彼」に挿げ替えただけでは、相手に命令を下す文であるにも関わらず文章の受け手側が一切言及を受けない、統語論的に破綻した文となってしまう。故にこの様な命令文では受け手が明文的な言及を受けていないながらも会話の破綻を回避する為に文の受け手も言及を「受けた」ものとして扱われる。
意味論的には名前通り、間接的な命令文として解釈される。上の例文では「彼(adhae)」に「夕食(doam)」を「作らせる(byek)」ことを受け手に対し命令する文章となるので、訳すならば「彼に夕食を作らせろ。」となる。
詰まる所、「誰々に何々させる」ことを「あなたに」命令するのが間接命令文である。

使役文

前述の間接命令文から理論を逆輸入して使役を表すことが出来る。用法としては単純であり、間接命令文の文頭に使役自体の主体となる主語を置くだけである。
留意すべき点として、命令文では主語が命令の対象として目的語的に扱われたのに対し、使役文では使役の対象は純粋に目的語として扱われる。使役の対象として置かれる代名詞は命令文と同じく対格である。命令の対象として置かれる対格の直後に命令された動作の対象である目的格が置かれることも珍しくない為、両者の混同には注意を払うべきである。

文型 語順 例文 日本語対訳
11文型 ~Rugrr 11 SVOO Tham byek doam adhae. 私は彼に夕食を作らせる。
Tham byek nahagir adhaetza byuetzei thib. 貴女の為に、彼らに船を作らせよう。

関係詞

一般関係詞"Rag"

平叙文の文節の開始を宣言する文法的形態素である"Rag"は必ずしも明確な意味を持つものでは無いが、仮に日本語に訳すならば「であるということ」と言う意味になる。主に3文型の目的語に一つの文を文節として挿入する際に使用される。

例文 対訳
Kelnir Rag tham kresa fyuiq Em pehanog. ケルニルは僕が生き物だと認めなかった。

目的関係詞"Thim"

「~の為の」という目的の関係詞"Thim"が存在する。

例文 対訳
Adhoktz ae nahagir Thim mae arvinntho fathnahatha cama Em nohogerzhae. 彼らがその巨大な川を越える為の一艘の船を作った。

終末関係詞"Em"

文節の修了を宣言する関係詞"Em"はそれ自体が特定の意味を持つものでは無いが、これを置くことによって文の"階層"を判別することが出来る重要な要素である。

形容詞

ファシル語の形容詞は凡そ二種に分類される。dho形容詞とia形容詞である。両者の違いは主にその成立経緯と、文中の何処に配置されるかである。
これらの形容詞は語尾がdhoであるかiaであるかによって判別され、これらの何方も語尾に配置されない例外はほとんど皆無と言って良く、また極まれに登場するdhoでもiaでも終わらない形容詞は全てdho形容詞に含まれる。

dho形容詞

dho形容詞は"Axidho"(遠い)や"Huleidho"(文化的な)などの様にその語尾がdhoの音素であることからこの名称で呼ばれる。
接続位置は修飾対象の直前である。稀に登場する"Yukushih"(正義の)のようなdhoで終わらない例外の形容詞は全てdho形容詞として扱われる。
一般名詞や基礎語彙から派生した形容詞が主にdho形容詞となる。

ia形容詞

ia形容詞はdho形容詞の対となる概念で、主に固有名詞などに形態素"ia"が接続することで生まれる抱合語的性格の品詞であり、何らかの名詞の派生語として生まれるものがほとんどである。接続位置は修飾対象の直後である。
またdho形容詞に接続して〇〇dhiaとすることでia形容詞とすることが可能であるものの、通常使用されない。
例:

単語 意味 用例 用例の意味
Uenmparzhia 女皇の wahna uenmparzhia 女皇の所有物

形容詞を作る形態素

前述した"ia"以外にも形容詞を作る接辞は存在し、またそれによって作られた形容詞が文中のどこに配置されるかにも違いがある。

  • 主体接尾辞"zih"
    "zih"は名詞の語尾に付ける形態素で、名詞を「~による」と言う意味の形容詞に変化させる。この接尾辞を付けた語は修飾対象の直前に配置される。

接頭辞

古府語の接頭辞は名詞以外にも形容詞、形容動詞にも接続可能であり、また固有名詞にも接続される。

接頭辞 意味
Nuge~ 反~の
Maji~ 新しい~
Xaji~ 古い~
Ane~ 全ての~

完了接頭辞"Ascu"

動詞の活用が語尾に接尾辞を接続することで時制や意味を変化させるのに対し、動詞を完了形とする際には接頭辞"Ascu"が使用される。
現在形に接続すれば現在完了形、過去形に接続すれば過去完了形、という具合である。
完了形の構文では時制を明確に決定しない接置詞"Baema"などが使用される。

例文 対訳
Tham mihiraxi baema 1700 ascuraehle. 私は1700年までそこに住んだ。

数詞

ファシル語の数詞には基数詞及び単一の順序数詞が存在する。

アラビア数字 基数詞 序数詞
1 Des Destih
2 Ures Urestih
3 Yuve Yuvelih
4 Fyuthe Fyuthih
5 Xinde Xinthih
6 Uryuhuv Uryuxih
7 Kette Kettih
8 Gunthe Guntih
9 Nevxi Nevxilih
10 Airen Airih
11 Aides Aidesih
12 Uryuhhems Uryuhhemih
13 Abmfas Abmfasih
14 Izfath Izfathih
0 Vos Vosih
100 Deairen
1000 Yuvairen

助数詞

ファシル語は固有の数詞としての倍数詞などを持たず、基本的に序数の後ろなどに助数詞を置いて数量を表現する。

助数詞 意味
yurra 倍数を表す。~倍。
mike 分数を表す。直前には序数、直後には基数を用いる。~分の^。
linka 集合数詞を代用する助数詞。~組。
qire 反復数詞を代用する助数詞。~回。
crou ~時間。
yoh ~分。
me ~秒。

なお、個数や人数を数える場合は単に序数詞を使用する。また年を表す場合も序数詞のみを使う。

命数法

ファシル語は10以降一桁毎の接頭辞を持ち、1~9にその接頭辞を付けたものを位として只管並べていく命数法を採用している。また一つの接頭辞が冗長である為、桁が増えると指数関数的にそれを表す為の音数も爆増する。
例えば「25」をファシル語の数詞で表現したい場合、先ず20を表す為に"Ures"に"Ai'"を付け、その後ろに5を表す"Xinde"を置き、"Ai'ures xinde"とする。

位取り接頭辞 意味
Ai'~ 10の
Deai'~ 100の
Yuvai'~ 千の
Ekze'~ 万の
Ekairen'~ 10万の
Dekairen'~ 100万の
Deksiren'~ 1000万の
Mekain'~ 1億の
Mekirin'~ 10億の
Mekairen'~ 100億の
Meksren'~ 1000億の
Riran'~ 1兆の
Riralen'~ 10兆の
Rikairen'~ 100兆の
Riksren'~ 1000兆の
Teran'~ 1京の

助動詞

助動詞は動詞の直前に配置される。

助動詞 意味
Pin ~できる
Newa ~するつもりである
Tzahale ~しなければならない
Breze ~しなければならない,~に違いない
Ryuhune ~する必要がある
Hane ~するべきである
Parver ~に慣れている
Merei ~したい

接置詞

接置詞は基本的に後置詞を取り、動作の対象となる名詞の後ろに配置される。 また、設置詞の繋がる単語や文節の直前には設置詞とは別の機能語である"Ren"を置く。
"Ren"で後続の節が設置詞の接続対象であることを宣言し、下に述べる設置詞で意味の宣言を完了する。

後置詞 意味
Na ~の中で
Rae ~の
Thib ~の為に
Baema ~から
Mil ~で
Min ~の上で
Xitz ~(集団)の中で
Balm ~と一緒に
Nerbalm ~なしで
Fyoala ~まで
khixim ~から
Xa ~に
Ta ~として
Fa ~の名を以て

接続詞

接続詞は文章などを接続して仲介する品詞。接続詞の意味によって前後の文の関係が規律される。

接続詞 名称 意味
Yoto 順接接続詞 また
Mol 選択接続詞 または、乃至は
Nezo 逆説接続詞 しかし
Yotolei 並列接続詞 また、ならびに
Lehren 逆説接続詞 たとえ~でも
Kerre 転換接続詞 さて
Vafm 例示接続詞 例えば
Shefar 注目接続詞 特に
Dlei 言換接続詞 つまり
Paxa 対比接続詞 一方で
Crohone 時制接続詞 〜の時に
Via 仮定接続詞 もし〜ならば

形容詞の変化

ファシル語の形容詞は接頭辞による意味の変化が存在する。

比較形

形容詞の比較級、最上級はそれぞれ"Ar""Zahr"の接頭辞を付けて表す。

否定形

形容詞に否定的な意味を追加する接頭辞"Yugn"が存在する。

接頭辞 意味 用例
Ar より~な Arvinntho→Ararvinntho
Zahr 最も~な Ashendho→Zahrashendho
Yugn ~でない Tlidho→Yugntlidho

文例

最終更新:2021年12月05日 16:23