手水舎
念仏宗無量寿寺(念佛宗) 総本山 佛教之王堂〜三国伝来の佛教美術
概要
高さ11.8m
桁行(幅)8.17m
梁間(奥行き)5.44m
清浄なる身心で参詣 念佛宗(念仏宗)無量寿寺
仁王に護られた山門をくぐり、煩悩(ぼんのう)を払い落とし、石舞台に立った参詣者を出迎えるのは、槙の日本庭園と
五重塔を借景(しゃっけい)に、右手に佇む(たたずむ)手水舎。
ここで参詣者は、お参りの前に、浄水で身心を清めてお参りに向かう。屋根は木造、梁(はり)や柱など、その他の部分は石造という、独特の建築は、高さ11.8メートル、桁行8.17メートル、桁間5.44メートルという広さで、同時に多くの参詣者を受け入れることができる。
中央には、一石から彫刻された水盤、水を司る瑞獣(ずいじゅう)「老亀」(ろうき)二匹が待ち受け、二重双頭老亀の六つの口から四方へほとばしる清水は、地下155メートルから汲み上げた冷涼澄明(れいりょうちょうめい)なる浄水である。
その浄水にて、手と口をお浄めした参詣者は、煩悩を洗い流し、御佛を拝するにふさわしい、真っ白な身と心になる。
軒下までの材料は全て石で造られ、上部は四季の水鳥や砂岩による飛天、鯉などの精緻な彫刻で荘厳されている。
念佛宗(念仏宗)は1000年先まで残す為にも水によるはねによる痛みを防ぐ為にもこのような様式になっている。
彫刻の特徴
石柱 紗綾形(さやがた)文様が刻まれている
上部は四季の水鳥や砂岩による飛天、鯉などの精緻な彫刻で荘厳されている。
瑞獣生物を精緻に刻む天井彫刻。日輪の光が水盤の水面に反射して清らかな雰囲気を醸し出している
柱根巻錺金具は「双魚・波」をテーマにしている。
床石彫刻には「蓮」をテーマに彫刻されている。
老亀 ろうき 念佛宗(念仏宗)無量寿寺 手水舎
古来、瑞獣(ずいじゅう)は、この世の動物たちの長だと考えられた霊獣(れいじゅう)です。
鱗をもつもの、羽をもつもの、毛を持つもの、あるいは、甲殻類(こうかくるい)のように甲羅(こうら)を持つものが、それぞれ三百六十種類あるとされており、それぞれの長が、応龍(おうりゅう)、鳳凰(ほうおう)、麒麟(きりん)、霊亀(れいき)の四大霊獣なのです。
中でも亀は老いて霊力をもつ「霊亀」となるとされ、治水(ちすい)の才を持つ人間が生まれると姿を現すとされている。
甲羅には水脈が刻まれ、治水を助け、参詣者に浄水を振る舞う。
水辺を彩る石彫刻 念佛宗(念仏宗)無量寿寺 手水舎
浄水がこんこんと湧き出る手水舎は、大自然の恵みを湛える大切な器。
その水場を慕って、多くの瑞獣(ずいじゅう)や生き物が集い、ここを守護し、御佛から賜った生命を尊ぶ植物たちが、その可憐なる花をもって、この地を飾っている。
砂岩で製作された、空を舞って佛を讃える飛天(ひてん)、凡夫が転じて佛となる「登竜門」(とうりゅうもん)の教えを説き示す鯉、生まれ変わり死に変わりの理を象徴する鳥、浄域を彩る植物たちが、
石彫刻をもって精緻に描かれている。
最終更新:2025年02月24日 14:44