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胸部ポータブル撮影(臥位または(半)座位)
立位撮影に比べて、縦郭や心陰影が拡大する。また、肺血流量が30%増加するため肺血管が目立つ。
前回画像との比較が重要であり、再現性のある撮影をする。
少量の胸水の検出には座位が適する。
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撮影法 |
【撮影前チェック】
撮影の目的は何か確認する(挿管・チューブの位置確認など)
障害陰影となるものを外す。
(湿布、心電図モニター、体温計など)
体の周りのチューブ類に注意。
感染症(MRSEなど)の有無をチェック。
病棟の看護師に撮影することを伝える。
周りの患者、その家族に部屋から出るように伝える。
【ポジショニング】
ポータブル撮影時の工夫
カセッテ上端を肩より少し上、左右は体(背中)の中心に配置する。
仰臥位または(半)座位(オーダーに従う)。
体の傾きがないようにする。体の保持が困難な場合は布団や枕等で体を支える。
カセッテにマーカーを貼る(R、臥位など)。
【X線入射点/距離】
距離100~120cm(前回と同じ)で乳頭の高さで、体の正中に対して垂直入射。
(座位の場合は前額面がカセッテに平行となるように、深く座る。カセッテに対して垂直入射となっているか確認)
【撮影条件】
90kV/5mAs リス(±)グリッドを使用する場合はグリッド比が低め(3:1など)
【チェックポイント】
前回写真との差異は無いか(濃度など)
体の正面性は保たれているか
・胸椎棘突起が椎体の正中に投影されているか
・棘突起から鎖骨までの距離は等しいか
・鎖骨が肺尖部にかかっていないか(尾頭方向で入射した場合)
または鎖骨が下方に投影されていないか(頭尾方向)
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観察するべき場所 |
肋骨横隔膜角
CP Angleという。立位では少量の胸水で鈍化する。臥位で鈍化している場合は相当な量の胸水が貯留している。
臥位の状態では胸水は以下のように肺底部から溜まっていき、肋骨横隔膜が鈍化する頃には大量の胸水が溜まっていることを意味する。
左の図では傍椎体の領域に見える三角形の領域が不明瞭となる。(次項参照)
真ん中の図では横隔膜の陰影が不明瞭になっている。
胸水が溜まっていくにつれて(背中から順に)
傍脊椎線→下行大動脈→
横隔膜
→肋骨横隔膜角→
心臓辺縁
→
肺尖部
→
大動脈弓
が不明瞭となる。この順に従わずにシルエットサインが陽性となる場合は他の要因(無気肺、肺炎、結節など)の可能性がある。
傍脊椎線
大動脈の後ろに回り込む肺によって作られる線。
わずかな胸水・無気肺によって消失する。
肺底部の含気
傍椎体の領域に三角形の領域が見えれば、含気が保たれている。
リンパ節腫脹や腫瘤の確認
気胸
立位では空気は肺尖部に溜まる。臥位では肺底部から溜まる(肺底部の透過性亢進)。
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チューブ類 |
NGチューブ
CV & PICC
中心静脈カテーテルは高濃度輸液などを投与可能。高浸透圧であるため、末梢静脈では痛みや炎症などが問題となる。
血流の豊富な上大静脈に留置する。肘などの末梢静脈から挿入するものをPICC(ピック)という。
位置は気管分岐部1cm上の高さで上大静脈に配置する。
気管挿管
適切な位置は先端が気管分岐部より3~5cm上。
上すぎるとバルーンによる声帯損傷、下過ぎると方肺挿管の原因になる(ほぼ右主気管支側に深く入っている)。
深く入れた場合のX線画像
スワンガンツカテーテル
肺動脈カテーテルのこと。心臓の状態(肺動脈圧、心拍出量、駆出力、容積など)を調べるために、肺動脈に留置するカテーテル。左右肺動脈に配置されるべきであるが、奥に進みすぎると肺動脈損傷や肺塞栓を起こす危険性もある。先端は椎体に重なる程度にする。
右心房/右心室でループしている例
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最終更新:2024年02月15日 23:54