もやもや病

もやもや病(Willi動脈輪閉塞症)


内頸動脈からWillis動脈輪にかけて両側性に狭窄が見られ、側副血行路として脳底部の小動脈が拡張する(もやもや血管)。大脳皮質に虚血、基底核部や脳室内に出血を生じる。

Sx

小児では脳虚血症状、成人ではSAHや脳出血の症状を認めることが多い

過呼吸により誘発される反復性の片麻痺(麻痺側は一定しない)。
過呼吸負荷で特徴的な脳波所見を示す(re-build up)。 ;脳虚血を反映する所見
MRIでは前頭葉の萎縮を認めることがある(慢性の脳虚血によるもの)。また、基底核部にもやもや血管がflow voidとしてみられる。かつて、もやもや病の診断確定は脳血管撮影によることとされていた。最近は、小児例ではMRAでもよいことになっている。
本症の問題点は、慢性的な脳虚血によって、放置すれば知能低下や精紳症状をきたすことにある。(→神経心理学的検査)
術前に脳虚血の程度を評価するのが重要で、SPECTやPETが最もよいが、脳波や知能検査も欠かせない。∵治療効果の判定材料になるから
  • もやもや病の治療は血行再建術に尽きる。特に、前頭葉への血流を増加させることが重要である。
  • 小児もやもや病の診断はMRIで可能であるが、まれに脳動脈瘤の合併があるので、やはり血管撮影をすることが多い。
  • なお、成人のもやもや病は脳出血を起こす。臨床像が小児と全く異なるので注意が必要。


最終更新:2009年11月30日 07:17
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