概要
戦闘に至るまでの背景
▲686年1月における勢力図
これまではかろうじて食い止めていた国境守備軍も、二ヶ国連合軍の数に押されてついに決壊、領内への侵入を許してしまう。
これに対して
アゾル国主
ゴルは、
ラディア、
キルレイツ等主力部隊を最前線の
ニィズ砦へ派遣した。
両軍の戦力
パザルアンの戦い
既に三方向から
アゾル領土へと攻め込んだ連合軍は、各地の砦を陥落させ、町を落としながら首都へと向かっていた。
この兵力差は、一連の戦いで名将として台頭した
ラディアをもってしても覆せるものではなく、彼女はなるべく他方面に兵力を与え、自らは僅かな兵を引き連れて
ニィズ砦へと到着した。
三方面軍の中で、最も精鋭を揃えた主力をたった4000の兵で待ち構える
ラディアと
キルレイツ。
誰もが砦に立て篭もると思われたが、
キルレイツはバザルアン湖付近に布陣すると、
ゾリメック国の先陣
ナッシュに戦いを挑む。
まだ他部隊が到着していなかった
ナッシュ部隊は、砦に立て篭もると思われた敵軍の攻撃に戸惑うが、すぐに体勢を立て直すと反撃に出る。
この攻撃に
キルレイツ部隊は後退、
ナッシュはすぐさま追撃に入るが、
キルレイツは囮であり、そこに火攻めの罠が待ち構える。
ナッシュも冷静に対処して、付近のバザルアン湖にまで部隊を後退させるが、それは全て
ラディアの手の内にあり、湖に待ち構えた
ラディア率いる弓部隊の総攻撃を受けて
ナッシュ部隊は半壊する。
初戦で一定の戦果をあげると、連合軍の本隊が到着する前に
ラディアは素早く
ニィズ砦へと立て篭もる。
だが、この戦いで火攻めのタイミングを任されていた
リンが、焦って予定より早くに火をつけたため、囮部隊の
キルレイツは味方の炎により部隊が壊滅し、彼も行方不明となる。
ニィズ砦の戦い
1月15日夜半、この地に長い間住んでいた一兵卒の「今夜から吹雪がくる」という進言を受け入れた
ラディアは、兵士に一杯の酒を振舞って体を温めさせると、深夜をまって城外の2万を越す軍勢の中に切り込んだ。
なれない土地の吹雪で凍えていた連合軍は、まさか討って出てくるとは思わなかった奇襲によって混乱、
リディアニーグは全軍をまとめて一時後退する。
数倍の兵数を擁しながら二度にわたって敗北した連合軍だが、総大将
マラの部隊も到着して全軍が揃うと、ついに総攻撃を開始した。
マラは四本の架け橋を用意すると、既に橋を落とされた川に新たな橋をかけ、一斉に軍勢を送り込んだ。
軍師でありながら
ラディアに惨敗し、
マラの不興をかっていた
リディアニーグは、汚名返上のため自ら前線へと赴き指揮をとり
アゾル国兵を打ち破っていく。
ところが、数時間たっても砦に軍勢が辿り着かず、業を煮やした
マラが最前線の様子を伺うと、そこには橋の上で鬼神の如く立ちはだかる
ラディアがいた。
鬼気迫るその迫力はもはや少女のものではなく、狭い場所で包囲されない利点があるとはいっても、わずかな兵で連合軍を撃退し続けていた。
先の敗戦の屈辱を晴らそうと、
リディアニーグは自ら剣を抜いて、激情のまま挑みかかるが、彼も額に傷を負って後退する。
ラディアにのりうつった戦女神の気迫に後押しされ守備軍も息を吹き返し、連合軍はついに三度目の後退を余儀なくされた。
しかし、18日深夜、
ラディアが最も恐れていた事態が起きた。
三路に別れていた連合軍の別部隊が、それぞれ守備陣を突破して、首都にまで肉薄したとの報告が届いたのだ。
砦の存在理由そのものを無効化されてしまった以上、ここに踏みとどまる意味はなく、
ラディアは砦を捨てて首都である
アゾル城へと向かった。
その背後を
マラ部隊が追撃するが、
リン率いる200人の兵士が反転すると
マラ部隊に突撃、これを食い止めて
ラディア脱出の時間を稼ぎ全員が戦死する。
現在も
リンと200人を祀る忠魂碑が、ニィズ古戦場に残っている。
戦いの結末
最終更新:2024年08月13日 16:51