概要

シグリア攻略戦とは、ラドリザン6892年、クルーディア帝国とリアムス国の間で起きた戦いである。


戦闘に至るまでの背景


ライラックの戦いの手柄により、国境最前線とはいえ自治領を貰ったグラスシード、彼の次の目的は自分達だけの力でリアムス国の重要拠点であるシグリアの都を陥落させることであった。

シグリアの都はリアムス国の副首都とまで呼ばれ、本来なら帝国の大部隊を用いて行う筈の攻略戦だが、グラスシードは戦果をあげるための功名心から「自分の部隊だけ」ということに重きを置いていた。

攻略を実現させるため、軍師アレイナの指揮により、およそ一年前から水面下の謀略は始まっていた。
都を守備する権力者は賄賂漬けにされ、主力部隊を別の都市に異動させる等、シグリアの都は骨抜きにされ、既に都の要所も抑えられており、合図ひとつで城門の開閉すら可能なまでになっていた。
そこまでの準備が整うと、グラスシードは決戦の時がきたと出陣を開始した。


両軍の戦力

攻撃側 守備側

クルーディア帝国軍
軍勢
リアムス
総兵力12000 兵力 総兵力9000
グラスシード 総指揮
アレイナ 軍師
主要参戦者

グラスシード

リーナ

シルフィ

アレイナ

ラグ

ルーザリット

ゴンドゥラ

コルカフォーン

セリカ

バーゼディア

ラディナ

クリディス

フォーゼ

フレイズ

ゼクト

エカティーナ


戦闘経緯

この時、偶然にもティターニアが、前線の慰問のため、ルーザリットゴンドゥラコルカフォーンセリカバーゼディアを引き連れてシグリアに来ていた。
しかし、彼ら主要な将軍の任務はティターニアの護衛であり、自らの部隊を引き連れず、個人での移動だったことがグラスシードにとっての幸運であった。
もし彼らが本来の部隊を率いていたら、シグリア攻略戦は失敗していたというのが後世における大方の見解である。

シグリア攻略戦は、ラグラディナ部隊の先行し、いつもの国境遭遇戦に見せかける形で開戦した。
国境での小競り合いから一気に追撃戦に入り、伏せていたグラスシード達の本体も出陣、シグリアの都にまで電光石火の進撃を開始する。
グラスシードは自分たちの力だけで攻略したかったが、フェリサス部隊から援軍という名のお目付け役であるフレイズゼクトだけは受け入れた。
これは、どうせ監視するのなら、目の前で自分の力を見せつけ、間接的にフェリサスグラスシード隊の強さをアピールする意味も込めていた。

しかし、彼の目論見の前に突如三牙王が立ちふさがる。
リアムス国最強の部隊と呼ばれる三牙王の突然の出現に、普段は飄々と受け流すグラスシード部隊の面々もさすがに動揺したというが、これは前述の通り元々別の任務のため滞在中だった三牙王が、戦いの報告を受けて駆けつけた偶然の遭遇であり、本来の兵力を持たない状態であった為、戦局に影響をあたえることなく撤退した。

シグリアの都を守るのは、ゴンドゥラと、グラスシードの幼なじみルーザリットであった。
戦場での再会に驚く二人だが、互いの現在の立場から交戦。
しかし、既に謀略によって主だった将や精鋭部隊を他の都市に回されていた守備部隊は、グラスシードの攻撃に耐え切れず都は陥落した。
ティターニアはかろうじて脱出に成功、首都へと撤退したが、彼女が敵襲にうろたえて逃げ回ったことが、兵の士気を落としたともいわれている。


戦いの結末

リアムス国を経済的に支えていた大都市の陥落は、大きな衝撃を与えた。
更にグラスシードは、この都が完全に帝国領土となったことを内外に知らしめるため、あえて都の改名を行い、クルーディア帝国2代目皇帝にして、名君と呼ばれていたカシルスの名をもらって、「カシルスの都」と呼ばせ、更に自身の領土として大きな土台を手に入れることとなった。


最終更新:2024年07月08日 12:20