81系までの電機子チョッパ制御に代わりVVVFインバータ制御を本格的に採用した「次世代の省エネルギー車両」として合計426両が製造された。
| 塔野高速鉄道87系電車 | |
| 基本情報 | |
| 運用者 | 塔野高速鉄道 |
| 製造所 | 船橋重工業豊崎工場 |
| 製造年 | 1986年〜96年、2013年 |
| 製造両数 | 426両 |
| 運用開始 | 1987年2月6日 |
| 主要諸元 | |
| 軌間 | 1,067mm |
| 電気方式 | 直流1500V(架空電車線方式) |
| 最高運転速度 | 120km/h |
| 設計最高速度 | 120km/h |
| 起動加速度 | 3.3km/h/s |
| 減速度 | 4.2km/h/s(常用) 5.0km/h/s(非常) |
| 車両定員 | 本文参照 |
| 全長 | 先頭車:20,120mm 中間車:20,000mm |
| 自重 | Mc1車,Mc2車:33.6t M1車:32.8t M2車:32.4t T車:26.6t |
| 全幅 | 2,800mm |
| 全高 | 4,050mm |
| 床面高さ | 1,150mm(6・7次車は1,125mm) |
| 台車 | ボルスタレス空気ばね台車 電動車:FHB-861系 付随車:FHB-860系 |
| 主電動機 | かご形三相誘導電動機 FEI-IM87 |
| 主電動機出力 | 150kW |
| 駆動方式 | TD継手式中実軸平行カルダン方式 |
| 歯車比 | 105:16(6.56) |
| 制御装置 | GTO素子VVVFインバータ制御 |
| 制動装置 | 回生併用電気指令式空気ブレーキ |
| 保安装置 | 本文参照 |
導入の経緯
1989年に予定されているさくら大橋開業に伴い、向川線が大海地方の入口である桜宮駅まで延伸されることが決定した。これによる運用増を賄うため、近郊線区(*1)での高速運転を行える新形式の計画が立ち上げられ、1988年度の導入、1989年春の営業運転開始を目標としていた。しかし、1986年初頭より新都環状線で運用されていた59・63系に経年劣化による故障が顕在化。特に状態の悪かった一部編成を置き換えるため、計画を前倒し、かつ導入線区に新都環状線を含めることで、結果的にではあるが通勤線区・近郊線区双方の条件に適応する車両として本形式の製造が決定された。
車両概説
以下は特記無き限り1次車の仕様である。
車体
既存の新都環状線の車両と同じく20m・4扉車体を有するが、81系で試験された軽量ステンレス車体を本格的に採用。強度確保のため裾が絞られていた81系とは異なり工法の発展によりストレート車体とすることに成功した。また側面窓は扉間にはこれまで小型の窓を2枚設置していたものを大型の1枚窓に変更。1段下降窓とした。
車体塗装はフィルムによるものとし塗装の工数を削減したのはこれまでのステンレス車と同一である。
前面はFRP材をステンレスの骨組みの表面に張り付ける方式とした。FRPの応用技術は本形式より普及した。横から見ると「く」の字に飛び出した形状であり、窓周りは紺色でまとめている。窓は運転席側を大きくとった左右非対称の分割とし、同時に新都環状線用車両としては初めて前面に貫通扉を設置しない非貫通形状を採用した。高運転台車ではあるが、窓は天地寸法が大きく低運転台にも見える形状となっている。
前照灯・尾灯はセット配置とし窓下に設置している。行先表示機は幕式として中央に、列車番号表示機は7セグメントマグサイン方式で4桁を左側に備える。また都西・向川線用に配置された車両に限り右側に幕式の種別表示機を備える。
接客設備
車内は扉間7人掛け/車端部3人掛けの一般的なオールロングシートである。壁面は当時の船橋重工業製で一般的であり、81系まで採用されていた緑色を取りやめ白色のアルミデコラ材、床敷物は暗い灰色とした。
座席は1人あたりの着席幅を440mmに拡大したロングシートであり、7人掛けの中央1人に限り同系色の薄めの色にすることで定員どおりの着席を心理的に誘導することを意図した。また本形式より優先席の座席色を他の座席と異なる色とし、視覚的に判断を容易にした(これは既存の他形式にも普及した)。座席色は新都環状線向け車両が紫系、都西・向川線向け車両が緑系、優先席は共通でオレンジ系とした。
荷棚はアルミ金網製。
側扉は一般的な幅1,300mmの両開き扉で、室内側はステンレス無塗装である。ドアエンジンは座席の下に収納されている。
空調装置は集約分散型(準集中型)のインバータ式空調装置FEI-RCU86(能力21,000kcal/h)を2基搭載。天井裏にダクトで冷気を導く方式としている。冷房吹き出し口はアルミ材。
乗務員室
非貫通形状となったことで非常扉は助士席側に寄せられ、運転台スペースを広く確保した。背面窓は非常扉に1枚、壁に2枚の合計3枚とし、客室から/客室への見通しが良くなっている。主幹制御器は両手T型ワンハンドルマスコンで、制御段数は力行5段・切・制動7段・非常・抜取である。簡易モニタ装置用の液晶パネルを備える。
主要機器
本形式は塔野高速鉄道の量産型車両としては初めてVVVFインバータ制御装置を採用した。GTOサイリスタによる船橋電機製制御装置FEI-VF8-86型(4500V-3300A)を採用し、1台の制御器で8台の電動機を制御する1C8M方式としてMc1/M1車に搭載する。なお本形式ではすべて1C8M方式に統一を行ったため、MMユニットが前提となりM車両数は偶数の編成が基本となる。
主電動機は本形式用に新たに設計されたかご型三相誘導電動機FEI-IM87を搭載。主電動機の連続定格出力は150kWと直流電動機と同程度であるが、過負荷運転を許容する設計であるため乗車率が高いときの性能低下が小さい。また整流子が存在しない電動機であるためメンテナンスコストが削減されている。
ブレーキ装置は回生併用の電気指令式で、指令線は常用3+非常1の合計4本とし、2進数の組み合わせにより0~7段の指令を行うデジタルデータバス方式のFEI-FBS-86とした。この装置は船橋重工業の電気指令式ブレーキとしては一般的で実績のある方式であったが、塔野高速鉄道の車両としては次世代の91系よりシリアルデータ伝送方式に変更されたため本形式が最後の採用となった。
補助電源装置はDC-DCコンバータと静止型インバータ(SIV)を1パッケージに収めたFEI-AEM-86をMc2/M2車に搭載。出力は135kWである。これはDC-DCコンバータで直流1500Vを直流600Vに変換して空調装置を制御し、SIVを用いてさらに単相交流200V,60Hzに変換するものである。空気圧縮機(CP)は交流駆動のレシプロ式のFEI-CP86Aを採用。Mc2/M2車に搭載する。
集電装置は下枠交差式のFEI-PTC-86をMc1/M1車に1両あたり2基搭載。
台車は新開発のボルスタレス式台車FHB-86系(電動車:FHB-861系、付随車:FHB-860系)を採用。軸箱支持方式は円錐積層ゴム方式で、側梁をストレートとしたことで部品数を削減した。基礎ブレーキは電動車・付随車ともに片押し式踏面ブレーキである。
保安装置はTR-ATSを標準搭載し、新都環状線用車両はCS-ATCを追加で搭載している。
形式
87-000形奇数(Mc1)
奇数向き制御電動車で、運転台・パンタグラフ2基・主制御装置を備える。Mc2/M2車とユニットを組む。
87-000形偶数(Mc2)
偶数向き制御電動車で、運転台・補助電源装置・空気圧縮機を備える。Mc1/M1車とユニットを組む。
87-500形奇数(M1)
奇数向き電動車で、パンタグラフ2基・主制御装置を備える。Mc2/M2車とユニットを組む。
87-500形偶数(Mc2)
偶数向き電動車で、補助電源装置・空気圧縮機を備える。Mc1/M1車とユニットを組む。
86-500形(T)
中間付随車。奇数・偶数の区別は存在しない。
86-800形(T6d)
中間付随車の6扉車。奇数・偶数の区別は存在しない。
86-900形(T)
6扉車の置き換え用に製造された車両で、車体構造は103系に準ずる。
導入後の変遷
1次車導入
1986年末に第1編成(87-001F)が製造され、翌1987年5月までに1次車の10両編成6本(87-001F~87-011F)が出揃った。1次車は全編成が新都総合検車区の配属である。編成表は以下の通り。
| ←外回り | 内回り→ | |||||||||
| 号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
| 形式・車種 | ◇ ◇ | ◇ ◇ | ◇ ◇ | |||||||
| 87-000 Mc1 |
87-500 M2 |
86-500 T |
86-500 T |
87-500 M1 |
87-500 M2 |
86-500 T |
86-500 T |
87-500 M1 |
87-000 Mc2 | |
| 機器 | VVVF | DD・CP | VVVF | DD・CP | VVVF | DD・CP | ||||
| 車両番号 | 87-001 ~ 87-011 |
87-502 ~ 87-522 |
86-501 ~ 86-521 |
86-502 ~ 86-522 |
87-503 ~ 87-523 |
87-504 ~ 87-524 |
86-503 ~ 86-523 |
86-504 ~ 86-524 |
87-501 ~ 87-521 |
87-002 ~ 87-012 |
初の量産型VVVFインバータ制御車であったため入念に試運転を重ね、営業運転開始は1987年夏を予定していたが、63系の度重なる故障により予備車が不足したことから2月6日に第4編成(87-007F)を用いて急遽営業運転を開始した。性能試験時にも素子破壊などの故障(主に主制御装置とDC-DCコンバータ)が相次いだことから運転ではメーカーの技術者が同乗するなど細心の注意を図った。2月の営業運転はこの1日だけで終了し、3月21日のダイヤ改正より土休日の限定運用(外回り/内回り各1運用)のみで定期運用を開始した。8月ごろになると機器類の信頼性も向上したことで9月5日のダイヤ修正より限定運用を解除した。翌1988年3月19日のダイヤ改正では逆に59・63系を日中の運用から追い出し、日中のスピードアップが図られた。
2次車導入・向川線での運用開始
1987~88年にかけて向川線用の2次車として5両編成16本(87-013F~87-043F)が製造され、向川検車区に配置された。
| ←真砂 | 桜宮→ | ||||
| 号車 | 1/6 | 2/7 | 3/8 | 4/9 | 5/10 |
| 形式・車種 | ◇ ◇ | ◇ ◇ | |||
| 87-000 Mc1 |
87-500 M2 |
86-500 T |
87-500 M1 |
87-000 Mc2 | |
| 機器 | VVVF | DD・CP | VVVF | DD・CP | |
| 車両番号 | 87-013 ~ 87-043 |
87-526 ~ 87-556 |
86-525 ~ 86-540 |
87-525 ~ 87-555 |
87-014 ~ 87-044 |
3次車導入
延伸開業した向川線であったが予想を上回る利用があり、終日にわたって混雑の激しい路線となった。そのためすべて5両編成であった87系の一部を増結し10両編成とするため、1990年に増結用中間車40両が製造され、2次車に増結された。下線は2次車。
| ←着川市 | 桜宮→ | |||||||||
| 号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
| 形式・車種 | ◇ ◇ | ◇ ◇ | ◇ ◇ | |||||||
| 87-000 Mc1 |
87-500 M2 |
86-500 T |
86-500 T |
87-500 M1 |
87-500 M2 |
86-500 T |
86-500 T |
87-500 M1 |
87-000 Mc2 | |
| 機器 | VVVF | DD・CP | VVVF | DD・CP | VVVF | DD・CP | ||||
| 車両番号 | 87-013 ~ 87-027 |
87-526 ~ 87-540 |
86-525 ~ 86-532 |
86-541 ~ 86-562 |
87-557 ~ 87-571 |
87-558 ~ 87-572 |
86-542 ~ 86-563 |
86-543 ~ 86-564 |
87-525 ~ 87-539 |
87-014 ~ 87-028 |
全て5両編成であった運用初期は77系との混成運用に就いていたが、10両編成は10両編成固定の運用とし、同時にホーム有効長の関係で着川市駅以北へは入線しなくなった。なお1992年12月12日に遠山台駅の配線変更により、向川検車区配置の87系全ての編成向きが逆転(奇数向きが桜宮向き)している。同時に向川検車区の配置車から良住分室に常駐する編成が明確に分離され、87系は都西線区間の運用には就かなくなった。
4次車導入・6扉車連結開始
1987年の1次車導入で状態の悪かった一部車両を置き換え、残りの編成には延命改造を施すことで車両不足の危機は脱した新都環状線であったが、経年劣化の目立つ59・63系を新都環状線から追い出すために1991年より新都総合検車区への87系再投入が行われた。この製造分からは収容力向上のために6扉車が試験的に連結された。またそれ以外にも一部仕様に変更点がある。
6扉車の仕様
側面には片側あたり6枚の両開き扉を配し、扉間隔(中心間距離)は3,120mmとしている。閑散時間帯(平日9時30分以降と土休日。座席が解錠されている時間帯と同一)および始発駅においては4扉車としての開閉選択機能を有し、第2・5扉は締め切ることも可能である。
座席は扉間に3人掛けの折り畳み可能なものを設置し、出区時から平日9時30分(*2)までは折り畳み状態で施錠、9時30分以降と土休日は解錠状態で乗客が任意で展開/折り畳みが可能な運用方法がとられた。このため、6扉車には優先席は設定されていない。
座席の特殊な構造上座席下に搭載する暖房は折り畳み時に使用することができないため、鉄道車両としては珍しい床暖房装置を採用した。車内のつり革は増設され、また中央部にはゴム製緩衝材を巻いたスタンションポールを5本備えた。
空調装置はドア開口部が多くなることから性能強化が図られ、後継車種の91系と同一のFEI-RCU91(冷房能力26,000kcal/h)2基に変更されている。インバータ制御から稼働率制御方式に変更され、補助電源装置の三相交流によって稼働する。
6扉車では試験的に車内表示モニターによる情報提供サービスを実施することになり、各扉上部左右に1基ずつ、合計で1両あたり24基の5インチ級液晶パネルが備えられた。文字放送によりニュース・天気予報や塔野高速鉄道各路線の運行情報を表示することで乗客へのサービス向上となった。
座席は扉間に3人掛けの折り畳み可能なものを設置し、出区時から平日9時30分(*2)までは折り畳み状態で施錠、9時30分以降と土休日は解錠状態で乗客が任意で展開/折り畳みが可能な運用方法がとられた。このため、6扉車には優先席は設定されていない。
座席の特殊な構造上座席下に搭載する暖房は折り畳み時に使用することができないため、鉄道車両としては珍しい床暖房装置を採用した。車内のつり革は増設され、また中央部にはゴム製緩衝材を巻いたスタンションポールを5本備えた。
空調装置はドア開口部が多くなることから性能強化が図られ、後継車種の91系と同一のFEI-RCU91(冷房能力26,000kcal/h)2基に変更されている。インバータ制御から稼働率制御方式に変更され、補助電源装置の三相交流によって稼働する。
6扉車では試験的に車内表示モニターによる情報提供サービスを実施することになり、各扉上部左右に1基ずつ、合計で1両あたり24基の5インチ級液晶パネルが備えられた。文字放送によりニュース・天気予報や塔野高速鉄道各路線の運行情報を表示することで乗客へのサービス向上となった。
6扉車を含めた全車の仕様変更点
車内では荷棚がアルミ金網からステンレスパイプ製に変更されている。台車は牽引装置がリンク式からZリンク式に変更となったFHB-863/862系を新たに使用する。
| ←外回り | 内回り→ | |||||||||
| 号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
| 形式・車種 | ◇ ◇ | ◇ ◇ | ◇ ◇ | |||||||
| 87-000 Mc1 |
87-500 M2 |
86-500 T |
86-500 T |
87-500 M1 |
87-500 M2 |
86-800 T6d |
86-500 T |
87-500 M1 |
87-000 Mc2 | |
| 機器 | VVVF | DD・CP | VVVF | DD・CP | VVVF | DD・CP | ||||
| 車両番号 | 87-045 ~ 87-055 |
87-574 ~ 87-594 |
86-565 ~ 86-580 |
86-566 ~ 86-581 |
87-575 ~ 87-595 |
87-576 ~ 87-596 |
86-801 ~ 86-806 |
86-567 ~ 86-582 |
87-573 ~ 87-593 |
87-046 ~ 87-056 |
6扉車を最も混雑率の高い7号車に連結した6編成が1991年10月から順次落成し、1992年3月14日のダイヤ改正より朝ラッシュ時の特に混雑率の高い列車に優先的に充当される形で営業運転を開始した。これに伴い同数の63系60両が新都環状線の運用を退き、うち40両が8M2Tに組成変更の上で1993年に開業を控えていた青葉浜線への転用改造を受け、残りの20両は廃車となった。6扉車による収容力増強の効果は高く、混雑に起因する遅延が減少した。
5次車導入・6扉車組込拡大
6扉車試験導入の成功を受け、新都環状線には87系の追加導入とそれによる6扉車組込編成の拡大を行うこととなった。また6扉車は7号車に続き6号車にも連結することとした。5次車は合計60両が製造されたが、5次車のみで統一された編成はなく、1次車編成への組み込み用6扉車12両(2両*6編成)と1次車からねん出される4扉T車を組み込んで10連を組成するための48両からなる。この5次車は4次車からの変更点は少ないが、効果の薄かった6扉車の第2・5扉締切機能は廃止されている。また、構造上電装が困難な6扉車を6・7号車に組成する都合、編成内の電動車の位置が変更されている。編成表は以下の通り。下線は1次車。
| ←外回り | 内回り→ | |||||||||
| 号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
| 形式・車種 | ◇ ◇ | ◇ ◇ | ◇ ◇ | |||||||
| 87-000 Mc1 |
87-500 M2 |
86-500 T |
87-500 M1 |
87-500 M2 |
86-800 T6d |
86-800 T6d |
86-500 T |
87-500 M1 |
87-000 Mc2 | |
| 機器 | VVVF | DD・CP | VVVF | DD・CP | VVVF | DD・CP | ||||
| 車両番号 | 87-001 ~ 87-011 |
87-502 ~ 87-522 |
86-501 ~ 86-521 |
87-503 ~ 87-523 |
87-504 ~ 87-524 |
86-807 ~ 86-817 |
86-808 ~ 86-818 |
86-504 ~ 86-524 |
87-501 ~ 87-521 |
87-002 ~ 87-012 |
| 87-057 ~ 87-067 |
87-598 ~ 87-618 |
86-502 ~ 86-522 |
87-599 ~ 87-619 |
87-600 ~ 87-620 |
86-819 ~ 86-829 |
86-820 ~ 86-830 |
86-503 ~ 86-523 |
87-597 ~ 87-617 |
87-058 ~ 87-068 | |
この5次車導入に伴い1994年3月時点で新都環状線の6扉車組込編成は1両連結6編成、2両連結12編成の合計18編成となり、6扉車の優先運用の数はさらに増加した。
6次車導入・6扉車2両統一
成功を収めた6扉車であったが、2両連結編成が多数を占める中で4次車の1両連結編成は中途半端な存在であり、追加の6扉車6両を製造して2両連結編成に統一することとした。これにより余剰となる4扉T車を有効活用し、向川線用5連を10連に増結するため、MMユニット2組4両が製造された。6次車は製造両数が10両と87系の製造単位の中で最も少なく、また先頭車の製造がなかった。
6次車での変更点
6次車では同時期に製造されていた91系の設計を一部取り入れ、車体の大幅なモデルチェンジが図られている。ただ6次車は編成単位では製造されていないため、本格的な91系の仕様導入は次の7次車からとなる。
車体では側面の窓の天地寸法が拡大され、車端部の窓は幅が縮められた。側引戸は91系と同一の高さ1,850mmの複層ガラスのものとし、ドアエンジンも電気スクリュー式に変更、緊急時用の取手が車内外とも左側のみに、また補助ドアレールも省略されている。
車内では床面高さが従来の1,150mmから1,125mmに引き下げられたほか、各種案内がピクトグラム化され、案内表示もプレートからステッカーを用いたものに変更となった。座席は片持ち式のバケットシートとなり、区分柄が付いたものとなった(優先席部のモケットのみ91系と共通)。座席幅も460mmに拡張され、スタンションポール(2人-3人-2人掛けに区分)を新たに設置した。つり革も円形から三角形のもの(色は変わらず白色)に変更となり、高さも1,650mmと既存のものより50mm低くしている。車両間の貫通扉のガラスも大型化したが、91系のものとは異なり自動扉ではない。
車体では側面の窓の天地寸法が拡大され、車端部の窓は幅が縮められた。側引戸は91系と同一の高さ1,850mmの複層ガラスのものとし、ドアエンジンも電気スクリュー式に変更、緊急時用の取手が車内外とも左側のみに、また補助ドアレールも省略されている。
車内では床面高さが従来の1,150mmから1,125mmに引き下げられたほか、各種案内がピクトグラム化され、案内表示もプレートからステッカーを用いたものに変更となった。座席は片持ち式のバケットシートとなり、区分柄が付いたものとなった(優先席部のモケットのみ91系と共通)。座席幅も460mmに拡張され、スタンションポール(2人-3人-2人掛けに区分)を新たに設置した。つり革も円形から三角形のもの(色は変わらず白色)に変更となり、高さも1,650mmと既存のものより50mm低くしている。車両間の貫通扉のガラスも大型化したが、91系のものとは異なり自動扉ではない。
6次車導入に伴い以下のように編成組換が行われた。下線は2・4次車。
| ←外回り | 内回り→ | |||||||||
| 号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
| 形式・車種 | ◇ ◇ | ◇ ◇ | ◇ ◇ | |||||||
| 87-000 Mc1 |
87-500 M2 |
86-500 T |
87-500 M1 |
87-500 M2 |
86-800 T6d |
86-800 T6d |
86-500 T |
87-500 M1 |
87-000 Mc2 | |
| 機器 | VVVF | DD・CP | VVVF | DD・CP | VVVF | DD・CP | ||||
| 車両番号 | 87-045 ~ 87-055 |
87-574 ~ 87-594 |
86-565 ~ 86-580 |
87-575 ~ 87-595 |
87-576 ~ 87-596 |
86-801 ~ 86-806 |
86-831 ~ 86-836 |
86-567 ~ 86-582 |
87-573 ~ 87-593 |
87-046 ~ 87-056 |
| ←桜宮 | 新京橋→ | |||||||||
| 号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
| 形式・車種 | ◇ ◇ | ◇ ◇ | ◇ ◇ | |||||||
| 87-000 Mc1 |
87-500 M2 |
86-500 T |
86-500 T |
87-500 M1 |
87-500 M2 |
86-500 T |
86-500 T |
87-500 M1 |
87-000 Mc2 | |
| 機器 | VVVF | DD・CP | VVVF | DD・CP | VVVF | DD・CP | ||||
| 車両番号 | 87-041 87-043 |
87-554 87-556 |
86-539 86-540 |
86-566 86-575 |
87-621 87-623 |
87-622 87-624 |
86-569 86-578 |
86-572 86-581 |
87-553 87-555 |
87-042 87-044 |
この編成組換によって6扉車を2両連結した編成は合計18本となった。またねん出されたT車と新製されたM車を増結し向川線の10両編成が2本増加、代わりに77系5両2編成が良住分室常駐編成に変更され都西線の増発用となった。これが向川線用の87系の最終増備となり、以降の向川線の増発は63系などのねん出と白崎検車区の91系の増備によってなされることとなる。
87系一旦最終増備
1995年時点で新都環状線に残っていた63系は延命工事を施されていた10編成100両のみとなったが、これを完全に置き換えるべく7次車が製造された。1986年から製造されてきた87系はこれにていったん製造終了となった。この7次車では91系の実運用からのフィードバックにより更なる仕様変更が図られた。
7次車での変更点
まず先頭車に車いすスペースが設置され、非常通報装置が対話可能なものに変更された。優先席部はつり革の高さをさらに1,550mmまで低くし、合わせてオレンジ色のものを採用することで視覚的に目立ちやすくした。6扉車におけるスタンションポールの緩衝材も黒色からオレンジ色に変更となっている。
空調装置は4次車から6扉車で先行採用されていた91系と同一のFEI-RCU-91を全車で本格採用。それに伴い空調装置用の直流電源が不要となるため、補助電源装置はDC-DCコンバータを取りやめ、91系と同一の静止型インバータFEI-AEM-91系を新たに搭載する。AEM-91は二重系で出力および冗長性が高いため、10両編成における5号車のものは準備工事とし編成内2基搭載とした。
空調装置は4次車から6扉車で先行採用されていた91系と同一のFEI-RCU-91を全車で本格採用。それに伴い空調装置用の直流電源が不要となるため、補助電源装置はDC-DCコンバータを取りやめ、91系と同一の静止型インバータFEI-AEM-91系を新たに搭載する。AEM-91は二重系で出力および冗長性が高いため、10両編成における5号車のものは準備工事とし編成内2基搭載とした。
| ←外回り | 内回り→ | |||||||||
| 号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
| 形式・車種 | ◇ ◇ | ◇ ◇ | ◇ ◇ | |||||||
| 87-000 Mc1 |
87-500 M2 |
86-500 T |
87-500 M1 |
87-500 M2 |
86-800 T6d |
86-800 T6d |
86-500 T |
87-500 M1 |
87-000 Mc2 | |
| 機器 | VVVF | S・CP | VVVF | CP | VVVF | S・CP | ||||
| 車両番号 | 87-069 ~ 87-087 |
87-626 ~ 87-662 |
86-583 ~ 86-601 |
87-627 ~ 87-663 |
87-628 ~ 87-664 |
86-837 ~ 86-855 |
86-838 ~ 86-856 |
86-584 ~ 86-602 |
87-625 ~ 87-661 |
87-070 ~ 87-088 |
7次車は1996年12月までに10編成100両が導入され、新都環状線の63系は1997年3月22日のダイヤ改正までに営業運転から撤退。新都環状線はこれにて回生ブレーキの搭載率100%となり、加速性能の良い車両のみで統一されたことで終日にわたって所要時間が1周あたり2~3分短縮された。
86-900形増備
新都環状線の6扉車はホームドア設置の支障となるため4扉車に置き換えることとなり、既存編成の組み換えのみでは不足する車両を新造で補うこととした。ただし87系は103系を用いた近いうちの置き換え計画があったことと、87系自体が最終増備より17年が経過していたことから「103系に準じた仕様で製造し、編成ごと置き換える際には103系の新造編成に組み込む」施策をとった。そこで新製されたT車16両の仕様は103系3次車(当時103系の6扉車置き換え用に製造されていた車両)に順ずるが、以下の相違点がある。
- 側扉上のLCD旅客案内表示機は準備工事とし、白色のパネルで塞ぐ
- ブレーキ装置などの制御はJTOSで行うため、指令の読み替え装置を搭載
- 87系と103系の機器配置の違いから空気圧縮機(CP)を省略
改造
車いすスペース設置
7次車以外の編成には車いすスペースが設置されていなかったため、1999~2001年にかけて1~5次車の全先頭車(62両)に設置を行った。その際に車いすスペース区画のつり革が7次車と同様の三角形・オレンジ色のものに交換されている。
デジタルATC設置
新都環状線においては2007年春より列車制御装置をデジタルATCに変更することとなり、2002年度より新都総合検車区配置車28編成の先頭車56両(ただし1両は元向川検車区配置車。理由は後述)に車上装置が設置されている。とくに87-085,087Fは先行して改造され、103系とともに夜間の試験運行に用いられた。デジタルATCの使用開始は2006年春に前倒しされたため、2005年10月には全編成に設置が完了している。
デジタル列車無線搭載工事
塔野高速では2007年度から2009年度までにすべての路線で列車無線のデジタル化を実施した。本形式にも設置工事が施工されており、当時現存していた43編成の先頭車86両に順次設置された。
行先表示機換装
2009年度より一部編成の行先表示機が3色LEDを用いたものに換装されている。
運用
■新都環状線
新都環状線には合計10両編成28本の280両が新製導入された。当初は土休日のみの限定運用であったがのちに解除されている。最終的に全編成が6扉車を2両組み込む編成となったため、これらは朝ラッシュ時の混雑率の高い列車に優先して充当する運用とした。2006年3月のダイヤ改正では新都総合検車区配置の全76編成が6扉車組込編成となり、優先運用が無くなった。
その後、2013年度より新都環状線へホームドアを設置するにあたり6扉車に対応したホームドアの設置は困難であることから、6扉車を4扉車に置き換えることとした。ただし87系は最終増備より17年が経過していたことから、以下のように編成を組み替えて対応することとした。主に冷房装置・補助電源装置の関係で1~6次車と7次車のグループに分けて編成組み換えが実施された。
- 1~6次車で構成されていた18編成は2編成1組とし、片方の編成の4扉T車をもう片方の編成の6扉車の代わりに組み込み、すべて4扉車で統一された9編成とする(余剰車90両はそのまま廃車)
- 7次車はうち2編成を用いて上記1~6次車と同様の組み換えを実施、残り8編成には新製の86-900形を組み込む(旧8号車を4号車に移動、7・8号車に組み込み)
不足車は103系49~58編成の増備により補った。これにより合計116両の廃車が行われ、新都環状線に残存する87系は18編成180両まで減少した。
こののち2017年より残り17編成の置き換えも行われ、86-900形は102-900形に改造・改番されたうえで103系の59~66編成に組み込まれている。最後まで運用されていたのは87-061編成で、2019年3月のダイヤ改正をもって運行を終了。臨時列車として運行を行った後で除籍された。
こののち2017年より残り17編成の置き換えも行われ、86-900形は102-900形に改造・改番されたうえで103系の59~66編成に組み込まれている。最後まで運用されていたのは87-061編成で、2019年3月のダイヤ改正をもって運行を終了。臨時列車として運行を行った後で除籍された。