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【船の各部名称】マストと索具 - (2016/06/30 (木) 17:21:03) のソース

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*21世紀の船(マストと索具)

こちらはオランダのバーク船Europa。マストに繋がってる紐がぜ~んぶ索具。
マストの先っぽでピロピロしてるのは国旗や信号旗。
信号旗が使われるのは18世紀になってから。係留中の船は昼間はN旗、夜間は緑色灯をウンヌンって規則があるみたい。
[[wikipedia>http://en.wikipedia.org/wiki/Europa_%28ship%29]]

|&ref(21世紀の船_全体.JPG,,height=200)|BGCOLOR(lightgrey):CENTER:下から|BGCOLOR(lightgrey):CENTER:上から|
|~|&ref(21世紀の船_索具(下).JPG,,height=300)|&ref(21世紀の船_索具(上).JPG,,height=150)|
|~|~|BGCOLOR(lightgrey):CENTER:裏から|
|~|~|&ref(21世紀の船_索具(裏).JPG,,height=150)|


*船の各部名称(細かい部品は全部無視だ)

部品の名称は船によってイロイロ。
実際はロープを下げるロープや滑車にまでお名前が…。それぞれのお仕事はこちら[[【船の各部名称】ざっくり一覧>【船の各部名称】ざっくり一覧]]をどうぞ。
見比べたらちょびっとは乗り越えられそう。

&ref(船の各部名称_マストと索具.PNG)

こちらはイギリス海軍士官キャプテン・クックが乗ってたHMS Endeavour(Bark 1768)の模型。索具がかなりシンプル。
ハリヤードは間違ってるかも。ふえええ、索具ってムズカシイ…。
あとセイル広げると檣楼が前見えないっぽいです。ホンモノの船(写真)でも見えないっぽいです。裾をペロってめくるの?


**静索(Standing rigging)

マストや帆を支えるための棒とロープ。

|>|BGCOLOR(lightgrey):CENTER:コース|>|BGCOLOR(lightgrey):CENTER:トップ|>|BGCOLOR(lightgrey):CENTER:トップゲルン|>|BGCOLOR(lightgrey):CENTER:ロイヤル|
|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(lightgrey):斜檣|
|BGCOLOR(skyblue):a1|Bowsprit|BGCOLOR(skyblue):a2|Jib-boom|||||
|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(lightgrey):トップ(檣楼)|
|||BGCOLOR(skyblue):b1|Fore, Main, Mizen top|BGCOLOR(skyblue):b2|Fo, Ma, Mi crosstree|||
|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(lightgrey):マスト(檣、帆柱)|
|BGCOLOR(skyblue):c1|Fo, Ma, Mi mast|BGCOLOR(skyblue):c2|Fo, Ma, Mi top mast|BGCOLOR(skyblue):c3|Fo, Ma, Mi top-gallant mast|BGCOLOR(skyblue):c4|Fo, Ma, Mi royal mast|

&ref(船の各部名称_マストと索具(静索).PNG)

|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(lightgrey):ステイ(前支索)…マストを支えるロープ|
|BGCOLOR(yellow):a1|Bob, Martingal stay|BGCOLOR(yellow):a2|Fo, Ma, Mi stay|BGCOLOR(yellow):a3|Fo, Ma, Mi top stay|BGCOLOR(yellow):a4|Fo, Ma, Mi top-gallant stay|
|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(lightgrey):シュラウド(横静索)…マストに登る縄梯子|
|BGCOLOR(yellow):b1|Fo, Ma, Mi shroud|BGCOLOR(yellow):b2|Fo, Ma, Mi futtock shroud|BGCOLOR(yellow):b3|Fo, Ma, Mi top shroud|BGCOLOR(yellow):b4|Fo, Ma, Mi top-gallant shroud|
|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(lightgrey):バックステイ(後支索)…マストを支えるロープ|
|||||BGCOLOR(yellow):c1|Fo, Ma, Mi top standing backstay|BGCOLOR(yellow):c2|Fo, Ma, Mi top-gallant standing backstay|
|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(lightgrey):その他|
|BGCOLOR(yellow):d1|Fo, Ma, Mi chain|BGCOLOR(yellow):d2|Fore, Main stay tackle|||||


**動索(Running rigging)

帆を操作する棒とロープ。

|>|BGCOLOR(lightgrey):CENTER:コース|>|BGCOLOR(lightgrey):CENTER:トップ|>|BGCOLOR(lightgrey):CENTER:トップゲルン|>|BGCOLOR(lightgrey):CENTER:ロイヤル|
|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(lightgrey):ヤード(帆桁)…横帆を張る棒|
|BGCOLOR(skyblue):a1|Sprit-sail yard|BGCOLOR(skyblue):a2|Sprit-topsail yard|||||
|BGCOLOR(skyblue):b1|Fore, Main, Cross-jack yard|BGCOLOR(skyblue):b2|Fore, Main, Mizen top yard|BGCOLOR(skyblue):b3|Fo, Ma, Mi top-gallant yard|BGCOLOR(skyblue):b4|Fo, Ma, Mi royal yard|
|BGCOLOR(skyblue):c1|Spanker-boom|BGCOLOR(skyblue):c2|Spanker-gaff|||||

&ref(船の各部名称_マストと索具(動索).PNG)

|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(lightgrey):ヤードリフト…ヤードを吊っているロープ|
|BGCOLOR(yellow):a1|Sprit-sail, Sprit-topsail lift|||||||
|BGCOLOR(yellow):a2|Fore, Main, Cross-jack lift|BGCOLOR(yellow):a3|Fo, Ma, Mi top lift|BGCOLOR(yellow):a4|Fo, Ma, Mi top-gallant lift|||
|BGCOLOR(yellow):a5|Spanker lift|||||||
|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(lightgrey):ブレース…ヤードを動かすロープ|
|BGCOLOR(yellow):b1|Sprit-sail, Sprit-topsail brace|||||||
|BGCOLOR(yellow):b2|Fore, Main, Cross-jack brace|BGCOLOR(yellow):b3|Fo, Ma, Mi top brace|BGCOLOR(yellow):b4|Fo, Ma, Mi top-gallant brace|||
|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(lightgrey):ハリヤード…帆を上げ下げするロープ|
|BGCOLOR(yellow):c1|Sprit-sail, Sprit-topsail halyard|||||||
|||BGCOLOR(yellow):c2|Fore, Main top halyard|BGCOLOR(yellow):c3|Fo, Ma, Mi top-gallant halyard|BGCOLOR(yellow):c4|Fore, Main royal halyard|
|BGCOLOR(yellow):c5|Spanker halyard|||||||
|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(lightgrey):その他|
|BGCOLOR(yellow):d1|Fore yard tackle|BGCOLOR(yellow):d2|Foot rope|||||


*マスト/檣(しょう)/帆柱(Mast)

マストはセイルを張る大事な柱で、たいていの船はフォア・メイン・ミズンの3本マスト。
それぞれのマストは、電柱みたいに1本ズドーンとした棒。20世紀になると船が大きくなって数本つなげるようになった。
[[wikipedia>http://en.wikipedia.org/wiki/Mast_%28sailing%29]]

|&ref(マスト.PNG)|&ref(マスト_折れた.JPG,,height=200)げっ、折れた|

マストは船体の底にある檣座(檣根座:Mast step、檣根枠:Tabernacle)にプスッと刺さってる。
船体の上ではステイ、バック・ステイ、シュラウドで支えてる。
もしマストが折れてリニューアルなんてことになったら、そりゃもう大変なお仕事。

|&ref(マスト_支える(檣座).PNG)|&ref(マスト_支える(ロープ).PNG)甲板から見上げると|


*檣楼(Top)とクロスツリー(Crosstree)

檣楼は見張り、操帆、射撃する場所。出入りは索具を通すラバーズ・ホール(檣楼昇降口)の穴からどうぞ。
クロスツリー(檣楼のもっと上にある)はヤードを吊る棒。
[[wikipedia>http://en.wikipedia.org/wiki/Top_%28sailing_ship%29]]

|&ref(檣楼とクロスツリー_檣楼.PNG)檣楼|&ref(檣楼とクロスツリー_クロスツリー.PNG)クロスツリー|
※このマストは数本の棒をつないぐタイプ。


*シュラウド(Shroud)とファトック・シュラウド(Futtock shroud)

シュラウド(横静索)はマストを支えるロープ。シュラウドにラットライン(段索)が合体して縄梯子になってる。
荷物を運ぶときは、[[ファトック・シュラウド>http://en.wikipedia.org/wiki/Futtock_shrouds]](檣楼下横静索)からどうぞ。
習熟した船乗りならここから檣楼へ登れる。こんなことホイホイできちゃうジェフリーってすごいっっっ!
[[wikipedia>http://en.wikipedia.org/wiki/Shroud_%28sailing%29]]

|&ref(シュラウドとファトック・シュラウド.PNG)|&ref(シュラウドとファトック・シュラウド_ファトック・シュラウド.JPG,,height=300)習熟した人|


*ヤード(Yard)とフット・ロープ(Foot rope)とガスケット(Gasket)

ヤードはセイルを張る棒。行き方はシュラウドを登る→ヤードに到着→フット・ロープで横移動です。
とっても高いところだから、21世紀はヤードに安全ベルトをかけてお仕事してる。
畳んだセイル(畳帆)は[[ガスケット>http://en.wikipedia.org/wiki/Gasket_%28sailing%29]]で縛る。セイルを拡げたら(展帆)、ガスケットはクルクル(gasket coil)しておく。
[[wikipedia>http://en.wikipedia.org/wiki/Yard_%28sailing%29]]

|&ref(ヤードとフットロープ.PNG)|&ref(ヤードとフットロープ_畳帆.JPG,,height=300)畳帆中。高所恐怖症の人はムリそう|


*ステイ・テークル(Stay tackle)とヤード・テークル(Yard tackle)

テークル(滑車装置)は[[荷役>http://en.wikipedia.org/wiki/Stevedore]](貨物の上げ下ろし)に使うロープと[[滑車>http://en.wikipedia.org/wiki/Block_%28sailing%29]]を組み合わせた装置です。クレーン車の先っぽのアレ。
ステイ、ヤード、…アチコチにぶら下がってる。
貨物の大きさ重さによってやり方はイロイロ。たぶん時代によってもイロイロ、船によってもイロイロです。
[[wikipedia>http://en.wikipedia.org/wiki/Block_and_tackle]]

&ref(ステイ・テークルとヤード・テークル.JPG)

#region(close,滑車ってスゴイ♥)

滑車は小さい力で重い物を持ち上げたり、力の方向を変えたりする装置です。ボートや錨の上げ下ろしに大活躍。
大活躍だからアチコチにアリ。
16世紀は人間が引き縄を引っ張って持ち上げてます。電気なんて無くったってヘッチャラさ!

&ref(ステイ・テークルとヤード・テークル(滑車).JPG)イングランドのガレオン船(1607年:[[Jamestown Settlement>https://en.wikipedia.org/wiki/Jamestown_Settlement]])

#blockquote(){&u(){&bold(){小さい力で重い物を持ち上げる}}

「定滑車」は荷物が上がる方向と人間が力を出す方向を変える装置です。持ち上げるより引っ張る方が楽チンだもんね。
「動滑車」は人間と天井で引っ張る力を半分こする装置。
その合わせ技が「複滑車」。いくつか画をチェックしたら船は「複滑車」をいっぱい使ってるっぽいです。

&ref(ステイ・テークルとヤード・テークル(滑車:小さい力で重い物).JPG)滑車と仕事(中学理科で習います)
}

#endregion


*投鉛台、投錨台(Chain/Channel)

投鉛台は測鉛手(chainsman)が海の深さを測る「バイ・ザ・マーク・テン」の場所。測深のやり方はこちら[[【船】航海]]をどうぞ。
船の両側に付いてる。
横支索留め板(chainwale)が張り出してるおかげで、シュラウドの傾斜も緩やかになる。
[[wikipedia>http://en.wikipedia.org/wiki/Chains_%28nautical%29]]

|&ref(投鉛台.PNG)|&ref(投鉛台_測鉛.JPG,,height=300)測鉛(左舷で測ってる)|

フォアは投錨台と呼ぶのでしょうか?アンカーをアータラカータラするの?調べたけど分からなかったです。

&ref(投鉛台_投錨台.JPG,,height=300)HMSヴィクトリー号(18世紀)

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