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【海戦】海戦の戦術 - (2015/01/27 (火) 19:00:55) のソース

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 あーっ!見つかっちゃった!このページは編集中です。もし完成したらメニューに載せますね。

*海戦の戦術

[[戦術>http://en.wikipedia.org/wiki/Tactic_(method)]]は戦場での「戦い方」。海戦だと[[海戦術>http://en.wikipedia.org/wiki/Naval_tactics]]です。
スペインの[[テルシオ>http://en.wikipedia.org/wiki/Tercio]]、[[織田信長>http://en.wikipedia.org/wiki/Oda_Nobunaga]]の三段撃ち、アルマダ海戦の[[火船>http://en.wikipedia.org/wiki/Fire_ship]]、…世の中には戦術がワンサカ。

&ref(海戦の戦術.JPG)


**戦略・作戦・戦術・兵站

海戦するときはイングランドもスペインも勝つための[[戦略>http://en.wikipedia.org/wiki/Strategy]]を考えます。そして戦略を成功するために必要な[[作戦>http://en.wikipedia.org/wiki/Military_operation]]を考えます。
[[戦術>http://en.wikipedia.org/wiki/Tactic_(method)]]は「戦い方」。
作戦を達成するために必要な戦術を組み合わせます。[[兵站>http://en.wikipedia.org/wiki/Military_logistics]](へいたん)は物資の補給・輸送・整備と備蓄。ムズカシイ…orz
[[wikipedia>http://en.wikipedia.org/wiki/Naval_tactics_in_the_Age_of_Sail]]

&ref(戦術.PNG)こんな感じ?

#region(close,日常の戦略・作戦・戦術・兵站)

戦略・作戦・戦術は上から下へどんどん具体的になります。具体的に決まったらお買い物(兵站を計画)。
夕方になったらお料理開始(開戦)。
冷蔵庫から材料を取り出し(補給:兵站の1つ)ながらカレーとサラダを作ります(作戦を実施)。意外と日常的っぽい。

&ref(戦術(日常).PNG)こんな感じ?

#blockquote(){&u(){&bold(){ビセンテもキッパリ言ってる「兵站は重要だ!」(23巻)}}

カレーやサラダの材料が全部手に入るのは、農家、物流、スーパーの経済の兵站(ロジスティクス)が完璧だからです。
兵站って重要。
ちなみにF&Bを届けてくれるクロネコヤマトさん達はロジスティクス・サービス(物流事業)といいます。ありがとう兵站!

&ref(戦術(日常:兵站).JPG)戦争の兵站

戦争の兵站も戦うために必要な兵隊や物資(食料、弾薬、…)の「補給・輸送・整備」です。腹が減っては戦はできぬ。
完璧にしても戦場は状況がコロコロ変化するもの。
皆さんの状況をバッチリ把握する「情報と備蓄管理」も大切なお仕事です。足りなくて困ってたら補給しなくちゃね!
}

#blockquote(){&u(){&bold(){戦略・作戦・兵站は誰が考えるの?}}

司令官は部隊を指揮する指揮官、[[参謀>http://en.wikipedia.org/wiki/Staff_(military)]]は司令官の補佐官です。お仕事ワンサカな司令官をブレーンの参謀がサポートします。
ってことで、戦略・作戦・兵站は参謀が計画。
計画を決定して実際に指揮するのは司令官です。参謀は司令官への発言権はあるけど決定権や指揮権はありません。

&ref(戦術(日常:参謀).PNG)こんな感じ?

21世紀は専門の参謀チームが戦略・作戦・兵站を計画します。
初めての参謀チームは1795年参謀長[[ルイ=アレクサンドル・ベルティエ>http://en.wikipedia.org/wiki/Louis-Alexandre_Berthier]]が[[イタリア部隊>http://en.wikipedia.org/wiki/Army_of_Italy_(France)]]に設置([[フランス革命戦争>http://en.wikipedia.org/wiki/French_Revolutionary_Wars]])。
アルマダ海戦もスペイン参謀長[[ディエゴ・フローレス・デ・バルデス>http://pl.wikipedia.org/wiki/Diego_Flores_de_Valdez]]がいます。
}

#endregion

#region(close,兵站を忘れたらどうなるの?)

火器(銃や大砲)より兵士がメインの16世紀は「兵站はまあまあ重要だ!」です。食料は行く先々の村を襲えばオケ。
とはいえ村に十分な食料があるとは限らない。
兵士が大勢なら更にリスキー。ちゃんと兵站を準備しないと戦場(作戦地域)の兵士は全滅しちゃうかもしれません。

&ref(戦術(兵站).JPG)こんな感じ?

アルマダ海戦でイングランドは弾薬の不足に悩みます。あちゃー!兵站をちゃんと考えてなかったのね。
ってことで、火器がメインの17世紀になると「兵站はとっても重要だ!」へ進化。
村人は弾薬を持ってないから現地調達できません。あと兵站を準備しても兵站ラインを敵に分断されたらヤバイです。

#blockquote(){&u(){&bold(){その後、兵站が勝敗を左右する時代へ}}

軍艦や戦車でバンバンの[[WW2>http://en.wikipedia.org/wiki/World_War_II]](1939–1945年)は「戦場で必要な兵隊や物資を送り続ける兵站」が勝敗を左右しました。
連合国と枢軸国のグローバル補給戦。
兵站をちゃんと準備できなかった日本は負けちゃいます。餓死した日本兵もたくさんいます。

&ref(戦術(兵站:21世紀).JPG)他の船に燃料補給中の補給艦[[RFA Fort Victoria>http://en.wikipedia.org/wiki/RFA_Fort_Victoria_(A387)]](21世紀:イギリス海軍)

ちなみに16世紀は「戦場で指揮官の采配や戦隊の士気」が勝敗を左右します。なんかアルマダ海戦の方が人間っぽいな。
}

#endregion


*帆船時代は 「敵の風上を陣取る」が鉄則

**風が凪いだら曳航(えいこう)

曳航は風が凪いだとき、風に逆らうときに船をボートに曳かせて進む/旋回するメジャーな手法です。
船の[[小柱>http://en.wikipedia.org/wiki/Bollard]]とボートをロープで接続。
小型船ならボートの代わりに小錨(kedge anchor)や[[シー・アンカー>http://en.wikipedia.org/wiki/Sea_anchor]]を海に投げ入れてロープをたぐり寄せて進んでもオケです。
[[wikipedia>http://en.wikipedia.org/wiki/Warping_(sailing)]]

&ref(風上_曳航.JPG)ボートで曳航するUSSコンスティチューション号(1812–1815年:[[米英戦争>http://en.wikipedia.org/wiki/War_of_1812]])

#region(close,2日2晩ボートを漕ぎまくったUSSコンスティチューション号)

米英戦争でアメリカ海軍[[アイザック・ハル>http://en.wikipedia.org/wiki/Isaac_Hull]]艦長は勝手に[[フリゲート>http://en.wikipedia.org/wiki/Frigate]][[USSコンスティチューション号>http://en.wikipedia.org/wiki/USS_Constitution]]を出撃させちゃいました。
1812年7月18日エッグ・ハーバー沖でイギリス艦隊に遭遇。
なんか風が凪ぎそう…ヤバイ!逃げられない!ってことで、船をボートに曳航させて逃げ切ります。

#blockquote(){&u(){&bold(){曳航するときのワンポイント♥}}

ハル艦長はボートで曳航と同時に、船尾からイギリス艦隊を砲撃して同じ手法を使わせないようにします。ほー!
飲料水(10t)も放棄して船を軽量化。
帆を濡らして風という風を全部キャッチ(帆が重たくなってイイらしい)。
徐々に追撃するイギリス艦隊を引き離します。一番大変だったのは真夏の暑さの中で2日2晩漕ぎまくった皆さん。

&ref(風上_曳航.JPG)イギリス艦隊を引き離すUSSコンスティチューション号
}

#blockquote(){&u(){&bold(){因縁のHMSゲリエール号}}

追撃したイギリス艦隊の1隻は[[HMSゲリエール号>http://en.wikipedia.org/wiki/HMS_Guerriere_(1806)]]です。2人は8月19日[[ハリファックス沖>http://en.wikipedia.org/wiki/Halifax_(former_city)]]でまたもや再会。
両艦は「戦闘帆(Fighting Sail:トップスルとジブのみ)」に帆を絞って戦闘開始。
ハル艦長は「拳銃射程の半分の距離(23m)」まで近づいて、お互いバンバン撃ち合います。砲撃戦は15分間続きました。
[[wikipedia>http://en.wikipedia.org/wiki/USS_Constitution_vs_HMS_Guerriere]]

&ref(風上_曳航(因縁).JPG)海戦図

HMSゲリエール号はボロボロ。舷側が厚いUSSコンスティチューション号は当たった砲弾を跳ね返して元気です。えっ!?
次はお互いマスケット銃でバンバン銃撃戦。
移乗攻撃は荒波で断念しました。バンバン…HMSゲリエール号のフォアとメインマストが海へ落ちます。

&ref(風上_曳航(ゲリエール号).JPG)USSコンスティチューション号(右)とボロボロのHMSゲリエール号(左)

HMSゲリエール号が明後日の方向へ大砲を撃ちます。ハル艦長はこれを「降伏の合図」と受け取りました。
そしてHMSゲリエール号の[[デイカーズ>http://en.wikipedia.org/wiki/James_Richard_Dacres_(1788%E2%80%931853)]]艦長は降伏。
デイカーズ艦長が差し出しす降伏の剣をハル艦長は「あれほど勇敢に戦った者から剣を受け取れない」と断ります。
戦利品のHMSゲリエール号はボロボロすぎて曳航できず、火を放って爆発させました。
}

#endregion


*アルマダ海戦の戦闘


**白兵戦と砲撃戦(アウトレンジ戦法)

[[白兵戦>http://en.wikipedia.org/wiki/Close_combat]]は兵士と兵士が白刃(剣やナイフ)で戦う接近戦。[[砲撃戦>http://en.wikipedia.org/wiki/Naval_artillery_in_the_Age_of_Sail]]は船と船が火器(銃や大砲)で戦う遠隔戦です。たぶん。
大昔から海戦の最後は白兵戦で決着。
16世紀前半に大砲が登場すると海戦は白兵戦から砲撃戦に変わっていきます。アルマダ海戦はターニングポイント。

&ref(戦術_白兵戦.JPG)

#region(close,アルマダ海戦で白兵戦を続けたスペイン。白兵戦を捨てたイングランド)

アルマダ海戦でスペインとイングランドの戦術は違います。
・スペインは従来の戦法「イングランド船に海兵隊が乗り込んで戦う白兵戦([[切り込み>http://en.wikipedia.org/wiki/Naval_boarding]])」。
・イングランドは新しい戦法「スペイン船と距離を保って大砲を撃つ砲撃戦(アウトレンジ戦法)」。
結局スペインが近づくとイングランドは逃げちゃったので白兵戦は失敗。
あらま!白兵戦しなくても海戦できるじゃないの!ってことで、アルマダ海戦から白兵戦は採用されなくなります。

&ref(戦術_白兵戦(アルマダ海戦).JPG)緑色の線が風

戦法の違いには家庭のご事情があります。スペインの戦場(相手はイタリアやオスマン帝国)は穏やかな地中海がメイン。
イングランドの戦場(相手はフランス)は穏やかじゃないイギリス海峡。
風や波でプカプカ揺れる船だと敵船に乗り込むのは大変です。ってことで、イングランドはどんどん大砲に頼っていったの。

#blockquote(){&u(){&bold(){スペインのオールと大砲}}

地中海は強い風が吹きません。ってことでスペインの海戦はオールでガコガコ漕ぐ[[ガレー船>http://en.wikipedia.org/wiki/Galley]]が主力でした。
ガレー船の舷側はオールがズラー。オールを漕ぐ人がズラー。
大砲を乗せる場所もないし、重量にも余裕がなかった。ってことで、スペインは白兵戦が大好きです。

&ref(戦術_白兵戦(アルマダ海戦:オールと大砲).JPG)地中海で戦うスペインのガレー船(1571年:[[レパントの海戦>http://en.wikipedia.org/wiki/Battle_of_Lepanto]])

こんなご事情もあって、スペインの戦術改革はイングランドより遅くなった(必要性がなかった)そうです。
うーん、大西洋で戦うビセンテの[[ガレオン船>http://en.wikipedia.org/wiki/Galleon]]にはちゃんと大砲あるわよ?
戦う相手は略奪が目的の[[私掠船>http://en.wikipedia.org/wiki/Privateer]]。私掠船は白兵戦が大好き。だから海戦の戦略を変える必要なかったのかしら?
}

#endregion


**切り込み(移乗攻撃)

[[切り込み>http://en.wikipedia.org/wiki/Naval_boarding]]は海戦で兵士が敵船に乗り込んで戦う白兵戦です。「船の破壊」じゃなく「船の制圧・略奪」が目的。
ジェフリーやビセンテも御愛用。
アルマダ海戦以降、だんだん大砲の性能が良くなると「ヨーロッパで切り込みは時代遅れだよね♪」になります。

&ref(戦術_切り込み.JPG)Pieter Brünniche画「The Battle of Lepanto」(1762年)

#region(close,切り込み専門のスペイン海兵隊)

スペイン海軍には切り込み専門の[[スペイン海兵隊>http://en.wikipedia.org/wiki/Spanish_Navy_Marines]](設立:1537年)があります。現存する最古の海兵隊。
1537年スペイン王[[カルロス1世>http://en.wikipedia.org/wiki/Charles_V,_Holy_Roman_Emperor]](王フェリペ2世の父親)は[[テルシオ>http://en.wikipedia.org/wiki/Tercio]](las compañías viejas del mar de Nápoles)から[[海兵隊>http://en.wikipedia.org/wiki/Marines]](las escuadras de galeras del Mediterráneo)を設立。
王フェリペ2世が海兵隊を21世紀と同じ「[[上陸戦>http://en.wikipedia.org/wiki/Landing_operation]]を担当する海軍歩兵部隊」にします。

&ref(戦術_切り込み(海兵隊).JPG)フアン・ルナ画「[[The Battle of Lepanto>http://en.wikipedia.org/wiki/The_Battle_of_Lepanto_(Luna_painting)]]」(1887年)

#blockquote(){&u(){&bold(){王フェリペ2世の海兵隊}}

王フェリペ2世が設立した海兵隊はこちらの4部隊です。[[レパントの海戦>http://en.wikipedia.org/wiki/Battle_of_Lepanto]](1571年)やアルマダ海戦(1588年)にも参戦。
テルシオの意味は1/3。
1/3は[[マスケット銃士>http://en.wikipedia.org/wiki/Musketeer]]、1/3は[[槍兵>http://en.wikipedia.org/wiki/Spear]]、1/3は[[パイク兵>http://en.wikipedia.org/wiki/Pike_(weapon)]]で構成されてます。皆さん大砲も担当してるっぽい。
・Tercio Nuevo de la Mar de Nápoles
・Tercio de la Armada del Mar Océano
・Tercio de Galeras de Sicilia.
・Tercio Viejo del Mar Océano y de Infantería Napolitana
&ref(戦術_切り込み(海兵隊:王フェリペ2世の海兵隊).JPG)

ちなみに[[甲冑>http://en.wikipedia.org/wiki/Plate_armour]]を着て海に落ちると確実に溺れちゃいます。泳ぎの達者なカッパでもムリでしょう。皆さん気をつけてね!
}

#blockquote(){&u(){&bold(){ついでにイングランドの海兵隊}}

前身は[[第2次英蘭戦争>http://en.wikipedia.org/wiki/Second_Anglo-Dutch_War]]で編成された「Duke of York and Albany's Maritime Regiment of Foot」(設立:1664年)です。
1755年「His Majesty's Marine Forces(21世紀:[[Royal Marines>http://en.wikipedia.org/wiki/Royal_Marines]])」を常設。
スペイン(1537年)、ポルトガル(1610年)、フランス(1622年)に続いてヨーロッパで4番目の海兵隊です。
[[wikipedia>http://en.wikipedia.org/wiki/History_of_the_Royal_Marines]]

&ref(戦術_切り込み(海兵隊:イングランドの海兵隊).JPG)

前身が黄色っぽいのは[[ヨーク公>http://en.wikipedia.org/wiki/Duke_of_York]](後の[[王ジェームズ2世>http://en.wikipedia.org/wiki/James_II_of_England]])の好きな色だからだそうです。なんというキラッキラ。
21世紀の戦闘服はとっても地味。
海兵隊なのに海がないアフガニスタンにいるのは、モットーが「Per Mare Per Terram:海に、陸に」だからです。大変ね。

&ref(戦術_切り込み(海兵隊:イングランドの21世紀).JPG)

ちなみに合同練習の銃がビシャビシャに濡れてるけど、21世紀の銃はお水をちゃんと切れば問題なく撃てるそうです。
火薬が薬莢の中に入ってるからオケなの。
マスケット銃は火薬が外なのでビシャビシャに濡れたら撃てません。
}

#endregion

#region(close,「切り込み」のやり方)

最初にバンバン大砲を撃つ(砲撃戦)と索具やマストが破壊された敵船は運動性を失います。こっちが優勢になるの♥
優勢になったら敵船に乗り込んでトドメを刺す(白兵戦)。
逆に切り込みされたら、[[手投げ弾>http://en.wikipedia.org/wiki/Hand_grenade]]や[[パイク>http://en.wikipedia.org/wiki/Pike_(weapon)]](先っぽに刃が付いてる長い棒)で阻止します。

|&ref(戦術_切り込み(方法).JPG)[[海兵隊の切り込み>http://en.wikipedia.org/wiki/Cutting_out_of_the_Hermione]](1799年)|>|>|BGCOLOR(lightgrey):CENTER:「切り込み」のやり方|
|~|BGCOLOR(lightgrey):砲撃|BGCOLOR(lightgrey):①|敵船を大砲でバンバン撃つ。|
|~|BGCOLOR(lightgrey):接舷|BGCOLOR(lightgrey):②|敵船がヘロヘロになる。|
|~|~|BGCOLOR(lightgrey):③|敵船に接舷する。|
|~|~|BGCOLOR(lightgrey):④|敵船に兵士が乗り込む。&br()[[援護射撃>http://en.wikipedia.org/wiki/Fire_support]]でサポートする。|
|~|BGCOLOR(lightgrey):白兵戦|BGCOLOR(lightgrey):⑤|敵の兵士と剣やナイフで戦う。|

最初にバンバン大砲を撃たないで、敵船に小型ボートでコッソリ近づいて切り込む(奇襲戦術)もアリです。
夜中にやった方が成功率アップ。
逆にコッソリ奇襲の防止は、舷側に網(anti boarding net)を張ってボートの接近を阻止します。18世紀後半に大人気。

#blockquote(){&u(){&bold(){敵船に接舷したら乗り込もう!}}

帆船時代の切り込みは「小型ボートで乗り込む」「接舷して[[舷縁>http://en.wikipedia.org/wiki/Gunwale]]から飛ぶ」のが一般的です。集団で一気にドドドドドー!
ボートから敵船へ乗り込むとき、自分と敵船を固定するときは[[鉤縄>http://en.wikipedia.org/wiki/Grappling_hook]]を使うと便利。
あっ、映画でお馴染みの「[[ヤード索具>http://en.wikipedia.org/wiki/Rigging]]でビューンっと飛び込む」はフィクションだそうです。記録がないんだって。

&ref(戦術_切り込み(方法:接舷).JPG)

渡り板(Gangplank?)はぜーんぜん分からなかったです。渡り板の方が集団で一気にドドドドドー!っぽいですよね。
こちらは数少ない検索ヒットした渡り板。
1812年英米戦争でイギリス海軍に連行されるアメリカ水夫です。うーん、調べ方が悪かったのかもorz

&ref(戦術_切り込み(方法:渡り板).JPG)

風や波でプカプカ揺れる船だと渡り板がズリ落ちちゃいそうで心配。ジェフリーやビセンテも一緒に落ちちゃいます。
なにか工夫してるのかしら?
[[古代ローマ海軍>http://en.wikipedia.org/wiki/Roman_navy]]の渡り板[[コルウス>http://en.wikipedia.org/wiki/Corvus_(boarding_device)]]には先っぽにスパイクが付いてました。敵船に突き刺さる…これなら安全っぽい。
}

#blockquote(){&u(){&bold(){渡り板の応用編?}}

[[板の歩行>http://en.wikipedia.org/wiki/Walking_the_plank]]は海賊、[[反乱者>http://en.wikipedia.org/wiki/Mutiny]](海軍で反乱を起こした人達)、危険な船員への懲罰の板です。ここから海へドボーン。
ジェフリー達には全く関係ない板。
乗組員の娯楽に捕虜を強制的に歩かせて怖がらせたりすることもあります。そーゆー時代なのね。

&ref(戦術_切り込み(方法:応用編).JPG)[[ハワード・パイル>http://en.wikipedia.org/wiki/Howard_Pyle]]画「Buccaneers and Marooners of the Spanish Main」(1887年)
}

#endregion


*アルマダ海戦の陣形

陣形は海戦で艦隊を「安全・柔軟・迅速」に「戦闘力を最大に発揮」できる船の配置です。
なんか世の中には色んな陣形があるっぽい。形が似てても色んなお名前あるっぽい。素人が語るには奥が深すぎるっぽい。
ってことで、アルマダ海戦に登場する陣形をポワーンとご紹介します。
[[wikipedia>http://en.wikipedia.org/wiki/Tactical_formation]]

&ref(陣形.JPG)省エネの[[V字飛行>http://en.wikipedia.org/wiki/V_formation]]は空軍も採用してる陣形


**イングランド艦隊が採用した砲撃戦にオススメの単縦陣(The line ahead)

単縦陣は艦隊の船が縦一列に並ぶ陣形です。カルガモ親子みたいにスルーっと動いて、順番に敵をバンバン砲撃します。
古くは1502年[[カリカットの海戦>http://en.wikipedia.org/wiki/Battle_of_Calicut_(1502)]]でポルトガルが御使用。
大砲の威力が完璧じゃないF&B時代はどちらか一方が使う程度。1652年[[第一次英蘭戦争>http://en.wikipedia.org/wiki/First_Anglo-Dutch_War]]から敵味方の双方で使い始めます。
[[wikipedia>http://en.wikipedia.org/wiki/Line_of_battle]]

&ref(陣形_単縦陣.JPG)アルマダ海戦

#region(close,なんで砲撃戦にオススメなの?)

大砲は[[舷側>http://en.wikipedia.org/wiki/Broadside]]にズラーっと並んでます。すれ違いざまに撃てば敵に舷側の大砲をぜーんぶ撃てちゃう。撃った後はピューっと逃げる。
船が縦一列に並んでれば全員でこの動作が可能。
ってことで、単縦陣は「火力を他の船に遮られることなく最大限に発揮」できる戦法です。

&ref(陣形_単縦陣(砲撃戦).JPG)

#blockquote(){&u(){&bold(){大砲を動かせないのなら船を動かせばいいのよ}}

船首や船尾には大砲をズラーっと置けません。舷側の大砲も動かせる範囲は小さいです。F&B時代は前後の敵が苦手。
だから船を移動して舷側の大砲で撃つのね。
船首はどこに大砲を置くのか分かりませんでした。船尾はたぶん窓から大砲の先っぽを出して撃ちます。

&ref(陣形_単縦陣(砲撃戦:船の移動).JPG)[[サン・ビセンテ岬の海戦>http://en.wikipedia.org/wiki/Battle_of_Cape_St_Vincent_(1797)]](1797年)
}

#endregion

#region(close,敵も味方も単縦陣だとどうなるの?)

もし敵と味方の「艦隊の大きさ」「大砲の性能」「砲撃の精度」が似てるとなかなか勝敗がつきません。
これが単縦陣の欠点らしい。
逆にどれかが敵より優れてたら決着がつくってことね。あと物量に差がなくても指揮官の的確な戦略で決着がつけられます。

&ref(陣形_単縦陣(敵も味方も単縦陣).JPG)[[ブレトン岬の海戦>http://en.wikipedia.org/wiki/Action_of_21_July_1781]](1781年)

#blockquote(){&u(){&bold(){よーし!砲術を進化させて勝つぞー!}}

とーぜん皆さん勝ちたいから、アルマダ海戦の後どんどん[[砲術>http://en.wikipedia.org/wiki/Naval_artillery]]が進化していきます。進化のルートは国によってアレコレ。
例えば18世紀後半イギリス海軍はバンバン撃ちまくる道を選択。
早撃ちをガンガン練習(2~3発/5分)します。スペインやフランスは大砲の射程距離を延ばし(イギリスの2倍)ます。

&ref(陣形_単縦陣(敵も味方も単縦陣:勝つぞ).JPG)フランスの戦略は流れ作業っぽいと思う

18世紀後半のフランスは特に砲術に長けたそうです。
帆を下ろして遠く離れた[[風下>http://en.wikipedia.org/wiki/Windward_and_leeward]]から[[チェーンショット>http://en.wikipedia.org/wiki/Chain-shot]](鎖で繋いだ2つのタマ索具やマストの破壊が得意)で敵船を砲撃。
単縦陣の敵船は大きなダメージを受けます。遠くにいるフランス艦隊は元気です。
なんで風下なんでしょ…敵船の逃げ道を塞ぐためかしら?ボンジュールのフランスも情け容赦ないんですね。
}

#endregion

#region(close,単縦陣を応用した複縦陣(Column Formation?))

複縦陣は説明がみつからなかったです。とりあえずこーゆー陣形を複縦陣(もしかしたら複横陣かも?)っていいます。
イングランド艦隊は[[ワイト島沖の海戦>http://en.wikipedia.org/wiki/Spanish_Armada]]で御使用。
4戦隊に分かれてスペイン艦隊のワイト島上陸を阻止してます。複数だと複雑な作戦が立てられるっぽい。

&ref(陣形_複縦陣.JPG)アルマダ海戦

#endregion


**スペイン艦隊が採用した白兵戦にオススメの単横陣(The line abreast)

単横陣は艦隊の船が横一列に並ぶ陣形です。皆さんオールでガコガコ漕いで敵船にドーンとぶつけて切り込む([[体当たり攻撃>http://en.wikipedia.org/wiki/Ramming]])。
古くはBC5世紀[[ペルシア戦争>http://en.wikipedia.org/wiki/Greco-Persian_Wars]]でご使用の[[ガレー船時代の戦術>http://en.wikipedia.org/wiki/Galley_tactics]]。
アルマダ海戦ではスペイン艦隊の[[ガレアス船>http://en.wikipedia.org/wiki/Galleass]](オールと帆で動く船)が単横陣っぽい。あっ!風まかせなガレオン船にはムリです。
[[wikipedia>http://en.wikipedia.org/wiki/Line_(formation)]]

&ref(陣形_単横陣.JPG)アルマダ海戦

#region(close,なんでガレー船やガレアス船にオススメなの?)

ガレー船は「風ナシでも戦闘力を最大に発揮」です。単横陣の体当たり攻撃は「大砲ナシでも戦闘力を最大に発揮」です。
風が吹かない日でも白兵戦にサイコー!
サイコー!だけど砲撃戦の帆船時代には時代遅れ。強いて褒めるなら「砲撃戦に対して直線の攻撃が得意」だそうです。

&ref(陣形_単横陣(オススメ).JPG)レパントの海戦

ガレー船の単横陣が最後に活躍したのは1571年[[レパントの海戦>http://en.wikipedia.org/wiki/Battle_of_Lepanto]]です。スペインもオスマン帝国もガレー船とガレアス船。
武器は弓、マスケット銃、大砲。
おみごとな単横陣です。おみごとな体当たり攻撃です。ところで開戦ってお互いの陣形が整うまで待つのかしら?

#blockquote(){&u(){&bold(){敵船にドーンの「体当たり攻撃」で船は壊れないの?}}

[[三段櫂船>http://en.wikipedia.org/wiki/Trireme]]やガレアス船は先っぽに[[衝角>http://en.wikipedia.org/wiki/Naval_ram]](堅い角)が付いてるから大丈夫です。オールをガコガコ漕いで衝角を敵船にドーン。
ドーンの後は船首から敵船に乗り込んで白兵戦。
もし敵船が横に並んで乗り込もうとしたらオールでパコパコ殴って阻止します。あらま!オールにそんな使い道が…。

&ref(陣形_単横陣(オススメ:体当たり攻撃).JPG)
}

#endregion

#region(close,もし砲撃戦の帆船時代に単横陣したらどうなるの?)

帆船でもバッチリ風が吹いてバッチリ風上側を陣取ったら、皆さん単横陣で一斉に襲いかかれます。風下側からは絶対にムリ。
でも襲いかかったら確実に敵船から砲撃の嵐。
唯一の救いは正面を向いて的が小さい(狙いが難しい)くらいです。あと風下側がガラ空きだから敵船が逃げたらオシマイ。

&ref(陣形_単横陣(帆船時代).JPG)トラファルガーの海戦

単横陣じゃないけど、1805年[[トラファルガーの海戦>http://en.wikipedia.org/wiki/Battle_of_Trafalgar]]の複横陣(もしかしたら複縦陣かも?)だとこんな感じになります。
イギリス艦隊の2分隊が敵船の単縦陣に突っ込んで分断([[ネルソン・タッチ>http://en.wikipedia.org/wiki/The_Nelson_Touch]]/[[丁字戦法>http://en.wikipedia.org/wiki/Crossing_the_T]])。
分断された敵船は仲間がビシバシ攻撃されちゃっても助けに行けません。成功するには速い船と正確な砲術が必須です。

#blockquote(){&u(){&bold(){イギリス艦隊の損害はどれくらい?}}

トラファルガーの海戦で敵船に突っ込んだ2分隊は激しい砲撃を受けました。こちらのグラフは海戦全体の損害率です。
前列の方がハイリスク。
ってことで、もし皆さんが前列の単横陣で突っ込んだらそーとーの損害が出るんじゃないかしら?
[[wikipedia>http://en.wikipedia.org/wiki/Order_of_battle_at_the_Battle_of_Trafalgar]]

&ref(陣形_単横陣(帆船時代:損害).PNG)

ちなみにネルソン・タッチはイギリス海軍提督[[ホレーショ・ネルソン>http://en.wikipedia.org/wiki/Horatio_Nelson,_1st_Viscount_Nelson]]のお名前だけど、最初にやったのは別の方です。
最初に敵船を分断したのはイギリス海軍提督[[ジョージ・ロドニー>http://en.wikipedia.org/wiki/George_Brydges_Rodney,_1st_Baron_Rodney]](1782年:[[セインツの海戦>http://en.wikipedia.org/wiki/Battle_of_the_Saintes]])。
次にイギリス艦隊を分隊したのはイギリス海軍提督[[アダム・ダンカン>http://en.wikipedia.org/wiki/Adam_Duncan,_1st_Viscount_Duncan]](1797年:[[キャンパーダウンの海戦>http://en.wikipedia.org/wiki/Battle_of_Camperdown]])です。
}

#endregion


**スペイン艦隊が採用した守ってヨシ攻めてヨシにオススメの三日月陣形(Crescent Formation)

三日月陣形は昔からある「敵を包囲する」の戦闘陣形です。
たぶん同じっぽい陸戦の[[翼包囲>http://en.wikipedia.org/wiki/Pincer_movement]]によると「左右から同時に部隊を移動させて敵をぐわーっと挟み込むように包囲する」らしい。
敵を囲んだらボコボコにします。欠点は動きにくい、両端は攻撃されやすい。

&ref(陣形_三日月陣形.JPG)アルマダ海戦

なんでヨシ攻めてヨシにオススメなの?


**スペイン艦隊が採用した守りにオススメの輪形陣(Circular Formation?)

輪形陣は防御を重視した陣形です。なんか外敵や寒さから身を守るペンギンのコロニーっぽいです。
船は中心に近いほど安全。
アルマダ海戦でスペイン艦隊はご休憩のとき輪形陣になります。ぎゅーぎゅーだから砲撃戦になると動きにくいのが欠点。

&ref(陣形_輪形陣.JPG)アルマダ海戦

#region(close,なんで守りにオススメなの?)

輪になってると全方位を漏れなく索敵できます。前後左右を大勢で監視してるから近づく敵船もバッチリ発見できちゃう。
敵船に攻め入る隙を与えない。
こちらはイングランドへ向かってる最中のスペイン艦隊。船が進んでるので皆さん前を向いてます。

&ref(陣形_輪形陣(守り:移動).JPG)アルマダ海戦

船は周囲に強い船(大砲を装備したサクサク動く船とか?)、中央に弱い船(物資を運ぶ補給船とか?)を配置します。
もし敵に襲われたら周囲の強い船が応戦。
戦えない弱い船をバッチリ守ります。例えば弱い船の1つ補給船は物資をいっぱい積んで大砲を置く場所がないから戦えないの。

#blockquote(){&u(){&bold(){ぎゅーぎゅーは動きにくい}}

こちらはカレー沖でイングランド艦隊がご休憩中のスペイン艦隊に火船を放ってます。どちらも輪形陣。
イングランド艦隊は風下を向いて臨戦態勢。
スペイン艦隊は[[最前線>http://en.wikipedia.org/wiki/Front_line]]の船が火船に応戦中です。他の船は回避中だけど、ぎゅーぎゅーで自由に動けず混乱してます。

&ref(陣形_輪形陣(守り).JPG)アルマダ海戦

火船は真夜中に放たれました。いくらバッチリ発見の輪形陣でも真っ暗(火船のときは満月)じゃ見えないです。
スペイン艦隊は直前で火船を発見。
発見が遅れたので対処も遅れちゃいました。対処が遅れたので混乱しちゃいました。真っ暗でよけいに混乱しちゃいました。
}

#endregion

#region(close,大昔から使われてる輪形陣)

輪形陣は大昔から使われてる戦術です。こちらは大群のペルシアとギリシアの海戦(BC480年:[[アルテミシオンの海戦>http://en.wikipedia.org/wiki/Battle_of_Artemisium]])。
ギリシア艦隊は輪形陣で身を守りながらドーンっとペルシア艦隊を攻撃。
負けちゃったけど損害はギリシア艦隊100/271隻、ペルシア艦隊200/800隻です。圧倒的に不利な状況で頑張った!

&ref(陣形_輪形陣(大昔).GIF)輪形陣からドーン

#blockquote(){&u(){&bold(){21世紀も使われてる輪形陣}}

21世紀も[[空母戦闘群>http://en.wikipedia.org/wiki/Carrier_battle_group]]で輪形陣を使ってます。航空母艦(戦闘機を載せた船)と補給艦をぐるーっと護衛艦で囲んで守るの。
敵のミサイルを輪形陣で防御できるか?は賛否両論。
陸海空から攻撃されちゃうもんね。輪形陣は大昔も21世紀も使ってるけど、時代によってアレコレご事情が違うようです。

&ref(陣形_輪形陣(大昔:21世紀).JPG)空母戦闘群

[[航空母艦>http://en.wikipedia.org/wiki/Aircraft_carrier]](空母)は戦闘機の離艦・着艦、整備、燃料や武器を補給するとーっても大きい船です。武器は戦闘機の弱い船。
えっ!戦闘機が飛んでっちゃったら武器ないの?
大きいんだから大砲とかもバンバン載せればいいのに…不思議。とりあえず国によって空母戦闘群の中身はアレコレです。
}

#endregion


*旗艦と旗旒信号


**旗艦

旗艦は司令長官(艦隊や船隊を指揮する人)が乗船して、目印に指揮官旗が上がってる。会議するときは司令官の旗艦に指揮官達が集まります。
単縦陣だと先頭の船が旗艦。最後の船が殿船。
なんといっても旗艦は艦隊や船隊の頭脳。海戦が始まるとバンバン攻撃されるので、他の船よりも頑丈な造りだそうです。
[[wikipedia>http://en.wikipedia.org/wiki/Flagship]]

#blockquote(){&u(){&bold(){例えば日露戦争の「小ガモ達!ちゃんとお母さんについてくるのよ♥」な旗艦}}

アルマダ海戦で旗艦がどんなお仕事をしてたのかはぜーんぜん分かりませんでした。
ってことで、日露戦争の海戦の1つで。
連合艦隊は単縦陣。バルチック艦隊は崩れた単縦陣で、次々にお母さんが倒れてバトンタッチしていきます。
[[wikipedia>http://en.wikipedia.org/wiki/Battle_of_Tsushima]]

|BGCOLOR(lightgrey):大日本帝国&br()連合艦隊|BGCOLOR(lightgrey):第一船隊|三笠|艦隊司令長官:東郷平八郎大将、参謀長:加藤友三郎少将|
|~|~|~|船隊のメンバー:敷島、富士、朝日、春日、日進、龍田(通報艦)|
|~|BGCOLOR(lightgrey):第二船隊|出雲|司令長官:上村彦之丞中将、参謀長:藤井較一大佐|
|~|~|~|船隊のメンバー:吾妻、 常磐、八雲、浅間、磐手、千早(通報艦)|
|BGCOLOR(lightgrey):ロシア帝国&br()バルチック艦隊|BGCOLOR(lightgrey):第一船隊|スワロフ|艦隊司令長官:ロジェストヴェンスキー中将|
|~|~|~|船隊のメンバー:アレクサンドル3世、ボロジノ、アリョール|
|~|BGCOLOR(lightgrey):第二船隊|オスラービア|司令長官:フェルケルザム少将|
|~|BGCOLOR(lightgrey):第三船隊|ニコライ1世|司令長官:ニコライ・ネボガトフ少将|

連合艦隊とバルチック艦隊が大砲でバンバン撃ち合った直後、ボーボー燃えてる旗艦スワロフが突然ヘロヘロと北上。
実は舵が壊れて勝手に動いてるんだけど、みんなは知りません。
それぞれの船隊には、それぞれ司令長官が乗船。司令長官達は独自の判断で行動してます。

&ref(旗艦と旗旒信号_日露戦争.PNG)日露戦争の日本海海戦図(1905年)

三笠の艦隊司令長官は「スワロフが逃げる!」と判断。「左八点一斉回頭でスワロフを追撃」を指令して、第一船隊はこれに追従。
出雲の司令長官は「スワロフは舵が壊れた!」と判断。「面舵で残りの敵の頭を押さえる」を指令して、第二船隊はこれに追従。
連合艦隊のルールは&bold(){第二船隊も三笠に従う}です。でも上村(出雲の司令長官)は自己判断で指令を変更。

アレクサンドル3世の司令長官は「スワロフは舵が壊れた!俺がやらねば!」と判断。旗艦になって、第一・二船隊はこれに追従。
でも出雲の第二船隊に攻撃されて戦線離脱。
次にボロジノの司令長官が「アレクサンドル3世もヤラレた!俺がやらねば!」と判断。旗艦になります。以下略。
}


**旗旒信号

指令に使うのが旗旒信号(signal)。

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※ものすごーくお世話になったサイト。詳細はこちらをご覧下さい。

・[[Ancient Greek Battles>http://www.ancientgreekbattles.net/index.htm]](Battle of Artemisium)

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