BBNTRPG Ver9.0





3.データ
《技能》
【異能】
装備


5.ゲームマスター

イントロダクション

 それは現か幻か……現代に存在する「人を超えた者」達。
 人であり、獣であり、鬼であり……。
 何かが違う彼らは社会に溶け込みつつも、それを否定するように
 戦い、時には隠れ、その闇の均衡を保つ。
 裏の世界で集まりつつある彼ら、そして集まらずともつながりつつある彼ら。
 彼らの“繋がり”それは、『BBN』≪ブラック・ブラック・ネットワーク≫と呼ばれた。

テーブルトークRPGとは

 テーブルトーク・ロールプレイングゲーム…略してテーブルトークRPGとは、どんなものでしょうか。
 とりあえず、ロールプレイングゲーム…RPGについては、ご存知の方も多いでしょう。「自分の分身となる主人公を操って、空想の世界でさまざまな冒険をするゲーム」として、コンピュータ・ゲームではジャンルの一つとして定着しています。
 言ってみれば、RPGは「自分以外の人生を体験するゲーム」です。現在いるこの世界ではない、どこか別の場所にいるあなた。本来のものとは全く異なる姿形をしているあなた。現実では到底あり得ない体験をするあなた……。そんな「今とは違うあなた」を、ゲームという形で、擬似的に体験させてくれるのが、RPGなのです。

 ロールプレイという言葉を直訳すると「役割を演じる」という意味になりますが、この役割とはまさに「今とは違うあなた」に他なりません。そして、実際に演技をする人たちのことを『プレイヤー(PL)』、そしてプレイヤーたちが演じる分身や、ゲームの世界に登場する人物や動物、怪物たちを『キャラクター』と呼びます。さらに一般では、キャラクターのなかでもプレイヤーの分身のことを、特に『プレイヤーキャラクター(PC)』と呼びます。

 コンピュータRPGでは、あなたの『プレイヤーキャラクター』が生きる世界や、そこで起きる様々な出来事は、その世界の法則…つまりルールと共に、すべてゲーム製作者が決定します。コンピュータはゲームの進行にあわせて、製作者の決めたとおりに、敵である怪物や味方になる人物を登場させたり、用意されたストーリーを進めたりするのです。これは、コンピュータがすることですから、ルールから外れた行動は望めません。製作者の手間や量的限界などの事情によって、ストーリーも一本道になりがちです。その世界であなたが出会う人物や困難、感動的なエピソードは、すでにほぼ決められたものなのです。

 このコンピュータRPGの前身にあたるものが、現在テーブルトークRPGと呼ばれているものです。前身というくらいですから、当然テーブルトークRPGのほうが長い歴史を持っています。

 さて、そのテーブルトークRPG、コンピュータRPGとどこが違うのでしょうか。まず挙げられるのは、『プレイヤー』が必ずしも1人ではない、ということです。コンピュータRPGはもともと1人で遊ぶために作り出されたものですが、テーブルトークRPGの場合はむしろ、数人の仲間と遊ぶほうが楽しめます。自分と仲間の『プレイヤーキャラクター』たちで協力して、様々な困難に立ち向かう。その楽しさは、何物にも換え難いものになるでしょう。

 そして最も大きな違いは、コンピュータRPGでコンピュータがするべき仕事を人間がする、ということです。その役目を負う人は、プレイヤーに対して『ゲームマスター(GM)』と呼ばれます。
 テーブルトークRPGにも、決められたルールがあります。GMはルールを通してプレイヤーキャラクターの行動を管理しつつ、他のすべてのキャラクターを演じて、プレイヤーとコミュニケーションをとることでストーリーを進めていくのです。
 たとえば、こんな風に。

PL:…で、その隣の席に座っている男って、どんな格好してる?
GM:そうだな…体格のがっちりした、若い男性だ。身なりからすると裕福ではない感じ。
PL:じゃあ、ちょっと話しかけてみようか…「よう兄弟!景気はどうだい?」ってね。
GM:了解、そうすると彼は……

 GMの用意する世界で、プレイヤーキャラクターは想像力の許す限り自由に活躍できます。世界を管理するのが人間ですから、コンピュータと違って、キャラクターのどんな行動にも対応できます。GMがストーリーを提供してくれる限りは、何度でも繰り返し遊べますし、マンネリにもなりません。またプレイヤーキャラクターの行動によって、GMの提供するストーリーはいくらでも変化していきます。この柔軟なところこそが、テーブルトークRPGの特徴であり、長所なのです。

 難しそうだと思うかもしれませんが、とにかく臆せずに何度か遊んでみてください。最初は戸惑うことも多いでしょう。でも、テーブルトークRPGはやってみて初めて面白さが分かるゲームだとよく言われます。きっと実際に遊んでみれば、すぐにその面白さが分かるはずです。

原作「ブラック・ブラック・ネットワーク」について

 本作は、『ブラック・ブラック・ネットワーク』という、一連の競作小説作品を原作として製作されたTRPGです。
 このルールブックには、ゲームを遊ぶために必要な情報はひととおり紹介されています。原作にからむ背景設定なども、最低限そろっているので、原作を読んでいなくても問題ありません。

 でも、もしあなたが原作世界の設定などについてより深く知りたいと思ったなら、原作の小説作品群を読んでみることをお勧めします。そうすれば、ゲーム中のできごとを具体的にイメージするにも役立つでしょう。

ルールブックの内容について

 本作の内容は、大きく3つに分かれています。ゲーム進行のルール部分、データ部分、そして各種の資料を含むその他の部分です。

 ルール部分は、まずプレイヤーキャラクターの作成から始まる「キャラクターパート」、それから基本的なゲームの進め方を説明する「アクションパート」があります。いずれもゲームの根幹部分なので、まずこのあたりを理解していくのが第一歩だといえるでしょう。
 別にルール全てを記憶しようとする必要はありません。わからなくなったら、いつでもルールブックを見ればいいのです。まずは気楽に、解説にしたがってキャラクターを作ったりしながら読み進めてみてください。

 本作はごらんの通りなかなか分厚いシロモノですが、遊ぶために理解しなければならない事柄は、じつはあまり多くありません。ページのほとんどの部分は、付属的な資料やデータなどに割かれています。
 資料として入っているのは、ゲームの舞台になる架空世界の情報と、その架空世界に登場する人物、怪物など。そしてデータとして入っているのは、キャラクターたちが駆使する特殊な能力としての「技能」や、武器などの「装備品」の説明です。

 さて、本作がどんなものかは、だいたい分かってもらえたでしょうか。
 長々しい前置きはこれくらいにして、実際に中身に触れてみましょう。そのために必要なものもいくつかありますが、まずは興味と意欲さえあれば十分です。

BBNTRPGとは

 まず最初に、プレイヤーキャラクター達が生きる世界について、軽く説明します。
 彼らが生きているのは、21世紀現在の、あなたが住んでいる世界とほぼ同じ世界です。
 ひとつ違うのは、彼らの世界には妖怪や幽霊、魔法、精霊、超能力…色々な超常のものが、現実のものとして存在していることです。

 でも、それらはあくまで『裏の社会』での常識。
 ほとんどの人々は、それらの存在を知らず、平穏に暮らしています。
 逆に言うと、それらの一般の人々が『裏の社会』を垣間見てしまった場合、間違いなく不幸の種になります。
 そういった人たちの平穏を守ることも、プレイヤーキャラクターの役目となるでしょう。

BBNとは?

 正式名称『ブラック・ブラック・ネットワーク』。
 上下関係での『組織』ではなく、あくまで同じような力を持った者達の『連帯』という意味で設立された機関です。
 主な役割は、登録者への『裏の仕事』の斡旋。

 そして、その『裏の仕事』こそが、プレイヤーの皆さんが、キャラクターを通して解決していくべき数々の事件なのです。

プレイヤーキャラクターたちは「BBN」で繋がっている

 BBNへの登録条件は、どこか1点でも『人間を超えた能力』を持っていることです。
 登録者のパーソナリティは(キャラシートに記載されている程度で)公開され、その情報はBBN内で共有されます。
 BBNに正式に登録していない者でも、裏の世界に生きている以上、何らかの関わりがあります。

 これらは逆に言えば、『全てのプレイヤーキャラクターたちは、BBNを通して互いに存在を知っている』ということです。

BBN登録者たちの日常

 『人を超えた能力』の持ち主たちも、普段は『表の社会』で日々を暮らしています。
 都会のアパートを借りて生活する人もいれば、山奥の小屋で隠棲する人もいるでしょう。
 キャラクターたちの何気ない日常を想像するのも、このゲームの楽しさの一つです。
 もっとも、中には世間とのギャップから、ただれた生活を送る人もいるでしょう……。

力の使い方を誤った能力者たち

 さて、『普通の人間』と、『力を持った人間』、どちらが過ちを犯し易いでしょうか。

 尋常ならざる力を持ってしまった者は、えてしてその力に振り回されがちです。
 そういった世に仇なす能力者に対処するのも、BBN登録者の役目となります。
 BBN登録者の前には、そういった狂気に身を落とした能力者も立ちはだかることになるでしょう。

 せめて、あなたのキャラクターは、彼らのようになってしまわないように……。

基本的なルール

 ルールブック全体を通して適用される、基本的なルールです。
 ・端数切捨て
  割り算などの結果、小数点以下の数字が出た場合、端数は切り捨てること。

 ・能動優先
  行為判定(後述)において、能動側と受動側の達成値が同じである場合、能動側の行動を優先すること。

 ・ルール相談
  このルールブックで対処できない事態が発生した場合、解決はGMに一任する。
  シナリオ終了後、参加者全員で対処方法を考え、Wikiに報告すること。

用語集

 ルールブック全体を通して使用される用語の解説です。
 ・GM…ゲームマスターの略。ストーリーのお膳立てやデータの処理、ルールの運用を行い、ゲームを進める。
 ・PL…プレイヤーの略。プレイヤーキャラクターを動かし、ゲームを進める。
 ・PC…プレイヤーキャラクターの略。プレイヤーが管理するキャラクター。
 ・NPC…ノンプレイヤーキャラクターの略。GMが管理するキャラクター。
 ・オブジェクト…武器や乗物などの装備の他、意思を持たない障害物の総称。
 ・フィールド…空間そのものを対象とする際に用いる。「フィールド1m」は将棋のマス目1つと思えばよい。
 ・シナリオ…『BBNTRPG』1回のゲームプレイのこと。
 ・シーン…シナリオを場面や時間によっていくつかに区切った単位。
 ・ラウンド…戦闘で使用されるゲーム進行。手番1週を1ラウンドとする。
 ・タイム…ラウンド進行における、キャラクターの手番と、その際の行動回数。
 ・表記形式…ルールブックでは、ゲーム用語に以下のような記号を使用している。
       これらの用語が計算式などに使用されている場合、PCが持つその数値を代入すること。

  判定値…『○○』 (キャラクターが持つ『筋』『体力値』等の他、装備が持つ『威力』等も含む)
  技能、異能名…《○○》、【○○】
  ○d6…6面体ダイスを○回振り、出目を合計した値。

 ・○m…相対的な距離、範囲(平方)を表す。(1m=1メートルではないことに注意)
 ・至近…2点の距離が1m未満で、高低差がない状態。
 ・視界…キャラクターが確認できる範囲であり、原則としてそのシーン全体。

通常作成

 ここでは「経験点100CP」を持ったキャラクター作成を説明します。
 各項目の番号順に、登録用キャラシートに記入していって下さい。

1 ライフパスの決定

 ライフパスを参照して、キャラクターの「種族」「表職業」「裏職業」を選択します。
 特に「種族」によって能力値や習得できる異能が変化するので、慎重に決めて下さい。

 選択した「表職業」に応じた初期所持金のダイスを振り、所持金を決定します。
 この時、他のPLやGMにダイス目を確認してもらい、証人になってもらうと良いでしょう。

2 能力値の決定

 100CPある経験点のうち、基本能力値に割り振ることができるのは50CPまでです。

 技能と関連して、平均的に抑えるか一部を特化するかの選択が重要と言えます。

3 技能の成長

 技能を参照して、技能を成長できます。
 初期キャラクター作成では、技能レベル「3」までしか習得できません。
 また、100CPある経験点のうち、技能レベルに割り振ることができるのは50CPまでです。

技能レベル 消費CP
0→1
1→2
2→3

 技能をレベル2で習得するには3CP、レベル3で習得するには6CPが必要になります。
 メインに使用する技能はレベルを高くしましょう。また能力値との兼ね合いも重要です。

4 異能の決定

5 装備品を購入する

 装備品を参照して、所持金を消費して装備品を購入し、所持装備品の欄に書き込みます。

 データのない装備品を購入したい場合、GMの許可を得て購入することができます。

6 名前、年齢、性別、出身地、容姿、背景設定を決定する

 いわゆる各種の設定を自由に決定します。年齢と容姿は比例させるようにしてください。

7 キャラクターの完成

 消費せずに余った経験点や、残った所持金をシートに記入して、キャラクターの完成です。

キャラクターの成長方法

 シナリオを1つ終えるごとに、GMから一定の経験点(CP)を与えられます。
 それを支払って基本能力値や技能レベルを成長させることができます。

技能の成長

 技能のレベルは、下図に記載された経験点を支払うことによって成長させることができます。
  • 技能レベル 1 2 3 4 5 6 7  8  9  10
  • 必要経験点 1 2 3 4 6 8 10 14 18 26

『基本能力値』の成長

 基本能力値は、下図に記載された経験点を支払うことによって成長させることができます。
  • 基本能力値  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15~
  • 必要経験点  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15~
 『15』までは能力値分のCPずつ、つまり『10』から『11』にあげるには11CPが必要です。
 『15』以降は15CPで『1』上昇します。

図:上昇に必要な経験点
能力値 1→2 2→3 3→4 4→5 5→6 6→7 7→8 8→9 9→10 10→11 11→12 12→13 13→14 14→15 15→16~
必要CP 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 15

消費能力値の書き換え

 成長によって『体』『魔』『呪』『霊』が増加した場合、『身体被害度』『体力値』『精神値』が変化します。
 初期キャラクター作成手順にある「2 『能力値』を決定する」に従い、計算し直して、キャラシートへ上書きして下さい。

『消費能力値』の成長

 『体』『魔』『呪』『霊』によって割り出された『身体被害度』『体力値』『精神値』を、さらに成長させることができます。
 いずれの消費能力値も、経験点を1CP支払うごとに2P上昇します。

GMP

 シナリオを主催したGMは「GMP」として、PL達に与えた経験点の平均分のポイントを獲得します。
 このポイントは経験点や所持金に変換することができ、GMが持つPCに振り分けることができます。
 複数のPCに分割して与えることもできるので、積極的にGMをするとよいでしょう。
最終更新:2011年06月17日 21:52