「そう言う問題では!」
「そう言う問題もあるだろ?幸村、……アンタでも嫉妬はするモンなんだな」
それが嬉しいのはどうしてだ。
その鬱陶しさはよくよく知っていて、辟易していたというのに。
可愛いなアンタ、と続けようと思ったが止めた。
幸村の顔色が危ない。
蒼白と真っ赤の双方を行き来している。
「しっ……」
許容量を超えかけているのか、と感づいて、政宗は唇を軽くついばんだ。
またもちゅ、と小さい音がする。
微かに甘い蜂蜜の香りが鼻をくすぐった。
「アンタと戦うのが楽しいのに、どうしてだろうな。
体が勝手に動いた。アンタが欲しかった」
語りながら腕を伸ばし、幸村の肩を抱く。
欲しい。手に少しだけ、力がこもった。
幸村は嫌とも応とも言わずに固まっていた。
「幸村?」
確かめるように呼ぶと、幸村の視線がやっと動く。
「政宗どのは、……いや、詮無いことでござるな」
なぜだか、幸村は落ち着きを取り戻していた。
Shockが大きすぎて突き抜けたのかもしれない。
「いーぜ、しょうがないことでも言ってみろよ」
つぶらな瞳が、確かめるように政宗を見る。
「何故、真田の次女を娶ろうと思われた?」
「次女?変ないいかただな、アンタのことだろ?」
幸村は否、と首を振る。
「某と解っておられなかった。ならば妹のことと勘違いをされていたのでござろう。
何故、真田の次女を……」
政宗は頭をかいた。耳にすればどうにも初々しい。
自分も似たような疑問を抱いているだけに、余計に気恥ずかしくて堪らない。
「Ah~……きっと幸村の妹だとは思っていた。だが、アンタの妹個人についちゃ何も知らない。オレが知っているのは、戦場で出会った槍を自在に使う真田幸村、それだけだった」
真摯な目で、耳をそばだてて聞いている。
政宗はあまりの恥ずかしさに頬をかいた。
「そのアンタと同じ家に育ったヤツなら、間違いはないだろう、その程度だ。あとはただ、伊達にとって悪い話じゃなかった。……それだけだ」
女が喜ぶような台詞ではない。
だが、coolじゃないね、黙ってなの一言で済ませたくなかった。
そう思ってしまうこと自体が自分らしくなさ過ぎる。
何を真剣になっているのか。惚れた弱みってヤツなのか、これが。
もういっそ、これだけ恥ずかしいならついでに聞いてしまえ、と思い切る。
「アンタはどうだ?なぜオレの所に来ようと思った?」
幸村は武田軍の中で名だたる武将。
その幸村の意志が婚姻という重大事でまるきり無視されてしまうわけがない。
「真っ先に思い浮かんだのでござる」
そう答える声は、どことなし機嫌が良さそうだった。
繰り返すが女が喜ぶ言葉じゃなかった。変なヤツだと思う。
「婚儀の話が出た時に、思い浮かんだので政宗殿の名を言ったのでござる。お館様が気に入られ、御自ら後見となっていただき、纏めてくだされた。それだけでござる」
決着云々より更に気合いが抜ける。
それは幸村のことだ、伊達と組むことによる利点がどうこう、という普通の視点が抜けているとは思っていた。
しかし。
これは何となく、と言うのとどう違うのか。
「そう言う問題もあるだろ?幸村、……アンタでも嫉妬はするモンなんだな」
それが嬉しいのはどうしてだ。
その鬱陶しさはよくよく知っていて、辟易していたというのに。
可愛いなアンタ、と続けようと思ったが止めた。
幸村の顔色が危ない。
蒼白と真っ赤の双方を行き来している。
「しっ……」
許容量を超えかけているのか、と感づいて、政宗は唇を軽くついばんだ。
またもちゅ、と小さい音がする。
微かに甘い蜂蜜の香りが鼻をくすぐった。
「アンタと戦うのが楽しいのに、どうしてだろうな。
体が勝手に動いた。アンタが欲しかった」
語りながら腕を伸ばし、幸村の肩を抱く。
欲しい。手に少しだけ、力がこもった。
幸村は嫌とも応とも言わずに固まっていた。
「幸村?」
確かめるように呼ぶと、幸村の視線がやっと動く。
「政宗どのは、……いや、詮無いことでござるな」
なぜだか、幸村は落ち着きを取り戻していた。
Shockが大きすぎて突き抜けたのかもしれない。
「いーぜ、しょうがないことでも言ってみろよ」
つぶらな瞳が、確かめるように政宗を見る。
「何故、真田の次女を娶ろうと思われた?」
「次女?変ないいかただな、アンタのことだろ?」
幸村は否、と首を振る。
「某と解っておられなかった。ならば妹のことと勘違いをされていたのでござろう。
何故、真田の次女を……」
政宗は頭をかいた。耳にすればどうにも初々しい。
自分も似たような疑問を抱いているだけに、余計に気恥ずかしくて堪らない。
「Ah~……きっと幸村の妹だとは思っていた。だが、アンタの妹個人についちゃ何も知らない。オレが知っているのは、戦場で出会った槍を自在に使う真田幸村、それだけだった」
真摯な目で、耳をそばだてて聞いている。
政宗はあまりの恥ずかしさに頬をかいた。
「そのアンタと同じ家に育ったヤツなら、間違いはないだろう、その程度だ。あとはただ、伊達にとって悪い話じゃなかった。……それだけだ」
女が喜ぶような台詞ではない。
だが、coolじゃないね、黙ってなの一言で済ませたくなかった。
そう思ってしまうこと自体が自分らしくなさ過ぎる。
何を真剣になっているのか。惚れた弱みってヤツなのか、これが。
もういっそ、これだけ恥ずかしいならついでに聞いてしまえ、と思い切る。
「アンタはどうだ?なぜオレの所に来ようと思った?」
幸村は武田軍の中で名だたる武将。
その幸村の意志が婚姻という重大事でまるきり無視されてしまうわけがない。
「真っ先に思い浮かんだのでござる」
そう答える声は、どことなし機嫌が良さそうだった。
繰り返すが女が喜ぶ言葉じゃなかった。変なヤツだと思う。
「婚儀の話が出た時に、思い浮かんだので政宗殿の名を言ったのでござる。お館様が気に入られ、御自ら後見となっていただき、纏めてくだされた。それだけでござる」
決着云々より更に気合いが抜ける。
それは幸村のことだ、伊達と組むことによる利点がどうこう、という普通の視点が抜けているとは思っていた。
しかし。
これは何となく、と言うのとどう違うのか。




