「……ま、そんなモンだよなお互い。らしいっつーか、な」
解ってみればどうと言うこともなく、それならば謎のままでも良かったかと思う。
抱いた肩に頭を乗せて笑うと、幸村は何が可笑しいのでござるか、と不服げな声を漏らした。
「で?話はそれだけか?」
「政宗殿?」
尋ね返すその声音。
「言ったはずだぜ?ここに来たなら抱く。話だけしたいなら、早めに立ちな」
我ながら呆れる。
警告なしで口づけ、帯をといて身を重ねてしまいたいと望みながら、Coolを装っている。
「もちろん、某、その……そのつもりで参った」
幸村は視線をそらし、そのくせ胸をこころもち張って答えた。
政宗は一つきりの目を眇めて笑う。
「……上等」
口笛を吹いて囁くように言うと、幸村はいきなり向き直り真っ赤な顔を見せる。
「ただ一つ!もうひとつ、伺いたいことがござる」
「OK、言ってみろ」
幸村の喉が、こくりと上下する。
「そっ、そそそそれがしの」
「落ち着け」
なんで、こうもすぐにどもるのか。
どうせ大して”破廉恥”でもないようなことを聞く癖に。
「……、ことを、どう思っているのでござろう」
「妻だろ?」
幸村は羞恥で真っ赤な顔で、顎を引いて、何度も何度も瞬きを繰り返し、総合してどうにも逃げたそうな癖に、それでも政宗を見つめていた。
立場ではない、と言いたいのか。
やはり、どうにも痒いね、と思いながら幸村の頬に手を当てた。
「聞くなよ。アンタ知ってるはずだ」
視線に咎める色が混じる。
「アンタ、勘は悪くない。その目でオレを見て、抱かれて、解らないなんて事があるか?」
羞恥を煽っても逸らされない視線の意志力。
やっぱアンタはいいね、と政宗は目を細めた。この眼差しがたまらない。
そうやって、オレを見てろ。
「幸村」
かすれが混じるほど低く、思いをこめて名を呼んだ。
幸村は、初めて反応を返した。驚いたような眼差しを笑みで迎える。
「ほらな、名前呼ぶだけで解るんだろ?
察しの通り惚れてるよ、どうしようもなくアンタが欲しい」
驚いた眼差しが、いよいよまるくなる。
元からつぶらな目の癖に、転げ落とすつもりか。
「こっちももう一度、そっくり聞き返してやるよ。幸村、アンタはどうだ、ってね」
幸村の呼吸がふっと止まった。
「解らぬのでござる」
返答は心細げで、短い。
「ha、それで通る訳がないだろ?」
これだけ恥ずかしいことを言わせたのだ、そっちも言え、と底意地悪く追い詰める。
肩を抱いた指先を意識させるように軽く滑らせ、すぐに止める。
頬に、もう一度唇を落とす。
「嫌か?身の毛がよだつか?気持ちが悪いか?」
幸村は全てに首を振る。
「なら、オレのことを嫌っちゃいない。普通の相手ですらない。
でなきゃ、妻だろうが何だろうが、ひとかけらも嫌だと思わないわけがないだろ?」
解ってみればどうと言うこともなく、それならば謎のままでも良かったかと思う。
抱いた肩に頭を乗せて笑うと、幸村は何が可笑しいのでござるか、と不服げな声を漏らした。
「で?話はそれだけか?」
「政宗殿?」
尋ね返すその声音。
「言ったはずだぜ?ここに来たなら抱く。話だけしたいなら、早めに立ちな」
我ながら呆れる。
警告なしで口づけ、帯をといて身を重ねてしまいたいと望みながら、Coolを装っている。
「もちろん、某、その……そのつもりで参った」
幸村は視線をそらし、そのくせ胸をこころもち張って答えた。
政宗は一つきりの目を眇めて笑う。
「……上等」
口笛を吹いて囁くように言うと、幸村はいきなり向き直り真っ赤な顔を見せる。
「ただ一つ!もうひとつ、伺いたいことがござる」
「OK、言ってみろ」
幸村の喉が、こくりと上下する。
「そっ、そそそそれがしの」
「落ち着け」
なんで、こうもすぐにどもるのか。
どうせ大して”破廉恥”でもないようなことを聞く癖に。
「……、ことを、どう思っているのでござろう」
「妻だろ?」
幸村は羞恥で真っ赤な顔で、顎を引いて、何度も何度も瞬きを繰り返し、総合してどうにも逃げたそうな癖に、それでも政宗を見つめていた。
立場ではない、と言いたいのか。
やはり、どうにも痒いね、と思いながら幸村の頬に手を当てた。
「聞くなよ。アンタ知ってるはずだ」
視線に咎める色が混じる。
「アンタ、勘は悪くない。その目でオレを見て、抱かれて、解らないなんて事があるか?」
羞恥を煽っても逸らされない視線の意志力。
やっぱアンタはいいね、と政宗は目を細めた。この眼差しがたまらない。
そうやって、オレを見てろ。
「幸村」
かすれが混じるほど低く、思いをこめて名を呼んだ。
幸村は、初めて反応を返した。驚いたような眼差しを笑みで迎える。
「ほらな、名前呼ぶだけで解るんだろ?
察しの通り惚れてるよ、どうしようもなくアンタが欲しい」
驚いた眼差しが、いよいよまるくなる。
元からつぶらな目の癖に、転げ落とすつもりか。
「こっちももう一度、そっくり聞き返してやるよ。幸村、アンタはどうだ、ってね」
幸村の呼吸がふっと止まった。
「解らぬのでござる」
返答は心細げで、短い。
「ha、それで通る訳がないだろ?」
これだけ恥ずかしいことを言わせたのだ、そっちも言え、と底意地悪く追い詰める。
肩を抱いた指先を意識させるように軽く滑らせ、すぐに止める。
頬に、もう一度唇を落とす。
「嫌か?身の毛がよだつか?気持ちが悪いか?」
幸村は全てに首を振る。
「なら、オレのことを嫌っちゃいない。普通の相手ですらない。
でなきゃ、妻だろうが何だろうが、ひとかけらも嫌だと思わないわけがないだろ?」




