別に過去の行き違いや憎しみや誤解を解いて、元鞘に収まった事を後悔しちゃいない。
半兵衛とも何とか和解の道をたどっている。
しかし食事を半兵衛とその嫁さんと取るのだけは止して欲しい。
とりあえず取りなすように笑って秀吉の耳元に手を伸ばす。
「ま、抜け毛なんて誰にだってあるさ、なあ秀……?」
ごっそり抜けた。
「ああっ!秀吉!大丈夫かい?慶次、君はなんて酷いことをするんだ!」
「わざとじゃねーっ!大体もみあげは秀吉のチャームポイントだろが!」
伊達領に旅した時にちょっと聞き覚えた南蛮語混じりに言うと、半兵衛はそうだね、と少し笑った。
「ふん。濃い顔が少しはすっきりしたのではないか」
ああまた。半兵衛が切れる前に慶次が叫んだ。
「だーっ!このオクラ!オクラ!あんたのせいだオクラぁ!見ろ秀吉がストレス与え続けられた小動物状態じゃねえかぁっ!」
「オクラオクラと五月蠅いわ。畑にでも行って叫べば良かろう」
オクラが他人事のように畑がある方向を指す。
あーもーむかつく!この嫁むかつくーっ!
「君のせいだったのかい?そう聞いては黙っていられないね、毛利の水軍は惜しいが離縁しよう」
「早!おいオクラ、いや毛利これ場の勢いだ、半兵衛もきっと本気じゃな……」
責任を感じてオクラに手をさしのべてみたが、ぱんと払われた。
「ふん、竹中のみならず豊臣勢力すべて我が手中におさめてくれようと思っていたが、我が策は変幻自在よ。
こうなれば慰謝料争奪戦に変更ぞ」
箸を置いてオクラが立ち上がる。
「ふふ、君の思い通りにはさせないよ」
半兵衛が微笑んで向かう。
秀吉は無言で胃袋を押さえている。
「よそでやれよそで!秀吉、ちょっと医者呼んでくるからな、待ってろよぉぉっ!」
駆け出す寸前、秀吉にアタマを捕まえられる。
「気にするな……」
「わ、わかったここについててやっからな!元気出せ!ほら夢吉だ、だっこしてみろ癒されるぞ!」
「秀吉……君のもみあげは僕が守るよ」
キラキラ光線を一度夢吉をだっこする秀吉に向けると、半兵衛はきつい眼で嫁を見て一歩踏み出した。
「泣いて見せてくれないか、毛利元就……」
俺ぁもうやだこのDV夫婦。
「ふん。考えの浅い男よ。我の涙を閨以外で見られると思うてか」
「ふふ、いい度胸だね。その挑戦、確かに受けたよ」
すたすたと二人が歩みさる。
だが、もう全体的に食事どこじゃない。
まつねええええぇちゃぁぁああああんともう一度心の底で叫ぶ。
「慶次よ……」
秀吉が苦しそうに呼ぶ。
手のひらの中で夢吉が秀吉の親指を両腕で抱えてキキーと励ましている。
「ああ、なんだ秀吉ぃ!」
「半兵衛は……あれで幸せなのだ、そっとしておけ」
そっとしとくも何も、倒れそうなのは秀吉じゃねーかあ!
言いたかったがぐっと堪えた。友人思いなのはいいことだ。
確かにオクラ以外に半兵衛と張り合える女はいないかもしれない。
ぶっ倒れても血を吐いても取り乱さず眉一筋動かさず心配一つせず、
ふん虚弱な男め、使えぬわ。竹中を(医者の元へ)連れて行けと命じるのはあれだけ……
いや、これはやっぱりダメじゃないだろうか……
「あ、あいつらが自力で仲直りすんならな!今は人のことより自分だろ!」
ちょっと横になれよ、と促したが秀吉は軽く壁にもたれただけだった。
半兵衛とも何とか和解の道をたどっている。
しかし食事を半兵衛とその嫁さんと取るのだけは止して欲しい。
とりあえず取りなすように笑って秀吉の耳元に手を伸ばす。
「ま、抜け毛なんて誰にだってあるさ、なあ秀……?」
ごっそり抜けた。
「ああっ!秀吉!大丈夫かい?慶次、君はなんて酷いことをするんだ!」
「わざとじゃねーっ!大体もみあげは秀吉のチャームポイントだろが!」
伊達領に旅した時にちょっと聞き覚えた南蛮語混じりに言うと、半兵衛はそうだね、と少し笑った。
「ふん。濃い顔が少しはすっきりしたのではないか」
ああまた。半兵衛が切れる前に慶次が叫んだ。
「だーっ!このオクラ!オクラ!あんたのせいだオクラぁ!見ろ秀吉がストレス与え続けられた小動物状態じゃねえかぁっ!」
「オクラオクラと五月蠅いわ。畑にでも行って叫べば良かろう」
オクラが他人事のように畑がある方向を指す。
あーもーむかつく!この嫁むかつくーっ!
「君のせいだったのかい?そう聞いては黙っていられないね、毛利の水軍は惜しいが離縁しよう」
「早!おいオクラ、いや毛利これ場の勢いだ、半兵衛もきっと本気じゃな……」
責任を感じてオクラに手をさしのべてみたが、ぱんと払われた。
「ふん、竹中のみならず豊臣勢力すべて我が手中におさめてくれようと思っていたが、我が策は変幻自在よ。
こうなれば慰謝料争奪戦に変更ぞ」
箸を置いてオクラが立ち上がる。
「ふふ、君の思い通りにはさせないよ」
半兵衛が微笑んで向かう。
秀吉は無言で胃袋を押さえている。
「よそでやれよそで!秀吉、ちょっと医者呼んでくるからな、待ってろよぉぉっ!」
駆け出す寸前、秀吉にアタマを捕まえられる。
「気にするな……」
「わ、わかったここについててやっからな!元気出せ!ほら夢吉だ、だっこしてみろ癒されるぞ!」
「秀吉……君のもみあげは僕が守るよ」
キラキラ光線を一度夢吉をだっこする秀吉に向けると、半兵衛はきつい眼で嫁を見て一歩踏み出した。
「泣いて見せてくれないか、毛利元就……」
俺ぁもうやだこのDV夫婦。
「ふん。考えの浅い男よ。我の涙を閨以外で見られると思うてか」
「ふふ、いい度胸だね。その挑戦、確かに受けたよ」
すたすたと二人が歩みさる。
だが、もう全体的に食事どこじゃない。
まつねええええぇちゃぁぁああああんともう一度心の底で叫ぶ。
「慶次よ……」
秀吉が苦しそうに呼ぶ。
手のひらの中で夢吉が秀吉の親指を両腕で抱えてキキーと励ましている。
「ああ、なんだ秀吉ぃ!」
「半兵衛は……あれで幸せなのだ、そっとしておけ」
そっとしとくも何も、倒れそうなのは秀吉じゃねーかあ!
言いたかったがぐっと堪えた。友人思いなのはいいことだ。
確かにオクラ以外に半兵衛と張り合える女はいないかもしれない。
ぶっ倒れても血を吐いても取り乱さず眉一筋動かさず心配一つせず、
ふん虚弱な男め、使えぬわ。竹中を(医者の元へ)連れて行けと命じるのはあれだけ……
いや、これはやっぱりダメじゃないだろうか……
「あ、あいつらが自力で仲直りすんならな!今は人のことより自分だろ!」
ちょっと横になれよ、と促したが秀吉は軽く壁にもたれただけだった。
そのころ別室、閨で竹中とオクラは戦っていた。
慰謝料争奪でなく、泣いて見せてくれ戦でなく、なぜかどっちが先に気をやってしまうか戦であった。
慰謝料争奪でなく、泣いて見せてくれ戦でなく、なぜかどっちが先に気をやってしまうか戦であった。




