遠くさざめく波音の合間に、ぴちゃぴちゃと湿った音が薄暗い室内に響く。
自分の胸元から聞こえてくるその音を聞きながら、見下ろす元親の口元に
かすかな笑みが浮かんだ。
衣はすでに剥がれて床に打ち捨てられ、もろ肌脱いだ状態だ。御簾から
時折漏れ入る月明かりに照らされ、長い腕や盛り上がった肩、無駄のない
筋肉に覆われたたくましい上半身が、薄闇の底にぼんやりと浮かび上がっている。
その体に絡みつく、白くなよやかな体も。
張り詰めた胸の筋肉を、紅の唇がつうっと辿っていく。薄く塗られていた紅はとうに
剥げていたが、二人分の唾液で濡れ濡れと光る口元は、紅をまとっていた時より
はるかに鮮やかで扇情的だ。
なめし皮のような肌を伝い、心臓の真上にきたところで、唇をすぼめてきつく吸い上げる。
濃く赤い跡が、肌の上に浮かび上がり、同時に、ふ、と小さなため息が唇から漏れた。
右手はくつろいだ袴の中に潜り込み、いきり立つものを緩やかにさすりながら、
もう一方の手は割れた腹筋とわき腹をくすぐるように蠢いている。大きさをもてあまして
いるのか、動きは鈍いが、滑らかな手のひら全体で亀頭を撫で回されるたびに、
ちりちりとむず痒いような刺激が腰を走った。
眼下で健気に蠢く小さな頭に、元親の胸に愛しさが溢れる。
だが同時にこらえきれない笑みも、眼帯に覆われた頬を震わせた。
自分の胸元から聞こえてくるその音を聞きながら、見下ろす元親の口元に
かすかな笑みが浮かんだ。
衣はすでに剥がれて床に打ち捨てられ、もろ肌脱いだ状態だ。御簾から
時折漏れ入る月明かりに照らされ、長い腕や盛り上がった肩、無駄のない
筋肉に覆われたたくましい上半身が、薄闇の底にぼんやりと浮かび上がっている。
その体に絡みつく、白くなよやかな体も。
張り詰めた胸の筋肉を、紅の唇がつうっと辿っていく。薄く塗られていた紅はとうに
剥げていたが、二人分の唾液で濡れ濡れと光る口元は、紅をまとっていた時より
はるかに鮮やかで扇情的だ。
なめし皮のような肌を伝い、心臓の真上にきたところで、唇をすぼめてきつく吸い上げる。
濃く赤い跡が、肌の上に浮かび上がり、同時に、ふ、と小さなため息が唇から漏れた。
右手はくつろいだ袴の中に潜り込み、いきり立つものを緩やかにさすりながら、
もう一方の手は割れた腹筋とわき腹をくすぐるように蠢いている。大きさをもてあまして
いるのか、動きは鈍いが、滑らかな手のひら全体で亀頭を撫で回されるたびに、
ちりちりとむず痒いような刺激が腰を走った。
眼下で健気に蠢く小さな頭に、元親の胸に愛しさが溢れる。
だが同時にこらえきれない笑みも、眼帯に覆われた頬を震わせた。
一生懸命なのは嬉しいが、どうにもこうにも、くすぐったくてたまらない。
今までやったことがないのだから、多少ずれがあるのは仕方ないとわかっているし、
気位の高い元就が頑張って奉仕している姿や、視界でちらちらと揺れる肩、揺れる尻、
揺れる乳房はまさに眼福といえた。
だが、肝心の奉仕がツボを外れすぎていて、気持ちいいよりも、ともかくくすぐったくて
仕方がないのだ。
笑いをこらえるあまり、いい加減腹筋が痙攣してきている。気を抜いたら吹き出しそうだ。
そんなことをしたら間違いなく離婚騒動に発展するだろうから、必死に耐えてはいるが。
おかげで暴発寸前だった砲身も、すっかり落ち着きを取り戻してしまった。
絡みつく冷たい手指の感触と、妻への愛でかろうじて角度を保ってはいるが、これが
このままうっかり萎えでもしたら、そちらでも離婚問題になりかねない。
この問題でも、元親はまた腹から力が抜けずにいた。
いっそ先ほどのように押し倒して、自分の采配ですすめてやろうかとも思ったが、
妻の意思を無視するのは元親の本意ではないし、何より後でどうなるかを考えると
怖くて踏み切れない。
一度言い出したら、こいつ聞かないからなあ。
股間と腹筋を震わせ、どうしたもんか、と悶々と考え込みながら、とりあえず元親は、
顔の下で揺れる髪を撫でてみた。
くしゃくしゃと撫で回すその手に、実に惜しい動きで胸元に吸い付いていた顔が、ふと上がった。
頬を引きつらせて見下ろす良人に、濡れた唇が挑戦的につりあがる。
気位の高い元就が頑張って奉仕している姿や、視界でちらちらと揺れる肩、揺れる尻、
揺れる乳房はまさに眼福といえた。
だが、肝心の奉仕がツボを外れすぎていて、気持ちいいよりも、ともかくくすぐったくて
仕方がないのだ。
笑いをこらえるあまり、いい加減腹筋が痙攣してきている。気を抜いたら吹き出しそうだ。
そんなことをしたら間違いなく離婚騒動に発展するだろうから、必死に耐えてはいるが。
おかげで暴発寸前だった砲身も、すっかり落ち着きを取り戻してしまった。
絡みつく冷たい手指の感触と、妻への愛でかろうじて角度を保ってはいるが、これが
このままうっかり萎えでもしたら、そちらでも離婚問題になりかねない。
この問題でも、元親はまた腹から力が抜けずにいた。
いっそ先ほどのように押し倒して、自分の采配ですすめてやろうかとも思ったが、
妻の意思を無視するのは元親の本意ではないし、何より後でどうなるかを考えると
怖くて踏み切れない。
一度言い出したら、こいつ聞かないからなあ。
股間と腹筋を震わせ、どうしたもんか、と悶々と考え込みながら、とりあえず元親は、
顔の下で揺れる髪を撫でてみた。
くしゃくしゃと撫で回すその手に、実に惜しい動きで胸元に吸い付いていた顔が、ふと上がった。
頬を引きつらせて見下ろす良人に、濡れた唇が挑戦的につりあがる。
「どうだ」
「おう、いいぞ。それにしてもこんなの、どこで覚えてきやがった?」
「おう、いいぞ。それにしてもこんなの、どこで覚えてきやがった?」
話しかけたのは主に自分の気を逸らすためだったが、その言葉に、なぜか元就の目が輝いた。
右手は袴の中に残したまま、胸にしがみついていた体がするりと離れた。しなやかに伸びた
もう一方の手が布団の下を探り出す。
なにをしてやがるのかと身を乗り出したところで、目の前に一本の巻物が突き出された。
表面は煤けて、紙も虫食いでぼろぼろなのが暗闇の中でもわかる。随分古い品のようだ。
なんだこりゃと思いながら、薄い月明かりに浮かぶ表題に目を走らせ、元親は本日二度目の
驚愕に頬をおののかせた。
右手は袴の中に残したまま、胸にしがみついていた体がするりと離れた。しなやかに伸びた
もう一方の手が布団の下を探り出す。
なにをしてやがるのかと身を乗り出したところで、目の前に一本の巻物が突き出された。
表面は煤けて、紙も虫食いでぼろぼろなのが暗闇の中でもわかる。随分古い品のようだ。
なんだこりゃと思いながら、薄い月明かりに浮かぶ表題に目を走らせ、元親は本日二度目の
驚愕に頬をおののかせた。




