どろどろと、肉そのものが蕩けたような柔らかさと熱さと潤み。
捉えられて閉じ込められて、どうにも気持ちよくて、このままずっと
呑み込まれていたいとさえ思う。
こいつの中は、海に似ている。
食われてんのは俺のほうかもしれない。
捉えられて閉じ込められて、どうにも気持ちよくて、このままずっと
呑み込まれていたいとさえ思う。
こいつの中は、海に似ている。
食われてんのは俺のほうかもしれない。
白い腕が、泳ぐように宙をさまよう。やがてその指先が、先ほど布団の上に
放り出した巻物や絵に当たった。
がさがさと、場にふさわしくない小さな騒音が響く。
紗のかかった目が、ふとそちらを見る。揺さぶりながら、邪魔くせえなと手を伸ばし
無造作に布団の外へ放り出すと、快楽に酔っていた顔に小さな怒りが浮かんだ。
「手荒に……扱うな……貴様のそれも……高価な、品なのだろうが……」
「お前、余裕あんなあ」
半ば本気で感心しながら、一枚残った危な絵を片手で握りつぶす。
くしゃりと乾いた音を立て、丸まったそれをまた無造作に投げ捨て、元親はそのまま
組み敷いた体の上へぐっと倒れこんだ。
えぐる角度が変わってまた悲鳴が上がる。たまらずしがみついてきたその、汗まみれの
腕から首筋までを舐め上げて、元親は妻に向かい、にっと笑って見せた。
「あんなもんより、お前のほうがいいに決まってんだろ」
放り出した巻物や絵に当たった。
がさがさと、場にふさわしくない小さな騒音が響く。
紗のかかった目が、ふとそちらを見る。揺さぶりながら、邪魔くせえなと手を伸ばし
無造作に布団の外へ放り出すと、快楽に酔っていた顔に小さな怒りが浮かんだ。
「手荒に……扱うな……貴様のそれも……高価な、品なのだろうが……」
「お前、余裕あんなあ」
半ば本気で感心しながら、一枚残った危な絵を片手で握りつぶす。
くしゃりと乾いた音を立て、丸まったそれをまた無造作に投げ捨て、元親はそのまま
組み敷いた体の上へぐっと倒れこんだ。
えぐる角度が変わってまた悲鳴が上がる。たまらずしがみついてきたその、汗まみれの
腕から首筋までを舐め上げて、元親は妻に向かい、にっと笑って見せた。
「あんなもんより、お前のほうがいいに決まってんだろ」
熱に潤んだ細い目が、大きく見開かれる。
同時に狭い内壁が、ぎゅうと収縮して埋め込まれた砲身を締め上げた。
耐えて息を呑んだ元親の背中に、快感が鳥肌となって吹き上がった。
同時に狭い内壁が、ぎゅうと収縮して埋め込まれた砲身を締め上げた。
耐えて息を呑んだ元親の背中に、快感が鳥肌となって吹き上がった。
一声高く張り上げて、白い背中が布団から浮き上がった。細い指先の小さな爪が、
血がにじむほど元親の肩に食い込む。
数瞬硬直し、くたくたと倒れこんだ細い体を、元親はなるべく優しく腕に抱え込んだ。
血がにじむほど元親の肩に食い込む。
数瞬硬直し、くたくたと倒れこんだ細い体を、元親はなるべく優しく腕に抱え込んだ。
元就の絶頂は深く、長い。ほとんど気を失っているのかと思うほどで、
時々息をしているのかすら心配になる。
「おい……こら、生きてるか?」
返答はない。だが、薄い腹は大きく上下し、重なった胸からも激しい鼓動が伝わってくる。
安堵して頬にかかる髪を舌で払ってやると、まだ自分の快感の中を漂いながら、
元就の目元が少しだけ、緩んだ。
ぽかりと目が開く。さまよう視線が真正面の良人を捉え、もの言いたげにじっと見つめた。
どうした、と声をかける間もなく、夢の中にいるような顔で手を伸ばすと、
元就は指先で間近にあるその顔をまさぐりだした。
冷たい指が、滑って左目の眼帯に触れる。
すっかり埃だらけのそれを撫で回し、指をかける。抵抗もなく外れたものは
興味なさげに放り出し、また手を伸ばして、元就は眼帯に隠れていた頬や目元に
指を這わせた。
頬から鼻梁、瞼や眉と、あくまでゆっくり撫で回し、顔の左半分を手のひらで包み込む。
無言でされるがままの良人を見上げていた目元が、また少し緩んだ。
笑ったかな、と思った瞬間、手が離れる。
何事もなかったかのように布団に落ち、元就は深い息をついてまた目を閉じた。
西海夫婦馬鹿善哉25
時々息をしているのかすら心配になる。
「おい……こら、生きてるか?」
返答はない。だが、薄い腹は大きく上下し、重なった胸からも激しい鼓動が伝わってくる。
安堵して頬にかかる髪を舌で払ってやると、まだ自分の快感の中を漂いながら、
元就の目元が少しだけ、緩んだ。
ぽかりと目が開く。さまよう視線が真正面の良人を捉え、もの言いたげにじっと見つめた。
どうした、と声をかける間もなく、夢の中にいるような顔で手を伸ばすと、
元就は指先で間近にあるその顔をまさぐりだした。
冷たい指が、滑って左目の眼帯に触れる。
すっかり埃だらけのそれを撫で回し、指をかける。抵抗もなく外れたものは
興味なさげに放り出し、また手を伸ばして、元就は眼帯に隠れていた頬や目元に
指を這わせた。
頬から鼻梁、瞼や眉と、あくまでゆっくり撫で回し、顔の左半分を手のひらで包み込む。
無言でされるがままの良人を見上げていた目元が、また少し緩んだ。
笑ったかな、と思った瞬間、手が離れる。
何事もなかったかのように布団に落ち、元就は深い息をついてまた目を閉じた。
西海夫婦馬鹿善哉25




