戦国BASARA/エロパロ保管庫

花影ワヤン5

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匿名ユーザー

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(こりゃ、離縁か? ……どうすっかな……)
後ろ向き思考が極限まで後ろを向くが、かつん、と小さな音を聞いたので思考を中断する。
佐助が先に顔を上げる。
緊張が走った。佐助は袖からくないを取り出し、窓を睨む。
正体を探ろうと神経が集中する。政宗は窓から離れ、低く声を出した。
「……Who are you」
窓に拳を握った手が現れる。
懐の懐剣に手を伸ばしていた政宗は詰めていた息を吐いた。
見慣れた小袖。幸村だ。佐助もくないを袖にしまう。政宗は立ち上がって窓に寄った。
「お前、風呂に行ったんじゃねぇのかよ。お前が使わないとみんな使えねぇんだから」
小言を言いながら窓に顔を寄せる。
手が開く。何かをぶつけられる。咄嗟に目を瞑り、ぶつけられたものを払った。
豆か小石でもぶつけに来たのかと思ったが、違う。痛くない。
ひらひらと頼りなく書房に零れる。薄く紅に色づいた、ほんの少しの――。
「桜ぁ?」
着物についた花弁を摘む。上田の川辺に生えている桜とは少し違う花弁だ。行軍中に拾ったのか摘んだのか。
「おい幸村」
窓は木がはまっているため腕を出すことくらいしかできない。政宗は腕をなんとか出して辺りを探る。
まだ血や泥のついた汚れた手が、政宗の手を握った。汗ばんだ手をしている。
「……幸村?」
幸村の顔は見えない。どんな体勢なのかも分からない。
幸村の手は政宗の手を強く握るとすぐに離れた。政宗は幸村を追って書房を飛び出した。
書房の裏手に出るが、人影はない。
残されたのは、桜の花弁。
腰を屈めて花弁を手に取り、優しく握る。
「ちょっとー、おーい、何があったのー?」
窓の向こうの佐助に向けて適当な返事を返すと、少年のように無邪気な笑みを風呂場に向けた。



幸村はがっしがっしと豪快に自分の体を洗った。湯と時間をたっぷり使うことなど
戦場ではできないので、その分を取り戻すように湯を使って体を磨いた。
頭から湯を被り、髪についた泥や血を洗い流す。
片目を開けて洗髪剤を探すと、視界の端に白い手が移った。小姓か女中か。仕事に慣れた
手だった。手は洗髪剤の入った桶を幸村の前に置いた。
「すまぬ」
「you're welcome」
南蛮の言葉がかかる。顔を上げると、小袖に襷をかけた政宗がいた。思わず逃げ出そうと背中を向ける。
「待て」
一房だけ伸びた髪を引っ張られる。ごき、といい音が首で鳴る。一拍遅れで痛みが広がる。
髪をぐいぐい引っ張られ、幸村は背中を必死に曲げた。これ以上曲げると背骨が折れる、と思っていると
腕が伸びてきた。腕は幸村を背後から抱きすくめる。
布越しにも分かる、しなやかで豊満で濃密な女の体。
我慢を重ね、かつ戦を終えたばかりの体には、十分すぎるぐらいの刺激だった。
「柔らかいなぁお前」
肌が、ではなく体が、だということを理解するのに妙に時間を使った。
鎮まれ鎮まれと念じる。
「お館さまに、体を柔らかく保てば怪我をしにくいと言われ……」
「何でもかんでもお館さま、か」
首をぐいと上に向けられる。どんな憤怒の顔をしているのかと思えば、それはそれは
幸せそうで――可愛い、と思った。
「……約束を違えたこと、怒っておられぬのか」
「約束守ろうと必死ぶっこいて戦終わらせてたら、上田から追い出したな」
川を挟んでの対陣は、ただひたすら気力と心理と駆け引きを駆使した。
何卒一番槍を某に、と信玄に迫った。しかし、攻めれば負けの戦に出てはならぬと怒られただけに終わった。
はやれば負ける戦だったと今なら分かる。
「分かってたさ、桜に間に合わないことくらい。お前は、俺との小さい約束より、戦の大局を見られる」
「……政宗殿との約束は、大きな約束にござる。上田の地を富ませるという父祖の願いと
同じくらい、大きな約束にござる」
「言ってくれるね。……なぁ幸村」
政宗は笑った。為政者が家来を試す類の笑みだとすぐに分かった。
「俺が不幸になれば上田が富むとしたら、お前はどうする?」
「政宗殿が不幸になれば、俺も不幸になる。上の者が不幸であれば、下々の民も不幸に
なるというもの。故に、俺は政宗殿を不幸にさせぬ」
即答すると、また政宗は笑う。柔らかくて可愛らしい、小十郎曰く「あんな顔をされたら
どんな男でも落ちる。少なくとも俺は落ちた」という笑み。小さい頃から政宗が持っている武器の一つ。
「Thank you,darling」
ぎゅうっと力強く抱き締められる。豊満な胸にうなじが埋まる。
鎮まれ鎮まれ鎮まれ鎮まれ。
「ぶ……」
「ぶ?」
花影ワヤン6

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