戦国BASARA/エロパロ保管庫

花影ワヤン6

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「仏説摩訶般若波羅蜜多心経観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五蘊皆空――」
政宗はぎょっとして幸村から離れた。
幸村は暴走しそうな体を鎮めるために般若心経をひたすら唱えた。
「度一切苦厄舎利子色不異空空不異色色即是空」
一心に唱える。小さい頃から仏学を学んだ成果だ。こんな風に役に立つとは思わなかったし、
ありがたいお経を作り上げた数々の先人も、まさか肉体の暴走を止めるために使われる日が
来るとは思いもよらなかったに違いない。
「空即是色受想行識亦復如是舎利子是諸法空相――」
「Stop!」
無造作に拳が下ろされる。幸村は大きく息を吐いて背中を捻り、体を向けた。洗髪剤に
手を浸した政宗が手招きをしている。
「洗ってやるよ」
「いや、その、結構でござる!」
そんなこと、いつもやってないではないか。
「いいじゃねぇか。skin shipは大切だぜ?」
「そうではなく……その、また経を唱えねばならず」
「いーからいーから」
洗髪剤をぱしゃりとかけられ、手が無造作に差し込まれる。
仕事に慣れた無骨な女の手。六本もの刀を同時に使う途方もない握力と腕力を誇りながらも
男にはない滑らかさとしなやかさを持った手が幸村の頭を包む。
「結構……汚れてるな」
毛や頭皮に詰まった汚れを取るように指が動く。頭を這う指の動きは、どうしても
情事での行為を思い出させる。
幸村は床に手をついた。膝を折り曲げ、心の中でひたすら般若心経を唱える。途中で
訳が分からなくなり、同じところを何度も繰り返したりすっ飛ばしたりする。これでは
経の効果は得られない。
きしきしと髪を洗う音がする。政宗の手が時折桶に浸かる。洗髪剤の溶けた水を幸村の頭にかける。
う、と幸村は呻いた。政宗の手が止まった。
「痛いか?」
「……熱ぅござる」
「熱い? 水だぞこれ」
「漲って……まいった……っ」
膝を立ててなんとか抑えようと努力したけど駄目だ。
何ヶ月も我慢したのだから今も我慢できると思ったが、甘かった。
いよいよ限界だ。
幸村は顔を上げた。欲情を訴えると、政宗はにっこりと笑う。
「幸村」
これでもかというほど見事な笑みを浮かべているが、目は少しも笑っていない。
滾っていた体が一気に冷えた。勢いに任せて襲えばきっと殺される。それも、すごい殺され方をされる。
「後で閨に来いよ。いくらでもさせてやるから。いいな? 後でだぜ?」
政宗は首を伸ばし、幸村の耳元で囁く。体を竦めて息を詰め、無言でぶんぶんと頭を縦に振った。
湯が頭からかけられた。顔に張り付いた髪をかき上げて見上げると、政宗は既に背中を
向けていた。湯桶に湯を汲み、一人で頭をすすぐ。ぺたぺたとした素足の足音が遠ざかる。
政宗の顔が少し残念そうだったことを幸村は知らない。
花影ワヤン7



以下蛇足。
絹を裂く音を好んだのは夏王朝最後の帝桀の妃、末喜(ばっき・まっきとも)。
焼き殺す刑罰大好きっ子は殷王朝最後の紂王の妃妲己(だっき)
緊急の報せ用の狼煙が上がって慌てふためいた人がおかしくて笑ったのは
笑わない美女、褒〔女以〕(ほうじ)
顰め面が綺麗と言われたのは春秋時代の越の王夫差の妾、西施(せいし)
彼女たちが原因で国が傾いたとされる。
この場合、政宗は「国傾ける覚悟があるのなら側室になるけど、あんたそんなことできないだろ?」と嫌味を言ったということ。

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