濡れた音を立てて小十郎が中に入ってくる。傷つけることを許した唯一のもの。
硬くて熱くて、抱かれるたびに自分が女なんだと実感する。
「ん……んんっ……」
初めて抱かれたときより一層優しく抱いてくる。初めて抱かれたときは、
あまりの痛みに泣き叫んだ。途中でやめようとするのでそれに対して怒鳴り散らした。
女に俺にみっともない真似をさせるな。男なら最後までやれと居丈高に命じたが、
最後は痛みのあまり気を失った。
徐々に慣れてきて、いろんな真似ができるようになった。無茶をさせたこともある。
どんなことも、一度したら全部飽きた。唯一面白いと思うのが、縄や紐で縛りあうこと。
それ以外は少しも面白くない。
こうやって、気遣われながら抱かれ、一つに縛られるのが一番気持ちいい。
小十郎の男根に根元まで貫かれ、政宗は満足した笑みを零す。小十郎も恍惚とした笑みを浮かべ、
政宗の頭を両の腕で包み込んでくる。力の抜けた左手を動かして小十郎に答える。
「痛くはありませんか? 辛うございますか?」
こんな状態でも、小十郎は政宗を気遣う。
だからこの男は愚かなんだ。少しくらい自分本位で動けよ、莫迦。
「大丈夫だ。ほら、何してるんだよ。動け」
小十郎が形を整えた脚を持ち上げ、腰に絡める。小十郎は生真面目な返事を返し、律動を開始する。
右の手首が痛むのだろう。眉間にきつくシワが刻まれ、時々手を動かそうとしてはやめている。
同じ痛みを政宗も感じている。紐が擦れ、赤く跡がついているのが分かる。汗が滲んで跡を苛む。
同じ痛みを感じる恍惚は、痛みを与える以上の快感をもたらす。
胎内を小十郎にえぐられ、政宗は声を上げる。甘く聞こえるよう、なるべく気の抜けたような
柔らかな声にする。次第にそんなことは考えられなくなり、夢中で小十郎と絡ませた手を強くつかみ、
手の甲に爪を立てる。
限界が近づき、抜こうとしている小十郎の引き締まった腰に脚をきつく絡める。
何もかも、お前の勝手にはさせない。髪一筋、汗一滴(しずく)、魂の一欠けらまですべて。
自由になんかさせてやらない。
小十郎が苦しそうに顔をゆがめる。中に熱い奔流を感じる。政宗は絶頂を極めた声を上げた。
硬くて熱くて、抱かれるたびに自分が女なんだと実感する。
「ん……んんっ……」
初めて抱かれたときより一層優しく抱いてくる。初めて抱かれたときは、
あまりの痛みに泣き叫んだ。途中でやめようとするのでそれに対して怒鳴り散らした。
女に俺にみっともない真似をさせるな。男なら最後までやれと居丈高に命じたが、
最後は痛みのあまり気を失った。
徐々に慣れてきて、いろんな真似ができるようになった。無茶をさせたこともある。
どんなことも、一度したら全部飽きた。唯一面白いと思うのが、縄や紐で縛りあうこと。
それ以外は少しも面白くない。
こうやって、気遣われながら抱かれ、一つに縛られるのが一番気持ちいい。
小十郎の男根に根元まで貫かれ、政宗は満足した笑みを零す。小十郎も恍惚とした笑みを浮かべ、
政宗の頭を両の腕で包み込んでくる。力の抜けた左手を動かして小十郎に答える。
「痛くはありませんか? 辛うございますか?」
こんな状態でも、小十郎は政宗を気遣う。
だからこの男は愚かなんだ。少しくらい自分本位で動けよ、莫迦。
「大丈夫だ。ほら、何してるんだよ。動け」
小十郎が形を整えた脚を持ち上げ、腰に絡める。小十郎は生真面目な返事を返し、律動を開始する。
右の手首が痛むのだろう。眉間にきつくシワが刻まれ、時々手を動かそうとしてはやめている。
同じ痛みを政宗も感じている。紐が擦れ、赤く跡がついているのが分かる。汗が滲んで跡を苛む。
同じ痛みを感じる恍惚は、痛みを与える以上の快感をもたらす。
胎内を小十郎にえぐられ、政宗は声を上げる。甘く聞こえるよう、なるべく気の抜けたような
柔らかな声にする。次第にそんなことは考えられなくなり、夢中で小十郎と絡ませた手を強くつかみ、
手の甲に爪を立てる。
限界が近づき、抜こうとしている小十郎の引き締まった腰に脚をきつく絡める。
何もかも、お前の勝手にはさせない。髪一筋、汗一滴(しずく)、魂の一欠けらまですべて。
自由になんかさせてやらない。
小十郎が苦しそうに顔をゆがめる。中に熱い奔流を感じる。政宗は絶頂を極めた声を上げた。
政宗は小十郎の胸に顔を寄せて眠りに落ちる。淡く微笑んでいるような表情は、
永遠に見つめていても飽きないだろう。
眠りに落ちたのを確かめてから腕を抜く。夜着の紐を外すと、縛った跡が赤く残っている。
しかしこの跡はすぐに消えてしまうだろう。
懐紙で拭って簡単に始末をしてから着物を着る。政宗の焚き染めている香が肌から香るが、
着物で無理やり閉じ込めた。
上掛けを引き上げてやり、行火を足元に入れる。
雪の夜は寒い。熱が、温もりが恋しい。けれど同じ褥で朝を迎えたことはない。
どれ程乱れ快楽に溺れても、それをしてはいけないと思っている。
恋人同士ではないのだから。
「……俺は、家臣なんですよ。政宗様」
政宗は主君だ。そして自分は家臣。同じ褥で同じ夢を見て、一緒に朝を迎えることはできない。
音を立てぬよう気遣いながら退室する。廊下も慎重に足を進め、角を曲ってから詰めていた息を吐いた。
風が吹き込み、肩を竦め顔を顰める。両手に息を吹きかけ、顔を上げた。与えられた居室へと足を向ける。
途中で伊達家臣の一人とすれ違うと、あからさまに顔を顰められた。髪の乱れで今宵のことに気づいたのだろう。
朝になれば政宗は真っ先に小十郎を呼ぶだろう。そして主の許しを得ずに退室するなと頬を張る。
それでいい。
政宗は常に気高く誇り高くあって、小十郎を見下ろせばいい。
対等な間柄など望まない。
幼い頃は、政宗は小十郎以外の人を恐れた。成長して世に出るようになり、片目であることや
疱瘡を患ったことで悩むことは少なくなった。友や宿敵と呼べる相手も見つかった。
それでも政宗は小十郎を頼る。胸倉をつかんで頬を張り、ぐずだ莫迦だ気が利かないと罵りながら、
お前の入れる飴湯しか飲まないと言って笑う。
あの笑顔を己の手の中に閉じ込められるのだ。これ以上の幸福など、望むべくもない。
あんたの奴隷のままでいい13
永遠に見つめていても飽きないだろう。
眠りに落ちたのを確かめてから腕を抜く。夜着の紐を外すと、縛った跡が赤く残っている。
しかしこの跡はすぐに消えてしまうだろう。
懐紙で拭って簡単に始末をしてから着物を着る。政宗の焚き染めている香が肌から香るが、
着物で無理やり閉じ込めた。
上掛けを引き上げてやり、行火を足元に入れる。
雪の夜は寒い。熱が、温もりが恋しい。けれど同じ褥で朝を迎えたことはない。
どれ程乱れ快楽に溺れても、それをしてはいけないと思っている。
恋人同士ではないのだから。
「……俺は、家臣なんですよ。政宗様」
政宗は主君だ。そして自分は家臣。同じ褥で同じ夢を見て、一緒に朝を迎えることはできない。
音を立てぬよう気遣いながら退室する。廊下も慎重に足を進め、角を曲ってから詰めていた息を吐いた。
風が吹き込み、肩を竦め顔を顰める。両手に息を吹きかけ、顔を上げた。与えられた居室へと足を向ける。
途中で伊達家臣の一人とすれ違うと、あからさまに顔を顰められた。髪の乱れで今宵のことに気づいたのだろう。
朝になれば政宗は真っ先に小十郎を呼ぶだろう。そして主の許しを得ずに退室するなと頬を張る。
それでいい。
政宗は常に気高く誇り高くあって、小十郎を見下ろせばいい。
対等な間柄など望まない。
幼い頃は、政宗は小十郎以外の人を恐れた。成長して世に出るようになり、片目であることや
疱瘡を患ったことで悩むことは少なくなった。友や宿敵と呼べる相手も見つかった。
それでも政宗は小十郎を頼る。胸倉をつかんで頬を張り、ぐずだ莫迦だ気が利かないと罵りながら、
お前の入れる飴湯しか飲まないと言って笑う。
あの笑顔を己の手の中に閉じ込められるのだ。これ以上の幸福など、望むべくもない。
あんたの奴隷のままでいい13




