「江戸紫に銀。伸びたりしないし、木綿だからやったら丈夫。ほんとはさ、刀に巻く以外にも色々便利だよ
目先にかざして眺めた。
「ああ。帯留めにも良さそうだなあ……」
「そーだね。……もうすぐ、夜明けだ」
それが後回しにせずに箱引っかき回した理由なのか。
兄さんは手早く服を身につけた。
元親も起きあがる。うたた寝は出来た、もう歩いて帰るくらいは出来る。
「はええもんだ……兄さん。この国はいい国だ。特に外から来た男にゃウケる」
「うん、景色綺麗だし魚も貝も美味かったねえ」
戸惑ったような答えにいーやちがうね、そこじゃないと勿体を付ける。
チョーリーを身につけ背の留め具を付けると兄さんが途中から手伝ってくれた。手慣れた感じだった。
嫉妬が胸の先を過ぎり、兄さんが宥めるように腰に腕を回してくれた。
「武将相手の商売ってもな、ちょっと時間があれば普通の漁村行ってみなよ。
姉ちゃんもばあちゃんも、みーんな腰巻き一つでふらふらしてんぜ。
海女が多いからな、いつでも海に飛び込めるような格好なんだ」
兄さんはそりゃあすごい、と元親の胸に視線を落として感動していた。
残念だな、俺ぁ海女じゃねえんだ。海賊だ。
「あー、ほんっと転職することがあったらここに来よー」
ついでとばかりに胸を軽く揉んで、悪ふざけの口調で兄さんが言う。
転職することがあれば。本気ならそんな言い方しねえ。ただの戯れ言だ。
だからここに落ち着く気なんざねえ、解ってらあ。
「ま、みんなひと月経たずに見飽きるって言うがな。どうも隠されてなきゃ燃えねえってよ」
そういやサリー渡すとこっちも下は腰巻きか。いいや茶屋のおばちゃんになんか布借りりゃいい。
「その気持ちは分かるね!脱がす楽しみってのはやっぱ欲しいでしょ?」
やたらとぴっちりしたチョーリーには手を差し入れる余地がない。
物足りなそうに上から揉みしだかられれば、先端が衣の上からもはっきりと尖り、
意地悪くもあれー、まだ足りない?とかりかり爪先で引っかかれる。
「や、もーいい。行かなきゃな……見送るより、見送られてえんだ。……いいか?」
「いいよ。俺は見送る方が好きだしね」
頷いた。
目先にかざして眺めた。
「ああ。帯留めにも良さそうだなあ……」
「そーだね。……もうすぐ、夜明けだ」
それが後回しにせずに箱引っかき回した理由なのか。
兄さんは手早く服を身につけた。
元親も起きあがる。うたた寝は出来た、もう歩いて帰るくらいは出来る。
「はええもんだ……兄さん。この国はいい国だ。特に外から来た男にゃウケる」
「うん、景色綺麗だし魚も貝も美味かったねえ」
戸惑ったような答えにいーやちがうね、そこじゃないと勿体を付ける。
チョーリーを身につけ背の留め具を付けると兄さんが途中から手伝ってくれた。手慣れた感じだった。
嫉妬が胸の先を過ぎり、兄さんが宥めるように腰に腕を回してくれた。
「武将相手の商売ってもな、ちょっと時間があれば普通の漁村行ってみなよ。
姉ちゃんもばあちゃんも、みーんな腰巻き一つでふらふらしてんぜ。
海女が多いからな、いつでも海に飛び込めるような格好なんだ」
兄さんはそりゃあすごい、と元親の胸に視線を落として感動していた。
残念だな、俺ぁ海女じゃねえんだ。海賊だ。
「あー、ほんっと転職することがあったらここに来よー」
ついでとばかりに胸を軽く揉んで、悪ふざけの口調で兄さんが言う。
転職することがあれば。本気ならそんな言い方しねえ。ただの戯れ言だ。
だからここに落ち着く気なんざねえ、解ってらあ。
「ま、みんなひと月経たずに見飽きるって言うがな。どうも隠されてなきゃ燃えねえってよ」
そういやサリー渡すとこっちも下は腰巻きか。いいや茶屋のおばちゃんになんか布借りりゃいい。
「その気持ちは分かるね!脱がす楽しみってのはやっぱ欲しいでしょ?」
やたらとぴっちりしたチョーリーには手を差し入れる余地がない。
物足りなそうに上から揉みしだかられれば、先端が衣の上からもはっきりと尖り、
意地悪くもあれー、まだ足りない?とかりかり爪先で引っかかれる。
「や、もーいい。行かなきゃな……見送るより、見送られてえんだ。……いいか?」
「いいよ。俺は見送る方が好きだしね」
頷いた。
「じゃあな、佐助にーさん」
後ろ手に手を振った。
「またね、ちかちゃん。今度会った時にもごひいきに」
後ろ手に手を振った。
「またね、ちかちゃん。今度会った時にもごひいきに」
今度はねえんだ。兄さん。
俺は、長曾我部元親……鬼ヶ島の、鬼だ。
俺は、長曾我部元親……鬼ヶ島の、鬼だ。
またねじゃねえっての。もうないんだよ、綺麗な異国のお姉さん。
ちか、と名乗ったのはあだ名かなにか、きっと最初の名乗りが本当の名前なんだろう。
……蝶々さん。ひらりと誘って止まって、またどっかにひらひら飛んでった、白金造りのお姉さん。
佐里、と呼んだ布を引き寄せた。そして術で一瞬のうちに灰に変えた。
駄目なんだよ、俺は身元が分かるような、誰に関わったか知れるようなものは持ち歩けない。
気に入りの布だって言ったけど、そう言うの流れの男なんかに渡すから。
惚れたりするから。
ちか、と名乗ったのはあだ名かなにか、きっと最初の名乗りが本当の名前なんだろう。
……蝶々さん。ひらりと誘って止まって、またどっかにひらひら飛んでった、白金造りのお姉さん。
佐里、と呼んだ布を引き寄せた。そして術で一瞬のうちに灰に変えた。
駄目なんだよ、俺は身元が分かるような、誰に関わったか知れるようなものは持ち歩けない。
気に入りの布だって言ったけど、そう言うの流れの男なんかに渡すから。
惚れたりするから。
だからこっちも惚れるんだ、畜生。
姫親が行く!14
姫親が行く!14




