慌てて反撃に移ろうとした敵軍は、だが異変に気付いた。
無残に斬り捨てられた死体から、ふわりと何かが浮き上がる。
紫色の、小さな光のようなものが死体から次々と現れ、佐助の周囲に集う。
それは戯れるように佐助に集い、やがて勢いよく佐助の中に飛び込んだ。
「あっ…」
血塗れの戦場で、その声は誰の耳にもはっきりと届いた。
「あっ、んは…んんっ…」
無残に斬り捨てられた死体から、ふわりと何かが浮き上がる。
紫色の、小さな光のようなものが死体から次々と現れ、佐助の周囲に集う。
それは戯れるように佐助に集い、やがて勢いよく佐助の中に飛び込んだ。
「あっ…」
血塗れの戦場で、その声は誰の耳にもはっきりと届いた。
「あっ、んは…んんっ…」
紫色の光がずぶずぶと、佐助の中に吸い込まれるたびに、細い身体がぴくんと跳ねる。
白い頬に血を上らせ、佐助は熱い息を吐く。
「お、おのれ!!忍びが面妖な術を!!」
一騎の武者が、恐怖を張り付かせながらも佐助に攻めかかった。
長柄を鋭く馬上から突き下ろすが、そこに佐助はいない。
「…あんた、結構いい男だね」
白い頬に血を上らせ、佐助は熱い息を吐く。
「お、おのれ!!忍びが面妖な術を!!」
一騎の武者が、恐怖を張り付かせながらも佐助に攻めかかった。
長柄を鋭く馬上から突き下ろすが、そこに佐助はいない。
「…あんた、結構いい男だね」
うちの旦那には負けるけど。
背後から間延びした、なのになまめかしい声がした。
振り返ることは出来なかった。
ぞぶりと鎧を簡単に貫いた刃が抜ければ、動かぬ主を引きずったまま馬は駆けて行く。
また、騎馬武者の身体から現れた光が地に下り立った佐助の中に吸い込まれる。
既に皆にもわかっていた。
闇烏は、死者の魂を食らい力を増す。
それを操る主人もまた、魂を食らい傷を癒し、力を蓄える。
その凄惨さに、佐助は真田に仕えてから闇烏を使った事はほとんどなかった。
誰にも見られない、暗殺のような任務にのみ用いて来た。
陰気の強すぎる身では、己が取り込まれてしまう恐れもあったからだ。
だが、今はもうためらう必要はない。
男の精を存分に浴びて佐助に力は溢れている。
幸村に厭われると恐れる必要もない。
まだまだ獲物はたくさんいると、命を求めて啼く闇烏を宥めながら、佐助は飛んだ。
背後から間延びした、なのになまめかしい声がした。
振り返ることは出来なかった。
ぞぶりと鎧を簡単に貫いた刃が抜ければ、動かぬ主を引きずったまま馬は駆けて行く。
また、騎馬武者の身体から現れた光が地に下り立った佐助の中に吸い込まれる。
既に皆にもわかっていた。
闇烏は、死者の魂を食らい力を増す。
それを操る主人もまた、魂を食らい傷を癒し、力を蓄える。
その凄惨さに、佐助は真田に仕えてから闇烏を使った事はほとんどなかった。
誰にも見られない、暗殺のような任務にのみ用いて来た。
陰気の強すぎる身では、己が取り込まれてしまう恐れもあったからだ。
だが、今はもうためらう必要はない。
男の精を存分に浴びて佐助に力は溢れている。
幸村に厭われると恐れる必要もない。
まだまだ獲物はたくさんいると、命を求めて啼く闇烏を宥めながら、佐助は飛んだ。




