「ちーっす!具合どう?」
「どうもこうも……君を見た瞬間悪くなったよ。」
あのまま死んでしまうかと思われた半兵衛は奇跡的に持ち直していた。
「どうもこうも……君を見た瞬間悪くなったよ。」
あのまま死んでしまうかと思われた半兵衛は奇跡的に持ち直していた。
――僕は生き汚いんだ。
そう自嘲気味に笑ったのがどうしてだか忘れられない。
持ち直しはしたけれど、もう床から出られることは無いだろう。
医者はそう言った。生きているのが不思議なくらいだと。
持ち直しはしたけれど、もう床から出られることは無いだろう。
医者はそう言った。生きているのが不思議なくらいだと。
きちんと治療して欲しくて加賀の利家とまつに頼むと快く引き受けてくれた。
筋肉は落ち、以前にも増して華奢になり、食が進まないとかで胸元の肋が浮いている。
目に見えて衰弱していく半兵衛はそれでも口だけは減らなかった。
筋肉は落ち、以前にも増して華奢になり、食が進まないとかで胸元の肋が浮いている。
目に見えて衰弱していく半兵衛はそれでも口だけは減らなかった。
「元気みたいだな。葛湯持ってきたんだ飲みなよ。」
にかっと笑い湯のみを差し出す慶次に半兵衛はこれ見よがしに小さく溜め息を付いた。
「……頂こう。」
もう、こう言う物しか半兵衛の身体は受け付けないとまつが言っていた。
湯のみに口を付けたのを見て慶次はほっとした。
「これは?」
「ゆずの薫りがいいだろ?京で今人気なんだよ。」
「君が?」
「ああ、秀吉と一緒に買って……あ!」
「何だい、騒々しい。」
にかっと笑い湯のみを差し出す慶次に半兵衛はこれ見よがしに小さく溜め息を付いた。
「……頂こう。」
もう、こう言う物しか半兵衛の身体は受け付けないとまつが言っていた。
湯のみに口を付けたのを見て慶次はほっとした。
「これは?」
「ゆずの薫りがいいだろ?京で今人気なんだよ。」
「君が?」
「ああ、秀吉と一緒に買って……あ!」
「何だい、騒々しい。」
慌てて立ち上がった慶次は廊下に出ると大荷物を抱えて戻ってきた。
「?何を……。」
「はいはい着替える着替える。」
よく分からないまま着崩れた夜着を脱がせられ綺麗に仕立てられた着物を着せられた。
一見夜着に似た色のそれは薄く軽くて高価なものだと分かる。
首の辺りを襟できっちり隠し、普通の帯ではなく夜着のそれに似た帯紐で苦しくないように腰の辺りを緩くしっかりと締められる。
抵抗が出来ず黙っていた半兵衛はやっと言葉を発した。
「?何を……。」
「はいはい着替える着替える。」
よく分からないまま着崩れた夜着を脱がせられ綺麗に仕立てられた着物を着せられた。
一見夜着に似た色のそれは薄く軽くて高価なものだと分かる。
首の辺りを襟できっちり隠し、普通の帯ではなく夜着のそれに似た帯紐で苦しくないように腰の辺りを緩くしっかりと締められる。
抵抗が出来ず黙っていた半兵衛はやっと言葉を発した。
「ちょっと……きちんと説明してくれないか。」
「秀吉が来るんだ。」
「え。」
ばさっと羽織を半兵衛にはおらせ、慶次は満足そうに笑った。
「うん似合うよ。」
慶次はまた荷物をがちゃがちゃとあさっている。
「慶次君。話を途中で辞めるのは君の悪い癖だよ。秀吉が此処に来るって?」
「うん今回は一緒に来たんだ。」
「駄目だ。こんな弱りきった姿見せるわけには―…。」
そこまで言って気付く。着替えさせたのは痩せた身体を目立たなくするためか。
「うんだからさ。こうやって襟きっちり占めて化粧すればあんまり分かんないでしょ。」
そう言って慶次は半兵衛の顔に薄く白粉をはたき、化粧を施し始めた。
「秀吉が来るんだ。」
「え。」
ばさっと羽織を半兵衛にはおらせ、慶次は満足そうに笑った。
「うん似合うよ。」
慶次はまた荷物をがちゃがちゃとあさっている。
「慶次君。話を途中で辞めるのは君の悪い癖だよ。秀吉が此処に来るって?」
「うん今回は一緒に来たんだ。」
「駄目だ。こんな弱りきった姿見せるわけには―…。」
そこまで言って気付く。着替えさせたのは痩せた身体を目立たなくするためか。
「うんだからさ。こうやって襟きっちり占めて化粧すればあんまり分かんないでしょ。」
そう言って慶次は半兵衛の顔に薄く白粉をはたき、化粧を施し始めた。
「馬鹿だね。そんな事をして君に何の得がある。」
「綺麗な半兵衛を見れて俺が眼福。秀吉を余り落ち込ませたくないし。お前もその方が良いだろ?3つ位得じゃない?。」
「本当に君はおめでたいね。敵に塩送ってどうするのさ。」
「敵?俺とお前が?」
「君と同じように僕は秀吉が好きなんだ。分かってるのかい?」
「分かってるよ。やっぱり好きな人には綺麗な姿だけ見せたいってのが女心だよね。」
半兵衛の言う意味をまったく解さない慶次に思わず溜め息が出る。
「君ね……。」
「あー駄目駄目話さないで、紅が曲がっちゃうよっと出来た。ほら綺麗だよ。」
はいと鏡を渡される。
ずっと見たくなくて見ていなかったけれど。
化粧が巧いせいなのか、少しやつれた様にしか見えなかった。
「綺麗な半兵衛を見れて俺が眼福。秀吉を余り落ち込ませたくないし。お前もその方が良いだろ?3つ位得じゃない?。」
「本当に君はおめでたいね。敵に塩送ってどうするのさ。」
「敵?俺とお前が?」
「君と同じように僕は秀吉が好きなんだ。分かってるのかい?」
「分かってるよ。やっぱり好きな人には綺麗な姿だけ見せたいってのが女心だよね。」
半兵衛の言う意味をまったく解さない慶次に思わず溜め息が出る。
「君ね……。」
「あー駄目駄目話さないで、紅が曲がっちゃうよっと出来た。ほら綺麗だよ。」
はいと鏡を渡される。
ずっと見たくなくて見ていなかったけれど。
化粧が巧いせいなのか、少しやつれた様にしか見えなかった。
「馬鹿だね。君は本当に愚かだ。」
「知ってるよ。」
そう言って少し笑いあった。
そんな事本当に久しぶりの事だった。
「知ってるよ。」
そう言って少し笑いあった。
そんな事本当に久しぶりの事だった。




