「shit――!ちいと時間かけすぎたか」
まだ距離があるものの確実にこちらに近付いてきている馬の嘶きに気付き、
政宗は絶頂の余韻に浸る間もなく立ち上がり、脱ぎ散らしてあった服をぞんざいに身につけた。
「政宗様!!いきなり陣を離れられてなにをなされているのです!」
馬に乗ってやってきた人物は予想通り、政宗の右目とも名高い臣下である小十郎だった。
川中島の偵察に出る、とそれだけの書置きではやはりまずかったのか
こちらを諌めるような視線がちくちくと刺さってくる。
「いやあ、ちょっとした火遊びみたいなもんか、ね……――」
我ながら上手い例えをしたものだと政宗は笑ったが、小十郎にはその意味がわからないようだった。
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