「まつには、耐えられませぬ。貴方様の居ない夜など…」
「…まつはしっかり者でいつも某を支えてくれるのに、今日は困らせるのだな」
「申し訳ございませぬ…」
「だがその気持ち、某も同じだ」
武士の嫁としてではなく、愛する者の側に居たいという女としての望む道を選んだ。
その決意を、利家は無下にできなかったのだ。
「まつ…」
「犬千代様…」
互いに確認し合うように囁くと、二人の影は重なっていった。
「…まつはしっかり者でいつも某を支えてくれるのに、今日は困らせるのだな」
「申し訳ございませぬ…」
「だがその気持ち、某も同じだ」
武士の嫁としてではなく、愛する者の側に居たいという女としての望む道を選んだ。
その決意を、利家は無下にできなかったのだ。
「まつ…」
「犬千代様…」
互いに確認し合うように囁くと、二人の影は重なっていった。
同じような風景であるが、どこか安らぎが感じられるようになる頃。
そこに男の頭を腿の上にのせて髪を撫ぜる女が居た。
慈母のような眼を向け、愛おしそうに相手に触れる。
そこに男の頭を腿の上にのせて髪を撫ぜる女が居た。
慈母のような眼を向け、愛おしそうに相手に触れる。
「明日には戦に赴く身、これまで沢山まつめを守ってくれた身体」
顔から爪先に至るまで付いた傷に手を動かす。
これからも増え続けるだろう、考えると悲しくなるが悩んでいても仕方が無い。
待つ女ではなく、共にある女として支えよう。
そう新たに決意する。
顔から爪先に至るまで付いた傷に手を動かす。
これからも増え続けるだろう、考えると悲しくなるが悩んでいても仕方が無い。
待つ女ではなく、共にある女として支えよう。
そう新たに決意する。
「うぅ…まつ~」
寝言を漏らす利家に吹き出し、また髪を撫ぜはじめた。
「今だけは、どうか安堵のひとときを。お休みなさいませ、犬千代様……」
寝言を漏らす利家に吹き出し、また髪を撫ぜはじめた。
「今だけは、どうか安堵のひとときを。お休みなさいませ、犬千代様……」




