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戦国BASARA/エロパロ保管庫

佐助×幸村(♀)23

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匿名ユーザー

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「……あんた、馬鹿ですか」
かろうじて口から出たのはそんな言葉だけで。
「言われぬでも、承知しておる」
むっと眉をしかめて言い返す顔は、薄い光の中いやに晴れ晴れと輝いていて、さっきとは別の意味でまっすぐ見られない。
ちょっと、ねえ、なんでそんなに笑ってんの。本当に馬鹿みたいだよあんた。
馬鹿だよ。それじゃあんた丸損でしょ。
いったいそれで、あんたはなにを得られるんだ。
「……俺は、忘れちゃってたよ」
それでも往生際悪く、そんなことを呟く俺に、旦那は不思議そうに瞬きして顔を寄せてきた。
ああほら、さっき俺に何されたか、もう忘れたの。本当に馬鹿なんだから。
「俺はあんな口約束なんか、とっくの昔に忘れちゃってたんだよ」
だってあんなの、叶うはずもない、本当にただの、口からのでまかせだったんだから。
少しだけ目を見開き、そうか、と呟いた顔は、それでもやっぱり一点の曇りもない笑顔だった。
「だが、あのころ佐助が居なかったら、某は多分今でも、あの木から降りられなかったぞ」
今は、お館様も家中の皆様も、真田の家臣も居てくれるが、と嬉しそうに笑って、また少し顔が近づく。
「あのころ、どんなにぐずろうが無茶をしようが、それでもそばにいるといってくれたのは佐助だけだった」
でまかせだろうと、何の効力もない口約束だろうと。今は忘れてしまっていても。
「あの時あの場で、佐助がああ言ってくれたから、某は今、ここにおるのだ」

思いっきり、ため息が出た。
いやはや常々、馬鹿だ馬鹿だとは思ってたけど、俺のお育て申し上げた姫様は正真正銘、
本当の馬鹿だったらしい。
槍バカでお館様バカで武田バカで真田バカで、木には登るし池には落ちるし、廊下は
走るし、人の日本一のお姫様育成計画も早々に頓挫させてくれるし。
人の話は聞かないし、そのくせ変なことばっかり覚えてるし、俺の馬鹿げた矜持も愚かな恐怖も、むちゃくちゃにぶっ飛ばしてぶっ壊して気にもしない。
俺様一体どうしていいやら。

ああまったく、なんでこんなに馬鹿なんだろ。
なんかもう、情けなくて涙でそう。

両手伸ばして、すぐ目の前で座り込んだ体を、ぐるぐる巻きの打ち掛けごと引っつかんで引き寄せる。
花模様の小袖も、ぼさぼさの髪も、さっき床に押し付けた腕も、全部一緒くたに抱きしめて、俺は打ち掛けのずり落ちかけた肩に顔をうずめた。
ぎくりと震えたのは一瞬で、すぐ女にしては強すぎる力が、俺の背中を抱き返してきた。
まるで柿の木の上の小さな姫様に戻っちゃったみたいに、必死の勢いでしがみついてくる。
ぎゅうぎゅう締め付ける腕の力は痛いほどで、実のところ背骨が折れるんじゃないかと
心配になるくらいなんだけど、今はその苦しさが心地いい。
そのくらいしてもらわないと、本当に最後のぎりぎりの矜持も吹っ飛んじゃいそうだったから。
顔の下で、目がくらむほど眩しい打ち掛けの肩が、ようやくほっとしたように揺れて、沈んだ。

ねえ旦那、あんたこそ忘れてるみたいだけど。
あの時あんたも俺に言ったんだよ。秋の夕暮れ、あの柿の木の上で。
(だいたいねー、姫様だけじゃないよ。俺にだって家族なんかいないんだから)
(佐助も?佐助も姫と同じなのか?)
(いないよ。俺は忍びだもん。ね、姫様、俺とおそろいだよ。よかったねー)
(……さようか)
こんなアホな言葉に、言いくるめられるようで大丈夫かとちょっと心配になったころ。
(では、佐助には姫がいてやろう)
(はい?)
(佐助が姫のそばにいてくれるなら、姫も佐助とずっといっしょにいてやるゆえな)
大口開けて柿の実をかじりながら、ニコニコ笑った幼い笑顔。
ガキのころの、それはただの、何の効力もない口約束。
笑いながら、他のいろんなものと一緒に胸の奥で押しつぶした。いつもどおり。

でもね旦那。俺は、忘れたことなんかなかったよ。
あんたがくれた、俺が生まれて初めて言われたあの言葉を。
押しつぶしても押し隠しても、どうしても消えなかったあの言葉を。
俺も一瞬だって、忘れたことなかったんだよ。



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