戦国BASARA/エロパロ保管庫

素直になれないのッッ!3

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匿名ユーザー

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「・・・・お、追えぇ!追うんだ!」
怒濤の展開に呆然としていた周囲が慌てて動き出す。
ばたばたと十数人が女が去った山の方へ走り出した。
「ちっ、高かったのに。みんなぶち撒けちまった。ま、よかったのかもしれねえが」
瓶を砂浜に投げ捨て、元親はため息をついた。
「アニキ!大丈夫ですかぃ!!」
部下がわらわらと寄ってくる。
そして彼の頬に伝わる血に驚愕し、ぎゃあぎゃあわめき始める。
「うるせえ!平気だ。皮切られただけだ」
と、一喝すると水を打ったように静かになった。
「一体何者でしょう」
ぽつりと部下が尋ねた。
「多分ありゃあ・・・」
頬の血を手の甲で拭いつつ推測を述べようとしたときだ。
「何だ、この騒ぎは!」
高く刺々しい声が背後から聞こえた。
「元就・・・」
就寝したはずの元就が夜着のまま立っていた。
肩で息をしている。走ってきたのであろうか。
そのまま大股で元就は元親に近寄ると、怒りの表情で状況説明を求めようとしたが頬からにじむ血に目を見開いた。
「なっ・・・貴様、その傷・・・」
「あ?ああ、掠っただけだ。どうもない」
へらりと笑ってみせるとなにか言いたげに口を開くが、閉じ、勢いのない声で
「っ・・・見れば分かる・・・へまをしおって。何があった」
と言った。
事の顛末を語れば、またキリキリと眉がつり上がる。そしてまた元親を詰りだした。
それを眺めて元親はぼんやりと思った。
ーーこいつ、無表情か怒ってる顔しかしねえな。綺麗な顔してるのにもったいねえ
「聞いておるのか!」
「聞いてるよ」
図らずも気のない返事をしてしまった。
元就はぐうっとしかめ面を強め、ぐいっと元親の腕を引いて歩き出した。
「このたわけ!来いっ!・・・貴様らも早う片づけて寝よ!」

「どこ行くんだよ」
「我の寝所だ」
「なんで」
「手当をせねば」
「いいって。もう止まった」
「だが」
「いいって。駒に気遣ってねえで、寝ろ」
短い応酬が途絶え、元就は腕を掴んだまま元親に向きなおった。
「元親は。何も分かっておらぬのだな」
静かな声は、悲しげだった。
「あ?」
「よい・・・・・・我が悪いのだ・・・」
聞こえないほどの小さな声だが、静寂の闇の中では元親の耳に入った。
「え?」
「・・・もう酒はやめよ。気が緩んでいるからそうやって斬られるのだ」
無感情な声に戻り、ぱっと腕が離される。
「お前の言う通りもう我は寝る。帰ってよい」
くるりと踵を返して元就は寝所の中へ入っていった。
元親はしばらく立ちすくんでいたが、諦めたように頭を掻くと自分の寝所へ帰っていった。



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