耳元にかすれたささやき声が落ち、耳朶をついばまれる。
やはり体は硬直した。
「いちいち口付けるって言ってほしいのか?」
「や、その、恥ずかしながら慣れては…っ」
首筋に吐息がかかり、小さな痛みを与えて離れた。
「つっ」
痛みそのものよりも、驚きで声が上がる。
「幸村」
宥めるように呼ぶ声がどこか熱を帯びている。
頬に唇が落ちる。
「慣れてない?ha、何も知らない、んだろ?安心しろよ、俺もvirginもらうのは初めてだ」
「ば、――?」
「純潔の乙女、ってね。勝手がわからねえのは同じって事だ。
…辛いとか、痛いとか、言われなきゃ判らないからな。言えよ、幸村」
「同じでござるか」
なんとなく安堵するものがあり、ほっと肩の力を抜いた。
少しだけ笑むと、政宗の指先が頬をなでる。
「痛みも苦しみも慣れておれば心配無用。ただ、某も何一つ判り申さぬ。政宗殿、指南いただきたく」
知らぬといいながら、自分よりはずっと心得ている。
「案外coolなんだな。イイぜ、幸村…」
また小さな痛みが刻まれる。
首筋に、肩口に、鎖骨のすぐ下に。
「痛みとは、これにござるか」
「Ah?ただの、kissだ。こんなもんで音を上げてくれるなよ?」
「きす…」
ぼんやりと自分の体を見ると、虫に刺されたような色が見える。
「っ?、きす?」
うろたえると、政宗は自分の体を指し示した。
「やってみな。唇をつけて、吸う。それだけだ」
指し示された場所は鎖骨の辺りで、幸村は恐る恐る唇をつけた。
心音の高鳴りを無視する。そして、吸う。
「そんなもんじゃねえだろ、幸村ァ?遠慮なんかするんじゃねえ、お前を刻み込みに、来な」
挑発する言葉に強く吸うと、確かに赤い痕が刻み込まれた。
「kiss mark、ってね。口付けた証だ」
「き、消えるのでござろうか」
血色がいいと言われる自分よりもずいぶん白い肌に浮かんだ、赤い痕が燭の揺れ動く明かりにちろちろと照らされる。
唾液の跡も見えて、幸村はいまさら困った。
隠微な眺めに過ぎて、ひどく困った。
「時間がたてばな。傷が治るように消えるさ。その前に、もう一度刻みに来い」
頷くべきか断るべきか、ここから先を知らない身としては困りに困って、とりあえずもうひとつ、虫刺されめいた痕をつけた。
政宗は、どうしてか満足そうだった。
「アンタ、やっぱ最高だ」
熱に浮かされた声で、襟元に手をかける。既に幾分くつろいでいたそれを開く。
「っ、まさむ――っ、たっ、」
遠慮も何もなく、手のひらが膨らみに触れ、幸村は思わず声を上げた。
「怪我があるようには、見えないぜ?」
体を丸め胸元をかき合わせる幸村を、政宗がしぐさで呼ぶ。
「う…傷はござらんが、ここのところ勝手に傷むのでござる…さ、触らないで下され」
言う傍から政宗は手を伸ばし、それでもかなり慎重な手つきで触れた。
やはり体は硬直した。
「いちいち口付けるって言ってほしいのか?」
「や、その、恥ずかしながら慣れては…っ」
首筋に吐息がかかり、小さな痛みを与えて離れた。
「つっ」
痛みそのものよりも、驚きで声が上がる。
「幸村」
宥めるように呼ぶ声がどこか熱を帯びている。
頬に唇が落ちる。
「慣れてない?ha、何も知らない、んだろ?安心しろよ、俺もvirginもらうのは初めてだ」
「ば、――?」
「純潔の乙女、ってね。勝手がわからねえのは同じって事だ。
…辛いとか、痛いとか、言われなきゃ判らないからな。言えよ、幸村」
「同じでござるか」
なんとなく安堵するものがあり、ほっと肩の力を抜いた。
少しだけ笑むと、政宗の指先が頬をなでる。
「痛みも苦しみも慣れておれば心配無用。ただ、某も何一つ判り申さぬ。政宗殿、指南いただきたく」
知らぬといいながら、自分よりはずっと心得ている。
「案外coolなんだな。イイぜ、幸村…」
また小さな痛みが刻まれる。
首筋に、肩口に、鎖骨のすぐ下に。
「痛みとは、これにござるか」
「Ah?ただの、kissだ。こんなもんで音を上げてくれるなよ?」
「きす…」
ぼんやりと自分の体を見ると、虫に刺されたような色が見える。
「っ?、きす?」
うろたえると、政宗は自分の体を指し示した。
「やってみな。唇をつけて、吸う。それだけだ」
指し示された場所は鎖骨の辺りで、幸村は恐る恐る唇をつけた。
心音の高鳴りを無視する。そして、吸う。
「そんなもんじゃねえだろ、幸村ァ?遠慮なんかするんじゃねえ、お前を刻み込みに、来な」
挑発する言葉に強く吸うと、確かに赤い痕が刻み込まれた。
「kiss mark、ってね。口付けた証だ」
「き、消えるのでござろうか」
血色がいいと言われる自分よりもずいぶん白い肌に浮かんだ、赤い痕が燭の揺れ動く明かりにちろちろと照らされる。
唾液の跡も見えて、幸村はいまさら困った。
隠微な眺めに過ぎて、ひどく困った。
「時間がたてばな。傷が治るように消えるさ。その前に、もう一度刻みに来い」
頷くべきか断るべきか、ここから先を知らない身としては困りに困って、とりあえずもうひとつ、虫刺されめいた痕をつけた。
政宗は、どうしてか満足そうだった。
「アンタ、やっぱ最高だ」
熱に浮かされた声で、襟元に手をかける。既に幾分くつろいでいたそれを開く。
「っ、まさむ――っ、たっ、」
遠慮も何もなく、手のひらが膨らみに触れ、幸村は思わず声を上げた。
「怪我があるようには、見えないぜ?」
体を丸め胸元をかき合わせる幸村を、政宗がしぐさで呼ぶ。
「う…傷はござらんが、ここのところ勝手に傷むのでござる…さ、触らないで下され」
言う傍から政宗は手を伸ばし、それでもかなり慎重な手つきで触れた。




