羞恥も何もかもを行為でかき乱されて、痛みと涙とで訳が分からないというのに、側にいたい、と想った。
よくよく鍛えられた体は腕を伸ばすまでもなくここにあり、これ以上の側は存在しない。
ただひとつ、心の中を除いては。
よくよく鍛えられた体は腕を伸ばすまでもなくここにあり、これ以上の側は存在しない。
ただひとつ、心の中を除いては。
自分の中には、もう彼は存在する。
相手の中には、と考えるのは、なんと愛おしく、切ないことか。
相手の中には、と考えるのは、なんと愛おしく、切ないことか。
この命を賭け、生涯お仕えしよう。政宗殿。
この体温が、意外な部分で繊細な所が、片目に宿る獰猛さが、示され続ける寂しいほどの誇り高さと優しさと強靱さが、ふと現れる穏やかさが、幸村の手を伸ばさせる。
慣れない心境に押しやる。
この体温が、意外な部分で繊細な所が、片目に宿る獰猛さが、示され続ける寂しいほどの誇り高さと優しさと強靱さが、ふと現れる穏やかさが、幸村の手を伸ばさせる。
慣れない心境に押しやる。
愛しいと想うことを、今はあまり破廉恥だと思わなかった。
自然に沸き起こり、ふと気づいたせいなのか。
自然に沸き起こり、ふと気づいたせいなのか。
ただ、今はこのすさまじい痛みに身を任せることにした。
あー、と声を上げる。
かすれているのかどうか解らないが、少し喉が痛む。
やはり戦場のようだと思う。
「泣きすぎだ」
「そ、そんなに泣いて…」
羞恥に引きつると政宗の目が和んだ。
「自分でわかんねーのか?ほら」
よく絞った手巾が目元に押し付けられ、その冷たさが心地いい。
なんとなく記憶を手繰り寄せ、某、負けたのでござるな、とつぶやいた。
「当たり前だろ?…幸村」
目を布で覆ったままの頭をくしゃくしゃにかき混ぜられる。
よくがんばった、と褒めるときの手に似ている。
その腕を捕まえて抱いた。
笑う気配を肌で感じる。
「そういえば、こういうときの常套句というものが…なんでござったか…」
『旦那、痛かったらねー、』
「アンタ、知識偏りすぎだろ。常套句は知ってて何をするのかは知らないのか?」
む、と頬を膨らませた。その頬をつつかれてふと笑う。
くすぐったい。笑いながら、思い出した言葉を言った。
「下手でござる」
「っ!」
いきなり怒気が膨れ上がった。
「…幸村ァ?いー覚悟じゃねえか、…口に出せねェような事してやるぜ」
「う、うああああぁあ?いいいい痛いときにはそういっておけと!
そもそも既に口に出せぬことをされっ――」
独眼竜の目が燃えている。
「知らないで全部済むと思うなよ?」
顔が接近し、薄い唇がゆっくりと動く。
キレている。
「ぬ、確かに申し訳もなく!ならば身をもって償うことに異存はなし!
…が、もう夜は更けたでござる。ささささ、寝てしまうに限るでござる!」
「寝られるか!」
「それでも寝る!」
かすれているのかどうか解らないが、少し喉が痛む。
やはり戦場のようだと思う。
「泣きすぎだ」
「そ、そんなに泣いて…」
羞恥に引きつると政宗の目が和んだ。
「自分でわかんねーのか?ほら」
よく絞った手巾が目元に押し付けられ、その冷たさが心地いい。
なんとなく記憶を手繰り寄せ、某、負けたのでござるな、とつぶやいた。
「当たり前だろ?…幸村」
目を布で覆ったままの頭をくしゃくしゃにかき混ぜられる。
よくがんばった、と褒めるときの手に似ている。
その腕を捕まえて抱いた。
笑う気配を肌で感じる。
「そういえば、こういうときの常套句というものが…なんでござったか…」
『旦那、痛かったらねー、』
「アンタ、知識偏りすぎだろ。常套句は知ってて何をするのかは知らないのか?」
む、と頬を膨らませた。その頬をつつかれてふと笑う。
くすぐったい。笑いながら、思い出した言葉を言った。
「下手でござる」
「っ!」
いきなり怒気が膨れ上がった。
「…幸村ァ?いー覚悟じゃねえか、…口に出せねェような事してやるぜ」
「う、うああああぁあ?いいいい痛いときにはそういっておけと!
そもそも既に口に出せぬことをされっ――」
独眼竜の目が燃えている。
「知らないで全部済むと思うなよ?」
顔が接近し、薄い唇がゆっくりと動く。
キレている。
「ぬ、確かに申し訳もなく!ならば身をもって償うことに異存はなし!
…が、もう夜は更けたでござる。ささささ、寝てしまうに限るでござる!」
「寝られるか!」
「それでも寝る!」
布団の攻防はしばし続いた。




