こいつに菓子を作るのはこれで最後にしよう、この菓子も二度と作らない。
「考えてどうにもなる事ではないが、考えずには居れず、誰に相談する事も出来ず、……これは考えているのではなく、思い返しているというのか」
困惑しきった、自分を図りかねている声で我に返った。
先ほど聞いた、考え事の中身。
以前に聞いた言葉とは、何度も何度も繰り返し聞かされた、猿飛佐助の言葉だろうか。
言葉の端々から察するに、信頼しているだけでなく、親しんでいる友でもあったのだろう。
だからこそ、幸村が佐助の言葉を口にするたび微妙な心持ちになった。
自分なら、もはや以前と同じようには会えない人のことをたやすく口にしたりはしない。
口にすれば口にするほど、それは言葉になって逃げていく。
ただの思い出になって、色あせていく。
そんな気がする。
幸村がここに来たころ、細かなことで破廉恥破廉恥とうるさかった。
時間が経ち、馴染めば馴染むほどにその言葉を口にしなくなった。
経血の痛みと不安定さに、以前は宿敵であったはずの政宗に縋ってきた。
側にいて欲しいと、言葉以外の全身全てで訴えていた。
あれは気を許していない相手にしか、そうそう出ない言葉なのだろうか。
そして、日を追う事に馴染み親しんでいた配下、佐助のことを口にしなくなってきた。
かわりに、この地で得た友や体験を語るようになった。
「考えてどうにもなる事ではないが、考えずには居れず、誰に相談する事も出来ず、……これは考えているのではなく、思い返しているというのか」
困惑しきった、自分を図りかねている声で我に返った。
先ほど聞いた、考え事の中身。
以前に聞いた言葉とは、何度も何度も繰り返し聞かされた、猿飛佐助の言葉だろうか。
言葉の端々から察するに、信頼しているだけでなく、親しんでいる友でもあったのだろう。
だからこそ、幸村が佐助の言葉を口にするたび微妙な心持ちになった。
自分なら、もはや以前と同じようには会えない人のことをたやすく口にしたりはしない。
口にすれば口にするほど、それは言葉になって逃げていく。
ただの思い出になって、色あせていく。
そんな気がする。
幸村がここに来たころ、細かなことで破廉恥破廉恥とうるさかった。
時間が経ち、馴染めば馴染むほどにその言葉を口にしなくなった。
経血の痛みと不安定さに、以前は宿敵であったはずの政宗に縋ってきた。
側にいて欲しいと、言葉以外の全身全てで訴えていた。
あれは気を許していない相手にしか、そうそう出ない言葉なのだろうか。
そして、日を追う事に馴染み親しんでいた配下、佐助のことを口にしなくなってきた。
かわりに、この地で得た友や体験を語るようになった。
そうして、全てが過去へと押し流されていく。
だから、きっと政宗は懐かしく慕わしいひとの事など、口にしない。
自分以外の誰かの中にまで、過去の残像を植え付けはしない。
沈黙をどうとったのか、幸村は眉根を寄せた。
「申し訳もござらぬ。口止めをされている事ゆえ、言うわけには参らぬのでござる」
「そうか。かまわねぇよ」
幸村が手にしていた器の中身は既に飾りの紅葉だけになっていて、
問いつめられないことに安堵したのか白湯を口に含んでいた。
ふ、と溜息をつく。
「そろそろ寝ようぜ、幸村ぁ…」
「っ!」
幸村は思い切りむせて体を二つに折った。
ああそうか、そうだよな、と政宗は今更ながらに納得する。
「どうした?腹減って眠れないって言うなら、何か、粥でも用意させるぜ?」
そして助け船を出した。
頷いて、部屋を出て、戻ってこなくとも良いように。
しかし幸村は鈍かった。
「いっ、いや、そういうわけではっ……ただ、その!」
この野郎そう言う訳じゃないなら、こっちだってそういう風には扱わねえぞ、とやはり心の中だけで一人ごちる。
「なら寝ろ」
「そっ、……それがし!」
「いーから寝ろ、オレは眠い。生娘相手に二晩続けて襲うほど
オレは鬼畜でも餓えてもいねぇよ、ちょっとはCoolになんな」
布団に蹴り入れて自分も潜り込み、起きあがろうとする幸村を布団に押し戻す。
「ただし、明日からは覚悟しな。オレと寝るならもう遠慮はしない。
ヤるのが嫌なら別のとこで寝てろ」
「な、ななっ、なっ、政宗どっ……いまま、」
幸村は噛みまくっていた。
「Ha!今も前もあるか、Baby。ンなもん我慢してたに決まってるだろ?」
「が、がまん……」
幸村は呆然と繰り返した。
「……なにゆえ……」
「昨日言ったはずだ。イイ女だ、ってなぁ?一緒に寝るなら、楽しませてもらう」
隣からは緊迫した気配と硬くなった体。
息をひそめる獣のような呼吸。
目を閉じればすぐに眠る質で、その上人の腕を胸に抱き込んで眠る癖がある癖に。
寝る時に晒しを外したのは昨夜が初めてで、大して嬉しくもなかったが。
まあ、いいさ、と政宗は構わずにいた。
自分以外の誰かの中にまで、過去の残像を植え付けはしない。
沈黙をどうとったのか、幸村は眉根を寄せた。
「申し訳もござらぬ。口止めをされている事ゆえ、言うわけには参らぬのでござる」
「そうか。かまわねぇよ」
幸村が手にしていた器の中身は既に飾りの紅葉だけになっていて、
問いつめられないことに安堵したのか白湯を口に含んでいた。
ふ、と溜息をつく。
「そろそろ寝ようぜ、幸村ぁ…」
「っ!」
幸村は思い切りむせて体を二つに折った。
ああそうか、そうだよな、と政宗は今更ながらに納得する。
「どうした?腹減って眠れないって言うなら、何か、粥でも用意させるぜ?」
そして助け船を出した。
頷いて、部屋を出て、戻ってこなくとも良いように。
しかし幸村は鈍かった。
「いっ、いや、そういうわけではっ……ただ、その!」
この野郎そう言う訳じゃないなら、こっちだってそういう風には扱わねえぞ、とやはり心の中だけで一人ごちる。
「なら寝ろ」
「そっ、……それがし!」
「いーから寝ろ、オレは眠い。生娘相手に二晩続けて襲うほど
オレは鬼畜でも餓えてもいねぇよ、ちょっとはCoolになんな」
布団に蹴り入れて自分も潜り込み、起きあがろうとする幸村を布団に押し戻す。
「ただし、明日からは覚悟しな。オレと寝るならもう遠慮はしない。
ヤるのが嫌なら別のとこで寝てろ」
「な、ななっ、なっ、政宗どっ……いまま、」
幸村は噛みまくっていた。
「Ha!今も前もあるか、Baby。ンなもん我慢してたに決まってるだろ?」
「が、がまん……」
幸村は呆然と繰り返した。
「……なにゆえ……」
「昨日言ったはずだ。イイ女だ、ってなぁ?一緒に寝るなら、楽しませてもらう」
隣からは緊迫した気配と硬くなった体。
息をひそめる獣のような呼吸。
目を閉じればすぐに眠る質で、その上人の腕を胸に抱き込んで眠る癖がある癖に。
寝る時に晒しを外したのは昨夜が初めてで、大して嬉しくもなかったが。
まあ、いいさ、と政宗は構わずにいた。




