チェンジ・ロワイアル@ ウィキ
Die Verwandlung
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ある朝、グレーテ・ザムザが不穏な夢からふと覚めてみると、
自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな甲虫に変わってしまっているのに気がついた。
おおきなこうらのような背中を下にして、仰向けになって、ちょっとばかり頭をもたげると、
まるくふくらんだ、何本もの弓型のすじにわかれて丸々と膨れ上がった、自分の桃色の腹部が見えた。
昨日までの足に勝るとも劣らない、生命力に満ち溢れた脚が目の前でひらひらしている。
自分の姿が一匹の、とてつもなく大きな甲虫に変わってしまっているのに気がついた。
おおきなこうらのような背中を下にして、仰向けになって、ちょっとばかり頭をもたげると、
まるくふくらんだ、何本もの弓型のすじにわかれて丸々と膨れ上がった、自分の桃色の腹部が見えた。
昨日までの足に勝るとも劣らない、生命力に満ち溢れた脚が目の前でひらひらしている。
いったい、自分の身の上に何事が起こったのか、と彼女は考えてみた。
そして深く考えるまでもなく、二つの意味で心当たりがあるのだ。
このような体になった実例、そして、このような体になるきっかけへの心当たりがあるのだ。
そして深く考えるまでもなく、二つの意味で心当たりがあるのだ。
このような体になった実例、そして、このような体になるきっかけへの心当たりがあるのだ。
『毒虫』との生活が終わったことは当然、神に感謝すべき、喜ばしいことだと、一家三人ともがそう思っていた。
兄を称する『毒虫』が死に、シャルロッテ街を離れて希望に満ちた新生活が始まったばかりだったのだ。
先の見えない生活から解放され、訳も分からないほどの高揚感に包まれた結果として、おかしな夢を見たのだとばかり思っていた。
兄を称する『毒虫』が死に、シャルロッテ街を離れて希望に満ちた新生活が始まったばかりだったのだ。
先の見えない生活から解放され、訳も分からないほどの高揚感に包まれた結果として、おかしな夢を見たのだとばかり思っていた。
夢以外の何物でもないと思っていた。
そして夢ではなかったと思い知った。
そして夢ではなかったと思い知った。
グレーテがおぼろげながら覚えている夢の内容は、真っ暗闇の中で殺し合いをしろと命じられたこと。
そして……。
自身の姿が世にもおぞましい『害虫』に変わっていたことだった。
『キゥゥゥゥゥュュュュュ!!!!』
彼女は悲鳴を上げた。
彼女は悲鳴を上げたはずだった
それは悲鳴ではなかった。
人間の悲鳴ではなかった。
彼女は悲鳴を上げたはずだった
それは悲鳴ではなかった。
人間の悲鳴ではなかった。
そこで、彼女の意識は途切れた。
この悪夢から醒める、そう思った。
そして、悪夢は続いた。
この悪夢から醒める、そう思った。
そして、悪夢は続いた。
『あいつがグレゴールだなんてことがどうしてありうるでしょう!』
かつて、『毒虫』に吐き捨てた言葉の記憶が、今は存在すら怪しい脳にて響き渡る。
『もしあいつがグレゴールだったら、人間たちがこんな生物といっしょに暮らすことは不可能だって、とっくに見抜いていたでしょうし、
自分から進んで出ていってしまったことでしょう!』
自分から進んで出ていってしまったことでしょう!』
実の兄で、そして実の兄であるはずがない『毒虫』をにべもなく切り捨てたその言葉が、今度は自分自身に向けられるのだ。
好奇の目が、おぞましいものを見る目が、かつて自分自身が『毒虫』に向けた目が、自分自身に向けられるのだ。
人間がこんな生物と共存できるはずがないと、人間たちはグレーテを殺しに来るのだ。
好奇の目が、おぞましいものを見る目が、かつて自分自身が『毒虫』に向けた目が、自分自身に向けられるのだ。
人間がこんな生物と共存できるはずがないと、人間たちはグレーテを殺しに来るのだ。
味方となってくれる家族はいない。
いや、たとえ家族であろうとも味方となってはくれない。
それはグレーテ自身が、自分の意志を以って証明したことだ。
いや、たとえ家族であろうとも味方となってはくれない。
それはグレーテ自身が、自分の意志を以って証明したことだ。
「キィ……キュィ……」
声が出ない。人間の声が出ない。
ただ信仰にすがるべく、『あぁ、神よ……』と言葉に出したはずだ。
それなのに、口から出るのは甲高く、人とはかけ離れた音響のみ。
声が出ない。人間の声が出ない。
ただ信仰にすがるべく、『あぁ、神よ……』と言葉に出したはずだ。
それなのに、口から出るのは甲高く、人とはかけ離れた音響のみ。
当たり前だ。甲虫と人間では喉の作りが違う。
甲虫が言葉を話せるはずがない。人間のように言葉を話せるはずがない。
甲虫が言葉を話せるはずがない。人間のように言葉を話せるはずがない。
人間の指とはまるで異なる手とも足ともつかぬ、いわゆる脚をもぞもぞと動かす。
グレーテは人間である。人間であるはずだ。
だが、身体の感覚も、目に見える風景も、何もかもが異なっている。
グレーテは人間である。人間であるはずだ。
だが、身体の感覚も、目に見える風景も、何もかもが異なっている。
人間の足は胸から四本も生えていたりはしない。
人間の口は左の歯と右の歯が生えていたりはしない。
人間の目は周囲360度の風景が万華鏡のように映ったりはしない。
人間の爪は地面を抉る二本のナイフのような爪であったりはしない。
人間の肌は緑や青や桃色でバリエーション豊かに彩られていたりはしない。
人間の口は左の歯と右の歯が生えていたりはしない。
人間の目は周囲360度の風景が万華鏡のように映ったりはしない。
人間の爪は地面を抉る二本のナイフのような爪であったりはしない。
人間の肌は緑や青や桃色でバリエーション豊かに彩られていたりはしない。
目の奥がひりひりする。
腹の先がこぼれ落ちそうになる。
こんな状況で、こんな身体で、喉が乾くのが、人間と今の身体をつなぐただ一つの共通点だと、そう思ってしまうほどにグレーテは憔悴していた。
ひりつくほどの渇きをいやすために、いつの間にか持っていた丈夫なデイパックを開かんとこころみた。
脚のツメが繊維に引っかかり、びりびりとデイパックの一部を破ることになったが、なんとか袋の口をひらくことに成功した。
腹の先がこぼれ落ちそうになる。
こんな状況で、こんな身体で、喉が乾くのが、人間と今の身体をつなぐただ一つの共通点だと、そう思ってしまうほどにグレーテは憔悴していた。
ひりつくほどの渇きをいやすために、いつの間にか持っていた丈夫なデイパックを開かんとこころみた。
脚のツメが繊維に引っかかり、びりびりとデイパックの一部を破ることになったが、なんとか袋の口をひらくことに成功した。
見慣れない容器に入った水と、見慣れない食料だ。
ドイツ帝国陸軍の最前線あたりで利用されている糧食だろうか。
明らかに庶民では手の出せない高級な携帯食だと分かる。
ドイツ帝国陸軍の最前線あたりで利用されている糧食だろうか。
明らかに庶民では手の出せない高級な携帯食だと分かる。
だが、嫌なことに、なぜか……いや、やはりというべきか。
食欲が湧かない。
おいしそうだと思わない。
食欲が湧かない。
おいしそうだと思わない。
ナポリタンと思われる太いパスタ、毎日のように食べていたポテトを揚げたもの、見慣れない白い粒の塊。
いずれも、ほとんど嫌気すらおぼえて、身体をそむけざるを得なかった。
いずれも、ほとんど嫌気すらおぼえて、身体をそむけざるを得なかった。
唯一、ソースのかかった肉だけは食欲がそそられたが、
そのことは自身が肉をむさぼって生きる怪蟲になってしまったのではないかという不安をかきたてるだけだった。
そのことは自身が肉をむさぼって生きる怪蟲になってしまったのではないかという不安をかきたてるだけだった。
食欲が湧かない。当然なのだ。
グレーテはあずかり知らぬことだが、この虫の主食は人間を含む動物の体液なのだから。
目の下に存在する口のような器官ではなく、頭部から生えた角を突き刺して血や肉汁を啜る。
そもそも食性が違うのだから、炭水化物を受け付けないのも何ら不自然なことではないのだ。
グレーテはあずかり知らぬことだが、この虫の主食は人間を含む動物の体液なのだから。
目の下に存在する口のような器官ではなく、頭部から生えた角を突き刺して血や肉汁を啜る。
そもそも食性が違うのだから、炭水化物を受け付けないのも何ら不自然なことではないのだ。
そんなことはつゆも知らないままに――仮に知っていたところで導き出す結論は変わらないものであるが――
もはやグレーテは、自身が人間のかけらもない存在と化したのだと認めざるを得なかったのだ。
もはやグレーテは、自身が人間のかけらもない存在と化したのだと認めざるを得なかったのだ。
『これは天罰なの? 神の与えたもうた試練なの? 因果なの?
それとも、私は死んで地獄に落ちたの?
電車の事故にでも巻き込まれて、何も分からないまま死んでしまったの?
そして、兄を見捨てた罰に、責め苦を負わされているの?
虫となって、ずっと苦しみ続けていたグレゴール兄さんを見捨てた罰を受けているの?』
それとも、私は死んで地獄に落ちたの?
電車の事故にでも巻き込まれて、何も分からないまま死んでしまったの?
そして、兄を見捨てた罰に、責め苦を負わされているの?
虫となって、ずっと苦しみ続けていたグレゴール兄さんを見捨てた罰を受けているの?』
もはや何が本当で、何が誤りなのかも分からない。
しかも、およそ人の考えるものではない肉体を与えられただけにとどまらず、殺し合いを求められている。
人間に見つかれば、きっと殺されてしまう。
こんなおぞましい虫が害を為さないはずがないと、駆除されてしまう。
是非はともあれ、グレーテはそう信じてしまった。
しかも、およそ人の考えるものではない肉体を与えられただけにとどまらず、殺し合いを求められている。
人間に見つかれば、きっと殺されてしまう。
こんなおぞましい虫が害を為さないはずがないと、駆除されてしまう。
是非はともあれ、グレーテはそう信じてしまった。
それとも、と、さらに嫌な予感がする。
……これから出会う者たちは人間ではないのではないかと。
同じようなおぞましい蟲か、あるいは神話に描かれるような怪物たちが、肉を啜り、血を舐め、同族を喰らう。
それこそが、この殺し合いの場ではないのか、と。
……これから出会う者たちは人間ではないのではないかと。
同じようなおぞましい蟲か、あるいは神話に描かれるような怪物たちが、肉を啜り、血を舐め、同族を喰らう。
それこそが、この殺し合いの場ではないのか、と。
この地にはどんなむごたらしい死が待ち構えているのだろうか。
この地にはどんなおぞましい怪物が放たれているのだろうか。
仮に生き残ったところで、私は私でいられるのだろうか。
この地にはどんなおぞましい怪物が放たれているのだろうか。
仮に生き残ったところで、私は私でいられるのだろうか。
何を成せばいいのかも分からないまま、グレーテはただただすべてに怯える。
もはや頭部と胸部の間にはまった首輪や、優勝者の願い事など、些細なことでしかない。
この生き地獄に呼び込まれた不条理を呪いながら、彼女は怯え続けるのだ。
もはや頭部と胸部の間にはまった首輪や、優勝者の願い事など、些細なことでしかない。
この生き地獄に呼び込まれた不条理を呪いながら、彼女は怯え続けるのだ。
【グレーテ・ザムザ@変身】
[身体]:スカラベキング@ドラゴンクエストシリーズ
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:絶望、過剰な怯え
1:ほかの生き物に怯える
[身体]:スカラベキング@ドラゴンクエストシリーズ
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:絶望、過剰な怯え
1:ほかの生き物に怯える
※スカラベキング(肉体)の情報
登場作品:DQ10、DQウォーク、スーパーライト
DQ10ステータス 系統:虫系 非アクティブモンスター
Lv:90 HP:2797 MP:98 攻:363 守:335 重:612 Ex:1602 G:12 訓:2 通ドロ:大きなこうら レアドロ:破毒のリング
行動:攻撃、しっぽ爆弾、岩石おとし、吸血、腐食液etc...
DQ10まめちしき:甲虫型モンスター界に 君臨する帝王。 巨大な岩石を落として 攻撃する 怪力の持ち主。
DQ10みやぶる :どこにいても目立ってしまう あざやかボディの彼は 甲虫界の おしゃれキング。 以前はモデルもやっていた。
DQSLまめちしき:あざやかボディが目を引く甲虫型の魔物。甲虫界のおしゃれキングとして君臨し、しっぽには爆弾を仕込んでいる過激なヤツ。
DQWまめちしき:キングの称号を持つ 甲虫型の魔物。岩石おとしで敵をつぶす 怪力の持ち主。
登場作品:DQ10、DQウォーク、スーパーライト
DQ10ステータス 系統:虫系 非アクティブモンスター
Lv:90 HP:2797 MP:98 攻:363 守:335 重:612 Ex:1602 G:12 訓:2 通ドロ:大きなこうら レアドロ:破毒のリング
行動:攻撃、しっぽ爆弾、岩石おとし、吸血、腐食液etc...
DQ10まめちしき:甲虫型モンスター界に 君臨する帝王。 巨大な岩石を落として 攻撃する 怪力の持ち主。
DQ10みやぶる :どこにいても目立ってしまう あざやかボディの彼は 甲虫界の おしゃれキング。 以前はモデルもやっていた。
DQSLまめちしき:あざやかボディが目を引く甲虫型の魔物。甲虫界のおしゃれキングとして君臨し、しっぽには爆弾を仕込んでいる過激なヤツ。
DQWまめちしき:キングの称号を持つ 甲虫型の魔物。岩石おとしで敵をつぶす 怪力の持ち主。
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